起訴されると
日本では有罪率は99%を超えているといわれています。
検察官が起訴した場合、ほとんどが有罪判決を受けてしまいます。有罪となってしまうと前科がついてしまいます。前科が付くと、弁護士や医師など一部の資格を取得することができなくなることがあります。外国人の場合は退去強制事由にもなり得ます。仮に即退去とならずとも在留資格更新の際不利益に扱われかねません。略式手続きで罰金を払った場合であっても前科には変わりません。そこで、そもそも起訴されないことが重要となります。
起訴猶予
公訴(起訴)は検察官が行います(刑事訴訟法247条)が、検察官は、犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができます(刑事訴訟法248条)。これは起訴便宜主義と呼ばれ、検察官が諸事情を考慮して起訴しないことを起訴猶予といいます。
嫌疑なし又は嫌疑不十分
検察官は条文に挙げられた事情以外も考慮します。そもそも犯罪があったとはいえない(嫌疑なし)、犯罪はあったといえるが被疑者が罪を犯したことを立証するのに十分でない(嫌疑不十分)場合も検察官は起訴をしません。
被害者の供述があっても裏付けがとれない、被疑者の故意などの主観面からみて犯罪が成立したと断言できない、など被疑者が罪を犯したとの証拠が不足している場合です。
上に挙げた有罪率の高さも、検察官が事件をふるいにかけ、嫌疑なしは無論、有罪立証の確信の持てない事件はそもそも起訴しないようにしているのが大きな要因を占めています。
「犯罪後の情況」としての示談
犯罪後の情況として被害弁償及び謝罪、いわゆる示談は、不起訴を求めるためには重要な一手となります。被害弁償と謝罪により、被害者の被害は回復されたといえるからです。さらに被害者自身から刑事処罰を求めないなどの言葉(「宥恕(ゆうじょ)文言」と言われます。)を書いてもらうということは、ほかならぬ被害者が刑事処罰を求めないということで効果は大きいです。
他にも、被害届の取下げや、告訴の取消しなどを入れることができれば、検察官の終局処分の判断に対し大きな影響を与えることができます。もっとも、これは被害者がどこまで応じるかという問題でもあり、常に宥恕文言や被害届の取下げなどまで取れるわけではありません。
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弁護士を入れると
弁護士がいれば予測される証拠を精査し、検察官に対して犯罪の嫌疑はない、あるいは嫌疑が不十分であることを訴え、不起訴を獲得できます。また、被疑者が逮捕勾留されていても被害者と示談交渉をして示談を取り付け、刑罰を科すほどではないとして不起訴を獲得することができます。