【札幌市の弁護士が解説】自動車を運転していて死亡事故を起こしてしまったらぜひご相談を
北海道では,自動車の死亡事故の数が少なくありません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部でも,これまで数多くの自動車の死亡事故についてご相談・ご依頼を受けてきました。
最近でも,自動車の死亡事故について以下のようなニュースが報道されております。
【報道】※一部情報を修正しております。
道路を横断していた男性が乗用車にはねられ死亡 運転手の男を逮捕
夜,道路を渡っていた男性が乗用車にはねられました。
男性は病院に運ばれましたが死亡しました。
道路を横断していた男性が左側から来た乗用車にはねられました。
この事故で会社員の男性が死亡しました。
警察は,乗用車を運転していた容疑者を過失運転致死の疑いで現行犯逮捕しました。
警察の調べに対し容疑者は,容疑を認めているということです。
女性がひき逃げされ死亡 運転の男を逮捕
女性がひき逃げされ死亡した事件で,警察は車を運転していた男を逮捕しました。
容疑者は,路上で女性を車ではねたにもかかわらず,救護せずに走り去った疑いが持たれています。女性はその後死亡しました。
容疑者は商業施設の駐車場から道路へ出る際に,歩道を歩いていた女性を車の右前方ではねたとみられています。
警察によりますと,事故を目撃した男性が容疑者が乗っていた車を走って追いかけ,交差点で停車したところを取り押さえたということです。取り調べに対し「音はしたが,歩行者をはねた感覚はなかった」と容疑を否認しています。
交差点で道路を渡っていた高齢女性が軽乗用車にはねられ死亡 帰宅途中だった運転手の男を現行犯逮捕
交差点で高齢の女性が軽乗用車にはねられ死亡しました。
信号のない交差点で横断歩道とは別の場所を渡っていた女性が横から来た軽乗用車にはねられました。
女性は病院に運ばれましたが約7時間半後に死亡し,警察は軽乗用車を運転していた会社員の男を過失運転致傷の現行犯で逮捕しました。
男は仕事からの帰宅途中で,調べに対し「間違いありません」と容疑を認めています。
現場は見通しが良く,警察は容疑を過失運転致死に切り替えて事故の状況を調べています。
<過失運転致死罪>
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律の第5条は,「自動車の運転上必要な注意を怠り,よって人を死傷させた者は,七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし,その傷害が軽いときは,情状により,その刑を免除することができる。」と規定されております。
「自動車の運転上必要な注意」とは,運転者が自動車を運転する上で守るべき注意義務をいいます。
発生した事故から見て,どのような措置を取っていれば事故の発生を回避することができたかを,事故の具体的状況に即して検討します。
運転者に対してそのような措置を講じるべき義務を課すことが,可能で相当かどうかを検討して,義務を怠っていると評価できる場合に,犯罪が成立することになります。
まずは,運転者に過失があるかどうかが検討されることになります。
死亡事故が起きても,過失がなければ,犯罪とはなりません。
運転者に過失がなく,被害者に大きな過失があれば,運転者は刑事処分を受けません。
例えば,横断歩道の無い車道に急に歩行者が走ってきて衝突してしまったとしたら,歩行者の過失が大きく,運転者は衝突を回避することができなかったことから,犯罪は成立しないことになります。
死亡という結果だけでなく,過失の評価が重要となります。
過失が大きければ,それだけ刑事処分も重いものとなります。
<死亡事故に付随した悪質な行為>
飲酒運転による死亡事故は,悪質性が高いと評価され,重く処罰されます。
何人も,酒気を帯びて車両等を運転してはなりません。
違反して車両等を運転した者で,その運転をした場合においてアルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある酒に酔った状態にあったものは,5年以下の懲役又は100円以下の罰金となります。
違反して車両等を運転した者で,その運転をした場合において身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあつたものは,3年以下の懲役又は50万円以下の罰金となります。
政令で定める身体に保有するアルコールの程度は,血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラム又は呼気1リットルにつき0.15ミリグラムとされています。
これらの飲酒運転に関する罪だけでなく,過失運転致死罪も成立し,重く処罰されることになります。
死亡事故直後に勝手にその場から離れる轢き逃げ行為をしたら,重い刑罰となります。
交通事故があったときは,当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員は,直ちに車両等の運転を停止して,負傷者を救護し,道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければなりません。
車両等の運転者が,当該車両等の交通による人の死傷があった場合において,人の死傷が当該運転者の運転に起因するものであるときは,この義務に違反したら,10年以下の懲役又は100万円以下の罰金となります。
この場合において,当該車両等の運転者(運転者が死亡し,又は負傷したためやむを得ないときは,その他の乗務員)は,警察官が現場にいるときは当該警察官に,警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所,当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度,当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置である交通事故発生日時等を報告しなければなりません。
この報告をしなかったら,3月以下の懲役又は5万円以下の罰金となります。
死亡ひき逃げ事件については,悪質性が高いと評価され,厳しい刑事処分となります。
危険運転致死罪は,死亡事故事件として最も重く処罰されます。
「第2条 次に掲げる行為を行い,よって,人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し,人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。
一 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為
二 その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
三 その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為
四 人又は車の通行を妨害する目的で,走行中の自動車の直前に進入し,その他通行中の人又は車に著しく接近し,かつ,重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
五 車の通行を妨害する目的で,走行中の車(重大な交通の危険が生じることとなる速度で走行中のものに限る。)の前方で停止し,その他これに著しく接近することとなる方法で自動車を運転する行為
六 高速自動車国道(高速自動車国道法(昭和三十二年法律第七十九号)第四条第一項に規定する道路をいう。)又は自動車専用道路(道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第四十八条の四に規定する自動車専用道路をいう。)において,自動車の通行を妨害する目的で,走行中の自動車の前方で停止し,その他これに著しく接近することとなる方法で自動車を運転することにより,走行中の自動車に停止又は徐行(自動車が直ちに停止することができるような速度で進行することをいう。)をさせる行為
七 赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し,かつ,重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
八 通行禁止道路(道路標識若しくは道路標示により,又はその他法令の規定により自動車の通行が禁止されている道路又はその部分であって,これを通行することが人又は車に交通の危険を生じさせるものとして政令で定めるものをいう。)を進行し,かつ,重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為」
危険運転致死罪は,交通死亡事故の中でも特に悪質性が高いケースを重く処罰するものです。
多量のアルコールや,大幅なスピード違反や,他の車への異常接近等により,殊更交通事故を起こしやすい悪質な運転を対象としております。
死亡事故であれば,実刑になる可能性が高くなります。
<死亡事故を起こした場合ぜひご相談・ご依頼を>
死亡事故を起こしたら,逮捕される可能性が高いです。
家族などの身元引受人と協力して,釈放活動をする必要があります。
任意保険からの賠償とは別に,独自に示談活動をする必要があるかもしれません。
被害者遺族に誠意を持って謝罪し,話し合っていくことになります。
取調べでも,殊更こちらの過失を重く評価されるような誘導がなされないように,慎重に対応する必要があります。
警察は威圧してきたり,強引に話しを誘導してきたり,騙したりして,こちらの不注意を重くするような調書を作成しようとしてきます。
刑事弁護に精通した弁護士を立てて,毅然と対応するべきです。
起訴され裁判となったら,具体的にどのような主張をしていくかを検討することになります。
罪を認めて反省していることを示すだけでなく,事故をきちんと評価して過失が過剰に重く評価されないように主張しなければなりません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では,無料の面談を実施しております。
北海道札幌市にて、人身事故を起こしてしまい被害者が死亡してしまった場合、ぜひお気軽にご連絡してください。