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特殊詐欺事件で窃盗罪に?

2023-02-27

特殊詐欺事件で窃盗罪に?

特殊詐欺に関与してしまい窃盗罪に問われるという事例を想定して、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。

【ケース】

北海道芦別市在住のAさんは、芦別市内の会社に勤める会社員です。
AさんはSNSで闇バイトと呼ばれる犯罪に応募し、指示役に従って芦別市内在住の高齢者Vさん宅を訪問し「Vさんの銀行口座が悪用されているのでキャッシュカードを交換する必要があります。担当者が来るまで専用の封筒に入れて保管しておいてください」と嘘を言い、Vさんのキャッシュカードを持参した封筒に入れて封をした後、「割印が必要なのでハンコを持ってきてください」と言ってVさんが玄関から居間に戻った隙を見て、キャッシュカードを入れた封筒と持ってきた別のカードが入った封筒を入れ替えてVさんの家を後にしました。
数日経っても連絡がなかったことから、不安に思ったVさんが芦別市内を管轄する芦別警察署に相談し、警察官が封筒の中身を見たところVさんのキャッシュカードは入っておらず別のカードが入っていることが発覚しました。
芦別警察署の警察官は、Vさんがいわゆる特殊詐欺事件の被害者であり、Aさんの行為が窃盗罪に当たると判断し捜査を開始しました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【特殊詐欺事件について】

従来のように当事者同士面識がありその信頼関係の下行われるような詐欺ではなく、電話やインターネットを使って見知らぬ者によって行われる詐欺行為を、俗に特殊詐欺と呼びます。
特殊詐欺事件の手口は多様で、
・子や孫を装うオレオレ詐欺と呼ばれる事件
・銀行関係者や警察官等を装いキャッシュカードなどを受け取る預貯金詐欺
・ハガキやインターネット・メールなどを用いて未払い金があるなどとして料金を振り込ませる架空請求詐欺
・税金や公共料金、医療費などが還付されると嘘をつき手数料などの名目で金を振り込ませる還付金詐欺
・アダルトサイト等にクリックした途端入会金などの名目で料金を振り込ませるワンクリック詐欺
など様々です。

警察庁をはじめ多くの期間が様々な方法で特殊詐欺の被害防止を呼び掛けていますが、今なお被害が生じています。
警察庁組織犯罪対策第二課生活安全企画課の発表した「令和4年における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値版)」によると、令和4年の特殊詐欺認知件数は全国で17,520件、被害総額は361.4億円です。
つまり、一日当たり1億円近くの被害が生じているのです。
また、この数字はあくまで認知件数であり、被害にお気づきになっていない被害者の方がおられる可能性もあります。

【特殊詐欺で窃盗事件に】

特殊詐欺は、その名のとおり「詐欺」行為で刑法246条の定める「詐欺罪」に抵触するおそれがあります。
しかし、特殊詐欺で問題となるのは詐欺罪に留まりません。
例えば、出し子と言って特殊詐欺により受け取ったキャッシュカードなどを使ってATMを使って金を不正に引き出した場合には電子計算機使用詐欺罪に問われます。

今回のAさんについて見ると、被害者宅を訪問し、キャッシュカードを持ち去っています。
もし、このときAさんがVさんに対して「キャッシュカードが不正利用されているからキャッシュカードを渡す」ように言い、Vさんがそれを信じてキャッシュカードを渡した場合には詐欺罪が成立します。
詐欺罪は、①加害者が被害者を騙し、②被害者が騙され、③被害者が加害者に財物を交付し、④①~③に因果関係が認められる場合に成立するためです。

しかし、Aさんはキャッシュカードを渡した認識はなく、封筒に入っている者だと信じて持っており、AさんはVさんの隙を見てキャッシュカードを持ち出しています。
この場合、確かにVさんは騙されていますが、騙された内容は「キャッシュカードを渡さなければならない」というものではなく「キャッシュカードを封筒に入れて保管しなければならない」というものですので、詐欺罪の成立要件①②には該当せず、Vさんが自分の意思でAさんにキャッシュカードを渡したわけではないため成立要件③も存在しないことから、詐欺罪は成立しません。

このようにキャッシュカードをすり替える手口での特殊詐欺事件では、被害者の意に反して財物(キャッシュカードを)盗んだとして、窃盗罪が成立します。
条文は以下のとおりです。

刑法235条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

【特殊詐欺事件で弁護士へ】

特殊詐欺事件は詐欺罪に該当する場合であっても窃盗罪に該当する場合であっても、厳しい刑事処罰が科せられるおそれがあります。
被害金額や件数、役割など様々な事情によりますが、前科がなくても実刑判決を受けることもあります。
実刑判決を回避し執行猶予判決を求めたいという場合、すぐに刑事事件の弁護経験が豊富な弁護士に相談・依頼することをお勧めします。
北海道芦別市にて、家族が特殊詐欺事件を起こしてしまい窃盗罪に問われ逮捕・勾留されているという場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士による初回接見サービスをご利用ください。(有料)

SMプレイでの死亡事故

2023-02-24

SMプレイでの死亡事故

いわゆるSMプレイをしている最中に相手が死亡してしまったという事例を想定して、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。

