Archive for the ‘暴力事件’ Category

強盗による死亡事件で裁判員裁判に

2021-06-21

強盗による死亡事件で裁判員裁判に

強盗が被害者を殺害してしまった場合の罪と、裁判員裁判制度について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
【ケース】
北海道札幌市東区在住のAは、札幌市東区でアルバイトをしながら生活をしています。
しかし、昨今の情勢からアルバイト先が休業においやられ、A自身の収入が途絶えてしまいました。
生活に困ったAは窃盗をしようと考え、留守中のV宅に忍び込んで金品を探していました。
しかし、その間にVが自宅に帰ってきて窃盗をしていたAに気付き、通報しようとしました。
Aは通報されてはいけないと思い、近くにあったゴルフクラブでVの頭部を3発殴ったところ、Vは死亡してしまったという居直り強盗事件です。

札幌方面東警察署の警察官は、捜査の結果Aによる強盗事件であるとして、Aを強盗殺人の嫌疑で逮捕しました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【強盗が被害者を死亡させてしまった】

強盗が被害者を死傷させてしまったという痛ましい事件について、実はいくつかのパターンがあり、それぞれで罪が異なります。
以下で、それを検討していきます。

①予定して被害者を死傷させ、金品を奪った
予め準備をしたうえで被害者宅などに行き、被害者を死亡させたり怪我させたりしたうえで通報させないようにして、金品を奪っていった場合には、強盗殺人強盗傷害罪が成立します。
強盗殺人罪の条文は以下のとおりです。
刑法240条 強盗が、人を負傷させたときは無期または六年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。

つまり、
被害者に怪我をさせて金品を奪った強盗傷害事件:「6年以上の懲役」又は「無期懲役」
被害者を死亡させて金品を奪った強盗殺人事件:「無期懲役」又は「死刑」
となります。

②予定外に被害者が帰宅したため、口封じのため死傷させた
ケースはこの場合を想定しています。
空き巣などのために家に入ったものの、犯行中に被害者が自宅に帰ってきた場合などで、とっさに相手に暴行を加えた結果、これは居直り強盗と呼ばれるものです。
居直り強盗は、「事後強盗」と呼ばれる罪にあたります。
条文は以下のとおりです。
刑法238条 窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕をまぬかれ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。

罰条は、「強盗として論ずる」と定められていますので、①と同様です。
ケースの場合はVが死亡しているため、事後強盗致死罪が成立し、死刑又は無期懲役刑に処されることになります。

③被害者を死亡させたのち、落ちていた金品を拾った
強盗の目的ではなく、遺恨がある相手などを殺害したのち、そばにあった金品や落とした財布などを見て持ち帰る意思が生じ、それらを持ち去った場合、これは①②とは異なります。
予めお金を盗る目的で入った①②とは異なり、もともとはお金を盗る意思がなく、相手が死亡したのちにこの金品を盗んでやろうと考えているため、強盗の故意がないため、強盗殺人罪や事後強盗致死罪は成立しません。
これについて、判例は、このような事件について、死亡した直後であっても占有が継続しているという立場をとり、殺人罪と窃盗罪が成立するとしています。
なお、学説には判例同様に殺人罪と窃盗罪を認める説のほかに、強盗殺人を認める説、殺人罪と占有離脱物横領罪を認める説があります。

【裁判員裁判制度について】

裁判員裁判とは、職業裁判官(司法試験に合格して裁判官に任命された者)3名のほかに、選挙権を有する18歳以上の一般人から無作為に選出される裁判員6名が合議体を組み、被告人の有罪/無罪と有罪の場合の刑罰を決めるというものです。

裁判員裁判対象事件は
⑴死刑又は向きの懲役若しくは禁錮にあたる罪に係る事件
⑵裁判所法第26条第2項第2号に掲げる事件であつて、故意の犯罪により被害者を死亡させた罪に係るもの
とされています。(裁判員の参加する刑事裁判に関する法律2条1項各号)

