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公務執行妨害罪で逮捕された
公務執行妨害罪で逮捕された
公務員に対して暴行や脅迫をして,逮捕されることがあります。
今回は,公務執行妨害罪・職務強要罪について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説いたします。
公務執行妨害罪とは
(公務執行妨害)
第95条 公務員が職務を執行するに当たり,これに対して暴行又は脅迫を加えた者は,三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
本罪は,公務員によって行われる国又は地方公共団体の作用である公務を保護法益とします。
公務員に向けられた行為を対象としますが,直接に公務員の地位自体を保護するものではありません。
適法な公務の遂行に限って保護されると解されます。
公務の円滑な遂行と国民の利益・人権との間で利害が対立することがあり,特に公務の適法性を判断するに当たっては,両者の利益のバランスをどう取っていくのかということが判断されます。
本罪の客体は「公務員」です。
公務員でない非公務員も,公務員の補助者としてその公務の補助をした場合で,非公務員に対し加えられた暴行・脅迫が当該公務員に向けられたものであると解されるときは,本罪が成立することがあります。
「職務」は,広く公務員が取り扱う事務の全てを含みます。
官庁における公務員のデスクワーク,国公立大学の入試事務や講義,国公立病院の業務等も,本罪によって保護されます。
公務の適法性
公務員の職務は適法でなければなりません。
公務員の違法な行為まで本罪による保護を与えるべきではないからです。
しかし,ここでの適法性は,あくまでも刑法上の適法性であり,当該職務執行の根拠法令上の適法性とは別個に判断されます。
要件としては,①当該公務員の抽象的・一般的職務権限に属するものであること,②当該公務員がその職務を行う具体的職務権限を有すること,③職務行為の有効要件である法律上の重要な条件・方式を履践していること,が必要となります。
①の抽象的職務権限は,必ずしも法令で具体的に規定されたものであることを要しません。
③の要件が,最も実質的で重要な要件となります。
公務員の職務行為には,その有効要件として法律上一定の方式が要求されることが多く,こうした方式を履践しない行為は当該法令では不適法ということになります。
しかし,刑法上も全てその保護に値しないというわけではなく,わずかな方式違反に過ぎない場合や訓示規定に違反する場合などは,直ちに職務執行の適法性を失わせるものではありません。
職務の適法性は,暴行・脅迫から保護するに値する公務という実質的基準で判断されます。
判断基準としては,裁判所が法令を解釈して客観的に決めることになります。
判断の基準時は,当該職務執行時の状況を基礎に判断されます。
なお,公務員の職務執行が適法でないため本罪が成立しないときでも,暴行罪・脅迫罪は成立し得ることになりますが,そのような場合には正当防衛の成否が問題になることが考えられます。
「執行するに当たり」とは,現に職務を執行中である場合というよりは広く,職務を執行するに際しての意味となります。
具体的・個別的に特定された職務の執行を開始してからこれを終了するまでの時間的範囲だけでなく,当該職務の執行と時間的に接着してこれと一体的関係にあるとみることができる範囲内の職務行為に限って,公務執行妨害罪による保護の対象となります。
公務執行妨害罪における妨害の方法
「暴行」は,暴行罪とは異なり,公務員に向けられた有形力の行使であれば認められます。
公務員の身体に対して直接向けられる必要はなく,その補助者や物に対して加えられることによって,間接的に当該公務員に物理的・心理的に影響を与えるような間接暴行でも認められます。
暴行の程度は,公務員の職務の執行を妨害するに足るものでなければなりません。
「脅迫」は,人を畏怖させるに足る害悪の告知の全てを含みます。
直接公務員に対するものに限らず,公務員の補助者に対するものでも認められます。
現に相手を畏怖させたことは必要ではありません。
脅迫の程度は暴行と同じく,公務員の職務の執行を妨害するに足るものでなければなりません。
本罪は,暴行・脅迫が加えられることによって,直ちに既遂に達します。
現実に職務執行が妨げられたことは必要ではありません。
この意味で,本罪は危険犯です。
公務執行妨害罪での故意
故意として,公務員が職務執行中であることと,これに対して暴行・脅迫を加えることの認識が必要です。
公務の執行を妨害する目的は必要ではありません。
公務員の職務行為が客観的には適法であるのに,違法であると誤信して暴行・脅迫を加えた場合が問題となります。
違法と思うだけの特殊な事情の認識があった場合は,故意が阻却されます。
その特殊な事情が,例えば軽微な瑕疵を過度に重大視して適法性を欠くと誤信したといった場合は,故意は阻却されません。
単に自分なりの解釈・評価によるだけの場合は,故意は阻却されません。
(職務強要)
第95条 2 公務員に,ある処分をさせ,若しくはさせないため,又はその職を辞させるために,暴行又は脅迫を加えた者も,前項と同様とする。
「処分」は,広く公務員が職務上なし得べき行為をいいます。
それにより一定の法律上の効果を生じさせるようなものであることは必要でありません。
本罪は公務員の正当な職務執行を保護するばかりでなく,広くその職務上の地位の安全をも保護しようとするものであります。
当該公務員の職務に関係ある処分であれば足り,その職務権限内の処分であるとその職務権限外の処分であるとを問いません。
適法な処分をさせるためであっても,作為を強要すること自体非難に値することなので,本罪が成立します。
違法・不当な処分をさせないための場合は,行為時に処分の重大な違法性が明白な場合まで保護するには及ばないから,これを阻止する場合は本罪に該当しません。
それ以外の場合には,たとえ不当な処分であってもそれを阻止するために暴行・脅迫を加えれば,本罪を構成します。
「職を辞させる」は,公務の執行を妨害する手段として辞職させようとする場合の他,公務の執行とは無関係に単なる個人的事情から辞職させようとする場合も含みます。
この目的の場合を特に辞職強要罪ということもあります。
目的が達せられることを要せず,所定の目的をもって暴行・脅迫を加えれば,直ちに既遂に達します。
公務執行妨害罪での流れ
公務執行妨害罪・職務強要罪で逮捕されたら,逮捕・勾留合わせて最長23日間,警察署の留置場などで身体拘束される可能性があります。
家族等と連絡を取ることは制限され,連日捜査機関による取調べを受けるため,被る精神的苦痛は非常に大きなものとなります。
特に警察官への公務執行妨害罪であれば,捜査機関は厳しい対応をしてくる可能性が高いです。
当然,会社や学校に行くことはできません。
