爆破予告で威力業務妨害罪に
爆破予告をした場合に問題となる威力業務妨害罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説いたします。
【ケース】
北海道日高郡在住のAさんは、日高郡内で自営業をしています。
ある日、Aさんは深夜に日高郡内にある病院Vの夜間窓口を訪れたところ、病院職員から「緊急の治療を必要としている人以外は利用できない」旨言われ、日中に来院するよう指示されました。
それに逆恨みをしたAさんは、数日後、病院Vの代表電話に非通知で電話し「おたくの病院に爆弾を仕掛けたから気を付けてね」と言い、電話を切りました。
後日、日高郡内を管轄する静内警察署の警察官がAさんの自宅に来て、Aさんを威力業務妨害罪で通常逮捕しました。
≪ケースはすべてフィクションです。≫
【爆破予告で威力業務妨害罪に】
今回のケースでは、Aさんが病院Vに対して爆破予告をしたことが問題となっています。
この、「爆発物をしかけた」等と電話やメール、インターネット上で発言する行為は、威力業務妨害罪に当たる場合があります。
条文は以下のとおりです。
刑法234条 威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。
刑法233条 虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
威力業務妨害罪のいう「威力」は、人の意思を制圧するような勢力を指します。
イメージしやすい例で言うと、団体で店の中や前に乗り込んで大声を上げて訪れた客などを威嚇するような行為です。
どの預な場合に威力に該当するかについては、「犯行の日時場所、犯人側の動機目的、員数、勢力の態様、業務の種類、被害者の地位等諸般の事情を考慮し、それが客観的に見て人の自由意思を制圧するに足るものであるかを判断すべきであって、現実に被害者が自由意志を制圧されたことを要するものではない。」とされています。(最判昭28・1・30)
爆破予告は、直接的な暴力行為などではありませんが、爆破予告を受けることで被害者は威嚇を受け、実際に爆発物が設置されているかどうかに関わらず業務遂行を阻害されます。
事実、爆破予告を受けた場合には、警察署に通報し、建物に居る人を非難させたり爆発物を探したりと実際に業務を妨害することになります。
【家族が威力業務妨害罪で逮捕されたら弁護士へ】
家族が爆破予告などによる威力業務妨害罪で逮捕・勾留された場合、すぐに弁護士に依頼をすることをお勧めします。
逮捕・勾留された場合、当日から弁解録取や取調べといった刑事手続きが行われるほか、勾留する/起訴するといった重要な手続きが進んでいきます。
その際、間違ったニュアンスを伝えて間違った調書が作成されたり、時として意に反する供述を誘導されたりして、不利益な状況に追いやられる恐れがあります。
そのため、すぐに弁護士に接見を依頼し、被疑者に自身の状況や今後の手続きを知らせるとともに、取調べ等でのアドバイスをする必要があります。
北海道日高郡にて、病院などに爆破予告をしたという嫌疑で家族が威力業務妨害罪で逮捕・勾留された場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の初回接見サービスを御利用ください。
逮捕・勾留されている弁護士が被疑者のもとに向かい、事情を伺った上で、今後の手続きや取調べでのアドバイスを行ったうえで、依頼された御家族に事案の内容等の説明をいたします。