商標法違反事件で逮捕

北海道岩見沢市の商標法違反事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事件】

北海道岩見沢市在住のAさんは、知人から頼まれ、有名ブランド品の偽物をリサイクルショップに売りに行きました。そのリサイクルショップの店員は、偽物の可能性があることから北海道岩見沢警察署に通報し、Aさんは商標法違反の疑いで逮捕されてしまいました。
Aさんは、知人から偽物だとは知らされておらず、本物だと思っていました。
(フィクションです。)

~商標権~

コピー商品や偽ブランド品に関する事件を目にすることは最近でも多いと思います。
では、コピー商品を売ることが何の犯罪となるのでしょうか。
まず、コピー商品を本物だと偽って販売すれば、詐欺罪になる可能性があります。
購入者自身は「この商品は本物のブランド品だ」と思っているのですから、購入したからといって、何らかの犯罪が成立することはありません。

さらに、商標権を侵害することによって商標法違反となる可能性が非常に高いです。
商標とは、業として商品の生産等をする者が、その商品に使用するマークや音などのことです。
要するに、いわゆるロゴマークのことです。
商標は登録することで商標権が発生します。

商標権とは、知的財産権の一種であり、指定の商品または指定の役務について、登録を受けた商標を独占的に使用できる排他的な権利のことをいいます。
そして、商標法とは、商標を使用する者に対して、その商標を独占的に使用することを認めて、業務上の信用が維持されること、および消費者の利益を保護することを目的としています。
簡単に言えば、商標権によってブランドを保護することで、ブランド品を扱うメーカーの信用を保護し、それを信用してブランド品を購入した消費者の利益も保護することを目的としています。

この場合、法定刑は10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金又は併科です。
しかも、商標権侵害商品を販売した罪と、販売するために所持した罪とは別々の犯罪となります。
なので、Aさんの場合も2つの犯罪が成立してしまう可能性があり、さらに刑が重くなってしまう可能性もあるのです。

~故意を否認~

商標法違反を立件するにあたり、故意が必要になります。
商標法違反では、犯罪事実として、 商標権を侵害している偽物の商品であるが、これを売ったという文言は記載されません。
偽物と分かっていながら売却した事実について、商標権者とは別の業者が勝手に作った商品であることを知りながら入手し、売却したと法的解釈し、事実が認定されます。

今回の事例のように、本物と思って売っていれば、客観的に偽物であったとしても故意はないこととなり、結果責任を問われないことが多くあります。
しかし、捜査機関は、故意の事実認定のため、客観的な証拠、例えば、偽物の仕入れ先とのメールなどのやり取りで、偽物と知る事象があったり、偽物商品が見るからに粗悪品であり、一見して偽物と分かったりすれば、故意を否認していても、客観的に故意が認定される可能性があります。
反対に、仕入先から本物と説明されていたり、本物と区別がつかない位に偽物の完成度が高いなどといった場合は、行為者にとって、故意を否認する有利な証拠となるでしょう。

故意が認定されなければ、処分について、不起訴処分保留が見込めますし、刑事事件に詳しい弁護士に、早めにご相談することをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所ではこれまでに、商標法違反を含む様々な刑事事件において、勾留阻止、身柄解放の多数の実績がありますので、ぜひご相談くださいませ。
商標法違反の疑いがかけられた場合、捜査機関は自宅や関係先を家宅捜索する可能性が高いです。
また商標法違反で逮捕、勾留された場合、入手経路等を捜査するため、10日間の勾留後、さらに10日間延長され、最大20日間勾留が続く可能性もあります。

北海道岩見沢市商標法違反に関する相談を含め刑事事件に強い弁護士をお探しの方、ご家族、ご友人が商標法違反で逮捕された方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

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