犯人隠避罪で逮捕

札幌市の犯人隠避事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事件】

北海道札幌市手稲区に住むAさんは、先輩のBさんに車を貸したところ、後日、Aさんの元に警察から、「あなたの車が信号無視をしているが、心当たりはないか。」と電話がありました。その連絡を受けたAさんは、Bさんが信号無視をしたと思い、お世話になっている先輩だから、自分が信号無視をしたことにしようとして、警察に出頭し、いわゆる反則切符を切られました。ところが、その後の捜査によって、実際にAさんの車を運転していたのはBさんであることが知られ、Aさんは札幌方面手稲警察署犯人隠避罪で逮捕されてしまいました。

◇犯人蔵匿・隠避罪とは◇

犯人蔵匿・隠避罪は、罰金以上の刑に当たる罪を犯した者又は拘禁中に逃走した者を蔵匿し、又は隠避させることにより成立します。
罰金以上の刑に当たる罪とは、法定刑として罰金以上の刑が規定されている罪のことです。
また、「罪を犯した者」とは、正犯者、共犯者をした者を問わず、それぞれ該当する罪の法定刑が罰金以上であれば、すべて含まれます。
蔵匿とは、警察官の発見、逮捕を免れるべき隠匿場所を提供してかくまうことをいい、隠避とは、蔵匿以外の方法によって、警察官の発見、逮捕を免れさせる一切の行為をいい、その手段・方法に制限はありません。
  ◇犯人の身代わりとして捜査機関に出頭する行為が隠避に当たるとした判例◇
  ・真犯人の検挙前に出頭する行為
  ・真犯人が別件で検挙取調べを受けているときに出頭する行為
  ・真犯人が既に当該事件で逮捕、勾留されているときに出頭する行為

◇交通違反の身代わり出頭◇

ところで、交通反則通告制度は、道路交通法違反の罪について、道路交通法上の罰則はあるものの、一定の違反行為に対しては刑罰に先行して行政上の措置によって、これを簡易迅速に処理しようとするものです。反則金の納付を通告し、その通告を受けた反則者が反則金を納付した場合には、その反則行為に係る事件について公訴が提起されなくなりますが、期間内に反則金を納付しない場合には刑事訴訟手続が進行します。
信号無視は交通反則通告制度の対象となるものですが、道路交通法第7条、同法第4条1項、同法第119条第1項第1項の2により、故意の場合は3月以下の懲役又は5万円以下の罰金、過失の場合でも同法第119条第2項により10万円以下の罰金と定められています。このことから、信号無視を行った違反者は「罰金以上の刑に当たる罪を犯した者」に当たります。
そして、事例のケースのように犯人の身代わりとして捜査機関に出頭する行為は、蔵匿以外の方法により警察官の発見、逮捕を免れる行為として「隠避」に当たります。
以上より、信号無視を犯した者の代わりに出頭したAさんの行為は犯人隠避罪に当たるのです。

◇犯人隠避罪の弁護活動◇

被疑者が逮捕されたことによる経済的な不利益や、体調面、社会的制裁などを事細かに上申書にまとめ、それを検察官などに提出し、身柄解放を行うための弁護活動を進めます。
また、被疑者の方に謝罪文や反省文を作成してもらい、検察官や裁判官にその書面を提出することで、きちんと反省している姿勢をアピールしていきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件専門の法律事務所です。
弊所は、これまでに、犯人隠避罪を含む様々な刑事事件において、勾留阻止、身柄解放の多数の実績がありますので、ぜひご相談くださいませ。
刑事事件専門で実力を培われた弁護士による多様な弁護活動をご用意しております。
北海道札幌市手稲区犯人隠避罪など刑事事件に関する相談を含め刑事事件に強い弁護士をお探しの方、ご家族、ご友人が逮捕された方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご連絡ください。
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