【ケース】

北海道赤平市在住のAさんは、赤平市内の会社に勤める会社員です。
事件当日、Aさんは交際相手のVさんと赤平市内の自宅で性行為をする際、AさんはVさんから「首を締めるSMプレイに興味があるからやってほしい」と言われたため、自宅にあったビニール紐でVさんの首を締めました。
これを数十秒ほど続けたところ、Vさんは動かなくなり、Aさんは慌てて119番通報しましたがVさんは搬送先の病院で死亡しました。
赤平市内を管轄する赤歌警察署の警察官は、Aさんを逮捕しました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【いわゆるSMプレイについて】

まずは紐で縛る、ムチで殴る、ロウソクのロウを垂らす等のSMプレイと呼ばれる行為について検討します。
これらの行為は、それ自体が暴行罪や傷害罪に該当する可能性がある行為です。
条文は以下のとおりです。

(暴行罪)
刑法208条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
(傷害罪)
刑法204条 人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

但し、SMプレイは「相手方の同意」があってはじめて成立するものと考えられます。
この場合、構成要件(暴行罪や傷害罪といった罪が成立するために必要な要素)には該当しているが、違法性阻却事由が認められるとして、罪に問われない可能性があります。
もっとも、包丁で大量出血するほどの切り傷を負わせるなど死亡する可能性があるような行為については、違法性阻却事由が認められないとして罪に問われる可能性があります。

【SMプレイでの死亡事故】

まず、SMプレイで死亡事故を起こした場合に検討される罪としては
①殺人罪(刑法199条)
②傷害致死罪(刑法205条)
③過失致死罪(刑法210条)
④業務上過失致死罪・重過失致死罪(刑法211条)
が考えられます。
※被害者が殺してほしいと頼み、それを実行した場合には嘱託殺人罪が適用されますが、SMプレイではそのような意思はないと考えられます。

①殺人罪については、「人を殺した者」に適用されます。
これは、加害者に相手を殺害しようとする意思がある場合、あるいは死亡するかもしれない可能性を認識していながら行為を継続した場合に、実際にそれを遂げた場合に成立します。
一般的なSMプレイでは考えにくいですが、行為中に加虐心が大きくなり被害者の死亡を願うようになったような場合には成立する余地があります。
罰条:死刑又は無期若しくは5年以上の懲役

②傷害致死罪については、「傷害し、よって人を死亡させた者」に適用されます。
殺人罪とは異なり、殺害の意思はないが相手を傷つける意思があり、その行為によって被害者が死亡した場合に成立します。
これは、【いわゆるSMプレイについて】に関連するもので、違法性阻却事由が認められるかどうかがポイントになります。
罰条:3年以上の有期懲役

③過失致死罪については、「過失により人を死亡させた者」に適用されます。
相手を死亡させるつもりはなかったが、不注意により相手を死亡させてしまった場合に成立します。
罰条:50万円以下の罰金

④業務上過失致死罪・重過失致死罪については、「業務上必要な注意を怠」った、又は「重大な過失」があったために人を死亡させた場合に適用されます。
例えば、性風俗の中でもSMプレイを専門としている者や、医師など人体の構造と機能に詳しい者等が、注意せずに行ったSMプレイにより相手を死亡させたような場合に成立すると考えられます。
罰条:5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金

ケースのAさんの場合、特殊な仕事に就いていたことを想定していないため、②の傷害致死罪又は③の過失致死罪の成立が検討されます。
両者は、罰条が大きく異なりますが、②と③のどちらに該当するかは事件の詳細を慎重に検討して判断されるものです。
その際、取調べでの供述などが重要な証拠になり得ることから、取調べ前に弁護士にアドバイスを受けることが望ましいと言えるでしょう。
北海道赤平市にて、SMプレイでの死亡事故を起こしてしまった場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご連絡ください。
在宅事件の場合は事務所にて無料で相談を受けることができます。
家族が逮捕・勾留されている場合はこちら。

匿名アカウントでの誹謗中傷で刑事告訴

2023-02-21

匿名アカウントでの誹謗中傷で刑事告訴

SNSで匿名アカウントを使って他人を誹謗中傷した場合に問題となる罪と刑事告訴の手続きについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。

【ケース】

北海道滝川市在住のAさんは、滝川市内の会社に勤める会社員です。
Aさんは上司であるVさんとそりが合わず、不満が溜まっていました。
そこで、SNSで匿名アカウントを作成し、「浮気で慰謝料を請求されているVの経歴」「暴力団と繋がりがあるためクビにされないVのアカウント」などと、Vさんの実名や経歴などを投稿していました。
Vさんは家族から当該匿名アカウントについて知らされ、滝川市内を管轄する札幌方面滝川警察署に相談し、誹謗中傷による名誉毀損罪で刑事告訴しました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【匿名アカウントでの誹謗中傷】

誰もが匿名で意見を書き込むことができるSNSは、とても便利なツールです。
しかし、匿名であることを悪用して他人を誹謗中傷する投稿も多々見受けられます。

匿名だから大丈夫だろう、と考えて投稿されている方もおられるようですが、IPアドレスの開示請求等により投稿者が特定される可能性は高く、実際に特定され刑事事件に発展し、刑事罰を受けたという方も少なくありません。