逮捕されたことが会社や学校に知られてしまう可能性も高まります。
逮捕されることで,報道される可能性が高まります。
検察官や裁判所に釈放を求めていくことになりますが,釈放が認められるハードルは高く,簡単には認められません。
刑事に強い弁護士に依頼した方が,釈放は認められやすくなります。
証拠隠滅と逃亡のおそれがあるかが判断されることになります。
被害者に対して不当な働きかけが行われる可能性があると評価されることが多いです。
そこで,そのような可能性はないことを具体的に説得的に示していくことが必要です。
起訴後は保釈を求めていくことになります。
保釈とは,起訴された後,一定額の金銭を支払うこと等を条件に釈放される制度をいいます。
保釈金の額は,裁判所が,犯罪の軽重や情状,被告人の経済状態,生活環境などの一切の事情を考慮して,その事件で被告人の逃亡を防ぐためにはどのくらいの金額を納めさせるのが適当かを判断した上で決定します。
保釈金の相場は,一般的に200万円前後となることが多いですが,事件によっては500万円を超える場合もあります。
保釈を取り消されて保釈金が没収されることがなければ,裁判が終わった後に裁判の結果が無罪でも有罪でも保釈金は返還されます。
しかし,保釈中に問題を起こしたら,再び身体が拘束され,預けた保釈金は没収される可能性があります。
保釈支援協会で保釈金を貸してくれることもあります。
暴行・脅迫をしていないにもかかわらず,相手が警察に被害を訴えて,警察が捜査や逮捕をしてくることがあります。
密室の取調室で,「被害者がこう言っている」「証拠はもうそろっている」などと言われ,警察の言われるままに話を持っていかれ,不当な内容の供述調書が作成されてしまいます。
刑事に詳しい弁護士のきちんとしたサポートが必要になってきます。
取調べでどのようなことを言うか,弁護士と相談しながら進めていきます。
警察の威圧的な取調べが行われていたら,弁護士が抗議をしたり,黙秘を指示したりして,きちんと対応しなければなりません。
こちらに有利な証拠がないか,検討することにもなります。
起訴されて裁判となったら,きちんとこちらの主張をしていかなければなりません。
刑事事件ではスピードが大切です。
すぐに弁護士に連絡し,相談しましょう。
逮捕後最大72時間は,たとえ家族の方でも逮捕された人との接見ができませんが,弁護士が代わりに連絡を取ってくれます。
逮捕直後に不当な取調べが行われ,不利な内容の調書が作成されてしまうかもしれません。
早く弁護士が接見し,取調べへの対応方法に関してきちんとしたアドバイスをする必要があります。
事務所紹介
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,刑事を専門とする弁護士が迅速に対応いたしますので,お気軽にお電話ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では,公務執行妨害罪などの刑事事件に関するご相談を初回無料で承っております。
無料法律相談のご予約は
フリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)
までお気軽にお電話ください。
暴力事件を起こした
暴力事件を起こした
暴力事件を起こしてしまったら,逮捕・勾留される可能性があります。
早期に弁護士を通じて釈放を求めて,被害者と示談交渉をする必要があります。
事実関係について争いがあれば,取調べ対応を慎重にして,裁判に備える必要があります。
今回は,主な暴力犯罪について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説いたします。
・暴力の結果被害者が怪我をしなかった暴行事件
(暴行)
第208条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは,二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
暴行は,人の身体に対する不法な有形力の行使をいいます。
典型的なものとしては,殴る,蹴る,突く,押す,投げ飛ばす,等の人の身体への接触を伴う物理力を行使する行為があります。
傷害の結果を生じさせる程度のものでなくても認められます。
人の身体に向けられたものであれば足り,必ずしもそれが人の身体に直接接触することを要しません。
しかし,少なくとも,相手の五官に直接間接に作用して不快・苦痛を与える性質のものであることが必要です。
物理力・力学的作用や,音響・光・電気・熱等のエネルギーの作用を人に及ぼすことも含まれます。
暴行の故意として,人の身体に対し有形力を行使することの認識が必要です。
不法性は,行為の目的,行為当時の状況,行為の態様,被害者に与えられた苦痛の有無・程度等を総合して判断されます。
・暴力の結果被害者が怪我をした傷害事件
(傷害)
第204条 人の身体を傷害した者は,十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
人は犯人以外の自然人をいい,自分自身を傷つける行為は犯罪とはなりません。
身体は,肉体と精神的機能の双方を含みます。
傷害は,人の生理機能に障害を与えたり,人の健康状態を不良に変更することをいいます。
傷害行為の態様としては,人の身体に対する不法な有形力の行使である暴行だけでなく,無形的方法や不作為による傷害も認められます。
故意については,暴行の故意だけで足りますが,暴行を手段としていない場合は傷害の故意が必要です。
・暴力の結果被害者が死亡してしまった事件
(傷害致死)
第205条 身体を傷害し,よって人を死亡させた者は,三年以上の有期懲役に処する。
傷害により人を死亡させたが,死亡結果について認識を欠いている場合に成立します。
死亡結果について認識がある場合は殺人罪が成立します。
裁判では,殺人罪か傷害致死罪か,死亡結果について認識していたか,が激しく争われる場合があります。
傷害と死の結果との間に因果関係が存在することを要します。
この因果関係についても裁判で激しく争われる場合があります。
・暴力の場にいて直接関与しなかった場合
(現場助勢)
第206条 前二条の犯罪が行われるに当たり,現場において勢いを助けた者は,自ら人を傷害しなくても,一年以下の懲役又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
本罪は,傷害罪・傷害致死罪の犯罪が行われている現場での助勢行為を処罰するものです。
傷害の幇助行為に類してはいるが,それに当たらない現場でのせん動的行為を,それ自体のもつ独自の危険性に鑑みて規定されています。
現場におけるせん動的行為が,喧嘩の規模・程度を拡大し,本来ならば生じないような傷害や傷害致死の結果を発生させる危険があるため,それを防止する目的があります。
広い意味では幇助の一態様でありますが,群集心理を考慮して特に軽く処罰することとしたものです。
