北海道江別市のスナックの無許可営業事件について、弁護士法人あいち刑事総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。
【事例】
Aさんは、北海道江別市の繁華街で、風俗営業の許可が必要なスナックを無許可で営業していたとして、北海道江別警察署に逮捕されました。
5年ほど前にお店をオープンした当初、Aさんは、居酒屋の営業をしていましたが、売り上げが伸び悩み、2年ほど前から女性スタッフを雇い、お客さんの横に座らせてお酌をするスナック形式での営業を始めました。
このように営業形態を変更したところ売り上げが伸び始めたので、1年前からは店内を改装し、照明器具を取り付けたり、ボックス席を設ける等したのですが、Aさんは、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律で義務付けられている、スナック営業の許可を届け出ていませんでした。
Aさんは、半年ほど前に、北海道江別警察署の立ち入り検査を受け、無許可営業であることを警告されていましたが、その後も許可を得ず営業を続け、今回の逮捕に至りました。
逮捕の知らせを受けたAさんの妻は、弁護士に初回接見を依頼しました。
(フィクションです)
【風営法上のスナックとは】
風営法とは、正式には「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」という名称の法律で、通称として「風営法」や「風適法」と呼ばれています。
風営法上で規制されている業態としては、
①第1号営業:キャバクラやホストクラブ等顧客を接待する飲食店
②第2号営業:照度10ルクス以下の飲食店
③第3号営業:客席の広さが5㎡の飲食店
等が挙げられます。
また、パチンコ店やゲームセンター等が風営法上の規制の対象となっており、その他性風俗店やダンスクラブも規制の対象となっています。
ただし、スナックの場合には線引きが難しい場合があり、接待を含まない場合には風俗営業とは認められないことがありますが、実際は大半の場合風俗営業とみなされます。
【許可が必要なスナック営業】
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律では、「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」を風俗営業の「接待」とし、許可を得ずに接待することは、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律違反に当たるとしています。
「接待」とは、警察庁の「解釈運用基準」で定められており、法律によって明確化されているものではありません。
この運用基準では
①談笑やお酌をする
②ショーを見せる
③カラオケでデュエットしたり、客の歌に手拍子をとり拍手する
④ダンスをさせる
などが接待に当たるとしていますが、客のタバコに火をつけたり、おしぼりを手渡すことも接待行為に該当すると判断されて、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の適用を受けることがあるので注意しなければなりません。
【スナックの無許可営業で逮捕されると】
接待を含むスナックを無許可で営業していた場合、風営法に違反する行為となります。
逮捕後に起訴され有罪判決を受けると、「2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金又は懲役と罰金の併科」が科せられることになります。
また、その他行政上の処分が下され、一定期間店の営業ができなくなる場合があります。
【初回接見の重要性】
被疑者として逮捕されると、その後2~3日程度は家族を含む他人との面会が許されないことが多くあります。
加えて、警察が逮捕の理由を家族などに詳しく教えてくれるわけでもないため、被疑者の周囲としては何が起きたのか全く分からないことも珍しくありません。
一方、その間に被疑者は弁解を聴取されたり取調べを受けたりすることになり、日常生活において馴染みのない状況下で独りにならなければなりません。
以上のような場合には、弁護士に初回接見を依頼することを強くおすすめします。
弁護士には被疑者・被告人に防御権を有効活用させる責務があり、一般人には認められない様々な特権が認められています。
これにより、弁護士であれば、面会の制限を受けることなく逮捕直後の被疑者と接見(面会)することができるのです。
一度弁護士が被疑者と接触できれば、被疑者に対しては取調べ対応や事件の流れなどを、周囲に対しては被疑者の状況を伝えることが可能となります。
更に、初回接見のスピードは、その後の事件の方向性に直結する、いわば弁護活動の出発点となるものです。
ですので、もし逮捕の知らせを受けたら、まずはためらうことなく弁護士に初回接見を依頼してください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、刑事事件に特化した弁護士が、お申込み後遅くとも24時間以内に初回接見を行う態勢を整えております。
ご家族などが風営法違反(無許可営業)の疑いで逮捕されたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。