個人を誹謗中傷した場合に問題となる罪としては、名誉毀損罪と侮辱罪が考えられます。
条文は以下のとおりです。

(名誉毀損罪)
刑法230条1項 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。
(侮辱罪)
刑法231条 事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、1年以下の懲役若しくは禁錮若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

名誉毀損罪の要件は
・公然性
・事実を摘示したこと
・人の名誉を毀損したこと
とされています。

侮辱罪は、
・公然性
・人を侮辱したこと
とされています。

Aさんの場合、Vさんが浮気をしたり暴力団と関わり合いが合ったりという、具体的な内容を持ち出していますので、それが真実であるかどうかにかかわらず、名誉毀損罪に問われる可能性があります。

【刑事告訴されたら弁護士へ】

名誉毀損罪も侮辱罪も刑法の「第34章 名誉に対する罪」に規定されています。
そして、刑法232条1項では「この章の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。」と定められている、いわゆる親告罪に当たる罪です。
例え、明らかに名誉毀損罪や侮辱罪に当たる行為をした者がいたとしても、「告訴」がなければ、検察官は被疑者を起訴することができず、罪に問われないのです。
(このブログでは、似たような用語の告発・公訴などと区別するべく基本的に「刑事告訴」としています。)

刑事告訴は、告訴権者が捜査機関に対して、犯罪事実を告げて犯人の処罰を求める意思表示です。
類似の手続きに「被害届」の提出がありますが、被害届は捜査機関に被害申告をするだけの手続きで「処罰を求める意思表示」がないという点で異なります。

よって、被害者が誹謗中傷により名誉毀損罪や侮辱罪で刑事告訴するということは、被疑者(加害者)に対して刑事処罰を求め、捜査・起訴を求めることになります。
誹謗中傷をしてしまい、名誉毀損罪や侮辱罪などで刑事告訴された場合、起訴される前に、謝罪と賠償を行うなどして刑事告訴を取り消していただくための示談交渉を行うことが有効です。

北海道滝川市にて、上司などに対して匿名アカウントで誹謗中傷などをしてしまい名誉毀損罪や侮辱罪で刑事告訴された、あるいはされる可能性がある場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご連絡ください。
在宅事件の場合は事務所にて無料で相談を受けることができます。
家族が誹謗中傷により名誉毀損罪や侮辱罪で逮捕・勾留されている場合はこちら。

児童ポルノ所持で家宅捜索

2023-02-18

児童ポルノ所持で家宅捜索

児童ポルノを所持した場合に問題となる罪と家宅捜索という手続きについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。

【ケース】

北海道美唄市在住のAさんは、美唄市内で自営業をしています。
Aさんは、美唄市内の公園で、自身のスマートフォンで見知らぬ他人のお子さんが遊んでいるところを無断で撮影し、保護者から通報され札幌方面美唄警察署の警察官による職務質問を受けました。
その際、Aさんのスマートフォンの動画フォルダから児童ポルノと思われる動画データが見つかったため、美唄警察署の警察官は、Aさんに児童ポルノ所持の疑いがあるとして家宅捜索を行うことにしました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【児童ポルノ所持について】

18歳未満の性的な動画や画像の所持は、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下では児童買春、児童ポルノ処罰法)により禁止され、違反した場合には処罰の対象となります。

(児童ポルノの定義)
児童買春、児童ポルノ処罰法2条3項 この法律において「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう。
1号 児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
2号 他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
3号 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀でん部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの

児童ポルノは、自身で撮影した場合はもちろんのこと、他人の撮影した動画や画像を購入したりダウンロードしたりする行為、児童自身に自撮りさせるなどして受け取る行為も禁止されています。

【家宅捜索について】

捜査機関が対象者の家や職場などを捜査するいわゆる家宅捜索は、正式には「捜索」と「差押え」という2つの手続きが行われているものです。
両者は強制処分ですので、原則として令状に基づいてのみ行われます。

まず、警察官などの捜査官は、裁判所に対し令状を請求します。
この令状は、捜索と差押えの双方を許可する「捜索差押許可状」という書類で発付される場合が一般的です。
捜索差押許可状の発付を受けた捜査官は、令状を執行することになります。
執行に際しては、処分を受ける者に対し、事前に令状を示す必要があります。
また、捜索・差押えに際しては立会人が必要です。

差し押さえられた物は、裁判等での証拠品として扱われます。

北海道美唄市にて、児童ポルノ所持などの嫌疑で取調べを受けている、家宅捜索を受けた、家宅捜索が適法に行われていたか疑いがある、等の方がおられましたら、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご連絡ください。
在宅事件の場合は事務所にて無料で相談を受けることができます。
家族が逮捕・勾留されている場合はこちら。

MDMA所持事件で黙秘権を行使

2023-02-15

MDMA所持事件で黙秘権を行使

MDMAを所持した場合に問題となる罪と、黙秘権がどのような権利なのかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。