強盗殺人罪の場合も殺人罪(+窃盗罪)の場合も、刑罰に死刑又は無期懲役刑が用意されているため、⑴にも⑵あたり、裁判員裁判の対象事件となります。

裁判員裁判は、一般の裁判員が加わるため、弁護側も検察官側もフローチャートを用いたり量刑資料(これまでの裁判ではこのような刑罰が言い渡されている、といった資料)を提示したりと、通常の刑事裁判に比べて準備が必要です。
よって、裁判員裁判の対象事件で起訴される可能性がある方、起訴された方は、裁判員裁判の経験がある刑事事件専門の弁護士に依頼をすることが望ましいと言えます。
北海道札幌市東区にて、ご家族が強盗殺人罪や事後強盗致死罪などの裁判員裁判対象事件を起こしてしまった場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。

体液をかける事件で示談交渉

2021-06-03

体液をかける事件で示談交渉

体液をかけることで問題となる罪と、示談交渉について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【ケース】
北海道室蘭市在住のAは、室蘭市内の会社に勤める会社員です。
Aは職場でのストレスの捌け口として、自身の体液を小さめのボトルに入れ、それを異性にかけ、その被害に気が付いて嫌がる被害者の顔を見ることに興奮を得ていました。
Aは、繰り返しそのような行為を行っていましたが、被害届を受理した室蘭市を管轄する室蘭警察署の警察官が付近の防犯カメラなどから被疑者を特定し、Aの通常逮捕に踏み切りました。
Aが逮捕されたという連絡を受けたAの家族は、体液をかけることで成立する罪は何か、示談交渉はどのようにすればよいか、刑事事件を専門とする弁護士に質問しました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【体液をかける行為】

事件報道や警察捜査を扱うドキュメンタリー番組などで、しばし体液をかけた罪で逮捕されたという事件を目にします。
ここで用いられる体液は、尿や唾液、精液などが考えられます。
この場合にはどのような罪に当たるのでしょうか、以下で検討致します。

・体液が服や荷物にかかった
体液が服や荷物にかかった場合、器物損壊罪の適用が検討されます。
器物損壊罪というと何か物を壊した場合をイメージしてしまいがちですが、通説及び判例の立場は「その物の効用を害する一切の行為をいう」としています。
例えば、飲食店の皿に放尿したことで器物損壊罪の成立を認めた判例がありますが、皆さんが飲食店の経営者だったとして、他人が放尿した皿をたとえ洗ったとしても他の客に提供しようとは思わないのではないでしょうか。
このように、被害者の立場からしたら、たとえ洗濯やクリーニングで汚れが落ちたとしても、他人の体液がかかったような服や荷物を再び使いたいと思う方は少ないと思われます。
よって、たとえクリーニング等で落ちる汚れだったとしても、器物損壊罪が適用されることが考えられます。
器物損壊罪の法定刑は「三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料」と定められています。

・体液が身体にかかった
他人から体液をかけられた結果、衣服や所持品だけでなく被害者の身体に直接かかるという可能性もございます。
この場合には、暴行罪の適用が検討されます。

暴行罪というと相手に対して暴力をふるった場合をイメージしてしまいますが、暴行罪のいう暴行は「不法な有形力の行使」と定義されていて、体液をかける行為はこれにあたると考えられます。
暴行罪の法定刑は「二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」と定められています。

【示談交渉について】

他人に体液をかけた場合、直接の被害者がいます。
このように被害者がいる事件で、被疑者が事件を認めている場合の弁護活動の一環として、示談交渉が挙げられます。

示談は民事上の和解契約の一種で、決まった形式・書式はありません。
刑事事件を起こした場合の示談は、刑事事件を起こしてしまった被疑者側が被害者に申し出て、謝罪し、必要な賠償を行うことで、被害者側が被害届を出さない(提出した被害届を取下げる)等の約束を交わしたり、示談書に被害者側として刑事処罰を求めない「宥恕」の内容を入れるなどが考えられます。

親告罪と定められている器物損壊罪(あるいは名誉毀損罪など)の場合、被害者が告訴しなければ検察官は起訴することができないので、示談によって告訴が取り消された場合には不起訴になります。
一方で、暴行罪など多くの刑事事件では、示談が締結できて被害届が取り下げられた場合であっても、検察官は起訴することが出来ます。
もっとも、実務上検察官は示談が締結されているか、被害届が取り下げられているかという点について、起訴するかしないか等の判断材料の一つにしています。
また、仮に起訴されたとしても、裁判で量刑を決めるうえでの情状として考慮されます。

示談は、弁護士が介入せずとも締結することが出来ます。
しかし、性犯罪事件ではそもそも被害者の連絡先を入手することすら難しい場合があります。
また、ケースのような巨額の財産犯事件では被害者である法人には代理人弁護士が付くことが考えられるため、被疑者側の主張を盛り込むためには、刑事事件を専門とする弁護士に依頼をすることをお勧めします。

北海道室蘭市にて、体液をかけた罪で家族の方が逮捕されてしまった場合、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご連絡ください。

喧嘩で裁判に?

