人身事故・死亡事故

交通事故を起こして、車が損傷した程度であれば、交通事故の場合の措置(道路交通法72条1項)を怠りでもしない限り刑事罰まで問われることはまずありません。

しかし、人を負傷させたり、死亡させた場合は、刑事責任を問われるおそれが高まります。

 

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律

自動車を運転して人を死傷させた場合は、かつては刑法の過失致死傷又は重過失致死傷により罪に問われていました。しかし、厳罰化の要求、飲酒運転や信号無視など極めて危険な運転行為による事故については特に重く処罰する必要が出てきました。そこで「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」が施行されました。

 

危険運転致死傷(2条)

危険な運転行為を行い、それにより事故を起こして人を死傷させた場合、通常の過失による事故よりも重く処罰されます。

次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は15年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は1年以上の有期懲役に処されます。

  1. アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為
  2. その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
  3. その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為。無免許運転の場合通常これに当たります。
  4. 人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為。左右折などの必要もないのに、幅寄せを行う行為などが当たります。
  5. 赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為。「殊更に無視」とは赤色信号等と認識しながら敢えて無視するもので、不注意で見逃した場合は通常の過失(5条)となります。
  6. 通行禁止道路(道路標識若しくは道路標示等により自動車の通行が禁止されている道路又はその部分であって、これを通行することが人又は車に交通の危険を生じさせるもの)を進行し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

アルコール等の影響により走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で自動車を運転した場合(3条)

アルコール又は薬物の影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、そのアルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を負傷させた者は12年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は15年以下の懲役に処されます(1項)。自動車の運転に支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるものの影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、その病気の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を死傷させた者も、同様に処罰されます(2項)。

 

過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱(4条)

アルコール又は薬物の影響によりその走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で自動車を運転した者が、運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた場合において、その運転の時のアルコール又は薬物の影響の有無又は程度が発覚することを免れる目的で、更にアルコール又は薬物を摂取すること、その場を離れて身体に保有するアルコール又は薬物の濃度を減少させることその他その影響の有無又は程度が発覚することを免れるべき行為をしたときは、12年以下の懲役に処する。

 

過失運転致死傷(5条)

以上のような危険運転行為はありませんが、自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処されます。ただし、その傷害が軽いときは、情状によりその刑を免除されることがあります。

 

無免許運転による加重(6条)

無免許運転(1条2項)の状態で以上の罪を犯した場合はより重く処罰されます。

危険運転致死傷(無免許運転のため「その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為」は当然のこととしてここでは除かれます。)の罪を犯して人を負傷させた者が、その罪を犯した時に無免許運転をした者であるときは、6月以上の有期懲役に処されます(1項)。

3条の罪を犯した者が、その罪を犯した時に無免許運転をしたものであるときは、人を負傷させた者は15年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は6月以上の有期懲役に処されます(2項)。

過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱の罪を犯した者が、その罪を犯した時に無免許運転をしたものであるときは、15年以下の懲役に処されます(3項)。

過失運転致死傷の罪を犯した者が、その罪を犯した時に無免許運転をしたものであるときは、10年以下の懲役に処されます(4項)。

 

人身・死亡事故を起こしたら。

事故を起こしたら、負傷者の救護や警察への報告などの交通事故の場合の措置(道路交通法72条1項)を行い、さらにひき逃げなどにならないようにすることが重要になります。そのうえで、被害者やその遺族との示談をすることが重要となります。自動車保険が対人対物全部責任であれば被害額は支払われます。さらに慰謝料などの支払いも必要となります。事故により死亡し、それに至らずとも働けなくなれば逸失利益の支払いも必要となります。

傷害が全治まで1か月もなく、しっかり示談が成立していれば、不起訴も十分に見込めます。一方、全治期間が長い傷害や死亡事故の場合は起訴されます。

被疑事実・被告事実に対しては、危険運転をしていないことや過失がなかったことなど自分に落ち度のないことは十分に主張していく必要があります。赤色信号であることを認識していなかったため殊更赤色信号を無視したものではないことなどです。

死亡・人身事故を起こしてしまったら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部へご連絡ください。

 

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