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児童ポルノのサイト運営

2020-07-09

児童ポルノのサイト運営をした場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士が解説いたします。

~今回のケース~

札幌市白石区に在住のAさん(30歳)は海外を拠点としてアダルトサイトを運営していました。
そのアダルトサイトでは、13歳から16歳の女子の裸の画像を掲載していました。
そのアダルトサイトを運営しているのがAさんだという証拠を掴んだ札幌方面白石署の警察官は、児童ポルノ禁止法違反の疑いでAさんを逮捕しました。
夫が突然逮捕されたAさんの妻は、自分がどうしていいか分からなかったので、刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

~問題となる条文~

〇児童買春・ポルノ禁止法(児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律)

今回Aさんが疑われているのは、児童買春・ポルノ禁止法違反です。
児童買春・ポルノ禁止法では、児童ポルノのサイトを運営したことについて、以下のように規定されています。

第7条 児童ポルノ所持、提供等
6 児童ポルノを不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列した者は、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。電気通信回線を通じて第2条第3項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録その他の記録を不特定又は多数の者に提供した者も、同様とする。

「児童」・「児童ポルノ」の定義については、児童買春・ポルノ禁止法第2条に規定されています。

まず、「児童」とは「18歳に満たない者」をいうとされいます(2条1項)。

次に、「児童ポルノ」とは「写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物であって、次の各号いずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したもの」とされています(2条3項)。
2条3項3号には「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ性欲を興奮させ又は刺激するもの」と規定されています。

今回のケースでは、Aさんが掲載していた裸の写真は13歳から16歳の女子の写真であるため、「児童ポルノ」に該当します。
そして、「児童ポルノ」をアダルトサイトに掲載することは「不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列」することになる可能性が高いです。

児童買春・ポルノ禁止法7条6項違反で、起訴されて有罪が確定すると、「5年以上の懲役又は500万円以下の罰金(又は併科)」が科せられることになります。

また、Aさんが、このアダルトサイトで、児童ポルノを販売していた場合は、提供や陳列には当たらず、児童ポルノ禁止法の別の条文に該当するおそれもあります。

~弁護士の対応~

今回のケースのような場合、在宅事件にすると児童ポルノを証拠隠滅する疑いがあるため、身体拘束逮捕・勾留)を受ける可能性が高いです。
ご家族の方が、接見(面会)に行くことは可能ですが、時間に制限があり、接見禁止がついていると、ご家族の方でも接見に行くことはできません。
そこで、自分の代わりに弁護士接見に行ってもらうよう依頼することをおすすめします。
弁護士には接見禁止などの制約がないため、自由に身体拘束を受けた方との面会が可能ですし、ご家族の方からの伝言を伝えることもできます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では刑事事件に強い弁護士が無料法律相談、初回接見サービスをおこなっております。
無料法律相談や初回接見サービスの予約はフリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けておりますので、児童買春・児童ポルノ禁止法違反など、刑事事件でお困りの方はお気軽にお問い合わせください。

脅迫罪で逮捕

2020-07-02

北海道浦河町の脅迫事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士が解説します。

【事例】

北海道浦河町在住のAは隣人であるBの生活雑音に対して何度も苦情を申し入れていました。
しかし、Bは態度を改めることなく、むしろ過剰に生活雑音を立てるようになっていきました。
これに耐えかねたAは、Bを脅迫すれば生活雑音も収まると考えた為、脅迫状をポストに投函しました。
内容は、「Bさん、生活雑音をどうにかした方が良いと考えます。また、最近では放火などの火に関する事件が多発していますね。火のもとにご用心。」というものでした。
これを受領したBは、内容を見てすぐに送り主がAであることを確信し、放火されるのではないかという不安に駆られました。
そこで、Bはその脅迫状を浦河警察署に持っていき経緯を話したところ、翌日Aは脅迫罪で逮捕されました。

【脅迫罪とは】

刑法222条

1 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。

2 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。

今回の事例の場合、AがBに対して脅迫状を送った行為が1項規定の「生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した」といえるかどうかが問題となります。

【「害を加える旨を告知して人を脅迫」について】

判例上は、告知が少なくとも相手方に到達して認識されることは必要であるが、それによって実際に相手方が畏怖したことまでは要求されていないとしており、告知の内容が一般人を畏怖させるに足りる程度のものであるかを基準に判断するとされています。

これは、例えば脅迫された人が屈強なプロレスラーであって畏怖しなかったとしても、一般人であれば通常畏怖する内容であれば「害を加える旨を告知して人を脅迫」であると言えます。

【今回の事例について】

今回の事例における、AがBに対して送った脅迫状の「Bさん、生活雑音をどうにかした方が良いと考えます。また、最近では放火などの火に関する事件が多発していますね。火のもとにご用心。」という内容が一般人であれば畏怖するに足りる程度の告知といえるでしょうか。

今回の事例において、生活騒音に関して揉めていたという状況の下、上記のような内容の脅迫状が送られて来れば、一般人であれば通常放火されるのではないかと畏怖すると考えられます。

