【事例解説】交際関係のトラブルから刑事事件に(前編)

交際関係のトラブルから刑事事件になってしまった架空の事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説します。

事例 

札幌市内の大学に通うAは、同じ大学に通う恋人V(21歳)との情事の際、Vの裸の姿を何度か盗撮していました。ある日、AとVは喧嘩別れのようになり、しかし未だVのことが忘れられないAは、Vに対し、「もう一度会おう。会ってくれないと写真をばらまくかも」だとか「ヨリをもどしくれないと共通の知人に写真や動画を見せる」などというLINEを送りました。 
Aさんから上記のメッセージを受け取ったVさんは恐怖を感じて警察に相談することにしました。 
後日、Aさんは厚別警察署から呼び出しを受け、不安になったAさんは弁護士に相談することにしました。

(フィクションです)

事例の行為は何罪が成立し得る?

Aの上記行為は様々な法律に抵触する可能性があります。

まず、「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律」は、正当な理由もなく人の「性的姿態等を撮影する行為を罰しています(同2条1項)。

 ここでいう「性的姿態等」とは、
人の性的な部位(性器やその周辺部、胸部など)、又は性的な部位を覆っている下着の部分や、
わいせつな行為又は性交等がされている間における人の姿態
などが当てはまります。
今回、AはVの「胸部」を含めた裸の姿などを同意なく盗撮しており、これは上記の撮影行為に該当し得る行為といえます。
性的姿態等撮影罪の罰則は、「3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金」とされています。

 また、今後、撮影行為により生成された「性的影像記録」を、LINEなどの媒体を使って共通の知人に「提供」した場合は、性的映像記録提供罪として「3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金」に処される可能性があります(同3条1項)。
 共通の知人に限らず、多数の在籍するLINEのグループや、不特定多数が閲覧可能なSNSなどに上記の記録を「送信」した場合は、さらに罪が重くなり、「5年以下の拘禁刑若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」とされています(同3条2項)。

 加えて、「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」(いわゆるリベンジポルノ防止法)3条1項・2項も、同様の記録の「提供」及び「公然と陳列」する行為を罰しています。こちらは「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」とされています。

 他にも、「ストーカー行為等の規制等に関する法律」は、「つきまとい等」の「ストーカー行為」を規制しており、これにも該当する可能性があります。
 具体的には、「特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的」で、「名誉」や「性的羞恥心」を害する電磁的記録などを他人が知り得る状態に置くことを繰り返す行為です(同2条1項7号・8号)。この場合の罰則は「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」となっています。

まずは弁護士に相談を

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、豊富な刑事弁護の経験がある法律事務所です。
交際関係のトラブルから生じる刑事事件についても対応している実績が多数あります。
なるべく早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部へご相談ください。
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