【事例】

北海道夕張郡栗山町在住のAさんは、夕張郡栗山町で自営業をしています。
事件当日、Aさんは仕事で夕張郡内を車で走行していたところ、パトロール中だった夕張郡を管轄する札幌方面栗山警察署の警察官によって制止・降車を求められました。
その後任意で所持品検査が行われたところ、AさんのバッグからMDMA(と考えられる薬物)が出てきたため、札幌方面栗山警察署に任意同行を求められました。
警察署では任意での取調べを受けましたが、その際に黙秘権の告知が行われました。
当日は逮捕されなかったAさんは、今後の見通しや黙秘権がどのような権利なのか知りたいと考え、刑事事件専門の弁護士による無料相談を受けました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【MDMA所持について】

МDМAとは、3,4-メチレンジオキシメタンフェタミンの略称です。
日本では、エクスタシー、バツ、タマなどとも呼ばれているМDМAは、一見すると可愛く思えるような形状をしたカラフルな錠剤である場合も多いです。
摂取後少し経ってから、気分の高揚が数時間みられるそうです。
しかし、厚生労働省のホームページによると、МDМAを使用・濫用した場合の症状として
錯乱・憂鬱・睡眠障害
高血圧、心臓の機能不全
悪性の高体温による筋肉の著しい障害
腎臓と心臓血管の損傷
脳卒中、けいれん
記憶障害
などが見られるようです。
このように、МDМAは濫用者の心身に悪影響を与えるのみならず、幻覚等の症状によって自傷他害(暴れまわる等して自分や他人を傷つける行為)の恐れがある極めて危険な薬物です。
また、МDМAを購入する費用が反社会的勢力の資金源になっている可能性があります。

МDМAは、麻薬及び向精神薬取締法の定める「麻薬」(麻薬及び向精神薬取締法2条1号)にあたる、いわゆる合成麻薬です。
同法では、МDМAを含む麻薬等の薬物について、免許を持たない者の輸入、輸出、製造、所持、譲渡、譲受、医療目的以外の使用、栽培を禁じています。
ケースについて見てみると、МDМAを医療目的以外で使用しているため、麻薬及び向精神薬取締法に違反します。
また、МDМAを使用するために所持している場合にも麻薬及び向精神薬取締法に違反します。
なお、МDМAの使用やМDМAの自己使用目的での所持の法定刑は7年以下の懲役です。

【黙秘権とは?】

黙秘権という言葉は多くの方がご存知だと思いますが、改めて説明すると、取調べを受ける際に自身の意に反して供述しないという権利が認められています。
法的には、憲法38条1項で「何人も、自己に不利益な供述を強要されない。」と定められているほか、刑事訴訟法では刑事訴訟法198条2項で「…取調に際しては、被疑者に対し、あらかじめ自己の意思に話して供述をする必要がない旨を告げなければならない。」と定められています。
つまり、取調べで被疑者には黙秘権という権利が憲法上保障されていて、検察官や警察官などの取調べ官は取調べを行う前に被疑者に黙秘権があることについて説明しなければならないほか、黙秘している被疑者等に対して無理やり供述させるようなことはできないとされています。

黙秘権により
①主観面での争いがある(故意の有無が罪状に大きく影響する)場合などで、捜査機関に有利な調書を作成されない。
②主観面以外の証拠収集が困難な場合(捜査機関が客観証拠を収集できない状況にある)に被疑者にとって不利な証拠が作成されない。
③被疑者が事件についての記憶が曖昧な状態(うろ覚えな状態)で供述をしないことで、不合理な供述調書の作成を避けることが出来る。
といった点が挙げられます。

他方で黙秘権を行使することでのデメリットについては、法律上はありません。
但し、実際には黙秘権を行使することで、
・取調べでの口調などがより厳しいものになる
・身体拘束のリスクが高まるおそれがある
などの事実上のデメリットがあることも事実です。
黙秘権を行使すべきか否かについては事案によって判断が分かれるため、刑事事件専門の弁護士から説明を受けることをお勧めします。

北海道夕張郡栗山町にて、MDMAの所持などで取調べを受ける可能性がある場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の無料相談をご利用ください。
家族がMDMA所持などの罪で逮捕・勾留されている場合はこちら。

公然わいせつ事件で略式手続

2023-02-12

公然わいせつ事件で略式手続

公然わいせつ事件がどのような罪であるか、また、略式手続がどのような手続きであるかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。

【ケース】

北海道岩見沢市在住のAさんは、岩見沢市内で自営業として生活をしています。
AさんとAさんの夫はいわゆる露出を性癖としていて、Aさんが全裸になり深夜の岩見沢市内を闊歩し、それを夫が撮影するという趣味がありました。
事件当日も岩見沢市内の駐車場でAさんが全裸になり夫がそれを撮影しようとしたところ、偶然とおりかかった岩見沢市内を管轄する岩見沢警察署の警察官に目撃され、Aさんは岩見沢警察署に任意同行を求められました。
岩見沢警察署にて取調べを受けたAさんは、自身がどのような罪に問われるのか、正式裁判ではなく略式手続にするためにはどうすれば良いか等、弁護士に無料相談しました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【公然わいせつ罪について】

(公然わいせつ罪)
刑法174条 公然とわいせつな行為をした者は、6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

公然とわいせつな行為をした場合には、公然わいせつ罪が適用されます。
「わいせつな行為」というのがポイントで、社会通念上わいせつな行為に該当する行為であるかどうか検討されます。
社会通念は、時代によっても異なると言われています。

