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【事例解説】酒酔い状態で痴漢した事例
酒酔い状態で痴漢した事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説します。

【事例】
札幌市の会社に勤めるAさんは、会社の忘年会帰りの電車にて、隣に座っていた女性Vさんの太ももなどを触りました。そうしたところ、Vさんが車掌に被害を訴えたため、Aさんは停車駅で取り押さえられ、車掌の通報によって駆け付けた警察によって逮捕されることになりました。
翌日、帰りの遅いAさんを心配したAさんの妻が警察に相談したところ、警察から「詳細は言えないが、Aさんは逮捕されています」と伝えられたため、Aさんの妻は、弁護士に初回接見を依頼しました。
(フィクションです)
【痴漢をした場合は何罪に?】
忘年会・新年会シーズンを迎え、外で飲酒する機会が増える方も多いと思います。ですが、お酒を飲みすぎた状態で理性を失い痴漢行為をしてしまうと、刑事事件に発展し前科が付いてしまう可能性もあり、一度の過ちで人生を棒に振かねないため、注意が必要です。
今回の事例のような電車内での痴漢行為については2023年の刑法改正により新設された不同意わいせつ罪に問われる可能性が高いです。
不同意わいせつ罪とは、刑法176条に定められており、同176条所定の事由により、「同意しない意思を形成、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした」という犯罪です。また、その刑罰として「六月以上十年以下の拘禁刑」が定められています。
この罪は、これまでの強制わいせつ罪で処罰対象となっていた暴行や脅迫を用いたわいせつ行為だけでなく、被害者が行為に同意していない状況でのわいせつ行為も処罰対象としています。痴漢行為はまさしく被害者が行為に同意していない状況でのわいせつ行為の典型といえるため、今回の事例でも事件化した場合、不同意わいせつ罪で捜査が進む可能性が高いでしょう。
【痴漢で前科が付くことを回避するには】
今回の事例では、弁護士が初回接見に行っています。
この初回接見では、具体的には、弁護士が取り調べについてのアドバイスを行います。
逮捕中には、捜査機関から取り調べをうけ、その内容が供述調書というかたちでまとめられ、それが裁判の証拠となります。
もしも自身に不利な供述調書が作成された場合、裁判で覆すことは非常に困難といえます。それゆえにそのような供述調書が作成されないように、取り調べに対してどのように対応するかを考えておく必要があります。
もっとも、どのような供述をすればよいかの判断を、法律の専門家でない方が行うことは非常に困難であるため、初回接見を利用することで弁護士からアドバイスをもらうことが得策です。
また、初回接見後に正式に弁護人として選任された場合、まずは早期の身体解放を目指します。逮捕は、最長72時間の時間制限があり、その後に検察官が行う勾留請求によって裁判所が勾留決定を出せば、10日間から20日間も身体拘束が続くことになるため、もしも拘束された場合には日常生活に大きな支障が出る可能性が高いです。そこで、これを阻止するために、弁護士は、検察官や裁判官と交渉し、逮捕後の勾留を阻止するための主張を行う、勾留決定に対して準抗告を行うなど、釈放に向けた働きかけを行います。
また、その後は、被害者との間での示談交渉を行い、宥恕条項つきの示談締結を目指します。
早期に被害者との示談を成立することができれば、検察官による不起訴処分や裁判を経ても執行猶予判決を受ける可能性を高めうるといえます。
また、起訴され正式裁判となった場合であっても、被害者の方との示談が成立した場合はその事実を裁判所に主張し、これに加えて、被害弁償が済んでいること等を主張して、無罪・執行猶予判決の獲得を目指し、職を追われるリスクを少しでも軽減できるように努めます。
刑事処分の軽減のためには、迅速かつ適切な弁護活動が不可欠ですので、お困りの場合は速やかに刑事事件に強い弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が痴漢の疑いで逮捕されてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。

北海道で刑事事件や少年事件に関するお悩みをお持ちの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部をご利用ください。
当事務所は刑事事件・少年事件を取り扱う法律事務所です。刑事・少年事件の豊富な経験と専門知識を持った弁護士による充実した弁護活動を提供いたします。
刑事・少年事件に関する初回相談はすべて無料です。初回接見は、365日、夜間でも対応可能です。札幌市内に位置し、アクセスも良好です。お一人で悩まず、まずはご相談ください。
【事例解説】インターネットでの名誉毀損(後編)
インターネット上で名誉を毀損したとされる事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説します。

