【事例解説】風俗店でサービスを受けている様子を盗撮してトラブルに(後編)

風俗店での盗撮事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説します。

盗撮カメラ

事例

Aは、北海道札幌市ススキノにある店舗型風俗店を利用し、スタッフのVから性的サービスを受けている間、こっそりとその様子を盗撮していました。
Aの挙動を不審に思ったVがカメラの存在に気づき警察署に被害届を出すと言っています。
(フィクションです)

性的姿態等撮影罪以外の犯罪

前編では、風俗店での盗撮行為に、性的姿態等撮影罪や都道府県の迷惑防止条例が成立する可能性があることを解説しました。

この後編では他に成立する可能性のある犯罪について解説します。

まずは建造物侵入罪刑法130条)に当たる可能性があります。

正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の拘禁刑又は10万円以下の罰金に処する。」と定められています。

はじめから店舗内で盗撮をする目的で店に入った場合、「正当な理由がないのに」、「人の看守する建造物に侵入」したとみなされ、犯罪が成立する可能性があります。

次に、店への営業妨害が成立する余地もあるかもしれません。
 
刑法233条が定める偽計業務妨害罪は、偽計を用いて人の業務を妨害した場合に成立する犯罪です。
偽計業務妨害罪において、「偽計」とは、「人を欺罔・誘惑する行為や人の錯誤や不知を利用する行為」を広く含むと理解されています。

刑法234条に定められている威力業務妨害罪は、威力を用いて人の業務を妨害する罪です。
威力」とは、人の意思を制圧するに足る勢力のことをいい、暴行・脅迫に至らないものでも威力に当たります

店の客から盗撮されたり、執拗な嫌がらせを受け、精神的なダメージを負ったことで店を辞めるスタッフも存在するでしょう。Aが、もしそのようになってスタッフが辞めることになっても構わないと認識したうえで盗撮を行っていた場合、スタッフが突然辞めることで損害を受け得る店に対して、偽計又は威力業務妨害罪が成立する余地があるかもしれません

 また、軽犯罪法第31号は、「他人の業務に対して悪戯などでこれを妨害」する行為を禁止し、刑法の業務妨害罪や公務執行妨害罪を補充する規定となっています。
悪戯」とは、一般的な戯れで、それほど悪意のないものをいい、悪ふざけのことです。
など」とあるのは、他人の業務の妨害となり得る一切の行為を含んでいることを示しています。
こちらが成立した場合の罰則は、拘留または科料です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
性的姿態等撮影罪などでご家族が警察に逮捕されてしまった方や、過去の盗撮行為でご不安なことがある方やご心配なことがある方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部までご連絡ください。
逮捕され身体拘束されている場合には、最短当日に弁護士を警察署まで派遣する「初回接見サービス」(有料)をご提供しています。
まずは、24時間365日受付中の弊所フリーダイヤル(0120-631-881)までご相談ください。

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