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身に覚えのない連続侵入盗事件の取調べ
今回は、身に覚えのない連続侵入盗事件の取調べに対する対処方法について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説いたします。
~ケース~
Aさんは深夜、北海道栗山町の民家に侵入し金品を物色していたところを家人に発見され、駆け付けた札幌方面栗山警察署の警察官により住居侵入・窃盗未遂の疑いで逮捕されてしまいました。
近頃、Aさんが侵入した民家の近辺では侵入盗事件が相次いでおり、警察はAさんが犯人ではないかと考えているようです。
もっとも、Aさんが事件を起こしたのは冒頭の件のみで、連続侵入盗事件とは関係がありません。
しかし、取調官はAさんの弁解を信用してくれず、次第に取調べの態様も高圧的になりつつあります。
Aさんはどうするべきでしょうか。(フィクションです)
~身に覚えのない犯行の疑いをかけられたら~
すぐに弁護士と相談し、取調べの対処方法についてアドバイスを受けましょう。
最悪のケースは、身に覚えのない侵入盗事件を起こしたと自白する調書を作成され、無実の罪につき有罪判決を受けてしまうことです。
裁判官が冤罪を見抜くことができればよいですが、その保証はどこにもありません。
裁判になったときに、改めて裁判官に冤罪を訴えればよい、という考えは甘いといえます。
一度作成されてしまった自白調書を覆すことは大変困難です。
Aさんの認識と異なる調書が作成されることは絶対に避けなければなりません。
~やっていない事件の自白がなぜできるのか?~
ところで、やっていない、関わっていない事件の自白がなぜできるのか疑問に感じると思います。
それは、供述調書の作成方法に問題があると考えられます。
供述調書は、取調官が供述者の供述を聞き、要点をまとめて文書に仕上げ、供述者の署名・押印を得る、というプロセスで作成されます(供述者が自ら筆記するなどして作成される場合もあります)。
ということは、供述者が供述したことと全く異なる内容が記載された調書が作成されたとしても、とにかく供述者の署名押印が得られれば、調書上、供述者が記載通りに供述した、という体裁ができあがります。
場合によっては、取調官が勝手に調書を作成しはじめ、署名・押印だけ求められる、ということもあるかもしれません。
捜査の進捗にもよりますが、当然ながら捜査機関は捜査中の事件がどのような事件であったのか、ということを把握しています。
これを裏付けるような供述調書をあらかじめ作成し、事件と無関係な被疑者に署名・押印をさせることができれば、簡単にやっていない事件の自白調書が完成します。
~Aさんは取調べに対してどう対応するべきか~
(黙秘権の行使)
やっていない事件については、そのまま「やっていない」と供述すればよいです。
もし取調官がAさんの供述を聞いてくれない場合は、黙秘権を行使することが考えられます。
(署名押印拒否権)
前述のように、供述したことが供述調書に記載されなかったり、供述していない事柄が供述調書に記載されている場合はどうすべきでしょうか。
被疑者に認められた権利として、「増減変更申立権」、「署名押印拒否権」があります。
供述調書に供述したことと異なる事柄が記載されていたり、供述していない事柄が記載されている場合には、取調官に対し、修正を申し立てることができます(刑事訴訟法第198条4項)。
もし取調官が修正の申立てに応じてくれない場合は、署名・押印を拒否することができます(刑事訴訟法第198条5項但書)。
もっとも、これらの権利の行使により、取調べがさらに苛烈になる可能性も否定できません。
その場合は弁護士に相談し、取調官や検察官に抗議を行う必要があります。
Aさんは住居侵入・窃盗未遂事件を起こし逮捕されていますが、Aさんと関係のない事件についてまで罪に問われる道理はありません。
冤罪を予防するためにも、なるべく早期に弁護士を依頼するのが良いでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族に対し、身に覚えのない連続侵入盗事件の嫌疑をかけられ、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
過失運転致傷・ひき逃げ事件の自首をサポートする弁護士
今回は、過失運転致傷・ひき逃げ事件を起こし、自首を検討している方に適した弁護活動につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説いたします。
~ケース~
Aさんは、北海道倶知安町内の道路において自動車を運転中、横断歩道にいた歩行者Vの存在に衝突の直前まで気付かず、あわててブレーキをかけたもののVに衝突し、怪我を負わせてしまいました。
Vの怪我は軽傷でしたが、道路に倒れたまましばらく動けなくなっているのを見てAさんは怖くなり事故現場を立ち去りました。
現場から逃亡後、Aさんは自宅に戻りましたが、罪悪感に苛まれ、自首をしようと考えています。
Aさんは自首に先立ち、刑事事件に詳しい弁護士と法律相談をすることにしました。(フィクションです)。
~Aさんに成立する犯罪~
(過失運転致傷罪)
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を傷害する犯罪です。
自動車を運転するAさんには、横断歩道上の歩行者などの有無に留意し、歩行者がいればハンドルやブレーキを適切に使用して衝突を回避する注意義務があったと考えられます。