事件の概要
北海道札幌市に住むAは、インターネットで投資関係の情報の発信をしています。
ある日、知人から、同じ投資家界隈での有名人Vが「これまで数人の女性に対する強姦事件を起こし、それを金で無理矢理示談している」というような噂を聞いたAは、後日、「知り合いから聞いた話なんだけど、Vはレイプ魔だよ。レイプして、相手に500万とか金払ってもみ消してるらしい」などとインターネットのストリーミングで喋りました。その時には30人ほどのリスナーがいました。
その時の録音(画面録画)をあとから聞いて怒ったVは、札幌にある自宅近くの警察署に被害届を出すことを考えています。
(フィクションです。)
名誉棄損罪の構成要件について
①「公然」とは、不特定または多数の者が直接に認識できる状態のことをいいます。
今回の事件で、AのXのアカウントは公開されており、スペースでは数十人のリスナーがいたということですし、「伝播可能性」もあることから、公然性は認められる可能性が高いでしょう。
次に、②「事実を適示して」とは、文字通り、具体的な事実内容を示したことをいいます。デマであっても「事実」に該当することになります。
Aの、「Vが強姦した」や「事件をもみ消した」などの発言がそれに当たるでしょう。
③「人の名誉を毀損すること」ですが、まず、この「人」もある程度特定されている必要があります。
AはVの名前を出し、しかもその界隈では有名ということなので、聴衆の間においても特定性の要件は満たされているでしょう。
「名誉を毀損すること」とは、その人の社会的評価を低下させることです。ここで注意が必要なのは、現実にその評価が低下したか否かは関係がありません。実際にそのような立証を行うことは困難だからです。
Vが「レイプ魔」であることや、お金を払ってもみ消したことなどは、一般に社会的評価を低下させる事実といえるでしょうから、「名誉を毀損すること」に該当するでしょう。
④最後に、「違法性阻却事由がないこと」ですが、これは
1.公共の利害に関する事実に係るものであること
2.その目的が専ら公益を図ることにあったと認められること
3.真実であることの証明があったこと
と定められています(刑法230条の2)。
また、同条2項では、「公訴が提起されるに至っていない人の犯罪行為に関する事実は、公共の利害に関する事実とみなす」と定められています。
Vが過去に強姦をした、そしてもみ消した、というAが適示した事実が、つまりは、検察官により「公訴が提起されれるに至っていない人の犯罪行為に関する事実」であれば、上のみなし規定により、1.の「公共の利害に関する事実に係るものであること」という要件は満たされる可能性があります。
その上で、2.「その目的が専ら公益を図ることにあったと認められること」が満たされるか否かですが、判例によれば、主たる動機が公益目的であればよいとされています。また、事実適示の際の表現方法や事実調査の程度が、公益目的の有無の認定において考慮されるべきものとされています。
公益目的が否定された判例としては、主として読者の好奇心を満足させる目的の事案などがあります。
Aの発言はどうでしょうか。投資家界隈に注意喚起を促す意図だったと認定され、公益を図る目的があったと認定される可能性もないわけではありません。一方で、単にリスナー達の好奇心などを満足させる意図しかなかったと認定される可能性もあります。また、Aが単に噂を信じて情報の真偽を調査する姿勢があったかどうかなども判断要素となるでしょう。
上記の2要件が満たされた上で、最後に3.「真実であることの証明があったこと」ですが、これもAの側が「合理的疑いをいれない程度」の証明を行う必要があります。
Aは、知人から聞いた話だとしていますが、真実性の証明が必要なのはそのようなうわさ等の存在についてではなく、実際にその噂の内容を成す事実についてです。Vが、本当に強姦をしたり、金に物を言わせて示談させたなどの事実が実際に存在したことを証明する必要があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
名誉毀損の疑いで警察の捜査を受けられてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部まで一度ご相談ください。
法律相談のご予約・初回接見の申込は、フリーダイヤル(0120-631-881)までお電話お願いします。