暴行が行われているといえる段階であることが必要であり,その開始前や終了後はこれに当たりません。
暴行の段階で助勢したが傷害の結果が生じなかったときは,本罪は成立しません。
勢いを助けた,とはせん動的行為をいい,「やれ,やれ」「やってしまえ」というようなはやしたてる行為等をいいます。
行為者をはやしたて,その気勢を高めるものであれば足り,言語によると動作によるとを問いません。
その助勢行為により実行行為者の実行を容易にしたことも要しません。
・2人以上が同時に暴力を振るって被害者が怪我した場合
(同時傷害の特例)
第207条 二人以上で暴行を加えて人を傷害した場合において,それぞれの暴行による傷害の軽重を知ることができず,又はその傷害を生じさせた者を知ることができないときは,共同して実行した者でなくても,共犯の例による。
本条は,同時犯としての暴行によって同一人を傷害した場合についての処罰の特例を定めたものです。
本条の法律的性格については,犯人の側に挙証責任を転換するとともに,意思の連絡について一種の法律上の擬制を用いて共犯の範囲を拡張する旨の規定です。
同時犯としての暴行においては,行為者間に意思の連絡がないために,相手方に傷害が生じても傷害の共同正犯は成立しません。
行為者各自の行為によって傷害が生じたのかどうか不明のときには,各行為者は,刑法における個人責任の原則に基づいて,各々暴行罪の限度において処罰されるに過ぎません。
しかし,これでは処罰として軽きに失するだけでなく,一般に行為者間の意思の連絡や行為者と傷害の結果との結びつきなどを立証することが困難な場合が少なくありません。
特に本条を設けて,本来同時犯であるものを共犯の例による旨規定し,傷害罪の共同正犯として処断する旨の特例を定め,立証の困難の救済を図ることになりました。
各行為者は,自己の関与した暴行がその傷害を生じさせていないことを立証しない限り,傷害についての責任を免れません。
2人以上の者が同一の被害者に傷害を負わせたが誰がどの程度の傷害を負わせたのか判明しなかったり,2人以上の者が同一の被害者に傷害を負わせたがそれが誰の暴行によるものであるか判明しない場合をいいます。
共犯の例によるとは,共同正犯として処断するという趣旨です。
・怪我等をさせる目的で凶器を準備したり集まったりする行為
(凶器準備集合及び結集)
第208条の2 二人以上の者が他人の生命,身体又は財産に対し共同して害を加える目的で集合した場合において,凶器を準備して又はその準備があることを知って集合した者は,二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
2 前項の場合において,凶器を準備して又はその準備があることを知って人を集合させた者は,三年以下の懲役に処する。
本条は,暴力団犯罪対策の一環として,凶器準備集合罪(1項)と凶器準備結集罪(2項) からなっております。
暴力団の勢力争いに起因して,いわゆる殴り込みのため相当数の者が凶器を準備して集合し,社会に著しい不安を抱かせるような事件が続発するなど,治安上憂慮すべき事態が生じたことがありました。
このような事態を規制し,後に予想される殺傷事件を未然に防止するために設けられたものです。
構成要件的状況として,2人以上の者が他人の生命・身体・財産に対して共同して害を加える目的で集合することが必要です。
この目的は,必ずしも殴り込みをかけるような積極的・能動的な目的である必要はなく,相手方が攻撃してきた際にはこれを迎撃し,相手方を殺傷しようという消極的・受動的な目的であっても認められます。
このような迎撃形態の本罪が成立するためには,相手方からの襲撃の蓋然性・切迫性が客観的状況として存在する必要はなく,行為者においても相手方からの襲撃の蓋然性・切迫性を認識している必要はありません。
相手方からの襲撃のあり得ることを予想し,襲撃があった際にはこれを迎撃して,他人の生命・身体・財産に対し共同して害を加える意思があれば足ります。
相手方の行為その他の事情を条件とし,条件成就のときは加害行為に出るという条件付きのものであっても認められます。
共同加害目的は,広く共同正犯の形態によって加害行為をなす目的があれば足り,必ずしも自らが現場において加害行為を共同して実行する意思まで必要とするものではありません。
本罪は公共危険犯的性格を有することから,加害の対象・内容が具体的に特定されていることは要しません。
準備は,必要に応じていつでも加害行為に使用し得る状態に置くことをいいます。
必ずしも準備の場所と集合の場所が同一である必要はありませんが,凶器の準備された場所が加害行為に使用するのに不可能又は著しく困難な場所であるときは,準備したとはいえません。
また,凶器の準備が集合前又は集合と同時になされていることまで必要ではなく,集合した後に凶器が準備された場合にも,本罪は成立し得ます。
集合は,2人以上の者が共同の行為をする目的で,一定の時刻と一定の場所を同じくすることをいいます。
2人以上の者が,互いに相手が自己と共同行為をする目的のもとに時・場所を同じくしていることを認識し,なお相手方においても自己について同様に認識しているであろうことを併せて認識していることが必要です。
集合ということは,必ずしも場所的に移動して新しく時と場所を同じくする場合だけでなく,既に時と場所を同じくする2人以上の者が共同加害の目的を有するようになり,それによって社会的に1つの集合体と認められるに至った場合も集合となります。
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救急隊員に対する暴行で現行犯逮捕
救急隊員に対する暴行で現行犯逮捕
救急隊員に対し暴行を加えた公務執行妨害罪で現行犯逮捕されたというケースを想定し、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道札幌市厚別区在住のAさんは、札幌市厚別区内の会社に勤める会社員です。
Aさんは事件当日、酒を飲みすぎて泥酔してしまい、札幌市厚別区内の路上で横たわっていました。
そこへパトロール中だった札幌市厚別区を管轄する厚別警察署の警察官が、Aさんに声掛けし、家に帰るよう促したところ、腹が痛いと言って自ら119番通報しました。
そこで通報を受けて救急隊員が駆け付けたところ、泥酔したAさんは「お前らなんか呼んでねーんだよ。失せろ公僕が。」などと暴言を吐き、救急隊員Vさんの脚を2度蹴りました。
それを後方で見ていた厚別警察署の警察官は、Aさんを公務執行妨害罪で現行犯逮捕しました。
≪ケースはすべてフィクションです。≫
【公務執行妨害罪について】
事例のAさんは、Vさんの脚を蹴りました。
これは、暴行罪(刑法208条:2年以下の懲役/30万円以下の罰金/拘留/科料のいずれか)に該当します。
但し、今回Aさんが蹴ったVさんは救急隊員です。
我が国では、救急隊員は地方公務員です。