とはいえ、少なくともAさんの「全裸で公道を闊歩する」という行為は、まず間違いなく公然わいせつ罪のいう「わいせつな行為」に該当すると考えられますので、公然わいせつ罪が適用される恐れがあります。

【略式手続について】

刑事事件に発展した場合、警察官等の捜査を受けたうえで検察官に事件を送致され、検察官は受理した証拠をもとに改めて取調べを行ったうえで、被疑者を起訴するかどうかについて検討します。
検察官が起訴するべき事件だと判断した場合、本来であれば正式な公判請求を行い、公開の法廷で刑事裁判が行われて判決を言い渡されます。
しかし、刑事事件の件数は非常に多く、全ての事件で公判請求してしまうと検察官・裁判官の負担は大きくなります。

そこで、一定の軽微な事件で、被疑者が被疑事実を認めていて、略式手続に同意する書類に署名捺印した場合には、略式手続として進められます。
略式手続では、公開の法廷での裁判は行われず、言い渡された罰金又は科料を言い渡され、指定された金額を納付した時点で手続きが終了します。
略式手続で言い渡すことができる罰金の上限は100万円です。

略式手続は公開の法廷で裁判を受けることがないという点で、被告人の負担は小さいと言えます。
しかし、略式手続で言い渡される判決は罰金刑・科料といった刑事罰ですので、いわゆる前科に当たることに相違ありません。
略式手続に同意する方が良いのか、そもそも略式手続がどのような手続きなのか分からない、という方は、弁護士に無料相談で質問することをお勧めします。

北海道岩見沢市にて、公道で全裸になるなどして公然わいせつ罪に問われていて、略式手続について知りたいという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご連絡ください。

盗撮事件で勾留されるも準抗告により釈放

2023-02-09

盗撮事件で勾留されるも準抗告により釈放

盗撮事件で問題となる罪と、勾留が認められた場合に準抗告をしたところ準抗告認容となり釈放されたという事例を想定して、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。

【ケース】

北海道千歳市在住のAさんは、千歳市内の会社に勤める会社員です。
Aさんは事件当日、出張の帰りで新千歳空港に降り立った後、千歳市内の自宅に帰ろうとした際、短いスカートを履いた女性Vさんを見つけ劣情を催してしまい、後ろを付けたところ、エスカレーターに乗ったためそのすぐ後ろに立ち、スマートフォンのカメラを用いてVさんのスカート内に差し向けました。
エスカレーター上でAさんのすぐ後ろに立っていたXさんはAさんが盗撮していることに気付き、Aさんに向かって「お前なにやってるんだよ」と声掛けし、Aさんは怖くなって咄嗟に逃げましたが、その後通報を受けて捜査を開始した千歳市内を管轄する千歳警察署の警察官は、防犯カメラの映像や交通系ICカードの履歴などからAさんの犯行であると考え、後日Aさんを逮捕しました。
Aさんは検察庁送致された後、勾留が認められました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【盗撮について】

下着や裸体などを性的な目的で秘かに撮影するいわゆる盗撮は、各都道府県の定める迷惑防止条例に違反します。
ケースは北海道千歳市内での盗撮事件を想定していますので、北海道迷惑行為防止条例が問題となります。
条文は以下のとおりです。

北海道迷惑行為防止条例2条の2 何人も、正当な理由がないのに、次に掲げる行為をしてはならない。  第2項 公共の場所若しくは公共の乗物又は集会場等…にいる者に対し、著しく羞恥させ、又は不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をすること。
ア 衣服等で覆われている身体又は下着を撮影すること(次号に規定する状態の他人に対
して行う場合を除く。)。
 イ 略
 ウ 略
(罰条:6月以下の懲役又は50万円以下の罰金※常習の場合は1年以下の懲役又は100万円以下の罰金)

【釈放に対する準抗告申立て】

被疑者が逮捕された場合、逮捕から72時間以内に釈放されるか、勾留裁判を担当する裁判官により勾留質問という手続きを経て勾留が認められるかの2択です。
勾留が認められた場合、原則として10日間、その後1度延長が認められるので最大で20日間、身柄拘束されることになります。
また、被疑者は20日の間に起訴されるか釈放されることになりますが、起訴された場合、その後も勾留は続きます。

勾留を回避し釈放を求めるためには、弁護士により、勾留の裁判が行われる前に検察官や裁判官に対して勾留が不要であることを主張していく必要があります。
とはいえ、逮捕から勾留が認められるまでの手続きは、通常逮捕の翌日や翌々日頃までに行われるのが一般的で、それまでに弁護人の選任が間に合わないという方も多いです。
(なお、一定の要件を満たした場合に国が選任する国選弁護人は、勾留が決まった後に初めて選任されます。また、当番弁護士は勾留前であっても一度限り接見することができますが、「弁護人」ではないため釈放を求める弁護活動はできません。)

勾留が認められた場合には最大20日間の勾留が避けられないのかというと、必ずしもそうではありません。
勾留が認められた場合、
・勾留裁判に対する不服申し立てる(勾留を認めた勾留裁判を取り消すよう申し立てる)準抗告申立て
・勾留裁判後に変更した事情を主張し釈放を目指す勾留取消請求
という方法で釈放を求めます。

