【事例解説】公園のゴミ箱に放火 報道され不安に(前編)

常習的に公園のごみ箱に放火した事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説します。

参考事件

北海道札幌市に住むAさんは、仕事のストレスを解消するため、人がいない時間帯を見計らって、職場や自宅近くの複数の公園内のごみ箱に放火して憂さを晴らしていました。ある日、ネットニュースに公園の放火で警察が捜査中との記事が出たため、Aさんは自身が逮捕されないか心配になっています。
(フィクションです。)

放火の罪に問われる?

 刑法(出典/e-GOV法令検索)では、放火に関する罪について、第108条には人が住居にしている又は人がいる建造物等に放火する「現住建造物等放火罪」が、第109条には人か住居に使用せずかつ人のいない建造物等に放火する「非現住建造物等放火罪」が定められています。
 さらに第110条には「放火して、前2条に規定する物以外の物を焼損し、よって公共の危険を生じさせた者は、1年以上10年以下の懲役に処する。」として「建造物等以外放火罪」が定められています。

 参考事件が放火の罪に問われる場合は、ごみ箱の周囲の状況次第で成立する可能性のある犯罪が異なってきます。周囲に建物などがない場合は、これらの中では110条の建造物等以外放火罪が適用される可能性が高いかもしれません。(他に器物損壊罪で逮捕される可能性もあります。こちらは後編で解説します。)

 今回の事例で、放火に関する罪が成立するかどうかは、ごみ箱を放火したことで「公共の危険を生じさせた」といえるか否かが重要です。
 「公共の危険」とは、不特定・多数人の生命・身体・財産に脅威を及ぼす状態のことをいうとされています。
 ゴミ箱の周囲に自己以外の人がいたりトイレや遊具、ベンチや自転車などの物があり、これらに引火して焼損する可能性などがあったと判断されれば、公共の危険が生じたと認定される可能性があるでしょう。
 また、仮に公共の危険が生じ得る状況だったとしても、その危険を発生させることについての故意が必要かどうかにも見解が分かれることがあります。
 
 以上のように、事件の状況や犯罪の認識などによっても成立する犯罪が異なり得ますから、正しく事態を把握するためにも、弁護士に相談して専門的なアドバイスを受けることが肝要といえるでしょう。

刑事事件に詳しい弁護士事務所

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、刑事事件と少年事件を中心に扱う弁護士事務所です。
当事務所では初回であれば無料の法律相談を、逮捕または勾留中の方の場合は直接弁護士が伺う初回接見サービスのご予約を、フリーダイヤル「0120-631-881」で受け付けております。
器物損壊罪や建造物等以外放火罪の事件を起こしてしまった、又はご家族が器物損壊罪や建造物等以外放火罪の容疑で逮捕されてしまった、そういった時には弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部へ、是非、ご連絡ください。

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