公務員に対して暴行を加えると、公務執行妨害罪が適用される場合があります。
条文は以下のとおりです。
刑法95条1項 公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。
公務員の脚を二度蹴っただけで、公務が妨害されたとは考えにくいですが、公務員である救急隊員が職務を執行していて、その救急隊員に対して暴行を加えているので、上記条文に該当し公務執行妨害罪が適用される、ということになります。
罰条は「3年以下の懲役若しくは禁錮/50万円以下の罰金」のいずれかであり、暴行罪に比べより重い刑事罰が科せられることになります。
【家族が現行犯逮捕されたら弁護士に】
罪を犯したと疑われる者を被疑者と称します。
被疑者の捜査を行ううえで身柄拘束が必要であると判断した警察官等の捜査機関は、原則として裁判所に対し、令状(逮捕状)を請求する必要があります。
但し、現行犯人については、令状なしに逮捕することができます。
これを、現行犯逮捕と言います。
現行犯逮捕は、令状主義の例外ではありますが、憲法は現行犯逮捕することを認めています。(日本国憲法33条)
実際、実務では逮捕者全体のうち約40%が現行犯逮捕で行われています。
現行犯逮捕された場合、被疑者はその後72時間以内に、裁判所による勾留の手続きが行われるか、釈放されます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所では初回接見サービスを行っていて、初回接見費用のお振込後原則24時間以内に弁護士が逮捕・勾留されている方のもとへ接見に伺います。
北海道札幌市厚別区にて、家族が救急隊員に対して暴行をしてしまい、公務執行妨害罪で現行犯逮捕された場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の初回接見サービスをご利用ください。
※在宅事件の場合は、事務所にて無料でご相談いただけます。
胎児を降ろして堕胎罪に
胎児を降ろして堕胎罪に
妊娠中の女性が意図的に胎児を降ろしたことで問題となる堕胎の罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道札幌市白石区在住のAさんは、札幌市白石区の会社に勤める会社員です。
Aさんは望まない妊娠をしてしまい、誰にも相談することが出来なかったことから、人知れず胎児(体内の子ども)を降ろそうと考えました。
そこで、海外から輸入した薬を服用したところ、卒倒してしまい救急搬送され、Aさんは一命を取り留めましたが胎児は死亡していました。
病院にてAさんは医師に対し服薬の目的を伝えたところ、札幌方面白石警察署の警察官に連絡が行き、Aさんは堕胎罪での捜査を受けることになりました。
≪ケースはすべてフィクションです。≫
【堕胎罪について】
ニュースでしばし、望まない妊娠などで胎児(体内の子ども)を自らの意思で降ろそうとしたり、自然分娩した子どもを死亡させてしまい埋めた、等の事件を耳にします。
一部自治体では赤ちゃんポストが導入されていますが、国や各自地方自治体の立法・行政府に拠る対応が求められています。
今回の事例では、妊娠中であるAさんが堕胎を目的に薬を服薬した、という事件を想定しています。
この場合に問題となる堕胎罪の条文は以下のとおりです。
刑法212条 妊娠中の女子が薬物を用い、又はその他の方法に拠り、堕胎したときは、1年以下の懲役に処する。
堕胎罪は、妊娠している女性にのみ適用されます。
(第三者が堕胎させた場合は同意堕胎罪や業務上堕胎罪、不同意堕胎罪などが成立します。)
堕胎した胎児がどれくらい発育していたかについては特に定めがないため、妊娠を認識していて、胎児を堕胎する目的で何かしらの方法で堕胎した場合、堕胎罪が成立します。
妊婦自身が薬を飲んだり腹を叩いたりして堕胎する場合は勿論のこと、それを他人に手伝わせた場合も含まれます。
なお、医師が行う人工妊娠中絶については、本来であれば妊婦が堕胎罪・ 医師は業務上堕胎罪が成立しますが、母体保護法14条等で定められた要件を満たした場合にのみ人工妊娠中絶を認めています。
様々な理由で望まない妊娠をしてしまった場合、専門医による診断や相談が必要です。
【堕胎罪の捜査を受けた場合は弁護士に相談を】
例え自らの身体であったとしても、堕胎した場合には堕胎罪に問われ、刑事事件に発展する恐れがあります。
堕胎罪で捜査を受けた場合、
・妊娠の理由
・堕胎した理由
・堕胎の目的があったか
等が、犯罪の成立可否や起訴/不起訴あるいは量刑の判断に影響します。
よって、毎回の取調べが重要になります。
北海道札幌市白石区にて、堕胎罪の嫌疑で捜査を受けている場合、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
秘密厳守、在宅事件の場合は無料で相談を受けることができます。
救急隊員に対する公務執行妨害罪
救急隊員に対する公務執行妨害罪
酒に酔った被疑者が公務員である救急隊員に対して暴行を加えた事例を想定し、公務執行妨害罪や暴行罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道札幌市中央区在住のAさんは、札幌市中央区の会社に勤める会社員です。
Aさんは仕事の帰りに飲食店に立ち寄り飲酒したところ泥酔してしまい、店で転倒して顔から流血しました。
店員が慌てて消防局に通報し、通報を受けて臨場した救急隊員がAさんを搬送しようとしたところ、Aさんは暴れて救急隊員に対し殴る蹴るの暴行を加えました。
暴行を受けた救急隊員に怪我はありませんでしたが、Aさんは救急隊員の通報を受けて臨場した札幌市中央区を管轄する札幌方面中央警察署の警察官により、公務執行妨害罪で現行犯逮捕されました。
≪ケースはすべてフィクションです。≫
【公務執行妨害罪について】
今回のケースは、札幌市消防局に所属する公務員である救急隊員に対し、暴行を加えた、という場合を想定しています。
公務員に対し暴行を加え被害者である公務員が怪我をしていないという場合、公務執行妨害罪と暴行罪の成立が考えられます。
(暴行罪)
刑法208条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
(公務執行妨害罪)
刑法95条 公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。
公務執行妨害罪は、職務の執行に当たる公務員に対して、暴行や脅迫を加えた場合に成立する罪です。
国または地方公共団体の事務を処理する公務員であれば広く対象となりますが、特に多いのは警察官や救急隊員に対する公務執行妨害罪です。
公務執行妨害罪における「暴行又は脅迫」は、間接的なものを含めて幅広く認められる可能性があります。
なお、Aさんの行為は暴行罪にも該当しますが、
暴 行 罪:被害者個人の生命身体を保護法益としている