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【事例解説】インターネットでの名誉毀損(前編)
インターネット上で名誉を毀損したとされる事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説します。

事件の概要
北海道札幌市に住むAは、インターネットで投資関係の情報の発信をしています。
ある日、知人から、同じ投資家界隈での有名人Vが「これまで数人の女性に対する強姦事件を起こし、それを金で無理矢理示談している」というような噂を聞いたAは、後日、「知り合いから聞いた話なんだけど、Vはレイプ魔だよ。レイプして、相手に500万とか金払ってもみ消してるらしい」などとインターネットのストリーミングで喋りました。その時には30人ほどのリスナーがいました。
その時の録音(画面録画)をあとから聞いて怒ったVは、札幌にある自宅近くの警察署に被害届を出すことを考えています。
(フィクションです。)
名誉毀損について
刑法230条は、「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。」と定めています。事実を適示するなどして、相手の社会的評価を下げる行為を、名誉毀損といいます。
今回、VがAを刑事事件で告訴するとしたら、この230条の名誉毀損罪として告訴することになるでしょう。
(ちなみに名誉毀損罪は、「親告罪」の一つであり、検察が起訴するためには被害者自身による刑事告訴が必要になります(刑法232条)。そして、親告罪の告訴は、被害者が犯人を知った日から6ヶ月以内に行う必要があります(刑事訴訟法235条)。また、公訴時効は「犯罪行為が終わったとき」から進行し、公訴時効の期間は3年となります(刑事訴訟法253条、250条2項6号)。)
名誉毀損罪が成立するための構成要件は以下の4つです。
①公然と
②事実を摘示して
③人の名誉を毀損することで
④違法性阻却事由がないこと
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名誉毀損の疑いで警察の捜査を受けられてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部まで一度ご相談ください。
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【事例解説】突然、ひき逃げの容疑で警察から取調べを受けることに(後編)
過失運転致傷が成立する可能性のある、ひき逃げの事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説します。

事例
北海道釧路市に住むAの家に、ある日突然、釧路警察署の者だといって、警察官がやってきました。
2週間前の「ひき逃げ」と「過失運転致傷」の事件の捜査で任意の取調べに協力してほしいと言われ、Aは身に覚えがなく驚いています。
(フィクションです)
ひき逃げによって成立する犯罪について
・警察への報告義務違反
(交通事故があった場合において、)当該車両等の運転者は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。
交通事故が発生した場合、軽微な物損事故でも人身事故でも、事故の事実及びその程度と講じた安全措置について、警察官への報告義務が課せられているのです。
この事故後の報告義務違反に対しては3か月以下の懲役又は5万円以下の罰金が科されます(道路交通法119条17号)。
弁護活動
今回の事例では、Aは人身事故を起こした覚えがないといいます。自己の運転によって、直接の接触がなくとも、歩行者やバイクが転倒して怪我を負うような場合がしばしばあります。Aが自覚していないだけで、ほんとうにそのような怪我を負わせた結果があったのかもしれませんし、その場合は過失運転致傷罪が成立する可能性があります。
他方で、ほんとうに事故を起こした認識がないのであれば、救護義務違反や報告義務違反について、犯罪の故意がないため、成立しない可能性があります。
過失運転致傷罪については、弁護士が間に入って被害者との示談を成立させることで、不起訴や執行猶予になる可能性をふやすことができるでしょう。
また、ひき逃げについては、犯罪の故意がないとして無罪を主張する場合、不利となる供述を避けたり、客観的証拠を確保する必要があります。こちらも弁護士が取調べに関するアドバイス等を行うことができますので、なるべく早い段階で弁護士に相談されることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、刑事事件・少年事件を中心的に扱う法律事務所です。
逮捕され身柄が拘束されている場合には、最短当日に弁護士を警察署まで派遣する「初回接見サービス」(有料)をご提供しています。
まずは、24時間365日受付中の弊所フリーダイヤル(0120-631-881)までご相談ください。

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【事例解説】突然、ひき逃げの容疑で警察から取調べを受けることに(前編)
過失運転致傷が成立する可能性のある、ひき逃げの事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説します。

