(架空の事例で検討)北海道石狩市での殺人未遂事件について検討―自分がやった事件でも黙秘権が重要になるのはなぜ?

(架空の事例で検討)北海道石狩市での殺人未遂事件について検討―自分がやった事件でも黙秘権が重要になるのはなぜ?

北海道石狩市で発生したとする架空の殺人未遂事件を踏まえ、取調べでの黙秘権の重要性について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が検討します。

【ケース】

北海道石狩市在住のAさんは、石狩市内で自営業をしています。
Aさんは事件当日、石狩市内の飲食店で酒を飲んでいたところ、悪酔いしてしまい、知人のVさんと口論になり殴る蹴るの喧嘩に発展しました。
AさんはVさんより体格がよく、Aさんは馬乗りになって近くにあったビール瓶でVさんの頭を何度も殴打し、Vさんは頭蓋骨から流血し一部陥没するなど重傷を負いました。
通報を受けて臨場した札幌方面北警察署の警察官は、Aさんを殺人未遂罪で現行犯逮捕しました。
Aさんは接見に来た弁護士に、黙秘権について相談しました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【殺人未遂罪について】

(殺人罪)
刑法199条 人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。
(未遂犯処罰規定)
刑法203条 第199条及び前条の罪の未遂は、罰する。
(未遂犯)
刑法44条  未遂を罰する場合は、各本条で定める。

殺人未遂罪は、殺人罪の未遂犯です。
殺人未遂罪が成立する場合とは、加害者が被害者を殺害しようと思い着手(行動)したものの、幸いにも被害者の死亡という結果を遂げなかった場合に成立します。

【黙秘権とは】

黙秘権とは、警察官・検察官などの取調べを受けている被疑者には、自身の意に反して供述しなくても良いとされるものです。
憲法38条1項で「何人も、自己に不利益な供述を強要されない。」と定められていて、刑事訴訟法では刑事訴訟法198条2項で「…取調に際しては、被疑者に対し、あらかじめ自己の意思に話して供述をする必要がない旨を告げなければならない。」と定められています。
つまり、取調べで被疑者には黙秘権という権利が憲法上保障されていて、警察官や検察官は取調べを行う前に被疑者に黙秘権があることについて説明しなければならないと定められていて、取調べでは被疑者が黙秘するという意思を認めなければなりません。
但し、被疑者が黙秘すると宣言した場合でも、取調べを続けることは認められています。

黙秘権の行使で考えられるメリットは
①主観面での争いがある(故意の有無が罪状に大きく影響する)場合などで、捜査機関に有利な調書を作成されない。
②主観面以外の証拠収集が困難な場合(捜査機関が客観証拠を収集できない状況にある)に被疑者にとって不利な証拠が作成されない。
③被疑者が事件についての記憶が曖昧な状態(うろ覚えな状態)で供述をしないことで、不合理な供述調書の作成を避けることが出来る。
といった点が挙げられます。

一方で、黙秘権を行使することによるデメリットは存在しないことになっていますが、取調べでの口調が厳しいものになったり、身体拘束の判断を行う際に事実上の(本来受けてはならない)不利益が生じるおそれがあることも事実です。
黙秘権を行使すべきか否かについては事案によって判断が分かれるため、刑事事件専門の弁護士から説明を受けることをお勧めします。

【殺人未遂事件での弁護活動について】

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、殺人未遂罪のような厳しい刑事罰が科せられる可能性がある事件での弁護活動も受け付けています。
今回のケースであれば、
・酒に酔っていたため記憶が曖昧な可能性がある
・殺人未遂罪で起訴するためにはAさんがVさんを殺害しようとする意思があったことを裏付ける必要があるため威迫や誘導を用いて供述を得ようとする取調べが行われる可能性がある
などの理由から、黙秘権の行使が望ましいと判断される場合が考えられます。

北海道石狩市にて、家族が殺人未遂罪で逮捕されてしまい、黙秘権の行使について知りたいという場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士による初回接見サービス(有料)をご利用ください。
まずは弁護士が逮捕・勾留中の方のもとへ行き、接見を行ったうえで、事件の内容や取調べ状況、黙秘権行使の有用性について御本人様と御家族の方に説明します。

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