【事例解説】高級焼肉店に侵入してオーナーからレジ金を奪い取った男を強盗罪で逮捕(前編)

高級焼肉店に侵入してオーナーからレジ金を奪い取った男が強盗罪で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

・事件概要

白石警察署は、札幌市内の配送会社に勤務する男(30)を強盗罪の疑いで逮捕しました。男は、夜間営業を終えた高級焼肉店に侵入し、レジに入っていた売上金を奪い取った疑いが持たれています。
事件当夜、焼肉店のオーナーが閉店後の片付けをしていたところ、男が店に押し入り、「レジを開けて金を出せ」と言いながら持ち込んだナイフをオーナーに突きつけました。
男は取り調べに対し、「ギャンブルで負けて借金がかさんでしまい、どうしてもお金が必要だった」と容疑を認めています。
(フィクションです。)

強盗罪について

刑法236条1項(出典e-GOV法令検索)

暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期懲役に処する

本件で男は強盗罪の疑いで逮捕されています。
強盗罪とは、拳銃などの凶器を使うなどして、被害者が抵抗できない状態にした上で無理矢理財産を奪い取る犯罪です。

本件の男は、夜間営業が終わり店内にオーナーしかいない状態の高級焼肉店に侵入し、ナイフを突きつけたようです。
ナイフで刺されるようなことがあれば、被害者が死亡したり怪我をしたりといったことが発生しやすいと言えますから、強盗罪は、とても危険で悪質な犯罪と言えます。
強盗罪の法定刑が5年以上の有期懲役と非常に重たいのも、単に人の財産に対する侵害行為にとどまらず人の生命・身体・自由に対する侵害行為という側面も有する犯罪であるためです。

・手段としての「暴行又は脅迫」
強盗罪の場合、暴行・脅迫は財物を無理やり奪い取る手段として規定されていますから、本罪における暴行とは、反抗を抑圧するに足りる程度の不法な有形力の行使を意味し、脅迫とは、反抗を抑圧するに足りる程度の害悪の告知を言います。
また、反抗を抑圧するに足りる程度とは、簡単にいうと、抵抗することが困難な程度のことをいいます。

この判断は、暴行又は脅迫の態様、行為者及び被害者の状況、日時や場所などを総合考慮して判断されますが、特に重視されるのは、暴行又は脅迫の態様です。
例えば、拳銃やナイフなどの人を殺めたり怪我させたりする危険性の強い凶器を使用した場合には、社会通念上一般に被害者の反抗を抑圧するに足りる程度の暴行又は脅迫と判断される可能性が高くなります。

本件では、容疑者の男は、レジ金(財物)を奪い取るために、ナイフを高級焼肉店のオーナーに対して突きつけたようです。
焼肉店のオーナーが男性であったとしても、刺されれば命に関わる怪我を負う可能性が非常に高いナイフを成人男性から突きつけられれば、反抗するのは難しいと言えると思われます
したがって、男のナイフを突きつける行為は、反抗を抑圧するに足りる程度の有形力の行使、すなわち強盗罪における暴行にあたりそうです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、強盗事件を含む豊富な刑事弁護の経験を持つ法律事務所です。
示談交渉を数多く成立させてきた弊所の弁護士が交渉を行うことで、下される量刑を減軽させたり、執行猶予付判決を得たりすることができる可能性があります。
できるだけ早い段階で一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌にご相談ください。逮捕された方への弁護士の派遣、無料法律相談のご予約は0120-631-881にて受け付けております。

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