ところがAさんは衝突の直前までVの存在に気付いておらず、上記注意義務に違反していたものと考えられるので、「自動車の運転上必要な注意を怠」ったものと判断される可能性が高いでしょう。
自動車の運転上必要な注意を怠り、Vに自動車を接触させ、傷害を負わせてしまったものと評価できる場合、Aさんに過失運転致傷罪が成立することになります。
過失運転致傷罪の法定刑は7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金ですが、Vの傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除されることがあります。
(救護義務違反、危険防止等措置義務違反)
一般に「ひき逃げ」と呼ばれる犯罪です。
道路交通法第72条1項前段は、
「交通事故があつたときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない」
としています。
Vの傷害はAさんの車の運転に起因するものと考えられますが、AさんはVの様子を見て怖くなり、救急車を呼ぶなどしてVを救護することも、道路の危険を防止する措置を講じることもなく、事故現場から立ち去ってしまいました。
上記行為は、道路交通法違反の罪(救護義務違反・危険防止等措置義務違反)を構成する可能性が高いと思われます。
法定刑は、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金となっております。
~自首の検討~
事故を起こした後、自宅に戻ったAさんは罪悪感に苛まれ、自首することを検討しています。
自首をするメリットとして、①刑の減軽を受けられる可能性があること、②自ら捜査機関に犯罪行為を申告したことが評価され、逮捕されずに済む場合があることが挙げられます。
ケースの場合、Vの怪我が軽傷なので、逮捕されずに済む可能性はあります。
ただし、絶対逮捕されない、というわけではありません。
そもそも、Aさんの行ったひき逃げ行為自体が現場から逃亡する行為なので、「逃亡のおそれあり」と判断され、自首した後に逮捕されてしまうことも十分考えられます。
また、捜査機関に発覚する前に申告しなければ「自首」ではなく「出頭」として取り扱われます。
ひき逃げ事件の検挙率は比較的高く、事件を起こした翌日に検挙されるケースも多く存在します。
既にVが警察に被害を申告していて、自動車を運転していたのがAさんであると特定されていれば、「自首」として取り扱われない、ということです。
しかし、弁護士と相談した上で、覚悟を決めて自首・出頭をすることにより、いつ逮捕されるかわからない不安な状況に終止符を打つことはできます。
また、何の用意もなくいきなり逮捕されてしまう場合に比べ、入念な準備を行った上で逮捕されるのであれば、事態として良いということができるかもしれません。
いずれにしても、自首・出頭を行う場合には、自首・出頭に先立ち、弁護士を依頼しておくのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
過失運転致傷・ひき逃げ事件を起こし、自首することを検討されている方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
大麻所持事件において保釈を目指す弁護活動
今回は、大麻所持事件を起こしてしまい、起訴されてしまった被告人の保釈を目指す弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説いたします。
~ケース~
札幌市東区に住むAさんは、自宅自室のデスクの中に大麻を所持していた公訴事実により、札幌地方裁判所へ起訴されてしまいました。
札幌方面東警察署に逮捕された後は勾留がつき、起訴された今も留置場から出ることができていません。
長期間の勾留のため、Aさんは心身ともに限界を迎えており、なるべく早期に外へ出たいと考えています。
どうすればよいのでしょうか。(フィクションです)
~大麻所持罪について~
大麻取締法第24条の2第1項は、「大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、五年以下の懲役に処する」としています。
法定の除外事由(大麻取締法第3条、第2条)がないのに、大麻を自宅自室のデスクの中で保管する行為は、上記「所持」に該当する可能性が高いでしょう。
~保釈を目指す弁護活動~
(薬物事犯の身体拘束は長引きがち)
一般的に、大麻所持罪をはじめとする薬物事犯においては、勾留され、長期間外に出られなくなる可能性が高いです。
それは、①薬物の入手ルートの解明、②薬物を扱う人物や組織の実態解明に時間を要するからです。
薬物を誰かと一緒に使用・所持していたというような場合も、早期の身柄解放は極めて困難と思われます(共犯者が存在する場合においては、薬物事犯に限らず、勾留がついて身体拘束が長期化する可能性が高いです)。
(保釈の実現を目指す弁護活動)
反面、Aさんが初犯であり、大麻を所持していたというだけであれば(「使用」もしているかもしれませんが、大麻の「使用行為」そのものは罰せられません)、保釈を実現できる可能性を見込めます。
「保釈」とは、保釈保証金の納付を条件として、被告人に対する勾留の執行を停止して、その身柄拘束を解く裁判及びその執行を意味します。
保釈は起訴後になされる手続です。