事例
北海道釧路市に住むAの家に、ある日突然、釧路警察署の者だといって、警察官がやってきました。
2週間前の「ひき逃げ」と「過失運転致傷」の事件の捜査で任意の取調べに協力してほしいと言われ、Aは身に覚えがなく驚いています。
(フィクションです)
ひき逃げによって成立する犯罪について
まず、「過失運転致傷」についてですが、これは自動車運転処罰法に定められています。
自動車運転処罰法 第5条 過失運転致死傷罪
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
自動車を運転するうえで必要な注意を怠り(=過失)、それによって人を死なせたり怪我をさせたりした場合に過失運転致死傷罪が成立します。
次に、いわゆる「ひき逃げ」についてですが、こちらは道路交通法に、救護義務違反・警察への報告義務違反として規定されています。
・救護義務違反
【道路交通法 第72条1項 交通事故の場合の措置】
交通事故があったときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。
人身事故などの交通事故が発生した場合は、運転手や同乗者は運転を停止して負傷者の救護にあたらなければならず、さらにほかの交通事故を引き起こさないように必要な措置を講じなければなりません。
これを怠ると、人身事故では「ひき逃げ」とみなされます。
人身事故を引き起こした当事者が救護義務・危険防止措置義務に違反した場合、10年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられます。(道路交通法第117条第2項)
次回に続く….
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【事例解説】トイレに置き忘れられたカバンを盗んだとして逮捕(後編)
トイレに置き忘れられたカバンを盗んだ事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説します。

【事例】
札幌市内に住む大学生のAさんは、名古屋市内の商業施設内のトイレに置き忘れられていたカバンを盗みました。
その5分後、カバンの持ち主であるBさんはカバンを置き忘れたことに気付き、トイレに戻りましたが、その時にはすでにかばんは無くなっていました。そこでBさんが被害届を出し、警察が捜査を進めたところ、商業施設内の防犯カメラにカバンを持つAさんらしき人物が写っていることが決め手となり、Aさんは逮捕されることになりました。
(フィクションです)
【今回の事例で問われうる犯罪】
刑法上の占有が認められるためには、客観的な要件としての財物に対する事実上の支配と、主観的な要件としての財物を支配する意思が必要であると考えてられています。
そしてそれらの事由を総合的に考慮して、占有の有無が判断されます。
今回の事例では、Bさんの主観面での財物を支配する意思は認められるため、客観面について、トイレから出た後の時点でBさんが財布を事実上支配していたか否かが争点となります。
事実上の支配についての認定は、様々な事情を総合的に考慮して判断されるため、必ず認定、ないしは否定されると明言することは難しいといえます。
この点について、5分程度の短時間かつ10数メートル程度の短い距離で、その物から離れた場合に占有を肯定した事例があります(参考事例:https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=51567)。この事例をもとに考えると、Bさんの占有が肯定される可能性もあるといえるでしょう。
そのため、窃盗罪、占有離脱物横領罪のいずれに問われてもおかしくないといえるでしょう。
【窃盗事件を起こしてしまったら】
もしも窃盗事件を起こしてしまい、前科を回避したいと考えた場合、被害者との間で示談交渉を進めることが最も重要になります。
そのため被害者との間で、被害弁償及び示談交渉を行い、可能であれば宥恕条項付きの示談締結を目指します。早期に被害者との示談を成立することができれば、検察官による不起訴処分を受ける可能性を高めうるといえます。
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弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は窃盗事件をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
ご家族・友人が窃盗罪の疑いで警察に逮捕され、弁護士の初回接見をご依頼の方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
初回接見の申込は、フリーダイヤル(0120-631-881)で受け付けております。
24時間受付中ですので、お気軽にお電話ください。

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【事例解説】トイレに置き忘れられたカバンを盗んだとして逮捕(前編)
トイレに置き忘れられたカバンを盗んだ事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説します。

