恐喝事件で少年院送致を回避

恐喝事件で少年院送致を回避

恐喝事件を起こしてしまった場合の弁護活動と、少年院送致について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
【ケース】
北海道小樽市在住のAは、小樽市内の高校に通う17歳の高校生です。
Aの家庭は厳格で、自由に遊ぶための小遣いをもらっていませんでした。
そこで、Aは遊ぶ金が欲しいと考え、後輩数名とともに小樽市内の交差点に隠れ、自動車が走ってきたところに飛び込んで事故を装い、降りてきた運転手に「今すぐ示談金として10万円払えば警察には通報しない」と伝え、金を受け取るという流れで計5人、50万円を受け取りました。
ある日、Aの家に小樽市内を管轄する小樽警察署の警察官が来て、恐喝事件で被害届が出ている旨伝えられ、Aは逮捕されました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【示談交渉のつもりが恐喝事件に?】

ケースについて、Aやその後輩は示談交渉という名目で運転手から金を受け取っています。

そもそも、示談とは、損害を受けた者等に対して、損害を生じさせた者等が、事件があったことを認めてそれについて謝罪し、金銭や代物といった形で賠償を行うことを意味します。
被害者のいる刑事事件について言うと、加害者が被害者に対して示談交渉を行い、被害弁済を行うということはあります。
しかし、被害者が、その立場を利用して金を脅し取った場合には、恐喝事件に発展します。
Aらの行為について見ると、走行中の車に向かって勝手に飛び込み、運転手に対して「今すぐ示談金として10万円払えば警察には通報しない」と言っています。
警察に通報するという行為そのものは正当な行為です。
しかし、事故現場においてその場で現金を受け取り、示談書の締結も行わないというのは、もはや示談交渉とは言えず、恐喝をしたと評価されます。

刑法249条1項 人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する

【少年院送致回避に向けた弁護人・付添人活動】

ケースのAは17歳を想定しています。
20歳未満が罪に当たる行為をした場合、少年事件として成人の刑事事件とは異なる取り扱いがなされます。
少年事件の対象者である少年は、捜査が終了した時点で家庭裁判所に送致されます。
その後、一部の重大事件を除き、家庭裁判所の調査官が少年の調査を行い、裁判官が審判を行うか否かを決めます。
審判が行われた場合、少年に対しては刑事罰ではなく保護処分が下されます。
保護処分には、不処分のほか、保護観察処分、都道府県知事送致(児童相談所や児童自立支援施設への送致)、少年院送致などがあります。

少年が審判で少年院送致を言い渡された場合、少年は少年院に送致されます。
少年院に入ることを「入院」と言いますが、入院期間は最短で4か月間、最長で2年間です。
入院期間中、少年は中学校・高校と同じような授業が行われたり、集団生活を送ることで集団のルールについて指導したり、退院にして社会復帰するうえで必要な資格取得の指導をしたりと、様々な教育・指導が行われています。

少年院に入院することで得られる知識や経験は多々あるといえます。
しかし、施設内処遇の性質上、社会と切り離されてしまうことから、その後の生活で支障をきたす可能性も否定できません。
そのため、お子さんを少年院に送致されないよう求める保護者の方は多いことでしょう。

少年院送致を回避するためには、
・お子さんが事件について反省していることや、更生に向けた取り組みや教育を受けていること、事件関係者との交友関係を断っていること、
・保護者の方が事件を深刻に捉えてお子さんが事件を起こした理由などを分析できている、お子さんの指導方針に変化がみられる、
・被害者がいる事件については、保護者が被害弁済を行っている
といった事情があるため、社会内処遇で十分である、ということを積極的に主張していく必要があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所では、受任直後から少年と保護者からそれぞれしっかりとお話を伺い、必要なアドバイスを行っていきます。
北海道小樽市にて、お子さんが恐喝などの事件を起こしてしまい、少年院送致などの保護処分を受ける可能性がある場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部に御相談ください。
まずは、弁護士がお子さんのもとに接見に伺い、事件の詳細を確認したうえで今後の見通しや必要な弁護活動・付添人活動について御説明します。(初回接見・有料)

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