面会・差入れについて
家族ならば逮捕されてしまった被疑者に面会したいと思うでしょう。逮捕された被疑者にとっても、外部の人とりわけ家族と会って話をすることは孤独感を克服するために重要です。しかし、逮捕されている段階では被疑者に会うことや差入れをすることができるのは弁護人だけで、家族は面会できません。
被疑者が勾留されてようやく家族も面会し差入れすることができます(刑事訴訟法80条)。
面会の留意点
弁護士の接見時間に制限はありませんが、それ以外の面会者の場合は時間制限があります。概ね、平日の朝の9時から昼の3時、1日1回で30分までと決まっています。面会に当たっては警察官が立ち会います。事件について通謀を図ると思われるような発言は制止させられます。
差入れの制限
差入れは何でもできるわけではありません。被留置者の自殺や自傷をふせぐため、フード付きのパーカーやひも付きのパンツなどの細長いものやプラスチック製ファイルなど薄くかたいものの差入れは禁止されています。
また、衛生上食品の差入れも禁止されています。
その他も書籍など一回で入れることのできる量に制限があります。何をどれだけ入れることができるのか、差入れする前に留置されている警察署に確認するなどした方が良いでしょう。
弁護士に依頼する場合の留意点
弁護士の職務は被疑者・被告人の弁護であり、接見では、今後の捜査への対応、示談等の活動方針の決定、など事件解決に向けた話し合いを行います。ご家族でできることはできる限りご家族自ら行った方が弁護士もスムーズに弁護活動を行うことができるため、できる限りご家族自身で面会や差入れをした方が良いでしょう。
接見等禁止
勾留自体逃亡や罪証隠滅の防止のために行われるものです。しかし、ただ勾留しただけではなお逃亡や罪証隠滅の防止ができない場合、検察官の請求又は裁判官の職権により接見等禁止の決定が出されることがあります。接見等禁止の決定が出されると、勾留されている被疑者と弁護人以外の者との接見が禁じられ、差入れもできなくなります(刑事訴訟法81条)。こうなると家族であっても被疑者に面会できなくなります。
弁護人は、この接見等禁止を解くために接見等禁止決定に対する準抗告をすることができます。あるいは、すべての人に対する接見等禁止決定を取消すことができなくとも、予備的に被疑者の家族についてだけ接見等禁止決定を取消すことを求めることもできます。