強盗致傷事件で保釈

北海道池田町の強盗致傷事件における保釈について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事例】

北海道池田町に住むAさんは、お金に困ったことから、近くのコンビニでおにぎり1つ(時価100円相当)を万引きしました。
しかし、Aさんがお店を出ようとしたところ、お店の従業員が万引きに気付き、Aさんのことを追いかけてきました。
捕まってしまうと大変なことになると思ったAさんは、追いかけてきた従業員の腕をつかみ、その場に押し倒しました。
押し倒された従業員は、膝をすりむき、全治1週間の傷害を負ってしましました。
その日は逃げることができたAさんですが、翌日自宅に北海道池田警察署の警察官がやってきて、そのまま逮捕されてしまいました。

【強盗致傷罪】

Aさんは、おにぎりを万引きしているため、窃盗に当たる行為をしています。
しかし、その後Aさんは追いかけてきた従業員に暴行を加えました。このような場合、「窃盗が、(・・・)逮捕を免れ(・・・)るために、暴行または脅迫をしたときは、強盗として論ずる」として、刑法238条により、強盗の罪が成立します。この刑法238条の罪を、「事後強盗」と呼んでいます。
また、「強盗が、人を死傷させた時」は、強盗致傷罪が成立します(刑法240条)。
よって、今回のAさんには強盗致傷罪が成立します。
そして、強盗致傷罪の場合には、法定刑が無期又は6年以上の懲役と非常に重いものとなっています。

【裁判員裁判】

強盗致傷罪は無期懲役が定められているため、裁判員裁判対象事件です。
裁判員裁判とは、裁判官3名と、一般国民から選ばれた裁判員6名の合計9名が、刑事裁判の審理を行い、有罪か無罪か、有罪とすればどのような刑が適切であるか評議をし、判決をするという裁判です。
この裁判は、国民感情を裁判という司法の場に反映するために導入されました。そのため、有利な判決を得るためには、裁判官だけではなく、裁判員に対しても、分かりやすい説得的な議論が必要となります。

【強盗致傷の捜査段階の弁護活動】

強盗致傷罪は、裁判員裁判対象事件ですから、一度起訴されてしまうと、裁判員裁判という大掛かりな裁判になってしまいます。
そのため、できる限り起訴を防ぐ弁護活動が必要となります。
今回のAさんの事件のような場合には、おにぎりの所有者であるコンビニ店舗に被害弁償する、追いかけてきた従業員に対して治療費や慰謝料の支払いをするといったことを行い、穏便な解決を図るということが重要になります。
Aさんの罪は、強盗致傷罪という思い罪名ではありますが、実態としては100円の万引きと、全治1週間の傷害というものですから、両者ときちんと示談することができれば、最終的に不起訴処分となることも十分考えられます。

【保釈による釈放】

強盗致傷罪の事案は、一般的に重大な事件として釈放が実現しづらい傾向にあります。
そうしたケースでは、起訴された後で保釈請求を行い、保釈によって身柄解放を実現することが重要になります。
保釈とは、裁判所に指定された額の金銭を納付することで、一定の条件のもと身柄を解放してもらう手続のことです。
裁判所に納付した金銭は、逃亡や証拠隠滅に及ぶなど一定の事情が生じた場合に没収(没取)されるものです。
これは裁判所にとって担保となる一方で、被告人にとってはそうそう不審な行動に及ばないことを根拠づける事実にもなります。
このことから、保釈は重大事件においても比較的認められやすくなっているのです。

被疑者として勾留されている最中に起訴されると、勾留は被疑者用のものから被告人用のものへと切り替わり、勾留の期間が最低2ヶ月は延長してしまいます。
更に、その期間の経過後は1ヶ月毎に勾留が更新されることとなるため、場合によっては判決が出るまで拘束が続くという事態になりかねません。
そうした著しい不利益を阻止するうえで、保釈という手段は非常に重要になります。
一日でも早い保釈を実現するために、保釈に関する手続はぜひ弁護士に任せてください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、これまで数々の刑事事件と接してきた弁護士が、保釈の実現に向けて迅速に弁護活動を行います。
ご家族などが強盗致傷罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

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