このうち準抗告申立てについては、勾留の判断に対して「逃亡や証拠隠滅の恐れ等がないため勾留を認めた判断は誤りである」という主張を行います。
準抗告の判断は、勾留の判断を下した裁判官とは別の裁判官3名で行われます。
とはいえ、別の裁判官が判断するとはいえ、一度裁判官が認めた勾留を覆すことは容易ではありません。
その意味で、勾留される前に弁護士に弁護を依頼し、勾留の判断前に検察官・裁判官に対して勾留が不要である旨意見することが望ましと言えます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、これまでに数多くの身柄事件を取り扱ってきていて、準抗告を含めた釈放を求める弁護活動が豊富です。
北海道千歳市にて、盗撮事件で家族が逮捕されてしまい、準抗告などの方法により釈放して欲しいというご意向の方は、すぐに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部による初回接見サービス(有料)をご利用ください。

ストーカー事件で示談交渉

2023-02-06

ストーカー事件で示談交渉

ストーカーをしたことで問題となる罪と、ストーカーでの示談交渉について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。

【ケース】

北海道江別市在住のAさんは、江別市内の会社に勤める会社員です。
Aさんは、同僚のVさんを恋慕し2度告白をしていたのですが、Vさんは袖にしていました。
それでも諦められなかったAさんは、休日Vさんの家付近をうろつき、家から出てきたVさんに声掛けするなどのつきまとい行為をしていました。
Vさんは不安に思い江別市内を管轄する江別警察署の警察官に相談したところ、江別警察署の警察官はAさんに対しストーカー規制法に基づく禁止命令を行いました。
しかしAさんは禁止命令を受けたのちもVさんの家付近をうろついたため、Vさんの通報を受けて臨場した江別警察署の警察官によってストーカー規制法違反(禁止命令違反)で現行犯逮捕されました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【いわゆるストーカーについて】

いわゆるストーカーについて、我が国ではストーカー規制法により禁止しています。

ストーカー規制法というのは通称で、正式名称をストーカー行為等の規制等に関する法律と言います。
ストーカー規制法では
・つきまとい等
ストーカー行為
という言葉を設け、以下のとおりに禁止しています。

まず、「つきまとい等」はストーカー規制法2条1項に1号~8号に定義されています。
具体的には、以下のような行為があります。
・つきまといや相手の居場所への押し掛け、周囲へのうろつき
・監視したり監視しているように思わせる行為
・面会や交際等の要求
・粗野あるいは乱暴な言動
・無言電話や拒まれた後の連続した電話、メール等
・汚物や動物の死体等を送付
・名誉を害するようなことを言ったり、それを匂わせる言動
・交際当時に撮影した卑猥な動画や画像を送りつける
これらの行為を、「特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者」に行った場合に成立します。

次に、「ストーカー行為」とは「つきまとい等」にあたる行為を、同じ相手に対して反復・継続して行う場合に成立します。

つきまとい等とストーカー行為は、成立した場合の手続きが異なります。
つきまとい等の場合、被害者が「警告」又は「禁止命令」を警察官に申し出ることが必要になります。
警告の申し出を受けた警察署長は、対象者に対して警告を行います。
禁止命令の申し出を受けた警察署長は、対象者からの聴聞を行ったうえで(あるいは事後的に)禁止命令を行います。

ストーカー行為については、その場で警察官が被疑者を検挙・逮捕して、捜査をすることができます。
ストーカー行為にあたる行為をした場合、「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」に処されます。(ストーカー規制法18条)

ストーカー規制法の禁止命令違反にあたる行為をした場合、「2年以下の懲役又は200万円以下の罰金」に処されます。(ストーカー規制法19条各項)

【ストーカー事件での示談交渉】

ストーカー事件の特徴の一つに、加害者(被疑者)が事件の深刻さに気付いていないという点が挙げられます。
実際に相談や依頼を受けた事件では
・これくらいでストーカー規制法違反になると思っていなかった
・相手に言いたいことが沢山あってその一部を言いに行きたいだけなんだ
・警察がこっちの言い分を聞いたらストーカーになるはずがない
等と主張をされる方がおられます。

他方で、被害者は、加害者が思っている以上の恐怖を抱いている場合がほとんどで
・加害者に家を知られているので引越しをしたい
(引っ越し費用や会社を退職したことで失った給与を補填して欲しい)
・お金はいらないので二度と接触したくない
・加害者には厳しい刑事罰を求める

など、被害者によって被害感情は様々です。

被害に遭われた方に対し、加害者やその家族が接触して示談交渉を行うことは、被害者の被害感情を逆撫でしたり、お互い感情的になって話がまとまらなかったりすることが考えられます。
当然、示談交渉はとてもデリケートなもので、言葉一つで決裂するおそれもあり、示談交渉の経験が豊富な弁護士に依頼することをお勧めします。

北海道江別市にて、ストーカー規制法違反(禁止命令違反)などで家族が逮捕された場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご連絡ください。