【事例】
札幌市内に住む大学生のAさんは、名古屋市内の商業施設内のトイレに置き忘れられていたカバンを盗みました。
その5分後、カバンの持ち主であるBさんはカバンを置き忘れたことに気付き、トイレに戻りましたが、その時にはすでにかばんは無くなっていました。そこでBさんが被害届を出し、警察が捜査を進めたところ、商業施設内の防犯カメラにカバンを持つAさんらしき人物が写っていることが決め手となり、Aさんは逮捕されることになりました。
(フィクションです)
【今回の事例で問われうる犯罪】
今回の事例では、占有離脱物横領罪か窃盗罪のいずれかに問われうる可能性があります。
占有離脱物横領罪とは、刑法254条により「遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領」する罪であると定められており、その法定刑として「一年以下の懲役又は十万円以下の罰金若しくは科料」が定められています。
他方、窃盗罪とは、刑法235条により「他人の財物を窃取」する罪であると定められており、その法定刑として「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑」が定められています。
以上のようにこれらの罪についての法定刑は、大きな隔たりがあるため、どちらの罪に問われるかは極めて重要な点となります。
この両罪を分けるのは、物に対する占有があったか否かです。
すなわち今回の事例では、Bさんがトイレから出た後もカバンを占有していたと評価できるかどうかです。
Bさんの占有が肯定される場合、Aさんは「他人の財物を窃取」したことになるため窃盗罪に問われることになるでしょう。
他方、Bさんの占有が否定される場合、Aさんは「占有を離れた他人の物を横領」したことになるため占有離脱物横領罪に問われることになります。
(次回に続く….)
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は窃盗事件をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
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【事例解説】女性にお金を払って性交したが実は相手が18歳未満だったら?
18歳未満の相手を買春した事例、及び児童買春罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例
23歳のAは、SNSで知り合った女性Vに3万円を払って、ホテルで性交をしました。Vは19歳だと言っていましたが、後日、警察署から、17歳の女性と性交をした疑いで、事情聴取されました。児童買春罪で捜査を進めているとのことです。(フィクションです)
児童買春について
児童買春罪は、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」(いわゆる児童ポルノ法)に定められています。
児童ポルノ法2条によれば、児童買春とは、
①児童(=18歳未満の者)に対して
② 対償を供与し、又はその供与の約束をして、
③ 性交等をすること
を意味するとされています。
②「対償を供与し」、というのは、性交の対価としてお金や、その他の経済上の利益を与えることです。バッグや食品なども該当します。また、実際に与えなくても、それらを与えるという約束をするだけで足ります。
なお、経済上の利益を与える先は、その児童本人に限られず、その保護者や、買春をあっせんした者も含まれます。
③「性交等」とは、
・性交(陰茎を膣に挿入すること)
・性交類似行為(肛門性交や口腔性交など)
・自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器・肛門・乳首を触ること
・自己の性的好奇心を満たす目的で、児童に自己の性器・肛門・乳首を触らせること
が挙げられています。
警察の言うことが事実ならば、Aは、17歳の「児童」であるVに対し、3万円という「対償を供与し」、「性交」をしているため、児童買春罪が成立する可能性があります。
一方で、Aが本当にVの年齢を19歳だと信じていたならば、犯罪の故意がないため、犯罪は成立しないかもしれません。ただし、警察や裁判所がそのAの言い分通りの認定をするとは限りません。
また、未必の故意といわれますが、Vが18歳未満かもしれないとAが認識していた場合でも、故意が認められる可能性があります。
弁護活動
上述のとおり、今回の事例では未必の故意が認められるかどうかが犯罪の成否を大きく左右するかもしれません。そこで、警察がAを取調べする際には、AがVの年齢を18歳未満かもしれないと認識していた、という調書を取ろうとする可能性があります。
取調べの際に、一つの選択として黙秘を貫くか、それともそれ以外に最善の方法があるかどうかの判断は、証拠関係などによっても様々あり得ます。
ですから、なるべく早い段階で弁護士に相談されることをお勧めいたします。
児童買春・児童ポルノ禁止法違反被疑事件で警察から捜査を受けている方、ご家族が児童売春等をしてしまいお困りの方は、刑事事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部までご連絡ください。
また、逮捕され身柄が拘束されている場合には、最短当日に弁護士を警察署まで派遣する「初回接見サービス」(有料)をご提供しています。
まずは、24時間365日受付中の弊所フリーダイヤル(0120-631-881)までご相談ください。

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【事例解説】家出中の中学生を自宅に連れ込んだとして逮捕
夏休み中の中学生を自宅に連れ込み逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説します。

