強制わいせつ・準強制わいせつ・監護者わいせつ

暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6か月以上10年以下の懲役に処されます。

 

暴行

暴行は、身体に対する違法な有形力の行使をいいます。被害者の意思に反してわいせつ行為を行うに足りる程度の暴行です。相手の犯行を抑圧したり困難にする程度までは必要ありません。相手の股間に不意に手を差し入れる等被害者の身体に接触するわいせつ行為自体が暴行に当たることもあります。

 

脅迫

脅迫は、害悪の告知をいいます。

 

わいせつな行為

「わいせつな行為」は、「性欲を刺激、興奮又は満足させ、かつ、普通人の性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する行為」とされています。陰部に手を触れたり、自己の陰部を押し当てたり、女性の乳房に触れること等が、当たります。

 

性的意図

一見するとわいせつな行為に当たりますが、性的な意図をもって行ったとはいえない場合があります。このような場合も強制わいせつ罪に当たるか争いがあります。

かつて「刑法一七六条前段のいわゆる強制わいせつ罪が成立するためには、その行為が犯人の性欲を刺戟興奮させまたは満足させるという性的意図のもとに行なわれることを要し、婦女を脅迫し裸にして撮影する行為であつても、これが専らその婦女に報復し、または、これを侮辱し、虐待する目的に出たときは、強要罪その他の罪を構成するのは格別、強制わいせつの罪は成立しないものというべきである。」

と述べて報復及び侮辱目的で女性の裸の写真を撮った行為が強制わいせつ罪とならなかった判例がありました(最高裁判所昭和45年1月29日第一小法廷判決)。もっとも、この判例の後も、裁判例では何らかの形で性的意図があったと認定してきました。

しかし、借金の条件としてわいせつ行為を撮影するよう言われて、自らの陰茎を女児の口腔に挿入し、女児の陰部を触った事件では、性的意図は認められませんでした。

最高裁判所平成29年11月29日大法廷判決は

「故意以外の行為者の性的意図を一律に強制わいせつ罪の成立要件とすることは相当でなく、昭和45年判例の解釈は変更されるべきである。」

として、昭和45年判決を変更しました。もっとも、直ちにわいせつ行為と評価できる行為がある一方で、具体的な状況などを考慮に入れなければ性的な意味があるか分からない行為や、法定刑の重さからわいせつな行為として処罰に値すると評価すべきでない行為があることから、諸般の事情を考慮して行為の性的な意味合いの強さを考慮せざるを得ず、その事情の一つとして行為者の性的意図を考慮すべき場合があることは否定できないとしました。

今後も明らかなわいせつ行為でなければ、性的意図が考慮されるでしょう。

 

強制性交等の境界

従来の強姦は女性器に男性器を挿入することのみを指していたため、被害者の男女を問わず、口腔性交や肛門性交は強姦ではなく強制わいせつのみで処罰されていました。

平成29年7月施行の強制性交等の罪では、被害者が男女を問わず、口腔性交や肛門性交をした場合は強制性交等に当たることになります。

強制性交等については、その行為の被害者の性的自由への侵害の程度が大きく、行為態様が明らかであるため、処罰のために性的意図は要求されません。

 

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