示談交渉の見通し等について、これまでの経験を踏まえてご説明致します。
初回接見サービスのご案内はこちら。
在宅事件の場合の無料相談のご案内はこちら。

自殺の手助けをした自殺幇助罪

2023-02-03

自殺の手助けをした自殺幇助罪

自殺の手助けをしたことにより成立する自殺幇助罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。

【ケース】

北海道札幌市手稲区在住のAさんは、札幌市手稲区内の会社に勤める会社員です。
Aさんは、何かしら社会の役に立ちたいと考えていたところ、SNS上で「自殺したいので車を出してくれる人を募集しています」と書かれた投稿を目撃しました。
そこで、AさんはVさんとダイレクトメッセージでやり取りをして、札幌市手稲区にあるVさんの自宅に車で行った後、Vさんを車に乗せて札幌市手稲区の緑地帯に連れて行き、Aさんは事前に用意したロープをVさんに渡して立ち去りました。
Aさんは翌日の報道で、実際にVさんがロープを使って首吊り自殺をしたことを知りました。
事件からしばらく経った後、Aさんの自宅に札幌方面手稲警察署の警察官が訪れ、Aさんを自殺幇助罪で逮捕しました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

※(参考)生きることが辛く感じられる方へ:こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556

【自殺幇助罪について】

何かしらの理由で、自らの命を絶ってしまう方がおられます。
自ら自身の命を絶つ行為を、自殺と言います。
自殺そのものは、刑事事件に問われるものではありません。
しかし、その自殺を手助けする行為は自殺幇助罪と呼ばれ、罪に問われます。
条文は以下のとおりです。

(自殺関与及び同意殺人)
刑法202条 人を教唆し若しくは幇助して自殺させ、又は人をその嘱託を受け若しくはその承諾を得て殺した者は、6月以上7年以下の懲役又は禁錮に処する。

条文に規定のある「幇助」というのが、自殺の「手助け」を意味します。
Aさんのように、自殺をしたいという者を希望する場所まで連れて行ったり、自殺のためのロープを準備して渡したりする行為は、手助けに当たり、自殺幇助罪に問われる可能性があります。

【自殺幇助罪での弁護活動】

自殺幇助罪で取調べを受ける場合、被疑者が
・自殺をした方に「自殺する意思」があることを知っていたのか
・自殺の手助けに当たる行為をしてしまったのか

が問題になります。
自殺幇助罪の場合、自殺した方は既に亡くなっているため、被疑者と自殺した方の間でのやり取りのデータのほか、被疑者自身の供述は重要な証拠になります。
そのため、警察官や検察官の厳しい取調べが行われる可能性があります。
自殺幇助の罪に問われている被疑者の方は、弁護士に相談し、自身の記憶と考えを整理したうえで取調べに臨むことが望ましいと言えます。
また、家族が自殺幇助罪で逮捕・勾留されている場合、すぐに取調べの状況を確認するため、弁護士に依頼をする方が良いでしょう。

北海道札幌市手稲区にて、自殺幇助罪で捜査を受けている方、あるいは家族が自殺幇助罪で逮捕・勾留されている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご連絡ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で相談を受けることができます。
家族が自殺幇助罪で逮捕・勾留されている場合は、初回接見サービス(有料)をご案内致します。

暴力・傷害事件が起きたらどうなる?

2023-01-27

暴力・傷害事件が起きたらどうなる?

暴力行為をしてしまった、被害者を怪我させてしまったという場合に問題となる罪や捜査の流れについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。

【暴行罪】

(暴行)
第208条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは,二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

暴行とは,人の身体に対する不法な有形力の行使をいいます。
最近は,特に家庭内での暴行事件で,逮捕されるケースが増えております。
警察も,家庭内暴力が常習的に行われたり事態が大きくならないようにするために,積極的に家庭の事件に介入する傾向があります。
恋人との喧嘩でも同じようなことが言えます。

【傷害罪】

(傷害)
第204条 人の身体を傷害した者は,十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

暴行の結果,人の身体の生理的機能を毀損させる傷害を負わせたら,傷害罪が成立します。
被害者は病院で診断書を取得し,警察に被害届を提出して,警察が逮捕することになります。
相手の負傷の程度に応じて,刑罰が重くなります。
攻撃方法が極めて危険で負傷の程度が大きかったら,人を殺す意図があったとして,殺人未遂罪で捜査が進められることがあります。

【傷害致死罪】

(傷害致死)
第205条 身体を傷害し,よって人を死亡させた者は,三年以上の有期懲役に処する。

傷害の結果,人が死亡したら,人を死亡させる意図がなければ,傷害致死罪が成立します。
しかし,警察は,人を死亡させる意図があったと強く疑い,殺人罪で捜査を進めようとしてきます。

【正当防衛】

(正当防衛)
第36条 急迫不正の侵害に対して,自己又は他人の権利を防衛するため,やむを得ずにした行為は,罰しない。
2 防衛の程度を超えた行為は,情状により,その刑を減軽し,又は免除することができる。

相手から攻撃されて,自分を守るために反撃したら,正当防衛が成立して犯罪が成立しない可能性があります。
反撃がやりすぎたとしても,過剰防衛が成立して刑事処分が軽くなる可能性があります。
しかし,正当防衛が認められるハードルは高く,取調べ等できちんと状況を含めて説明していかなければなりません。

