北海道内で酒に酔ってタクシー車内でトラブルになったという報道事例について刑事弁護を専門とする弁護士が解説
年末年始にお酒を飲む機会が多くなりますが、酔って他人の物を攻撃して壊してしまい、逮捕されてしまう人がいます。
ニュースでも、器物損壊罪で逮捕された人の記事が掲載されております。
ニュース※以下の記事は一部修正されております。
「「酔っぱらいがいる」タクシー車内でトラブル、防護板を蹴って壊した男「行き先になかなかたどり着かず、腹が立った」
タクシーの車内の防護板を蹴って壊したとして、男が逮捕されました。
器物損壊の疑いで逮捕されたのは、自称会社員の男です。
男は、午前2時ごろ、走行中のタクシーの車内で、運転席と後部座席との間にあるアクリル板を足で蹴って、金具を変形させて、壊した疑いが持たれています。
運転手が会社を通じ、警察に「酔っぱらいがいる」などと通報し、駆け付けた警察が、男をその場で逮捕しました。
警察によりますと、男は酒を飲んでいて、1人で乗車していました。
取り調べに対し、男は「行き先になかなかたどり着かず、腹が立って蹴った」と話し、容疑を認めているということです。
警察は、当時の詳しい状況を調べています。」
「酒に酔って他人の車のドアを殴り…へこませた疑いで男を逮捕 「覚えていない」
止めてあった他人の車を殴るなどしドアをへこませたとして、器物損壊の疑いで、容疑者の男を現行犯逮捕した。調べに対して「覚えていない」と容疑を否認しているという。
逮捕容疑は午前8時ごろ、民家敷地内に止めてあった住民男性が所有する車のドアを殴るなどし、へこませた疑い。容疑者は酒に酔っていたとみられる。」
「酔っぱらった男ら2人 花壇の植木を次々と引き抜き、器物損壊の疑いで逮捕
ビルの花壇から植木4本を引き抜いたとして、男ら2人が逮捕されました。
警察によりますと、男らがビルの1階の花壇から植木を引き抜くのをビルの関係者が見つけ、注意したところ2人が逃走したということです。
2人はおよそ2時間後に付近にいたところを見つかり逮捕されました。
男らは飲食店で知り合って意気投合し、犯行に及んだとみられていて逮捕時は酒に酔っていたということです。
警察は2人の認否を明らかにしていません。」
今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が、器物損壊罪について解説いたします。
<器物損壊罪の成立>
他人の物を損壊したら、器物損壊罪が成立します。
対象は他人の物です。
他人は人だけでなく、会社や国や地方公共団体等も含まれます。
共有にある物も、他の共有者の物として他人の物となります。
自己の物であっても、差押えを受け、物権を負担し、賃貸し、又は配偶者居住権が設定されたものは、器物損壊罪の対象となります。
物は、財産権の目的となる一切の物件をいいます。
違法な物も、他人の物である限り対象となります。
他人の物が付着した場合、その付着物に独自の価値が認められれば、対象となります。
損壊とは、物質的に物の全部・一部を害し、又は、物の本来の効用を失わしめる行為をいいます。
物質的な損壊は、物の一部分でも認められます。
効用を害したかどうかは、物の性質から総合的に判断されることになります。
事実上若しくは感情上、器物を再び本来の目的の用に供することができない状態にさせる場合を含み、営業上来客の飲食の用に供すべき器物に放尿する行為は、損壊となります。
物を隠す行為も含まれます。
損害額は、修理費用とされるのが一般的です。
原状回復のために新品を用意する必要があれば、その取得価額が損害額とされます。
故意として、対象が他人の物であること、行為により他人の物を損壊すること、の認識が必要となります。
本罪は親告罪であり、被害者の告訴がなければ検察官は公訴・起訴することはできません。
<器物損壊罪を行ってしまったら>
器物損壊罪を行ってしまったら、逮捕されて身体拘束される可能性があります。
状況次第で、逮捕に引き続き勾留されて、身体拘束が長引くこともあります。
会社や学校に行くことができず、ばれて解雇や退学になってしまうかもしれません。
留置場で寝泊まりするのは肉体的・精神的に大きな負担となります。
早期に弁護士を付けて、釈放活動を検討します。
家族に身元引受人になってもらい、事件現場や事件関係者・被害者に近づかないことを誓い、証拠隠滅や逃亡のおそれがないことを主張していくことになります。
そしてなにより、示談活動が非常に重要となります。
財産犯なので、被害回復がなされたかが刑事処分に大きく影響します。
被害者が示談により告訴を取り下げたら、検察官は起訴をすることができなくなります。
弁護士が早期に被害者に接触し、謝罪して被害弁償の交渉をすることになります。
お金だけでなく、二度と近づかない等の条件も話し合って取り決めることになります。
また、実際には器物損壊行為をしていないにも関わらず、犯人だと決めつけられ、警察から捜査をされることもあります。
警察は密室の取調室で、圧力をかけ、誘導して、こちらに不利な内容の供述調書を作成しようとしてくることがあります。
犯行を否定しているにも関わらず、警察は睨んだりして威圧的で責めるような態度をして、犯行を認めさせるように圧力をかけてくることがあります。
長時間の取調べで、犯行を一方的に決めつけ、何度もしつこく犯行を認めるように言ってくることがあります。
何を話しても、嘘だ、嘘つきだ、本当のことを言え、と警察から何度も言われ、相手にしてもらえないこともあります。
もう証拠はそろっているから否定しても無駄だ、認めないで反省していないのであれば罪が重くなる、被害者に申し訳ないと思わないのか、家族や職場に知られたくないだろう、などと言って脅してくることが珍しくありません。
このような取調べに屈して、犯行を認める調書にサインさせられたケースもあります。
早期に弁護士に依頼し、毅然とした対応をすることが必要になります。
状況次第では黙秘し、徹底的に対抗しなければなりません。
不起訴や裁判での無罪を目指すことになります。
きちんとした対応をしないと、取り返しの付かないことになりかねません。
<すぐにご相談ください>
事件が発生したら、なるべく早く弁護士に相談してください。
刑事事件ではスピードが重要になります。
すぐに弁護士に連絡し、相談して依頼しましょう。
対応が遅れると、取り返しの付かない状況になってしまうかもしれません。
逮捕された場合、最大72時間は、たとえ家族の方でも逮捕された人との面会ができませんので、弁護士が代わりに連絡を取らなければなりません。
逮捕・勾留は最長で23日間、身体が拘束されますが、その間に検察官が起訴をするかどうかを判断します。
検察官が起訴の判断をする前に、示談を成立させなければなりません。
非常に限られた時間で活動しなければならず、急がなければなりません。
また、違法・不当な取調べが行われ、不利な内容の調書が作成されてしまうかもしれません。
弁護士を付けて、違法・不当な取調べに毅然と対抗する必要があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事を専門とする弁護士が迅速に対応いたしますので、お気軽にお電話ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、刑事事件に関するご相談を初回無料で承っております。
器物損壊罪等についての無料法律相談のご予約は
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