外国人事件―退去強制事由になるのか

退去強制

退去強制事由があるときは、退去強制をさせられます(出入国管理及び難民の認定に関する法律24条)。

旅券や上陸許可のないまま本邦に上陸したり、在留資格を取消される等の場合の他、刑罰法令に触れて刑の言い渡しを受け判決が確定した場合も、退去強制事由となります。

なお、特別永住者についてはこの限りではありません。

 

退去強制になる刑の重さについては、違反した刑罰法令により異なります。

  • 旅券法違反(24条4号ニ)、集団密航等の入管法違反(24条4号ホ)、薬物関係違反(24条4号チ):刑の重さに関わりなく、刑に処せられた場合
  • 資格外活動等の入管法違反(24条4号へ):禁錮以上の刑に処せられた場合
  • 20歳未満の少年で長期3年を超える懲役又は禁錮の刑に処せられた場合(24条4号ト)

    なお、これらの罪を犯した場合は、退去強制される前に任意で本邦から退去した場合は退去の日から5年(5条9号ロ)、強制退去させられた場合は退去の日から10年(5条9号ハ)、本邦への上陸を拒否されます。

    外交、公用、教授、芸術、宗教、報道、高度専門職、経営管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、介護、興行、技能、技能実習、文化活動、短期滞在、留学、研修、家族滞在、特定活動、といった在留資格(別表第1の在留資格)の外国人については、刑法第二編第十二章(住居侵入等)、第十六章から第十九章まで(各種偽造)、第二十三章(賭博等)、第二十六章(殺人)、第二十七章(傷害等)、第三十一章(逮捕及び監禁)、第三十三章(略取、誘拐及び人身売買)、第三十六章(窃盗及び強盗)、第三十七章(詐欺及び恐喝)若しくは第三十九章(盗品等に関する罪)の罪、暴力行為等処罰に関する法律違反の罪(集団的暴行・脅迫・器物損壊(1条)、加重傷害(1条の2)、常習的暴行・傷害・脅迫・器物損壊(1条の3))、盗犯等の防止及び処分に関する法律の罪、特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律15条(販売・授与)若しくは16条(所持・携帯)の罪又は自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律2条(危険運転致死傷)若しくは6条1項の罪(無免許運転危険運転致死傷)により、懲役又は禁錮の刑に処せられた場合、退去強制事由に当たります(入管法24条4号の2)。

    これらの者は判決の宣告を受け、その後出国して本邦外にある間に判決が確定し確定の日から5年を経過するまで、本邦への上陸を拒否されます(5条9号の2)。

  • 上記以外では、無期又は1年を超える懲役若しくは禁錮に処せられた者が退去強制事由に当たります(入管法24条4号リ本文)。ただし、刑の全部の執行猶予の言渡しを受けた者及び刑の一部の執行猶予の言渡しを受けた者であってその刑のうち執行が猶予されなかつた部分の期間が1年以下の者については退去強制事由に当たりません(入管法24条4号リ但書)。これらの退去強制事由に当たる場合は、退去強制される前に任意で本邦から退去した場合は退去の日から5年(5条9号ロ)、強制退去させられた場合は退去の日から10年(5条9号ハ)、本邦への上陸を拒否されます。

 

退去強制を回避するには

刑事事件を起こしたと疑われても、事件によっては被害者と示談を結び適切な取り調べ対応をすれば、退去強制されずに済むことになります。刑事事件を起こしたと疑われたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部へご連絡ください。

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