北海道江別市の文書偽造事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。
【事例】
19歳のAさんは、弟のBさんに代わって、北海道江別市内にある高校の入学試験を受けました。
AさんとBさんの顔は一見すればよく似ているものの、注視してみれば判別が可能な程度でした。
1科目目の途中で、試験監督の一人がAさんの替え玉受験を見破り、Aさんは有印私文書偽造罪などの疑いで逮捕されました。
逮捕の事実を北海道江別警察署から知らされたAさんの母親は、弁護士に少年事件の処分について説明を受けました。
(上記事例はフィクションです)
【替え玉受験で文書偽造罪に?】
替え玉受験とは、本来の受験生に成りすました別の人物が試験を受けることを指します。
替え玉受験を行った場合、文書偽造罪が成立する可能性があります。
文書偽造罪は、基本的には他人の名前を勝手に使って文書を作成する場合に成立するケースが多く、名義人本人の同意があれば、文書作成の権限が与えられたとして文書偽造罪には当たらないことが多いです。
しかし、本人の作成が要求される一部の文書については、名義人の同意があっても文書偽造罪が成立するとされています。
例えば、今回の替え玉受験における試験用紙は、試験結果からその人が入学できるかどうかを判断する手続きのためのもので、名義人本人によって作成されることを予定されている文書であるといえますから、名義人本人の同意があったとしても他人名義で作成することは許されず、文書偽造罪に問われうるのです。
なお、替え玉受験が発覚した実際のケースとしては、有印私文書偽造罪・同行使罪、建造物侵入罪に問われたものが見られます。
【少年事件における処分の種類】
少年事件においては、少年の健全な育成を目指して家庭裁判所が事件に深く関与することになります。
家庭裁判所では、非行事実の内容や少年の経歴、生活状況などの様々な事項を調査し、少年にとって最適な処分を判断することになります。
調査後に裁判の代わりである審判が行われると、不処分および検察官送致の場合を除き保護処分がなされます。
保護処分は、①少年院送致、②児童自立支援施設・児童養護施設送致、③保護観察のいずれかです。
いずれの処分もメリットとデメリットがあるため、少年にとって最良の選択肢は何かを探り続けることが大切です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、刑事事件と少年事件を専門に取り扱う弁護士が揃う数少ない法律事務所です。
お子さんが替え玉受験で逮捕されてしまったら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士にご相談ください。
(北海道江別警察署 初回接見費用:38,200円)