【事例解説】突然、ひき逃げの容疑で警察から取調べを受けることに(前編)

過失運転致傷が成立する可能性のある、ひき逃げの事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説します。

事例

北海道釧路市に住むAの家に、ある日突然、釧路警察署の者だといって、警察官がやってきました
2週間前の「ひき逃げ」と「過失運転致傷」の事件の捜査で任意の取調べに協力してほしいと言われ、Aは身に覚えがなく驚いています
(フィクションです)

ひき逃げによって成立する犯罪について

まず、「過失運転致傷」についてですが、これは自動車運転処罰法に定められています。

自動車運転処罰法 第5条 過失運転致死傷罪

自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

自動車を運転するうえで必要な注意を怠り(=過失)、それによって人を死なせたり怪我をさせたりした場合に過失運転致死傷罪が成立します

次に、いわゆる「ひき逃げ」についてですが、こちらは道路交通法に、救護義務違反・警察への報告義務違反として規定されています

救護義務違反

道路交通法 第72条1項 交通事故の場合の措置

交通事故があったときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない

人身事故などの交通事故が発生した場合は、運転手や同乗者は運転を停止して負傷者の救護にあたらなければならず、さらにほかの交通事故を引き起こさないように必要な措置を講じなければなりません

これを怠ると、人身事故では「ひき逃げ」とみなされます。

人身事故を引き起こした当事者が救護義務・危険防止措置義務に違反した場合10年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられます。(道路交通法第117条第2項)
次回に続く….

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、刑事事件・少年事件を中心的に扱う法律事務所です。 
逮捕され身柄が拘束されている場合には、最短当日に弁護士を警察署まで派遣する「初回接見サービス」(有料)をご提供しています。
まずは、24時間365日受付中の弊所フリーダイヤル(0120-631-881)までご相談ください。

keyboard_arrow_up

0120631881 問い合わせバナー LINE予約はこちら