公務執行妨害罪:公務員の公務の遂行を保護法益としている
ことから、それぞれ目的が異なります。
最終的に公務執行妨害罪と暴行罪で起訴された有罪となった場合、一つの行為で複数の罪に該当する観念的競合の問題となりより重い刑が処されることになるため、「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金」の範囲で刑事罰が言い渡されます。
【事務所紹介】
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所では、公務執行妨害罪のような被害者が公務員である場合の事件に対応しています。
公務執行妨害罪の場合、保護法益の問題や被害者が公務員という立場である点などから、暴行罪とは異なる見通し・弁護活動が予想されます。
北海道札幌市中央区にて、家族が救急隊員の方に対する公務執行妨害罪で現行犯逮捕されたという場合、すぐに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご連絡ください。
24時間365日予約受付の窓口にて、担当者が初回接見サービスについてご説明致します。
職務質問中の暴行により公務執行妨害罪で逮捕された
職務質問中の暴行により公務執行妨害罪で逮捕された
警察の職務質問中に警察官に対して暴行をしたとして公務執行妨害罪で逮捕されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説いたします。
【ケース】
北海道札幌市中央区在住のAさんは、お酒に酔っていました。
路上において、制服で警ら中の札幌方面中央警察署勤務の警察官から、挙動不審者として職務質問を受けました。
そうしたら、Aさんはその警察官にいきなり体当りをしました。
Aさんは、公務執行妨害罪の現行犯で逮捕されました。
≪ケースは全てフィクションです。≫
【公務執行妨害罪について】
(公務執行妨害)
刑法第95条 公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。
公務執行妨害罪の保護法益は、公務員によって執行される公務です。
客体は、公務員です。
暴行・脅迫は、公務員がその職務を執行するに当たり、これに対してなされることを要します。
その職務は、広く公務員の行う職務一般を指します。
この職務行為は、法令上の根拠に基づいて行われた適法なものでなければならないが、職務行為の適否は、行為当時の状況に基づいて客観的・合理的に判断されます。
職務を執行するに当たり、とは、公務員に暴行等が加えられることにより公務に影響が生じることを防止することが必要であるから、現に執行中のものに限られず、継続した一連の職務として認められれば十分とされます。
相手方が公務員であり、その職務を執行する際、これに暴行・脅迫を加えるとの認識が必要で、これを欠くときには故意が阻却されて犯罪が成立しません。
公務の執行を妨害する意思・意図は必要とされていません。
暴行とは、公務員の職務執行に当たり、公務員に対し、その執行を妨害するに足りる不法な有形力を行使することです。
本罪の保護法益は公務であるから、公務員の身体に対して直接加えられるものばかりでなく、直接には物に対する有形力の行使であっても、公務員の身体に物理的に強い影響を与え、公務員の行動の自由を阻害すべき性質のもの、あるいはその職務執行の妨害となるべき性質のいわゆる間接暴行であれば、暴行となります。
脅迫とは、畏怖心を起こさせる目的での害悪の告知行為です。
これにより公務員が現実に畏怖の念を生じたか否かは問われません。
この暴行・脅迫は、職務の執行を妨害しうる程度のものでなければならないが、必ずしも直接に当該公務員自身に対して加えられることを要せず、公務員の職務に密接不可分の関係において関与する補助者に対して加えられるものでも成立します。
妨害の結果が現に発生しなくても、妨害となるべき程度の暴行・脅迫があれば成立します。
暴行により傷害結果が生じたときは、公務執行妨害罪と傷害罪の観念的競合となります。
公務執行妨害罪の保護法益は、公務員によって執行される公務です。
客体は、公務員です。
暴行・脅迫は、公務員がその職務を執行するに当たり、これに対してなされることを要します。
その職務は、広く公務員の行う職務一般を指します。
この職務行為は、法令上の根拠に基づいて行われた適法なものでなければならないが、職務行為の適否は、行為当時の状況に基づいて客観的・合理的に判断されます。
職務を執行するに当たり、とは、公務員に暴行等が加えられることにより公務に影響が生じることを防止することが必要であるから、現に執行中のものに限られず、継続した一連の職務として認められれば十分とされます。
相手方が公務員であり、その職務を執行する際、これに暴行・脅迫を加えるとの認識が必要で、これを欠くときには故意が阻却されて犯罪が成立しません。
公務の執行を妨害する意思・意図は必要とされていません。
暴行とは、公務員の職務執行に当たり、公務員に対し、その執行を妨害するに足りる不法な有形力を行使することです。
本罪の保護法益は公務であるから、公務員の身体に対して直接加えられるものばかりでなく、直接には物に対する有形力の行使であっても、公務員の身体に物理的に強い影響を与え、公務員の行動の自由を阻害すべき性質のもの、あるいはその職務執行の妨害となるべき性質のいわゆる間接暴行であれば、暴行となります。
脅迫とは、畏怖心を起こさせる目的での害悪の告知行為です。
これにより公務員が現実に畏怖の念を生じたか否かは問われません。
この暴行・脅迫は、職務の執行を妨害しうる程度のものでなければならないが、必ずしも直接に当該公務員自身に対して加えられることを要せず、公務員の職務に密接不可分の関係において関与する補助者に対して加えられるものでも成立します。
妨害の結果が現に発生しなくても、妨害となるべき程度の暴行・脅迫があれば成立します。
暴行により傷害結果が生じたときは、公務執行妨害罪と傷害罪の観念的競合となります。
【公務執行妨害事件が起きたらどうなる?】
警察に逮捕され、起訴されて刑事処分を受けることになります。
前科があれば、実刑で刑務所に入る可能性もあります。
検察官や裁判官は、被害弁償等の有無だけでなく、本人の反省や犯罪を繰り返す可能性などを総合的に考慮して判断していきます。
特に何度も犯罪を繰り返している人に対しては、刑事処分が重くなる傾向があります。
早期に弁護士に相談することが重要です。
【逮捕されたら】
逮捕されたら、逮捕・勾留合わせて最長23日間、警察署の留置場などで身体拘束されることになります。
外部と連絡を取ることは制限され、連日捜査機関による取調べを受けるため、被る精神的苦痛は非常に大きなものとなります。
当然、会社や学校に行くことはできません。
逮捕されたことが会社や学校に知られてしまう可能性も高まります。
逮捕されることで、報道される可能性が高まります。