参考事件
北海道札幌市で一人暮らしをしているAさんは、SNSで知り合った15歳の中学生が、家出中で行くところがないと知り、その中学生を自宅に招き入れて泊めていました。
そうしたところ、ある日の朝、札幌方面中央警察署の警察官が自宅を訪ねてきて高校生を保護し、Aさんは未成年者誘拐罪で逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)
どうして逮捕されるの?
今回の参考事件は、テレビのニュースなどでよく耳にする事件ですが、こういった事件を聞いた時に「家出した子が同意して自宅に来たのに、どうして逮捕されるの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
しかし相手の同意のあるなしにかかわらず、家出中の16歳の高校生(未成年)を自宅に泊めると警察に逮捕される可能性が非常に高いといえるでしょう。
何の罪になるの?
未成年者略取罪や未成年者誘拐罪となる可能性が高いでしょう。
これらの罪は刑法224条で規定されています。
刑法224条(出典/e-GOV法令検索)には「未成年者を略取し、又は誘拐した者は、3月以上7年以下の懲役に処する。」と明記されています。
「略取罪」と「誘拐罪」の意義
略取や誘拐は、被拐取者をその本来の生活環境から離脱させて自己又は第三者の実力支配内に移すことを内容にとする犯罪で、自由に対する罪の一種です。
「略取罪」と「誘拐罪」の違い
まず「略取」とは、他人の意思に反して現在の生活環境から離脱させて、自己又は第三者の支配下に移すことです。
「誘拐」は、他人を自己又は第三者の支配下に移す手段が、欺罔又は誘惑であるという点が異なるだけで、他はすべて「略取」と同じです。
未成年者略取罪の保護法益は、被拐取者(略取・誘拐された未成年)の自由権と監護者の監護権とされています。
そのため、たとえ被拐取者の同意があったとしても、監護者の同意がなければ監護権を侵害したとして同罪が成立することになります。
また、中学生を泊めただけでなく、性行為などもしてしまうケースもあります。
この場合も、相手の同意があったとしても、青少年保護育成条例や、児童福祉法違反などの罪にあたる可能性があります。
北海道青少年育成条例では、「第38条 何人も、青少年に対し、淫行又はわいせつな行為をしてはならない。2 何人も、青少年にわいせつな行為をさせてはならない。」とされています。
これに違反した場合は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金となります。
まずは弁護士を派遣
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、北海道内の警察に逮捕されてしまった方のもとに弁護士を派遣する初回接見サービスを提供しております。
少しでも刑事処分を軽いものにするためには、できるだけ早い段階で弁護士に依頼することをおすすめします。
初回接見サービスをご希望の方はフリーダイヤル0120-631-881までお気軽にお問い合わせください。

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【事例解説】洋服店内でスカート内を盗撮したとして逮捕
洋服店で20代の女性のスカート内を盗撮したとして逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説します。

事例
旭川中央警察署は、旭川市内の洋服店内で商品を選んでいた20代女性に後ろから近づき、スカート内にスマートフォンを差し入れて下着を盗撮したとして性的姿態等撮影罪の容疑で男を逮捕しました。
警備員が男の盗撮行為を目撃して、男を確保して警察に通報したことで、逮捕に至ったようです。
警察の調べに対し男は、スカート内の盗撮を認めているようです。
(フィクションです。)
性的姿態等撮影罪とは
性的姿態等撮影罪とは、「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律」(出典/e-GOV法令検索)の第2条1項に定められており、刑罰として「三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金」が定められています。
事例の男が、スカート内にスマートフォンを差し入れる行為は、同法第2条1項1号イに定められる、「人の性的な部位(性器若しくは肛こう門若しくはこれらの周辺部、臀でん部又は胸部をいう。)又は人が身に着けている下着(通常衣服で覆われており、かつ、性的な部位を覆うのに用いられるものに限る。)のうち現に性的な部位を直接若しくは間接に覆っている部分」を撮影していると評価される可能性があります。
また、同条第2項は「前項の罪の未遂は、罰する。」と定めているため、性的姿態等撮影罪には未遂罪も規定されています。
そのため、もしAさんの撮影行為により下着が映っていなかったとしても性的姿態等撮影未遂罪が成立する可能性もあります。
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