そのため、捜査段階においては保釈とは異なる身柄解放活動を実施する必要があります。
保釈金の額は、犯罪の性質・情状、証拠の証明力、被告人の性質・資産を考慮し、被告人の出頭を保証するに足りる相当な金額が定められます。
裁判が無事に終了すれば、保釈金は戻ってきます。
反対に、逃亡、罪証隠滅行為を行った場合には、保釈が取り消され、保釈金も「没取」されてしまう可能性があります(刑事訴訟法第96条参照)。
せっかく保釈決定を獲得した以上は、これを取り消されるような行為をしないようにしなければなりません。
~保釈の種類~
(権利保釈)
裁判所は、保釈の請求があったときは、権利保釈の除外事由(重罪事件である、罪証隠滅のおそれがあるなど)がある場合を除き、原則として保釈を許可しなければなりません(刑事訴訟法第89条)。
(裁量保釈)
また、権利保釈の除外事由がある場合であっても、適当と認めるときは、職権で保釈を許すことができます(刑事訴訟法第90条)。
(義務的保釈)
さらに、勾留による拘禁が不当に長くなったときは、請求によりまたは職権で、保釈を許さなければなりません(刑事訴訟法第91条)。
義務的保釈は実務上、ほとんどありません。
~最後に~
保釈を実現することにより、身体拘束に伴う心身の負担から解放されることはもちろんですが、薬物依存の治療プログラムを開始したり、薬物依存からの脱却をサポートする団体を利用することができるようになります。
Aさんにとって有利な判決を獲得するためには、Aさんが再犯防止に努めていることをアピールする必要があります。
身体拘束を受けた状態では、実施可能な弁護活動が限られてしまいます。
弁護活動の幅を広げるためにも、保釈の実現は重要といえます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が大麻所持の公訴事実により起訴されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
児童ポルノ所持事件における弁護士の選び方
今回は、闇サイトから購入した児童ポルノを所持していることが発覚し、被疑者となってしまった場合の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説いたします。
~ケース~
北海道浦河町に住むAさんは、インターネットの闇サイトから、児童ポルノを数十点購入し、自宅PCのハードディスクに保存して所持していました。
ところが、闇サイトの運営者が検挙され、購入先リストからAさんが浮上し、Aさんは札幌方面浦河警察署に自宅を捜索されてしまいました。
その結果、ハードディスクに保存していた児童ポルノの存在が発覚し、Aさんは任意で取調べを受けることになりました。
取調べの後、逮捕されずに帰宅することができましたが、警察からは「今後も何度か出頭して取調べを受けてほしい」と言われています。
Aさんはどうすればよいのでしょうか。(フィクションです)
~児童ポルノ所持罪とは?~
児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律第7条1項は、
「自己の性的好奇心を満たす目的で、児童ポルノを所持した者(自己の意思に基づいて所持するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る。)は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。自己の性的好奇心を満たす目的で、第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録を保管した者(自己の意思に基づいて保管するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る。)も、同様とする」
としています。
闇サイトから児童ポルノを購入し、記録媒体に児童ポルノのデータを保存していた場合は、上記規定が適用される可能性が高いでしょう(ただし、児童ポルノを不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列するなどの目的で、児童ポルノを所持する等していた場合は、同法第7条7項が適用される可能性が高く、法定刑も重くなります)。
~Aさんは今後どうするべきか?~
早期に弁護士を依頼することをおすすめします。
逮捕されていないとはいえ、今後も取調べは続きます。
弁護士と相談することにより、取調べの対応方法、今後の処分の見込みについてアドバイスを受け、逮捕の阻止を目指したサポートを受けることができます。
しかし、弁護士の知り合いがいる、という人ばかりではありません。
知り合いに弁護士がいない方は、どのようにして弁護士を探せばよいのでしょうか。
(弁護士会に問い合わせてみる)
弁護士会では、法律相談センターを設けており、電話窓口もあります。
このような機関を活用し、弁護士を探すことが考えられます。
(インターネットを活用し、自身で探す)
最近では、多くの法律事務所がホームページを開設しており、それぞれの得意分野がわかるような記事が掲載されています。
ケースの分野は「刑事事件」、特に「刑事弁護」ですから、これらの分野に強い弁護士を探し出し、法律相談を受けることが考えられます。
法律相談の料金を無料としている法律事務所も多いため、「弁護士と言えば何か敷居が高いのでは」と考えず、お気軽に相談することをおすすめします。
~Aさんに適した弁護士像~
「当番弁護士」や「国選弁護人」は逮捕又は勾留された場合に利用できる弁護士です。