2021-05-10

喧嘩で裁判に?

いわゆる喧嘩をして刑事事件になった場合の罪と、その場合の刑事手続・刑事裁判について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道余市郡余市町在住のAは、余市郡余市町で自営業をしています。
Aは酒場で酒を飲んでいて、隣の席のVがうるさかったことで注意をしたところ、Vとの口論になりました。
その後、VがAの肩を押したことから喧嘩に発展し、最初は殴り合いが続いていましたがVが転倒したことからAはその倒れたVを繰返し殴り、最終的にVは頭から血を流して救急搬送されました。
通報を受けて臨場した余市警察署の警察官は、Aを、喧嘩で傷害を負わせたとして、現行犯逮捕しました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【喧嘩はどのような罪?】

人間生活のうえで何かしらのトラブルが生じることは少なくないと思われます。
本来であれば相互譲り合ってその場を収めたり、民事裁判などを起こして解決を図ったりすることが望ましいのですが、残念ながら暴力行為に発展するということがあるかもしれません。
喧嘩をした場合にはどのような罪にあたるのでしょうか。
以下で検討していきます。

<暴行罪・傷害罪>
まず、相手に対する暴力行為では暴行罪・傷害罪が検討されます。
暴行罪は相手に対する不法な有形力の行使であり、暴行によって相手が怪我を負った場合には傷害罪が適用されます。
条文はそれぞれ以下のとおりです。

刑法208条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
刑法204条 人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

<殺人未遂罪・殺人罪>
暴行罪や傷害罪で収まらない場合の罪に、殺人未遂罪や殺人罪が挙げられます。
殺人罪は、喧嘩の結果相手を殺す、あるいは死ぬかもしれないという意思をもって相手に暴力行為を行うことで成立する罪です。
結果として被害者が死亡しなかった場合には殺人未遂罪が適用されます。

捜査機関としては殺人未遂罪や殺人罪には殺意の立証が必要です。
取調べで相手を殺す意思があったことを供述することや、客観的に見て相手が死んでしまうだろうと思われる行動(例えば、刃物を持ち出した、ゴルフクラブを持ち出した、相手の頭部を繰り返し殴った等)といった部分から評価されます。

刑法199条 人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。

<暴力行為処罰法違反>
もし喧嘩の際に刃物を持ち出した場合、暴力行為処罰法違反で検挙されることも考えられます。
これは、喧嘩の結果相手が死傷したか否かを問わず、成立する罪です。

暴力行為処罰法の条文は以下のとおりです。
非常に読み辛い内容ですが、「凶器を示し」て「刑法208条(=暴行罪)」「の罪を犯した」者に対して、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処すると定めているのです。

暴力行為処罰法1条 団体若ハ多衆ノ威力ヲ示シ、団体若ハ多衆ヲ仮装シテ威力ヲ示シ又ハ兇器ヲ示シ若ハ数人共同シテ刑法第二百八条、第二百二十二条又ハ第二百六十一条ノ罪ヲ犯シタル者ハ三年以下ノ懲役又ハ三十万円以下ノ罰金ニ処ス

<決闘罪>
事前通告をした上で戦いを行う、いわゆる決闘をした場合には「決闘罪ニ関スル件」に当たる可能性もあります。
ケースの場合、Aは決闘を挑んだうえ決闘を行っていたため、以下の条文は問題となります。

決闘罪ニ関スル件第一条 決闘ヲ挑ミタル者又ハ其挑ニ応シタル者ハ六月以上二年以下ノ重禁錮ニ処シ十円以上百円以下ノ罰金ヲ附加ス
第二条 決闘ヲ行ヒタル者ハ二年以上五年以下ノ重禁錮ニ処シ二十円以上二百円以下ノ罰金ヲ附加ス

