(架空の事件を用いて検討)北海道岩見沢市で万引き事件を起こしたつもりが裁判員裁判に?

(架空の事件を用いて検討)北海道岩見沢市で万引き事件を起こしたつもりが裁判員裁判に?

万引き事件が裁判員裁判に発展する可能性について、北海道岩見沢市で発生したとする架空の事例を踏まえて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が検討します。

【ケース】

北海道岩見沢市在住のAさんは、いわゆる主婦として生活しています。
事件当日、Aさんは岩見沢市内のスーパーマーケットにて、生鮮食品3点(2,103円)分を精算することなく自身のマイバッグに入れて持ち出すいわゆる万引き行為をしました。
Aさんの行動を目撃していたスーパーマーケットの私服警備員Vさんが店先でAさんに声掛けし、バックヤードに来るよう伝えたところ、Aさんは逃走を図ろうとしました。
その際、AさんはVさんに腕を掴まれ、パニックになったAさんはVさんの腕を引き離そうと振りほどきマイバッグをVさんの顔付近で振り回しました。

数時間後、Aさんは事後強盗で緊急逮捕されました。

なお、その後Vさんが病院に行った結果、Vさんはバッグが顔に当たったことによる擦過傷と、転倒した際に手を着いたことによる脱臼により加療3週間と診断されました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【万引きによる事後強盗罪】

まず、小売店で陳列された商品を窃取するいわゆる万引きは、窃盗罪に問われます。
条文は以下のとおりです。

刑法235条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

次に、人に対して暴行を加え怪我を負わせた場合に問題となる傷害罪については以下のとおりです。

刑法204条 人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

しかし、今回のケースのAさんのように、万引きをして止めようとした店員や警備員などに対して逃走のために暴行を加えた場合、事後強盗罪の適用が考えられます。

(事後強盗罪)
刑法238条 窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。
(強盗罪)
刑法236条1項 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。

事後強盗罪の場合は強盗の罪として論ずるとされていることから、事後強盗罪で起訴された場合には罰金刑はなく、5年以上(20年以下)の懲役刑が科せられます。

【強盗致傷罪の場合は裁判員裁判に】

更に重大な問題として、今回の暴行の被害者である私服警備員Vさんは、Aさんの暴行の結果大怪我を負いました。
強盗の結果被害者が怪我をした場合には強盗致傷罪に問われることから、Aさんの事後強盗の結果被害者が負傷した場合には、事後強盗致傷罪が適用されます。
条文は以下の通りです。

(強盗致死傷罪)
刑法240条 強盗が、人を負傷させたときは無期又は6年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。

条文をみると、罰条については
強盗致傷罪:無期懲役/6年以上(20年以下)の有期懲役
強盗致死罪:死刑/無期懲役

と定められています。

そして、「死刑又は無期の懲役・禁錮に当たる罪に係る事件及び法定合議事件(死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役・禁錮に当たる罪)であって故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪に係る事件」の場合には裁判員裁判に付されると定められています。
今回のAさんが事後強盗致傷罪で起訴された場合、「…無期の懲役…に当たる罪に係る事件」に該当するため、裁判員裁判になります。

裁判員裁判は、司法試験に合格し司法修習を受けた法曹実務家だけでなく、一般の方も有罪・無罪の判断や有罪の場合の刑事罰を決めることになるため、弁護士は公判期日(集中審議)の前段階で入念な準備が必要になります。
裁判員裁判の対象事件で起訴される可能性がある方は、早期に刑事事件・少年事件を専門とする弁護士に弁護を依頼することをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士所です。
北海道岩見沢市にて、家族が万引きによる事後強盗罪・事後強盗致傷罪で逮捕された場合、すぐに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士による初回接見サービス(有料)をご利用ください。

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