逮捕されていない場合は、「私選弁護人」を利用するしかありません。
弁護士を選ぶにあたっては、①刑事弁護に強いか、②Aさんと弁護士との相性はどうか、③経済的な条件(弁護士費用など)は折り合うか、ということに留意するのがよいでしょう。
特に弁護士との相性については、実際に会って話してみなければわかりません。
まずは法律相談を受け、上記のポイントに留意しながら自身の弁護士を探すことをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
児童ポルノ所持事件を起こしてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
盗撮事件の示談交渉を弁護士に依頼
今回は、盗撮事件において、被害者との示談交渉を弁護士に一任するメリットつき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説いたします。
~ケース~
大学生のAさんは、旭川駅構内において、女性の下着を盗撮した疑いで、北海道旭川東警察署に逮捕されてしまいました。
逮捕から2日後、勾留決定が出なかったため釈放されましたが、警察からは「今後も何度か出頭を要請することがあるから、その際は出頭して取調べを受けてほしい」と言われています。
Aさんは国家資格の取得を希望しており、前科がつくと困ると考えています。
どうすればよいのでしょうか。(フィクションです)
~北海道内(駅構内)の盗撮事件~
駅の構内のような公共の場所で盗撮事件を起こすと、多くの場合、各都道府県の定める迷惑防止条例違反の罪に問われます。
警察官や目撃者に盗撮行為を現認された場合は、その場で現行犯逮捕されてしまうケースも多いです。
しかし、被害者と面識がなく、お互いの住所が十分離れている場合や、信頼できる身元引受人が存在する場合には、勾留の要件を満たさないとして、Aさんのように比較的早く釈放されるケースもあります。
しかしながら、ケースの警察官が言うように、釈放された後も捜査は続いています。
最終的に、検察官がAさんを裁判にかけるか否かを決めることになりますが、起訴された場合において有罪判決が確定すると、前科が付いてしまうことになります。
Aさんは国家資格の取得を目指しているとのことですが、前科があると、希望している資格を取得できなくなる場合もあります。
どのような場合に資格が取得できなくなるかは、資格の種類、資格を与える者の裁量の有無によって異なりますが、前科があることによって、不利になってしまうことがあるのは間違いありません。
~前科がつくのを避ける方法~
有罪判決を受けなければ、前科がつきません。
起訴されたとしても、無罪判決を受けたのであれば前科にはなりません。
もっとも、検察官は被疑者が罪を犯しているという心証をもって裁判を起こしているわけですから、裁判で無罪判決を獲得することは容易ではありません。
裁判で無罪判決の獲得を目指す方法の他に、不起訴処分を獲得する、という方法もあります。
不起訴処分を獲得すれば、裁判にかけられないので、有罪判決を受けることはありません。
裁判で有罪判決を受ける可能性が極めて高いことは御存じの方も多いかと思われますが、反対に、不起訴処分もかなり多くなされています。
特に、ケースのような盗撮事件において、Aさんが初犯であれば、適切な弁護活動を尽くすことにより、不起訴処分を獲得できる見込みが十分あります。
~Aさんに必要な弁護活動~
ケースの事件において不起訴処分を獲得するためには、被害者と示談をすることが極めて重要です。
示談交渉は、被害者との間に弁護士を入れて、一任するのをおすすめします。
自身でも示談交渉はできますが、①捜査機関が被害者の情報を教えてくれない、②被害者情報を知っていたとしても、先方が面会してくれない、③不当に高額な示談金を要求される、④示談として無意味な合意をしてしまう、といったリスクがあります。
そのため、最初から法律の専門家である弁護士に一任する方が、上記のリスクを低減させることができるため、有利といえます。
示談が成立したことは、捜査段階における検察官の最終判断(起訴、不起訴の判断)の際に有利に考慮されます。
盗撮事件を起こしてしまった場合には、早期に弁護士を依頼し、示談交渉を一任することをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
盗撮事件を起こしてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
痴漢事件において不起訴処分の獲得を目指す弁護士
今回は、痴漢事件を起こしてしまった場合において、不起訴処分の獲得を目指す弁護活動につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説いたします。
~ケース~
Aさんは、札幌市内の路上において、女性Vを追い抜く際に、着衣の上からVの臀部に触れた疑いで札幌中央警察署に現行犯逮捕されてしまいました。
Aさんが事件を起こし、逮捕されてしまったのは初めてです。
検察に送致された後、検察官が勾留請求をしなかったため釈放されましたが、警察からは「出頭要請があればまた取調べを受けて欲しい」と告げられており、どうするべきか困っています。
Aさんは事件を起こしてしまった場合であっても、「不起訴処分」を獲得すれば前科が付かないことを知りました。
もっとも、どうすれば不起訴処分を獲得できるのかがわかりません。
