夏休み中の中学生を自宅に連れ込み逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説します。

参考事件
北海道札幌市で一人暮らしをしているAさんは、SNSで知り合った15歳の中学生が、家出中で行くところがないと知り、その中学生を自宅に招き入れて泊めていました。
そうしたところ、ある日の朝、札幌方面中央警察署の警察官が自宅を訪ねてきて高校生を保護し、Aさんは未成年者誘拐罪で逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)
どうして逮捕されるの?
今回の参考事件は、テレビのニュースなどでよく耳にする事件ですが、こういった事件を聞いた時に「家出した子が同意して自宅に来たのに、どうして逮捕されるの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
しかし相手の同意のあるなしにかかわらず、家出中の16歳の高校生(未成年)を自宅に泊めると警察に逮捕される可能性が非常に高いといえるでしょう。
何の罪になるの?
未成年者略取罪や未成年者誘拐罪となる可能性が高いでしょう。
これらの罪は刑法224条で規定されています。
刑法224条(出典/e-GOV法令検索)には「未成年者を略取し、又は誘拐した者は、3月以上7年以下の懲役に処する。」と明記されています。
「略取罪」と「誘拐罪」の意義
略取や誘拐は、被拐取者をその本来の生活環境から離脱させて自己又は第三者の実力支配内に移すことを内容にとする犯罪で、自由に対する罪の一種です。
「略取罪」と「誘拐罪」の違い
まず「略取」とは、他人の意思に反して現在の生活環境から離脱させて、自己又は第三者の支配下に移すことです。
「誘拐」は、他人を自己又は第三者の支配下に移す手段が、欺罔又は誘惑であるという点が異なるだけで、他はすべて「略取」と同じです。
未成年者略取罪の保護法益は、被拐取者(略取・誘拐された未成年)の自由権と監護者の監護権とされています。
そのため、たとえ被拐取者の同意があったとしても、監護者の同意がなければ監護権を侵害したとして同罪が成立することになります。
また、中学生を泊めただけでなく、性行為などもしてしまうケースもあります。
この場合も、相手の同意があったとしても、青少年保護育成条例や、児童福祉法違反などの罪にあたる可能性があります。
北海道青少年育成条例では、「第38条 何人も、青少年に対し、淫行又はわいせつな行為をしてはならない。2 何人も、青少年にわいせつな行為をさせてはならない。」とされています。
これに違反した場合は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金となります。
まずは弁護士を派遣
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、北海道内の警察に逮捕されてしまった方のもとに弁護士を派遣する初回接見サービスを提供しております。
少しでも刑事処分を軽いものにするためには、できるだけ早い段階で弁護士に依頼することをおすすめします。
初回接見サービスをご希望の方はフリーダイヤル0120-631-881までお気軽にお問い合わせください。