【刑事裁判とは】

刑事裁判は、刑事事件を起こした「被疑者」の捜査を行い、起訴するに足りる証拠があると検察官が判断した場合には、被疑者を起訴します。
起訴された被疑者は「被告人」という立場に変わり、刑事裁判を受けることになります。
刑事裁判のスピードは事件によって大きく異なりますが、比較的軽微と思われる犯罪であれば起訴されてから1~2カ月ほどで1回目の裁判が行われます。
回数によってもまちまちで、2~4回ほどで終了する裁判が多い印象ですが1回の裁判で判決言い渡しまで行われることもあります。

北海道余市郡余市町にて、御家族が喧嘩により傷害罪などの罪で御家族が逮捕された、あるいは取調べを受けているという方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部に御連絡ください。

私選弁護人のメリット

2021-05-06

私選弁護人のメリット

いわゆるDV事件を起こした場合の刑事事件と私選弁護人のメリットについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道小樽市在住のAは、小樽市内で自営業をしています。
Aには子どもが3人いますが、Aはしつけと称して子どもたちに長時間正座をさせたり、殴る蹴るの暴行を加えていました。
子どものうち一人が学校の健康診断を受けた際に身体に痣があることが発覚したことから、学校側は子どもらがDVを受けている疑いがあるとして児童相談所に通報し、一時保護することになりました。
また、児童相談所からの通報を受けた小樽市を管轄する小樽警察署の警察官は、Aの取調べを開始しました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【DVによる刑事事件】

パートナーや配偶者、両親や子どもなどの家族に対して暴力を振るうなどのいわゆるDVで刑事事件では、被疑者(加害者)の行動と被害者の怪我の有無などにより、以下の罪にあたる可能性があります。

・暴行罪
相手に手を出したが怪我にまでは至らなかった場合には、暴行罪が適用されます。
暴行罪の条文は以下のとおりです。
刑法208条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

・傷害罪
上記のような暴行の結果、被害者が怪我をした場合は罪が重くなり、傷害罪が適用されます。
傷害罪は基本的に医師によるたとえ全治一週間程度の傷であっても傷害罪での捜査対象となります。
傷害罪の条文は以下のとおりです。
刑法204条 人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

・殺人未遂罪
被害者に対して行う暴行について、被疑者に殺意があると認められた場合、結果として相手が怪我をしたか否かに関わらず殺人未遂罪が適用されます。
DVでの事件の中には、包丁やバットなど家庭内にある凶器を持ち出したり、「殺してやる」と言って首を絞めたり強い殴打を繰返し行ったりする事案もあり、それらには殺人未遂罪が適用される可能性があります。
殺人未遂罪は、殺人罪(法定刑は死刑又は無期若しくは五年以上の懲役。)の未遂犯処罰規定です。

【私選弁護人のメリット】

刑事事件で被疑者・被告人に対して弁護活動を行う弁護士を、弁護人と呼びます。
刑事事件の弁護人には、国選弁護人と私選弁護人の2種類があります。
(なお、逮捕された方が要請すれば接見をする当番弁護士の制度がありますが、当番弁護士は1度に限り接見を行う制度ですので、刑事手続の説明やアドバイスを1度に限り行うだけで、示談や身柄解放活動などの具体的な弁護活動は行いません。)
国選弁護人は、⑴被疑者が勾留された場合、又は⑵起訴されて被告人になった場合が対象です。
上記の被疑者・被告人の資力が50万円以下だった場合に国(裁判所)が選任します。
そのため、在宅事件での被疑者段階や、⑴⑵の場合でも資力が多いと判断された場合等では、国選弁護人は選任されません。
国選弁護人のメリットとしては、基本的に経済的負担がないことが挙げられます。

一方で、国選弁護人は①弁護士を選ぶことが出来ないため刑事事件の経験が少ない弁護士がつく可能性がある、②逮捕された時点ではつけることができない、③御家族への報告義務がないため、御家族が国選弁護人と接触できるかどうかわからない、④被疑者段階で釈放された場合は自動的に解任される、などの特徴があります。
私選弁護人に依頼をした場合、①御自身、あるいは御家族の方が、刑事事件の経験が豊富な弁護士をつけることができる、②(及び④)逮捕段階から事件終了まで、一貫して対応を依頼できる、③家族からの依頼で、接見を行った上で、家族に報告を行う、といったメリットが存在します。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、刑事事件・少年事件を専門とする私選弁護人の事務所です。
北海道小樽市にて、御自身がDV事件の被疑者として取調べを受けている、あるいは御家族の方がDVなどの刑事事件で逮捕されていて、私選弁護人に依頼するメリットを知りたいという方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部に御連絡ください。