そこで、刑事事件に詳しい弁護士に相談することにしました。(フィクションです)
~Aさんに成立しうる犯罪は?~
Aさんには、「北海道迷惑行為防止条例違反の罪」が成立する可能性が高いと思われます。
北海道迷惑行為防止条例第2条の2第1号アは、「正当な理由がないのに」、「公共の場所又は公共の乗物にいる者に対し」、「著しく羞恥させ、又は不安を覚えさせるような方法で」、「衣服等の上から、又は直接身体に触れること」を禁止しています。
上記規定に違反し、有罪判決が確定すると、「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」に処せられます(北海道迷惑行為防止条例第11条1項)。
Aさんは、公共の場所である「路上」(道路)を歩くVの臀部に衣服の上から触れており、当該行為はVを著しく羞恥させ、又はVに不安を覚えさせるものと考えられます。
上記事実関係によれば、Aさんに北海道迷惑行為防止条例違反の罪が成立する可能性は高いでしょう。
~今後の捜査はどうなる?~
Aさんは幸いなことに、勾留されることなく釈放されました。
勾留されていれば、捜査段階において、逮捕期間もあわせて最長23日間の身体拘束を受けることになってしまいます。
もっとも、警察がAさんに告げた通り、事件が解決し終了したわけではありません。
有利に事件を解決するためには、すぐに弁護士に相談する必要があります。
~「事件の有利な解決」とは?~
ところで、事件を「有利に解決する」とはどういうことでしょうか。
「無罪判決の獲得」、「軽い量刑による判決を受けること」は確かに有利な事件解決の一つです。
ただし、上記はあくまでも一般論であって、ケースに応じた「最も有利な事件解決」とは限りません。
起訴された上で無罪判決を獲得するためには、極めて困難なハードルを越えなければなりませんし、「軽い量刑による判決を受けること」も、前科がついてしまうという点で最も有利な解決とはいえないでしょう。
ケースの場合は、Aさんの考えている通り、不起訴処分を獲得することが最も有利な解決と考えられます。
日本では、「被疑者が刑事事件を起こした→被疑者を必ず起訴」という制度は採られていません。
検察官は、被疑者の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないとき、不起訴処分を行うことができます。
日本では、検察官に対して、被疑者を刑事裁判にかけるか、かけないかを決定する裁量が与えられているのです。
~不起訴処分を獲得できた場合は?~
不起訴処分がなされれば、裁判にかけられることがないので、有罪判決を受けることはありません。
ハードルの高い無罪判決の獲得を目指すよりも見込みがあると考えられますし、有罪判決を受けないということは、前科が付かないというメリットもあります。
ただし、被害者が示談に応じる見込みがなく、処罰感情が峻烈である場合などは、不起訴処分を獲得できないことも十分ありえます。
~不起訴処分の獲得のために~
事件を有利に解決するためには、早期に弁護活動を開始することが重要です。
被害者がAさんによる示談の申出にどう対応するかは、活動してみなければわからないこともあります。
まずは刑事事件に熟練した弁護士と相談し、アドバイスを受けることを強くおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
痴漢事件を起こしてしまい、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
MDMA所持事件において弁護士を依頼する方法
今回は、MDMAを所持していた疑いで逮捕されてしまった場合において、弁護士を依頼する方法につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説いたします。
~ケース~
北海道赤平市に住むAさんは、かねてから警察により薬物犯罪の被疑者として内偵を受けていました。
札幌方面赤歌警察署は捜索差押許可状の発付を受け、ある日の朝、Aさんの自宅を訪れました。
Aさんは捜索差押許可状を見せられて観念し、警察官らを自宅に入れました。
捜索の結果、タンスの奥に隠して保管していたMDMAが発見されたため、Aさんは麻薬取締法違反の疑いで逮捕されてしまいました。
Aさんには心当たりのある弁護士がいません。
弁護士を付けたいと考えていますが、どうすればよいのでしょうか。(フィクションです)
~MDMAを所持した場合に成立しうる罪~
(所持する行為について)
麻薬及び向精神薬取締法第66条1項は、「ジアセチルモルヒネ等以外の麻薬を、みだりに、製剤し、小分けし、譲り渡し、譲り受け、又は所持」する行為を禁止しています。
ジアセチルモルヒネ等とは、一般に「ヘロイン」のことを意味します。
MDMAは、「ジアセチルモルヒネ等以外の麻薬」に該当します。
自宅のタンスの奥にMDMAを隠して保管する行為は、通常、「所持」に該当すると判断されるでしょう。
MDMA所持罪につき有罪判決が確定すると、7年以下の懲役に処せられます。
(MDMAを使用する行為について)
MDMAを「施用」(条文上「施用」となっています)する行為も処罰の対象です(麻薬取締法第66条の2第1項・27条第1項)。
「施用」とは、「麻薬を注射、経口、粘膜への塗布、鼻腔からの吸入等の方法によって、自己又は他人の身体に用いること」をいいます。
AさんがMDMAを使用したことが直接に認められる記載はありませんが、MDMAを所持していたのであれば、これを使用していたのではないかという嫌疑もかかる可能性が高いです。