検察官や裁判所に釈放を求めていくことになりますが、釈放が認められるハードルは高く、簡単には認められません。
証拠隠滅と逃亡のおそれがあるかが判断されることになります。
被害者の警察官や目撃者等に対して不当な働きかけをする可能性はない、ことを具体的に説得的に示していくことが必要です。
身元引受人を確保し、事件関係者と接触しないことを具体的に説明することになります。
刑事に強い弁護士に依頼した方が、釈放は認められやすくなります。
身体拘束された状態で正式起訴されたら、勾留の身体拘束が継続されることになります。
起訴後は保釈を求めていくことになります。
保釈とは、起訴された後、証拠隠滅や逃亡のおそれが低いうえで、一定額の金銭(保釈保証金)を支払うこと等を条件に釈放される制度をいいます。
保釈金の額は、裁判所が、犯罪の軽重や情状、経済状態や生活環境などの一切の事情を考慮して、その事件で逃亡を防ぐためにはどのくらいの金額を納めさせるのが適当かを判断した上で決定します。
保釈金の相場は、一般的に200万円前後となることが多いですが、事件によっては500万円を超える場合もあります。
保釈を取り消されて保釈金が没収されることがなければ、裁判が終わった後に裁判の結果が無罪でも有罪でも保釈金は返還されます。
しかし、保釈中に問題を起こしたら、再び身体が拘束され、預けた保釈金は没収される可能性があります。
保釈金の用意が難しければ、保釈支援協会などで借りることもできます。
身体拘束された状態で正式起訴されたら、勾留の身体拘束が継続されることになります。
起訴後は保釈を求めていくことになります。
保釈とは、起訴された後、証拠隠滅や逃亡のおそれが低いうえで、一定額の金銭を支払うこと等を条件に釈放される制度をいいます。
保釈金の額は、裁判所が、犯罪の軽重や情状、経済状態や生活環境などの一切の事情を考慮して、その事件で逃亡を防ぐためにはどのくらいの金額を納めさせるのが適当かを判断した上で決定します。
保釈金の相場は、一般的に200万円前後となることが多いですが、事件によっては500万円を超える場合もあります。
保釈を取り消されて保釈金が没収されることがなければ、裁判が終わった後に裁判の結果が無罪でも有罪でも保釈金は返還されます。
しかし、保釈中に問題を起こしたら、再び身体が拘束され、預けた保釈金は没収される可能性があります。
保釈金の用意が難しければ、保釈支援協会などで借りることもできます。
【公務執行妨害罪が成立しない場合】
公務執行妨害罪が成立しないにもかかわらず、警察が被害を訴えて、捜査や逮捕をしてくることがあります。
密室の取調室で、「証拠はもうそろっている」などと言われ、警察の言われるままに話を持っていかれ、不当な内容の供述調書が作成されてしまいます。
刑事に詳しくない弁護士が対応した場合、そのような不当な状況を放置することもあります。
刑事に詳しい弁護士のきちんとしたサポートが必要になってきます。
取調べでどのようなことを言うか、弁護士と相談しながら進めていきます。
警察の威圧的な取調べが行われていたら、弁護士が抗議をしたり、黙秘を指示したりして、きちんと対応しなければなりません。
こちらに有利な証拠がないか、検討することにもなります。
起訴されて裁判となったら、きちんとこちらの主張をしていかなければなりません。
起訴前に検察官にきちんとした主張をして認められたら、不起訴となって釈放される可能性もあります。
【すぐに弁護士に相談を!】
刑事事件ではスピードが大切です。
すぐに弁護士に連絡し、相談して依頼しましょう。
逮捕後最大72時間は、たとえ家族の方でも逮捕された人との接見ができませんが、弁護士が代わりに連絡を取ってくれます。
逮捕された場合、最長で23日間、身体が拘束されますが、その間に検察官が起訴をするかどうかを判断します。
逮捕直後に不当な取調べが行われ、不利な内容の調書が作成されてしまうかもしれません。
早く弁護士が接見し、取調べへの対応方法に関してきちんとしたアドバイスをする必要があります。
起訴されたら、釈放されるために保釈を求め、裁判の対応をすることになります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事を専門とする弁護士が迅速に対応いたしますので、お気軽にお電話ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、職務質問中の公務執行妨害罪など刑事事件に関するご相談を初回無料で承っております。
接見依頼があれば、素早く対応いたします。
無料法律相談のご予約は
フリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)
までお気軽にお電話ください。
事後強盗事件で自首を検討
事後強盗事件で自首を検討
事後強盗事件で問題となる罪と、自首・出頭の諸問題について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道日高郡在住のAさんは、日高郡内の会社に勤める会社員です。
Aさんは事件当日、日高郡内のスーパーマーケットにて、商品棚に陳列された商品を清算せずに店外に持ち出す万引き行為をしたところ、スーパーマーケットの保安係Vさんに目撃され、店外に出たところで声掛けをされました。
Aさんは驚いて逃げようとしましたが、VさんがAさんの腕を掴んだため、Vさんの手を振りほどき鞄でVさんの腕を叩き、隙を見て店から走って逃げました。
1時間ほど経った後、Aさんが当該スーパーマーケットの前を通ったところ、警察車両が停まっていたことから、不安になり日高郡内を管轄する札幌方面静内警察署に自首をしようか検討しています。
≪ケースはすべてフィクションです。≫
【事後強盗事件について】
まず、Aさんは陳列棚に陳列された商品を万引きしようとしています。
万引きは窃盗罪に該当します。
条文は以下のとおりです。
(窃盗罪)
刑法235条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
次に、Aさんは万引きが発覚してしまったのち、逃げようとして保安係であるVさんの手を振り払ったのち、カバンで腕を叩いたことを想定しています。
この行為は、逮捕を免れようとして暴行を加えていると評価され、事後強盗罪が適用される可能性があります。
条文は以下のとおりです。
(事後強盗罪)
刑法238条 窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。
(強盗罪)
刑法236条1項 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
【自首と出頭について】
小説やドラマなどで「自首する」という言葉を耳にすることが少なからずあるかと思います。
自首について、刑法では以下のとおり定められています。
刑法42条1項 罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。
