ススキノで見知らぬ人を殴打し頬を骨折させるなどして傷害罪で逮捕されたという事例について検討

ススキノで見知らぬ人を殴打し頬を骨折させるなどして傷害罪で逮捕されたという事例について検討

北海道札幌市の繁華街であるススキノに於て、男性が見知らぬ男性に突然襲い掛かり怪我を負わせたという嫌疑で逮捕されたという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が検討します。

【報道事例】

去年10月、札幌市の繁華街ススキノの飲食店ビルで、30代の男性の顔を何度も殴り、頬の骨を折る大けがをさせたとして、23歳の男が逮捕されました。
傷害の疑いで逮捕されたのは、住所不定の自称・建設業、●●容疑者23歳です。
●●容疑者は去年10月5日午前5時半ごろ、札幌市のススキノの飲食店ビルの通路で、30代の男性の顔を何度も殴り、頬の骨を折る全治2か月の大けがをさせた疑いが持たれています。
警察によりますと、目撃した人からの通報を受け、警察官が駆け付けた際、すでに●●容疑者は現場を立ち去っていました。
その後、警察は防犯カメラの映像や近くの店舗への聞き込みなどで●●容疑者を割り出し、事件発生から半年余りで逮捕しました。
逮捕時、●●容疑者は別件で札幌被害警察署にいて、取り調べに対しては「僕がやったことで、間違いありません」などと話し、容疑を認めているということです。
一方、被害男性は●●容疑者と面識がなく、事件について「理由がわからず、突然、襲われた」などと話していて、警察は引き続き動機などを詳しく調べています。

≪北海道放送2024年4月22日(月) 13:11配信 「理由がわからず、突然、襲われた」ススキノの飲食店ビルで、30代男性の顔を何度も…男性は全治2か月の頬の骨折、半年余りで逮捕の23歳「僕がやったことで、間違いありません」引用※一部弊所に於てマスキング≫

【傷害罪について】

刑法204条 人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

今回の事例では、傷害罪で通常逮捕されたと報じられています。
傷害罪は、被害者に対して生理的機能を障害した場合に成立する罪で、すぐに治るような擦り傷程度でもこれに該当します。
傷害罪は、暴行に至った経緯や怪我の程度、被害者の処罰感情、被疑者の前科前歴の有無などを総合的に検討して処分を決められます。
初犯であれば、不起訴や略式罰金の可能性が高いと言えますが、今回の報道事例では被害者の怪我の程度が重いため、起訴され刑事裁判になることも考えられます。

なお、仮に加害者が武道やボクシングなどの経験者などで、被害者の方を執拗に殴打していた場合、傷害罪ではなく殺人未遂罪に問われることも考えられます。

【傷害事件での弁護活動】

本件では、加害者となる男性が罪を認めていると報道されているため、それを前提に弁護活動について検討します。

まず、傷害事件の場合、被害者がいることから、示談交渉が重要な弁護活動の一つに当たると言えるでしょう。
示談交渉は、加害者が罪を認め謝罪の意を示し、その賠償を行うことを意味し、示談書の取り交わしを行うことが一般的です。
示談書の内容は当事者間での協議によって決めることになりますが、被害届の取下げや宥恕(ゆうじょ:被害者が捜査機関に対し、加害者に厳しい刑事処罰を求めないという意思表示)などの約定を盛り込めることが理想的です。

次に、取調べでのアドバイス等が重要になります。
仮に加害者が被害者を執拗に殴打し、「死亡させる」「死亡するかもしれないが構わないだろう」といった認識がある場合、傷害罪ではなく殺人未遂罪の成立も検討されます。
捜査機関は、武器を用いたか・どの程度の力や回数で被害者を殴打したかといった客観的な情報に加え、加害者に被害者を殺害する意思があったのかどうかという主観の部分も重要視すると考えられます。
厳しい口調で取り調べを受けたり、誘導され調書が作成されたりする可能性もあるため、弁護士のアドバイス等は重要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、傷害罪などの数多くの刑事事件・少年事件に携わってきました。
ススキノなど北海道札幌市にて、家族が傷害罪で逮捕されてしまった場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士による初回接見サービス(有料)をご利用ください。

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