捜査機関が何らかの方法(任意か強制かはケースバイケースということです)でAさんの尿を取得し、鑑定の結果、MDMAを施用したことが認められるのであれば、MDMAの施用行為を立証する強力な証拠となりえます。
~弁護士の依頼方法~
Aさんには心当たりのある弁護士がいません。
弁護士を付けたいと考えていますが、どうすればよいのでしょうか。
弁護士を付ける方法として、以下の方法が考えられます。
(当番弁護士)
逮捕されてしまった場合に、1回だけ、無料で接見にやってくる弁護士です。
逮捕後、警察官や検察官、勾留質問時の裁判官に当番弁護士を依頼すれば呼んでもらえます。
また、Aさんの家族も呼ぶことができます。
接見費用は無料ですが、2回目以降の接見、その他の弁護活動を行うことはできません。
(国選弁護人)
勾留決定が出ている場合において、被疑者が貧困その他の事由により弁護人を選任することができないとき、被疑者の請求により国が付する弁護士です。
原則として無料ですが、執行猶予付判決を獲得し、再就職の目途が立っている場合などにおいては、有料となる場合もあります。
デメリットとしては、上記の通り、一定以上資産があると選任できないという点が挙げられます。
また、勾留決定後に初めて付せられるため、勾留を阻止する活動を行ってもらうことができません。
(私選弁護人)
国ではなく、Aさんの側で弁護士費用を負担し、選任する弁護士です。
有する権限は国選弁護人と変わりませんが、逮捕前、勾留決定前であっても選任できます。ケースでは既に逮捕されてしまっていますが、自首をするにあたって弁護士をつけたいというような場合においては、私選弁護人を利用する必要があります。
また、刑事事件に熟練しているか、自身との相性が合うかを検討した上で選任することができます(国選弁護人はランダムに決められるため、付せられる弁護士が刑事事件に熟練しているとは限りません)。
Aさんには心当たりのある弁護士がいないため、Aさんの方から私選弁護人を依頼することは難しいかもしれませんが、Aさんの家族において弁護士を依頼することもできます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、逮捕されてしまったご家族、ご友人のために、初回接見(有料)を実施しています。
初回接見をご希望の方は、是非、お気軽に弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
営利目的覚醒剤輸入・関税法違反の故意を否定する弁護活動
今回は、海外で預かった粉末を覚醒剤と知らずに日本へ輸入してしまった場合の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士が解説いたします。
~ケース~
Aさんは海外旅行中、現地で仲良くなったA2から、「日本の知り合いに特産物の塩を届けて欲しい。交通費くらいは出しましょう」と頼まれ、塩の入ったケースを受領しました。
日本での交通費として、日本円に換算すると1万円ほどの通貨も受け取っています。
Aさんが帰国すると、税関検査において「塩の入ったケース」の中から覚醒剤の粉末が発見されたため、Aさんは営利目的覚醒剤輸入及び関税法違反の疑いで札幌方面千歳警察署に逮捕されてしまいました。
Aさんの旅行先の特産物は確かに塩であり、Aさんとしては「塩の入ったケース」から覚醒剤が発見されたことは青天の霹靂です。
Aさんはどうすればよいのでしょうか。(フィクションです)
~Aさんに成立しうる犯罪は?~
Aさんには、覚醒剤取締法違反の罪(営利目的輸入の罪)、関税法違反の罪(禁制品輸入未遂罪)が成立する可能性が高いと思われます。
~覚醒剤の営利目的輸入の罪~
覚醒剤の営利目的輸入の罪は、営利の目的で、覚醒剤を、みだりに、本邦に輸入する犯罪です。
法定刑は無期若しくは3年以上の懲役、又は情状により無期若しくは3年以上の懲役及び1000万円以下の罰金となっています(覚醒剤取締法第41条2項)。
営利目的による覚醒剤の輸入行為は大変な重罪であり、裁判員裁判法第2条1項1号により、裁判員裁判対象事件とされています。
~関税法違反の罪~
関税法第69条の11第1項1号は、覚醒剤、覚醒剤原料を輸入してはならないとしており、これに違反すると、関税法第109条1項により、10年以下の懲役若しくは3000万円以下の罰金に処せられます。
これらの刑罰が併科(同時に科される)されることもあります。
~裁判員裁判について~
営利目的の覚醒剤輸入罪は、裁判員裁判対象事件なので、複雑かつ重い手続に服さなければなりません。
裁判員が参加している、という点も、負担に思われるかもしれません。
~Aさんが塩と誤信していた点について~
Aさんはケースの中身すべてが旅行先の特産物である塩と認識していました。
犯罪の成立には原則として「故意」が必要です(過失●●罪のように、過失犯が処罰される場合もあります)。
そのため、Aさんにおいて覚醒剤を輸入しているとの認識はなかったことを明らかにすることができれば、無罪判決または不起訴処分を獲得することができます。
~想定される弁護活動~
ただし、「知らなかった」と言えば通用するほど甘くはありません。
もちろん取調べで「覚醒剤とは知らなかった」と供述する必要はありますが、他にもAさんにとって有利な事情を積み重ね、検察官や裁判官にアピールする必要があります。
ケースのような事件においては、「故意」がしばしば争われます。