条文を見ると、
・罪を犯した者
・捜査機関が発覚する前
の状態で自首(自ら出頭した)場合に刑を減刑することができると規定しています。
まず、「罪を犯した者」であることが要件となっています。
家族や友人が「Aさんが罪を犯したのです。」と言ったからといって、自首は成立しません。
次に、「捜査機関が発覚する前」ということが要件となっています。
よって、例えば、警察官から電話があり「○○の件でお伺いしたいので×日に出頭してください。」という連絡があったとしても、自首には当たりません。
この、「捜査機関が発覚する前」なのかどうかは捜査情報に当たるため、捜査機関から連絡が来ていないから捜査機関が発覚する前である、とは限りません。
捜査機関は防犯カメラや自動車のナンバープレート、交通系ICカードの履歴など、様々な方法で被疑者の特定を行い、その期間は数日で行われる場合もあれば数ヶ月かかる場合もあります。
この点で、自首を検討するのであれば早めに対応した方が良い、と言えるでしょう。
自首した場合には、取調べが行われて自首調書が作成され、証拠の一部となります。
自首した場合には「逃亡の恐れ」や「罪証(証拠)隠滅の恐れ」がないと判断され、逮捕・勾留されない場合もありますが、事件によっては自首しなかった場合と同様に逮捕するケースもあります。
自首の場合も、自首には当たらない出頭の場合も、直後に取調べが行われること、逮捕される可能性があることを念頭に、弁護士に相談したうえで自首・出頭にのぞむことが良いと考えられます。
北海道日高郡にて、事後強盗罪で捜査を受ける可能性があり自首・出頭を検討しているという方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご連絡ください。
事務所にて、無料で相談を受けることができます。
家族が逮捕・勾留されている場合はこちら。
万引きが強盗事件に?
万引きが強盗事件に?
万引きで問題となる罪と更に重い罪である事後強盗罪の成立について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道岩内郡在住のAさんは、事件当日、岩内郡内の小売店で、野菜などの商品数点を未精算にもかかわらず鞄に入れるいわゆる万引き行為をしました。
しかし、店員Vさんは万引き行為に気付いていて、店を出たAさんに対して「お客さん、バッグの中身を見せてもらえませんか」と言いました。
Aさんは驚き咄嗟に逃げようとしましたが、VさんはAさんの手を握り逃がさないようにしました。
怖くなったAさんは、Vさんの腕を引き離そうとして、バッグでVさんを数回殴打しました。
その後Vさんは逃走を図りましたが、通報を受けて周囲の警戒をしていた岩内郡内を管轄する札幌方面岩内警察署の警察官はAさんを発見し、Aさんは緊急逮捕されました。
逮捕の罪名は万引きによる窃盗罪ではなく事後強盗の罪でした。
≪ケースはすべてフィクションです。≫
【万引きについて】
万引きは、窃盗の罪に当たります。
窃盗罪の条文は以下のとおりです。
刑法235条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役または50万円以下の罰金に処する。
【事後強盗について】
もっとも今回のAさんは、万引きをした後に店員から腕を掴まれていて、それを振り払い、Vさんを鞄で殴打するという暴行を加えました。
この場合、万引きによる窃盗罪ではなく事後強盗罪が成立します。
事後強盗罪の条文は以下のとおりです。
刑法238条 窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。
同236条1項 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
事後強盗事件は強盗罪として扱われるため、法定刑は5年以上20年以下の懲役です。
更に、事後強盗の結果、被害者である店員Vさんが怪我した場合には、6年以上20年以下の懲役刑になります。
事後強盗致傷での条文は以下のとおりです。
刑法240条 強盗が、人を負傷させたときは無期又は6年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、これまで数多くの刑事事件・少年事件を扱ってきました。
万引きの後の暴力行為については、前述したような事後強盗罪が適用される場合もありますが、商品を取り返したり逮捕されないよう逃亡しようとしたりする暴力行為には該当せず事後強盗罪が成立しないとして、窃盗罪と暴行罪が成立すると評価される場合もあります。
事後強盗罪は重い罪であることから、事後強盗罪が適用されるのかは重要です。
他方で、事件自体を起こしているのであれば、謝罪や弁済と言った示談交渉は不可欠ですので、その点でも弁護士の弁護活動は重要です。
北海道岩内郡にて、家族が万引き事件や事後強盗事件で逮捕・勾留される場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご連絡ください。
SMプレイでの死亡事故
SMプレイでの死亡事故
いわゆるSMプレイをしている最中に相手が死亡してしまったという事例を想定して、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道赤平市在住のAさんは、赤平市内の会社に勤める会社員です。
事件当日、Aさんは交際相手のVさんと赤平市内の自宅で性行為をする際、AさんはVさんから「首を締めるSMプレイに興味があるからやってほしい」と言われたため、自宅にあったビニール紐でVさんの首を締めました。
これを数十秒ほど続けたところ、Vさんは動かなくなり、Aさんは慌てて119番通報しましたがVさんは搬送先の病院で死亡しました。
赤平市内を管轄する赤歌警察署の警察官は、Aさんを逮捕しました。
≪ケースはすべてフィクションです。≫
【いわゆるSMプレイについて】
まずは紐で縛る、ムチで殴る、ロウソクのロウを垂らす等のSMプレイと呼ばれる行為について検討します。
これらの行為は、それ自体が暴行罪や傷害罪に該当する可能性がある行為です。
条文は以下のとおりです。
(暴行罪)
刑法208条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
(傷害罪)
刑法204条 人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
但し、SMプレイは「相手方の同意」があってはじめて成立するものと考えられます。
この場合、構成要件(暴行罪や傷害罪といった罪が成立するために必要な要素)には該当しているが、違法性阻却事由が認められるとして、罪に問われない可能性があります。
もっとも、包丁で大量出血するほどの切り傷を負わせるなど死亡する可能性があるような行為については、違法性阻却事由が認められないとして罪に問われる可能性があります。
