公務執行妨害

警察官の職務質問を逃れようとして、つい警察官の手を振り払ったり、押し出したりするかもしれません。しかし、そのようなことをすると公務執行妨害罪(刑法95条)により現行犯逮捕されてしまうかもしれません。

 

公務員

「公務員」は刑法7条に規定があります。まずは国又は地方公共団体の職員です。私鉄となったJRの鉄道職員は公務員ではありませんが、都営地下鉄の鉄道職員は東京都の職員であり公務員に当たります。さらに、法令により公務に従事する議員、委員その他の職員、いわゆる「みなし公務員」も含まれます。駐車監視員(道路交通法51条の13)などがみなし公務員に当たります。

なお、本罪が保護しているのは公務の適正な執行であり、公務員本人ではありません。

 

「職務」

職務は公務として保護に値するものでなければならず、職務はその公務員が行う権限を有するものである必要があります。また、公務員の執行する職務は適法なものでなければなりません。

ただし、例えば事後的に判断すると職務質問や現行犯逮捕の要件がなく違法であったとしても、これに対する暴行は当然に公務執行妨害とならないわけではありません。行為時の事情を客観的に評価して適法といえる公務はなお「職務」として保護され、これに対する暴行は公務執行妨害となります。

 

「職務を執行するにあたり」

本犯罪は公務員の職務妨害ですから、公務と無関係な行為、例えば休暇中の公務員に対して暴行を加えても公務執行妨害とはなりません。一方、職務そのものでなくとも、職務と時間的に近接する行為中であっても職務に対する妨害とされえます。休憩に入るために交番から出るところの警察官に対する暴行行為も公務執行妨害たり得ます。

 

暴行又は脅迫

公務執行妨害における暴行又は脅迫は、公務員に対し向けられたもので、公務員の職務の執行を妨害するに足るものです。直接公務員の身体に向けられる必要はなく、補助者や押収した物など間接的に向けても公務員に対するものと言えます。

 

他の罪との関係

公務執行妨害罪は3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処されます。しかし、罪の性質上、傷害など他の犯罪も成立しえます。

 

権力的公務に対する暴行又は脅迫

公務も業務に含まれるものでありこれに対する暴行又は脅迫は威力業務妨害(刑法234条・233条)にあたりますが、警察などの強制力を行使する公務員の公務の場合、暴行よりも軽微な威力などは自ら制圧できるとして、業務妨害罪が成立しないことがあります。

一方、公務であっても民間でも行うような業務の場合、公務執行妨害が成立せずとも威力業務妨害罪が成立しえます。

また、偽計による公務の妨害は、権力的公務でも制圧できないものとして、偽計業務妨害罪が成立するとする傾向にあります。

その他の行妨害については、~ 業務妨害 ~ へ

 

どの罪で罰されるか

公務執行妨害罪が成立する限りは、別途業務妨害罪では処罰されません。

また、暴行又は脅迫は公務執行妨害の手段であるため、別途暴行罪又は脅迫罪に問われません。

一方、公務員が死傷した場合、より重い傷害や殺人の刑でのみ罰されます。

 

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