故意がなかったと説得的に主張するには、故意がなかったということを合理的に説明できる有利な事情が必要です。
(ケースにおける有利な事情)
ケースの場合はどうでしょうか。
有利な事情の一つとして、Aさんの旅行先の特産物が塩であったことが挙げられるでしょう。
海外旅行のお土産として現地の特産物を持ち帰ることはよくあることです。
その点を考慮すれば、Aさんがケースの中身すべてにつき「塩」であると認識したことは十分合理的であるといえるかもしれません。
二つ目に、A2から受け取った報酬の額が1万円と低廉であるという点です。
報酬の額が100万円であるなど、非常に高額であれば、違法な物件を運ぶためにお金を渡されているのだ、とみられる余地もあります。
しかし、1万円は国内における交通費として妥当と考えられますし、1万円を得るために裁判員裁判対象事件となるような重大事件を起こすことは到底考えられない、と主張することもありうるでしょう。
このように有利な事情を積み重ねていき、故意を否定する弁護活動を行っていくことになります。
~逮捕されたらすぐに弁護士に相談~
説得的に故意を否定する弁護活動を展開するには、刑事事件に熟練した弁護士の力が役立ちます。
まずは弁護士の接見を受け、有利に事件を解決するためのアドバイスを受けましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が営利目的覚醒剤輸入罪、関税法違反の罪で逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
強制わいせつ致傷事件の弁護活動
強制わいせつ致傷罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士が解説いたします。
~今回のケース~
北海道砂川市に在住のAさん(30歳)は、Vさん(20歳)が帰宅した瞬間を狙い、Vさんの自宅に侵入し、Vさんを押し倒して胸を触るなどのわいせつ行為を行いました。
突然押し倒されたVさんは、その時に腰を強く床に打ち付け、腰の骨を折るなどの重傷を負いました。
Vさんの助けを求める声を聞いた隣人が警察に通報し、現場に駆け付けた札幌方面砂川警察署の警察官は、Aさんを強制わいせつ罪の疑いで現行犯逮捕しました。
Aさんが逮捕されたことを聞いたAさんの両親は、自分たちがどう動けばよいか分からなかったので、弁護士に相談することにしました。
(これはフィクションです)
~問題となる条文~
〇刑法 第176条 強制わいせつ
13歳以上の男女に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の男女に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
・行為
①被害者が13歳以上である場合
被害者が13歳以上である場合、「わいせつな行為」の際に、「暴行又は脅迫」という手段を用いることが必要となります。
「暴行」とは「正当な理由なく被害者の意思に反してその身体に有形力を行使すること」とされています。
「脅迫」とは「害悪の告知」のことを言います。
そして、強制わいせつ罪における「暴行」や「脅迫」は「相手方の犯行を著しく困難にする程度のもの」であることが必要であるとされています。
②被害者が13歳未満である場合
一方、被害者が13歳未満(12歳以下)である場合は、暴行や脅迫といった手段が無かったとしても、「わいせつな行為」を行った時点で強制わいせつ罪が成立することになります。
・わいせつ
判例によると、「わいせつ」という言葉の定義は、公然わいせつ罪(刑法174条)、わいせつ物頒布等罪(刑法175条)と同様に「性欲を刺激、興奮又は満足させ、かつ、普通人の性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する行為」をいうとされています。
しかし、強制わいせつ罪は、公衆の性的風俗ではなく、個人の性的自由を保護するために制定されているため、他の犯罪よりも、「わいせつな行為」として認められる範囲は広くなっています。
・性的意図
これまで、強制わいせつ罪においては、「性的意図(自己の性欲を刺激・興奮させ、又は満足させる意図)」が必要か否かについて議論されてきました。
しかし、平成29年の最高裁判所の判例では、「性的意図は必須の要件ではない」と判断されました。
そのため、性的意図が無く、単に相手に嫌がらせをするためにしたわいせつな行為であったとしても、強制わいせつ罪に該当する可能性が高いです。
〇刑法 第181条 強制わいせつ等致死傷
1第176条、第178条若しくは第179条第1項の罪またはこれらの未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は3年以上の懲役に処する。
2(略)
強制わいせつ罪(刑法176条)の罪を犯し、さらに相手を死傷させた場合は刑罰が加重されます。
今回のケースでは、Aさんはわいせつ行為を行った際、Vさんは腰の骨を折るなどの重傷を負ったため、強制わいせつ致傷罪が成立するでしょう。
~今回のケースにおける弁護活動~
①接見
今回のケースのような性犯罪事件は重大性が高い上に、被害者との接触のおそれがあることから、身体拘束(逮捕・勾留)を受ける可能性が高いです。
身体拘束を受けた場合、ご家族の方は接見(面会)に行くことは可能ですが、接見のできる時間は限られていますし、接見禁止命令が出されている場合は、ご家族の方であっても接見することが出来ません。
