【事例解説】窃盗の逃走中に暴行したとして事後強盗罪で逮捕 

窃盗の逃走中に暴行をしたとして事後強盗罪で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説します。 

事例 

札幌市に住む会社員のAさんは、休日訪れたショッピングセンターの駐車場内で、他人の車のワイパーを盗もうと車に近づきワイパーを外しました。 
丁度Aさんがワイパーを持ち去るときに、車の持ち主Vさんが帰ってきて「何してるんだと」声をかけました。
Aさんは、見つかってしまったと動揺して逃げようとしましたが、Vさんに腕をつかまれました
とっさに、AさんはVさんの腕を強く振り払ったところ、Vさんは転倒してしまいました。
そのまま、Aさんは車に乗って逃走することに成功しましたが、駐車場内の防犯カメラの映像などから特定され札幌方面中央警察署に後日逮捕されてしまいました。 
Aさんの妻は、状況を確かめるために弁護士に依頼して初回接見に行ってもらうことにしました。
(実際に起こった事件を参考にしたフィクションです。)

事後強盗罪について

事後強盗罪は、刑法238条に規定されている犯罪です。 
刑法238条(出典/e-GOV法令検索) 
窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。
事後強盗罪は「強盗として論ずる。」と規定されているため、法定刑は強盗と同じで「5年以上の有期拘禁刑」(「拘禁刑」創設の改正刑法施行前は「有期懲役」)となります。 
事後強盗罪の成立要件としては、①窃盗犯人であること、②財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅する目的で、③暴行又は脅迫を加えることです。

①の窃盗犯人であることについては、既遂未遂を問わないと考えられています。 
②については、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅する目的で③の行為をする必要があります。 
③の暴行又は脅迫は「相手方の反抗を抑圧するに足りるもの」である必要があると考えられています。
なお、暴行脅迫が加えられる相手方は、必ずしも窃盗の被害者である必要はありません。

事後強盗の疑いで逮捕されてしまったら

事後強盗罪は、強盗の一種であるため、事後強盗の罰則は強盗と同じく「5年以上の拘禁刑」となります。 
当初は、窃盗だけのつもりが見つかってしまい逃走のため被害者に暴行・脅迫を加えてしまい逮捕に至ってしまった場合の動揺は計り知れないと思われます。
できるだけ早いタイミングで弁護士に接見に来てもらい取調べの際の対応今後の見通しについてアドバイスを受けることで精神的な負担が少しでも軽減されると思われます。
また、同時並行で被害者との示談を成立させることで処分の軽減を図ることができます。

弁護士に相談を 

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、刑事事件および少年事件を中心に扱っている法律事務所です。
当事務所は、初回無料の法律相談、逮捕中の方のもとに弁護士が直接伺う初回直接接見サービスを実施しております。
どちらもフリーダイヤル「0120-631-881」でご予約いただけます。
24時間365日電話対応しておりますので、事後強盗事件を起こしてしまった方、またはご家族が事後強盗の容疑で逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部へ、是非、ご連絡ください。

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