DV事件の弁護活動

2021-04-12

DV事件の弁護活動

いわゆるDVをしてしまった場合の罪と、DVでの弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道江別市在住のAは、江別市内でパートをしています。
Aには夫Vがいますが、昨今の情勢からVはリモートでの勤務が続き、家にいる時間が長くなりました。
そのためイライラが募ったAは、Vに対して殴る蹴るの暴行を繰り返していました。
事件当日、例によってAはVへのDVをしていたところ、我慢が出来なくなったAは台所から包丁を持ち出し、Vに向かって振り回してしまい、包丁がVの下腹部に突き刺さり大量出血するという事件を起こしてしまいました。
我に返ったAが119番通報し、駆け付けた救急隊員によりVは病院に搬送された結果一命を取り留めました。
その後、Aは消防局からの通報を受けて臨場した江別市を管轄する札幌方面江別警察署の警察官により殺人未遂罪で逮捕されました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【DVが刑事事件に】

御案内のとおり、パートナーや配偶者、自分の子どもや要介護の親などの家族に対し、暴力を振るうことをDV(ドメスティック・ヴァイオレンス)と呼びます。
DVはもっぱら自宅で行われるため、密室で発覚する可能性が低いという特徴があります。
DVが発覚する契機としては、被害者による相談や、被害者の診療を行った医師がアザを見つけて通報、騒音で気が付いた近隣住民による通報、被害者が死傷したことで発覚するという場合などが考えられます。

DVは他の暴力事件と同様に、暴行罪や傷害罪で処罰されるます。
ケースの場合、包丁を用いて相手を怪我させているため、暴行罪や傷害罪より重い、以下のような罪に問われる可能性があります。

・暴力行為処罰法違反
包丁などを用いて相手を怪我させた場合、暴力行為等処罰ニ関スル法律(以下、暴力行為処罰法と略します。)に違反します。
条文はカタカナ交じりの文語体で読みづらいのですが、その1条の2で「銃砲又ハ刀剣類ヲ用ヒテ人ノ身体ヲ傷害シタル者ハ一年以上十五年以下ノ懲役ニ処ス」と定められています。
つまり、銃や刃物を使って相手を怪我させた場合には、「1年以上15年以下の懲役に処する。」と定められています。
傷害罪の法定刑は「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」ですので、より重い刑を規定しています。

・殺人未遂罪
DVの状況によっては、殺人未遂罪の適用も考えられます。
殺人未遂罪は殺人罪(罰条は死刑又は無期若しくは5年以上の懲役)の未遂犯処罰規定です。
殺人未遂罪成立のためには、殺意の立証が必要です。
被疑者の取調べでの供述のほか、DVの回数や期間、被害者の怪我の程度などを客観的に判断されます。

【DVでの弁護活動】

DVは、家庭内での問題なので刑事事件という認識が薄い方もおられるようです。
しかし、家庭内だからこそ生じる問題もあります。

たとえば、身柄拘束のための「勾留」という手続きは、証拠隠滅や逃亡の恐れがある場合に行われます。
そのため、釈放を求めるため弁護側は被害者との接触を遮断することが多いのですが、家庭ゆえに接触を遮断することが難しいと言えます。
家族による監督を主張することも多いのですが、その家族が被害者なので、監督は難しいです。
実家などでに転居して両親が監督するという例もありますが、仕事や子育てなどがある方はすぐに引越し・別居することが難しい場合も多いでしょう。

また、家族であるがゆえに、示談書を交わし示談金を支払うなども難しいと言えます。

このように、DV事件は多くの方が想像されている以上に難しい弁護活動が求められるのです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
北海道江別市にて、御家族が包丁などの凶器を用いたDV事件を起こしてしまい暴力行為処罰法などで逮捕されてしまった場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部に御連絡ください。
まずは刑事事件・少年事件を専門とする弁護士が逮捕・勾留されている方の初回接見を行い、DV事件の経緯や行為の確認をした上で見通しや可能な弁護活動についての御報告を致します。

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