そこで、ご家族の方から、性犯罪知識を含む刑事事件への知識や経験が豊富な弁護士に接見を依頼することをおすすめします。
弁護士にはご家族の方とは異なり、接見禁止といった制約がないので、ご家族の方の代わりに自由に面会をすることができますし、ご家族の方からの伝言を伝えることもできます。
〇示談交渉
示談が成立することによって、検察官に不起訴処分にするよう働きかけることが容易になります。
しかし、今回のケースのような、性犯罪事件の場合は特に、被害者の方と罪を犯してしまった方とが直接会って示談ができる可能性は極めて低いです。
そこで、法律の専門家である弁護士が、罪を犯してしまった方の代わりに被害者の方との示談交渉を行うことができます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では刑事事件に強い弁護士が無料法律相談、初回接見サービスをおこなっております。
無料法律相談や初回接見サービスの予約はフリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けておりますので、北海道砂川市の強制わいせつ致傷事件など、刑事事件でお困りの方はお気軽にお問い合わせください。
他人の自動車のタイヤをパンクさせ逮捕
今回は、自宅玄関前に自動車を駐車された腹いせに、自動車のタイヤをパンクさせた疑いで逮捕されてしまった場合の弁護活動につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
~ケース~
北海道旭川市に住むAさんの自宅玄関前にはたびたび他人の自動車が駐車されており、かねてからAさんは自動車の持ち主に対して怒りを覚えていました。
ある日、駐車をされた腹いせにアイスピックを用い、自動車のタイヤを全てパンクさせ、あわせて、塗装用スプレーで自動車に落書きをしました。
被害に気付いた自動車の持ち主Vは怒り心頭で、旭川方面旭川中央警察署に告訴状を提出しました。
事件を起こしてしばらく経ってから、Aさん同署より呼び出しを受けました。
取調べで尋ねられたことは、上記の犯行についてです。
取調べが終わった後、Aさんは器物損壊の疑いで逮捕されてしまいました。
Aさんは自宅玄関前に勝手に車を駐車したVに落ち度があると考えており、逮捕されたことにまったく納得がいきません。
どうすればよいのでしょうか。(フィクションです)
~器物損壊罪とは?~
公用文書、私用文書、他人の建造物又は艦船以外の、他人の物を損壊し、又は傷害する犯罪です(刑法第261条)。
「公用文書」、「私用文書」、「他人の建造物又は艦船」を破いたり、破壊した場合には、別の犯罪が成立します。
「損壊」とは、その物の効用を害する行為をいいます。
アイスピックで他人の自動車のタイヤをパンクさせたり、塗装用スプレーを用いて他人の自動車に落書きをする行為は、「他人の物を損壊」したものと判断される可能性が高いでしょう。
「傷害」とは、動物を客体とする場合であり、「損壊」と同じ意義です。
他人の動物を傷つけたり、死亡させたりすることはもちろん、養魚池の水門を開いて、飼養中の鯉を養魚地の外へ流出させる行為も「損壊」に該当します。
器物損壊罪について有罪判決が確定すると、「三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料」に処せられます。
~Aさんは逮捕されたことに納得していないが~
Aさんは、Vに落ち度がある以上、自分には非がないと考えているようです。
Vの駐車が法律に違反するか否かはケースバイケースです。
「Aさんの自宅玄関前」が道路交通法第45条の規定する場所であれば駐車違反になりうるでしょう。
また、Vが車を停めている時間が長ければ、「自動車の保管場所の確保等に関する法律」違反になる可能性もあります。
しかし、AさんがVの自動車をパンクさせたり、自動車に落書きをすることが許容されるか、という問題と、Vの行為が法律に違反したか否かは別の問題です。
もしVの自動車が障害物となっていたのであれば、Aさんには、警察に相談する、Vと交渉するなどといった選択肢があったはずです。
それにも関わらず、Aさんは犯罪行為によってVに復讐するという方法を選んでしまいました。
Aさんの行為が正当化される余地はないでしょう。
Vの行為に立腹していることは十分理解できるところではありますが、Aさんにおいてしっかりと内省を深め、Vに謝罪をし、生じさせた損害を賠償する必要があるでしょう。
~Vと示談ができれば不起訴処分を獲得できる可能性がある~
Vに謝罪と賠償を尽くし、示談を成立させ、告訴も取り下げてもらうことができれば、ケースの事件は不起訴処分となります。
器物損壊罪は「親告罪」とされており、告訴がなければ起訴されることがありません。
不起訴処分を獲得することができれば、裁判にかけられることはありません。
したがって、刑罰を受けずに事件を解決することができるのです。
~早期に弁護士を依頼~
もっとも、愛車を傷つけられたVはかなり怒っているでしょう。
どれだけ高額の示談金を提示したとしても、Vが応じてくれなければ示談を成立させることはできません。
示談交渉のため、十分な時間を用意する必要があります。
なるべく早期に弁護士を依頼し、事件解決に向けて行動していきましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が器物損壊の疑いで逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。