文書偽造・偽造文書行使

文書が偽造されれば、文書に対する社会の信用が失われます。そのため、文書偽造の罪は重く処罰されています。

 

文書

人がその内容を読んで認識することができる記号や文字などの表象で記されたものです。

 

偽造・変造

文書の作成者(文書の名義人)を偽ることをいいます。文書に作成者と記された者と別の者が作成しているため、文書に対する社会の信用が失われることになります。変造は文書の重要な内容に変更を加えることをいいます。

文書の名義人となる者の同意があれば、偽造にはなりません。しかし、交通原票中の供述書など名義人となる者が真実本人でなければならない文書については、名義人の同意があっても偽造となります。

 

有形偽造と無形偽造

文書の作成者を偽る偽造は有形偽造といいます。一方で、虚偽の内容の文書を作成することを無形偽造といいます。内容が虚偽であれ、文書作成者に偽りがなければ、その文書の内容は作成者が責任を負いますので、文書に対する社会の信用は失われないとされており、基本的に刑罰を科すようなものではありません。ただし、公務員が作成する文書や医師が作成する診断書は、その内容の申請が社会においても重要であることから、虚偽の内容で作成したときは罪に問われます。

 

文書等の「行使」

文書をその内容に従い使用することです。

 

印章及び署名

人の印章や署名が記載されている文書(有印文書)は、その印章又は署名が示す人が作成したとより強く認められるため、印章や署名が使用されていない文書(無印文書)よりも、文書に対する信用はより強くなります。したがって、印章又は署名を使用して偽造・変造した場合、より重く処罰されます。

 

詔書偽造等(刑法154条)

行使の目的で、御璽、国璽若しくは御名を使用して詔書その他の文書を偽造し、又は偽造した御璽、国璽若しくは御名を使用して詔書その他の文書を偽造した者は、無期又は3年以上の懲役に処されます(1項)。御璽若しくは国璽を押し又は御名を署した詔書その他の文書を変造した者も、同様に処罰されます(2項)。

 

公文書偽造等(刑法155条)

行使の目的で、公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した公務所若しくは公務員の印章若しくは署名を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造した者は、1年以上10年以下の懲役に処されます(1項)。公務所又は公務員が押印し又は署名した文書又は図画を変造した者も、同様に処罰されます(2項)。

印章や署名を使用せずに、公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造し、又は公務所若しくは公務員が作成した文書若しくは図画を変造した者は、3年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処されます(3項)。

 

虚偽公文書作成等(刑法156条)

公務員が、その職務に関し、行使の目的で、虚偽の文書若しくは図画を作成し、又は文書若しくは図画を変造したときは、印章又は署名の有無により区別して、有印公文書偽造及び無印公文書偽造と同様に処罰されます。

 

公正証書原本不実記載等(刑法157条)

公務員に対し虚偽の申立てをして、登記簿、戸籍簿その他の権利若しくは義務に関する公正証書の原本に不実の記載をさせ、又は権利若しくは義務に関する公正証書の原本として用いられる電磁的記録に不実の記録をさせた者は、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されます(1項)。

公務員に対し虚偽の申立てをして、免状、鑑札又は旅券に不実の記載をさせた者は、1年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処されます(2項)。

これらの罪は未遂も罰されます(3項)。

 

偽造公文書行使等(刑法158条)

以上の偽造された文書若しくは図画を行使し、又は公正証書の原本として用いられる電磁的記録を公正証書の原本としての用に供した者は、その文書若しくは図画を偽造し、若しくは変造し、虚偽の文書若しくは図画を作成し、又は不実の記載若しくは記録をさせた者と同一の刑に処されます(1項)。未遂も処罰されます(2項)。

 

私文書偽造等(刑法159条)

行使の目的で、他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造した者は、3月以上5年以下の懲役に処されます(1項)。他人が押印し又は署名した権利、義務又は事実証明に関する文書又は図画を変造した者も同様に処罰されます(2項)。他人の印章若しくは署名を使用せずに、権利、義務又は事実証明に関する文書又は図画を偽造し、又は変造した者は、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処されます(3項)。

 

虚偽診断書等作成(刑法160条)

医師が公務所に提出すべき診断書、検案書又は死亡証書に虚偽の記載をしたときは、3年以下の禁錮又は30万円以下の罰金に処されます。

 

偽造私文書等行使(刑法161条)

偽造した私文書や虚偽の診断書を行使した者は、その文書若しくは図画を偽造し、若しくは変造し、又は虚偽の記載をした者と同一の刑に処されます(1項)。未遂も処罰されます(2項)。

 

電磁的記録不正作出及び供用(刑法161条の2)

人の事務処理を誤らせる目的で、その事務処理の用に供する権利、義務又は事実証明に関する電磁的記録を不正に作った者は、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されます(1項)。これが公務所又は公務員により作られるべき電磁的記録に係るときは、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処されます(2項)。

不正に作られた権利、義務又は事実証明に関する電磁的記録を、人の事務処理を誤らせる目的で、人の事務処理の用に供した者は、その電磁的記録を不正に作った者と同一の刑に処されます(3項)。この未遂も処罰されます(4項)

 

その他の犯罪

偽造された文書を行使して人を欺いて財物を交付させた場合、詐欺罪にも当たることになります。この場合は詐欺の罪で罪を問われます。

 

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