痴漢をして線路に逃走した後に不同意わいせつと威力業務妨害の容疑で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事例
札幌市在住の会社員のAさんは、通勤時の混雑した電車内で前に立っていた女性のスカート内に手を入れてお尻を触る等の痴漢行為をしました。
次の駅についた際に、女性に手をつかまれて声を上げられたため、Aさんは電車のドアが開いたタイミングで逃走しました。
周囲の乗客の数名にAさんは追いかけられたため、逃げ切るために線路内に逃走しました。
最終的に、Aさんは駅員と警察に取り押さえられ、不同意わいせつと威力業務妨害の容疑で逮捕されました。
Aさんが逮捕されたことをニュースで知ったAさんの妻は、弁護士に相談して初回接見に行ってもらうことにしました。
(フィクションです。)
痴漢は何罪が成立する?
今回の事例は、通勤時に電車内でAさんが女性のスカート内に手を入れてお尻で触るという痴漢行為をしたというケースですが、このような痴漢行為は各都道府県が定める迷惑行為防止条例違反または、不同意わいせつ罪になる可能性があると考えられます。
まず、迷惑行為防止条例違反とは、各都道府県が制定する迷惑行為防止条例に違反する罪で、北海道迷惑行為防止条例では、「正当な理由なく、公共の場所又は公共の乗物にいる者に対し、著しく羞恥させ、又は不安を覚えさせるような方法で衣服等の上から、又は直接身体に触れる」というような痴漢行為が処罰されます。
次に、不同意わいせつ罪とは、刑法176条(出典/e-GOV法令検索)に定められており、同176条所定の事由により、「同意しない意思を形成、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした」という犯罪です。また、その刑罰として「六月以上十年以下の拘禁刑」が定められています。
今回の事件は被害者のスカート内に手を入れてお尻を直接触るという痴漢行為であり、軽微な痴漢とは言えないため、不同意わいせつが成立する可能性が高いでしょう。
(次回は、威力業務妨害罪について解説します。)
まずは弁護士に相談を
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、痴漢事件を含む豊富な刑事弁護の経験がある法律事務所です。
逮捕などの身体拘束からの解放や示談成立による不起訴処分を獲得している実績が多数あります。
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