【暴行・傷害事件が起きたらどうなる?】

被害者が警察に通報し,逮捕され,起訴されて刑事処分を受け,前科が付くことになります。
被害状況が大きかったら,実刑で刑務所に入る可能性もあります。
早期に弁護士を通じて被害者と接触し,謝罪と被害弁償をしたうえで示談を成立させていくことが重要です。
当事者同士で話し合うと,感情的になって余計に状況が悪化してしまいます。
過剰な金額を要求されたり,後々にまで紛争が残ってしまうこともあります。
弁護士を通じて交渉していくことが重要です。
被害者はお金の問題だけでなく,恐怖感も大きいと思われます。
2度と接触しないなどの約束も含めて交渉していくことになります。
示談が成立したら刑事処分が軽くなる可能性が高まり,起訴前なら不起訴となる可能性が高まります。
検察官は,示談や被害弁償の有無だけでなく,本人の反省や犯罪を繰り返す可能性などを総合的に考慮して判断していきます。
特に何度も犯罪を繰り返している人に対しては,刑事処分が重くなる傾向があります。
被害者が被害届を提出する前に示談が成立したら,警察の捜査が始まらずに終了することになります。

【逮捕されたら】

逮捕されたら,逮捕・勾留合わせて最長23日間,警察署の留置場などで身体拘束されることになります。
外部と連絡を取ることは制限され,連日捜査機関による取調べを受けるため,被る精神的苦痛は非常に大きなものとなります。
当然,会社や学校に行くことはできません。
逮捕されたことが会社や学校に知られてしまう可能性も高まります。
逮捕されることで,報道される可能性が高まります。
検察官や裁判所に釈放を求めていくことになりますが,釈放が認められるハードルは高く,簡単には認められません。
刑事に強い弁護士に依頼した方が,釈放は認められやすくなります。
証拠隠滅と逃亡のおそれがあるかが判断されることになります。
被害者に対して不当な働きかけが行われる可能性があると評価されることが多いです。
そこで,そのような可能性はないことを具体的に説得的に示していくことが必要です。
身元引受人を確保し,被害者と接触しないことを具体的に説明することになります。

起訴後は保釈を求めていくことになります。
保釈とは,起訴された後,証拠隠滅や逃亡のおそれが低いうえで,一定額の金銭を支払うこと等を条件に釈放される制度をいいます。
保釈金の額は,裁判所が,犯罪の軽重や情状,経済状態や生活環境などの一切の事情を考慮して,その事件で逃亡を防ぐためにはどのくらいの金額を納めさせるのが適当かを判断した上で決定します。
保釈金の相場は,一般的に200万円前後となることが多いですが,事件によっては500万円を超える場合もあります。
保釈を取り消されて保釈金が没収されることがなければ,裁判が終わった後に裁判の結果が無罪でも有罪でも保釈金は返還されます。
しかし,保釈中に問題を起こしたら,再び身体が拘束され,預けた保釈金は没収される可能性があります。

【暴行罪・傷害罪が成立しない場合】

暴行行為がないにもかかわらず,相手が警察に被害を訴えて,警察が捜査や逮捕をしてくることがあります。
相手から一方的に攻撃されて,身を守るために反撃したとしても,相手は一方的に攻撃されたと警察に訴えて,警察が相手の言い分だけに従って捜査や逮捕をしてくることもあります。
殺意がなかったとしても,殺意があったと決めつけて,厳しく追及してくることも多いです。
密室の取調室で,「被害者がこう言っている」「証拠はもうそろっている」などと言われ,警察の言われるままに話を持っていかれ,不当な内容の供述調書が作成されてしまいます。
刑事に詳しくない弁護士が対応した場合,そのような不当な状況を放置することもあります。
刑事に詳しい弁護士のきちんとしたサポートが必要になってきます。
取調べでどのようなことを言うか,弁護士と相談しながら進めていきます。
警察の威圧的な取調べが行われていたら,弁護士が抗議をしたり,黙秘を指示したりして,きちんと対応しなければなりません。
こちらに有利な証拠がないか,検討することにもなります。
起訴されて裁判となったら,きちんとこちらの主張をしていかなければなりません。

【すぐに弁護士に相談を!】

刑事事件ではスピードが大切です。
すぐに弁護士に連絡し,相談して依頼しましょう。
逮捕後最大72時間は,たとえ家族の方でも逮捕された人との接見ができませんが,弁護士が代わりに連絡を取ってくれます。
逮捕された場合,最長で23日間,身体が拘束されますが,その間に検察官が起訴をするかどうかを判断します。
検察官が起訴の判断をする前に,示談を成立させなければなりません。
非常に限られた時間で活動しなければならず,急がなければなりません。
また,逮捕直後に不当な取調べが行われ,不利な内容の調書が作成されてしまうかもしれません。
早く弁護士が接見し,取調べへの対応方法に関してきちんとしたアドバイスをする必要があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,刑事を専門とする弁護士が迅速に対応いたしますので,お気軽にお電話ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では,刑事事件に関するご相談を初回無料で承っております。
無料法律相談のご予約は
フリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)
までお気軽にお電話ください。

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