【SMプレイでの死亡事故】
まず、SMプレイで死亡事故を起こした場合に検討される罪としては
①殺人罪(刑法199条)
②傷害致死罪(刑法205条)
③過失致死罪(刑法210条)
④業務上過失致死罪・重過失致死罪(刑法211条)
が考えられます。
※被害者が殺してほしいと頼み、それを実行した場合には嘱託殺人罪が適用されますが、SMプレイではそのような意思はないと考えられます。
①殺人罪については、「人を殺した者」に適用されます。
これは、加害者に相手を殺害しようとする意思がある場合、あるいは死亡するかもしれない可能性を認識していながら行為を継続した場合に、実際にそれを遂げた場合に成立します。
一般的なSMプレイでは考えにくいですが、行為中に加虐心が大きくなり被害者の死亡を願うようになったような場合には成立する余地があります。
罰条:死刑又は無期若しくは5年以上の懲役
②傷害致死罪については、「傷害し、よって人を死亡させた者」に適用されます。
殺人罪とは異なり、殺害の意思はないが相手を傷つける意思があり、その行為によって被害者が死亡した場合に成立します。
これは、【いわゆるSMプレイについて】に関連するもので、違法性阻却事由が認められるかどうかがポイントになります。
罰条:3年以上の有期懲役
③過失致死罪については、「過失により人を死亡させた者」に適用されます。
相手を死亡させるつもりはなかったが、不注意により相手を死亡させてしまった場合に成立します。
罰条:50万円以下の罰金
④業務上過失致死罪・重過失致死罪については、「業務上必要な注意を怠」った、又は「重大な過失」があったために人を死亡させた場合に適用されます。
例えば、性風俗の中でもSMプレイを専門としている者や、医師など人体の構造と機能に詳しい者等が、注意せずに行ったSMプレイにより相手を死亡させたような場合に成立すると考えられます。
罰条:5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金
ケースのAさんの場合、特殊な仕事に就いていたことを想定していないため、②の傷害致死罪又は③の過失致死罪の成立が検討されます。
両者は、罰条が大きく異なりますが、②と③のどちらに該当するかは事件の詳細を慎重に検討して判断されるものです。
その際、取調べでの供述などが重要な証拠になり得ることから、取調べ前に弁護士にアドバイスを受けることが望ましいと言えるでしょう。
北海道赤平市にて、SMプレイでの死亡事故を起こしてしまった場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご連絡ください。
在宅事件の場合は事務所にて無料で相談を受けることができます。
家族が逮捕・勾留されている場合はこちら。
匿名アカウントでの誹謗中傷で刑事告訴
匿名アカウントでの誹謗中傷で刑事告訴
SNSで匿名アカウントを使って他人を誹謗中傷した場合に問題となる罪と刑事告訴の手続きについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道滝川市在住のAさんは、滝川市内の会社に勤める会社員です。
Aさんは上司であるVさんとそりが合わず、不満が溜まっていました。
そこで、SNSで匿名アカウントを作成し、「浮気で慰謝料を請求されているVの経歴」「暴力団と繋がりがあるためクビにされないVのアカウント」などと、Vさんの実名や経歴などを投稿していました。
Vさんは家族から当該匿名アカウントについて知らされ、滝川市内を管轄する札幌方面滝川警察署に相談し、誹謗中傷による名誉毀損罪で刑事告訴しました。
≪ケースはすべてフィクションです。≫
【匿名アカウントでの誹謗中傷】
誰もが匿名で意見を書き込むことができるSNSは、とても便利なツールです。
しかし、匿名であることを悪用して他人を誹謗中傷する投稿も多々見受けられます。
匿名だから大丈夫だろう、と考えて投稿されている方もおられるようですが、IPアドレスの開示請求等により投稿者が特定される可能性は高く、実際に特定され刑事事件に発展し、刑事罰を受けたという方も少なくありません。
個人を誹謗中傷した場合に問題となる罪としては、名誉毀損罪と侮辱罪が考えられます。
条文は以下のとおりです。
(名誉毀損罪)
刑法230条1項 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。
(侮辱罪)
刑法231条 事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、1年以下の懲役若しくは禁錮若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
名誉毀損罪の要件は
・公然性
・事実を摘示したこと
・人の名誉を毀損したこと
とされています。
侮辱罪は、
・公然性
・人を侮辱したこと
とされています。
Aさんの場合、Vさんが浮気をしたり暴力団と関わり合いが合ったりという、具体的な内容を持ち出していますので、それが真実であるかどうかにかかわらず、名誉毀損罪に問われる可能性があります。
【刑事告訴されたら弁護士へ】
名誉毀損罪も侮辱罪も刑法の「第34章 名誉に対する罪」に規定されています。
そして、刑法232条1項では「この章の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。」と定められている、いわゆる親告罪に当たる罪です。
例え、明らかに名誉毀損罪や侮辱罪に当たる行為をした者がいたとしても、「告訴」がなければ、検察官は被疑者を起訴することができず、罪に問われないのです。
(このブログでは、似たような用語の告発・公訴などと区別するべく基本的に「刑事告訴」としています。)
刑事告訴は、告訴権者が捜査機関に対して、犯罪事実を告げて犯人の処罰を求める意思表示です。
類似の手続きに「被害届」の提出がありますが、被害届は捜査機関に被害申告をするだけの手続きで「処罰を求める意思表示」がないという点で異なります。
よって、被害者が誹謗中傷により名誉毀損罪や侮辱罪で刑事告訴するということは、被疑者(加害者)に対して刑事処罰を求め、捜査・起訴を求めることになります。
誹謗中傷をしてしまい、名誉毀損罪や侮辱罪などで刑事告訴された場合、起訴される前に、謝罪と賠償を行うなどして刑事告訴を取り消していただくための示談交渉を行うことが有効です。
北海道滝川市にて、上司などに対して匿名アカウントで誹謗中傷などをしてしまい名誉毀損罪や侮辱罪で刑事告訴された、あるいはされる可能性がある場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご連絡ください。
在宅事件の場合は事務所にて無料で相談を受けることができます。
家族が誹謗中傷により名誉毀損罪や侮辱罪で逮捕・勾留されている場合はこちら。