横領罪で事件化阻止

札幌市の横領事件における事件化阻止について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事例】

Aさんは、かねてより持っていた土地を処分したいと考え、知人のVさんに対して時価相当の1500万円で売りました。
代金を受け取った後、AさんはVさんが登記について何も言ってこないのにつけ込み、事情を知らないBさんに同額で土地を売りました。
しばらくして、Vさんは上記二重売買の事実を知り、Aさんに事実確認を行ったうえで北海道南警察署に被害届を出す旨宣言しました。
困ったAさんが弁護士に相談したところ、弁護士は①横領罪が成立する可能性があること、②示談により事件化阻止を狙うべきであることを説明しました。
(フィクションです。)

【土地の二重売買に成立する罪】

土地の二重売買は、ある者に対して土地を売ったにもかかわらず、同じ土地を別の者に対しても売る行為です。
民法上、土地は当事者の意思表示(契約)のみにより当事者間において所有権が移転し、第三者に対する権利の証明などは登記というものにより図られることになります。
つまり、土地の売買はいわば契約と登記で1セットとなっており、登記をしない限り第三者に対して土地が自己の物であると主張できない可能性があるのです。

土地の二重売買は売買という民事事件ですが、それだけでなく横領罪が成立して刑事事件となる可能性もあります。
横領罪が成立する理由は以下のとおりです。
まず、先ほど説明したように、所有権の移転は売買における意思表示のみで行われます。
これにより土地は買主の物となりますが、他方で土地の権利の帰属を外部に示す登記は依然として売主が握っている状態になります。
これは、売主が「他人の物」となった土地を法律上支配している、すなわち「占有」していると言えます。

そして、土地の二重売買を行う場合、売主は1番目の買主を裏切って、まるで自身が土地の所有者であるかのように土地を売ることになります。
このような行為は、買主との信頼関係に背いており、なおかつ所有者本人にしか許されないものであるため、「横領」に当たると言えます。

以上を上記事例に当てはめると、Aさんは自己が「占有」する「他人の物」を「横領」したことから、横領罪が成立して5年以下の懲役が科されるおそれがあると言えます。
ちなみに、上記事例のBさんが「既に売主がいたなら絶対に土地を買わなかった」などと思っていたのであれば、更に詐欺罪が成立する余地もあります。

【事件化阻止に至るには】

刑事事件は犯罪の発生が不可欠の要素となっており、警察などの捜査機関が介入する点で民事事件(単なるお金の請求など)とは区別されます。
ただ、捜査機関が全ての刑事事件を把握しているということは当然ながらなく、特に被害者がいる事件の殆どは被害届などの受理により認知することになります。
逆に言えば、被害届が出る前の段階で揉め事が解決すれば、事件化阻止が実現し様々な負担を免れることができるということになります。

事件化阻止によるメリットは様々なものがあります。

まず、捜査機関の捜査が及ぶことがなくなるため、取調べなどに時間を割かずに済みます。
事件の捜査は取調べだけでも複数回に渡るのが通常なので、それを全く受ける必要がないというのは大きいです。

また、捜査の進行状況などに縛られることなく、直ちに事件を終了させることができます。
逮捕を伴う事件は別ですが、逮捕を伴わない事件は終了までに数か月を要することもよくあります。
これに対し、事件化阻止による終了は、終了までに要求される捜査を受けることがない結果、速やかに事件から解放されます。

更に、捜査機関から被疑者として扱われないので、犯罪を疑われて捜査を受けたという前歴が残りません。
前歴は有罪となった場合につく前科とは異なりますが、のちに罪を犯した際に不利益に作用することがありえます。
ですので、事件化阻止はそうした不利益を回避することにもつながります。

以上のように、事件化阻止は不起訴や執行猶予よりも綺麗に事件を終えることができる点で優れています。
ただ、事件化阻止を実現するには、捜査機関が事件を了知する前に被害者と示談などを行う必要があります。
その際には円滑かつ適切な示談交渉が最重要となるので、少しでも不安であればぜひ弁護士に相談してください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、刑事事件に詳しい弁護士が、事件化阻止に向けて示談交渉などに真摯に取り組みます。
土地の二重売買などにより横領罪を犯してしまったら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。

事務所での法律相談料:初回無料
北海道南警察署までの初回接見費用:36,900円

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