自殺の手助けをした自殺幇助罪
自殺の手助けをしたことにより成立する自殺幇助罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道札幌市手稲区在住のAさんは、札幌市手稲区内の会社に勤める会社員です。
Aさんは、何かしら社会の役に立ちたいと考えていたところ、SNS上で「自殺したいので車を出してくれる人を募集しています」と書かれた投稿を目撃しました。
そこで、AさんはVさんとダイレクトメッセージでやり取りをして、札幌市手稲区にあるVさんの自宅に車で行った後、Vさんを車に乗せて札幌市手稲区の緑地帯に連れて行き、Aさんは事前に用意したロープをVさんに渡して立ち去りました。
Aさんは翌日の報道で、実際にVさんがロープを使って首吊り自殺をしたことを知りました。
事件からしばらく経った後、Aさんの自宅に札幌方面手稲警察署の警察官が訪れ、Aさんを自殺幇助罪で逮捕しました。
≪ケースは全てフィクションです。≫
※(参考)生きることが辛く感じられる方へ:こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556
【自殺幇助罪について】
何かしらの理由で、自らの命を絶ってしまう方がおられます。
自ら自身の命を絶つ行為を、自殺と言います。
自殺そのものは、刑事事件に問われるものではありません。
しかし、その自殺を手助けする行為は自殺幇助罪と呼ばれ、罪に問われます。
条文は以下のとおりです。
(自殺関与及び同意殺人)
刑法202条 人を教唆し若しくは幇助して自殺させ、又は人をその嘱託を受け若しくはその承諾を得て殺した者は、6月以上7年以下の懲役又は禁錮に処する。
条文に規定のある「幇助」というのが、自殺の「手助け」を意味します。
Aさんのように、自殺をしたいという者を希望する場所まで連れて行ったり、自殺のためのロープを準備して渡したりする行為は、手助けに当たり、自殺幇助罪に問われる可能性があります。
【自殺幇助罪での弁護活動】
自殺幇助罪で取調べを受ける場合、被疑者が
・自殺をした方に「自殺する意思」があることを知っていたのか
・自殺の手助けに当たる行為をしてしまったのか
が問題になります。
自殺幇助罪の場合、自殺した方は既に亡くなっているため、被疑者と自殺した方の間でのやり取りのデータのほか、被疑者自身の供述は重要な証拠になります。
そのため、警察官や検察官の厳しい取調べが行われる可能性があります。
自殺幇助の罪に問われている被疑者の方は、弁護士に相談し、自身の記憶と考えを整理したうえで取調べに臨むことが望ましいと言えます。
また、家族が自殺幇助罪で逮捕・勾留されている場合、すぐに取調べの状況を確認するため、弁護士に依頼をする方が良いでしょう。
北海道札幌市手稲区にて、自殺幇助罪で捜査を受けている方、あるいは家族が自殺幇助罪で逮捕・勾留されている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご連絡ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で相談を受けることができます。
家族が自殺幇助罪で逮捕・勾留されている場合は、初回接見サービス(有料)をご案内致します。