つまり、一般人を畏怖させるに足る程度のものといえ、Aの上記行為には脅迫罪が成立する可能性があります。

【逮捕されたら】

警察官による逮捕や勾留は、精神的にも身体的にも過酷なものとなっており、できればそれを避けることがご自身やご家族の方にとって大切なこととなってきます。

そして、逮捕される恐れのある場合や万が一逮捕されてしまった場合、その後に事件がより良い方向に進むためには冷静な対応が必要不可欠となっています。

逮捕前であれば示談等、逮捕後であれば示談や身体拘束からの解放又は起訴を免れるよう対応することが可能です。しかし、いずれの対応をするにあたっても専門性や迅速性が必要不可欠です。

一般の人にとって刑事事件の手続きは理解しにくくとっつきにくいものであると思います。

上記の事例のような脅迫によって精神的に恐怖を与える事件では、相手が示談に応じてくれることが難しいと考えられます。

また、家族であっても基本的に逮捕中の被疑者と会うことはできませんし、勾留後であっても会える時間は制限されています。

刑事事件に精通した弁護士であれば、事件の種類や被害者の状況に応じて、被害者と冷静かつ迅速に対応し、適切な金額で示談を行うことができます。

また、弁護士は逮捕中の被疑者と会う(接見)権利を有しており、日時等の制限は基本的にないため、家族の方からの要望に応じていつでも接見を行うことができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部には刑事事件と少年事件の専門家である弁護士が多く在籍しているため迅速かつ適切な対応が可能となっていますので積極的にご相談下さい。

ご家族や友人等が万が一脅迫罪で警察に逮捕されたりした場合には、ぜひすみやかに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談下さい。

盗品保管罪で逮捕

2020-06-25

北海道旭川市の盗品保管事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士が解説します。

【事例】

北海道旭川市在住のAは、知人Bから背広3つと靴1つを預かり保管していたところ、一週間後にこれらの物品はBが窃取してきたものであることを知りました。
しかし、Aは警察などに通報せずそのまま自室において保管していました。

その後も、数回にわたり執拗にBが物品の保管を依頼してくるため、すべて盗品であるという認識の下、カメラ・テープレコーダー・着物やネックレス等を受け取り保管していました。

その後、被害者からの被害届提出に伴い旭川方面旭川中央警察署による捜査が始まり、Aは盗品保管罪逮捕されました。

(フィクションです)

【盗品等保管罪とは】

第256条(盗品等関与罪

1項 盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物を無償で譲り受けた者は、3年以下の懲役に処する。

2項 前項に規定する物を運搬し、保管し、若しくは有償で譲り受け、又はその有償の処分のあっせんをした者は、10年以下の懲役及び50万円以下の罰金に処する。

上述のように、盗品保管罪は、256条2項規定の、「前項に規定する物を保管した者」に当たる場合に、10年以下の懲役及び50万円以下の罰金が科せられるものとなっています。

つまり、この犯罪が成立するには

・「前項に規定する物」を
・「保管した」

ことが必要になります。

そこで、今回のストーリーにおけるAが「前項に規定する物を保管した者」に当たるかを検討します。

【今回のストーリーについて】

まず、「前項に規定する物」はすなわち「盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物」(1項)であると言えます。

今回のストーリーでは、Aは、Bが「盗品その他財産に対する罪に当たる行為」である窃盗行為によって窃取した物を保管しています。

よって、Aは「前項に規定する物を保管した者」に該当すると考えられ盗品等保管罪が成立し処罰を受ける可能性がありそうです。
しかし、最初に預かった背広3つと靴1つはAはBから預かった当初、当該物品は盗品であるということを知らなかったため、盗品等保管罪が成立せず処罰は受けないとも考えられます。

しかし、裁判所は判例において「盗品であることを知らずに物品の保管を開始した後、盗品であることを知るに至ったのに、なおも本犯の為にその保管を継続するときは盗品の保管に当たるものというべきである」として、途中から保管している物品が盗品であることに気付いたが保管を継続させた場合にも盗品等保管罪が成立することを認めています。

したがって、AがBから預かった物品が盗品であることに気付いたにもかかわらず保管を継続していた行為に盗品等保管罪が成立すると考えられます。

【逮捕されたら】

警察官による逮捕勾留は、精神的にも身体的にも過酷なものとなっており、できればそれを避けることがご自身やご家族の方にとって大切なこととなってきます。

そして、逮捕される恐れのある場合や万が一逮捕されてしまった場合、その後に事件がより良い方向に進むためには冷静な対応が必要不可欠となっています。

逮捕前であれば示談等、逮捕後であれば示談又は起訴を免れるよう対応することが可能でありそのいずれの対応をするにあたっても迅速性が必要不可欠です。

また、弁護士は逮捕中の被疑者と会う(接見)権利を有しており、日時や渡すもの等の制限は基本的にないため、家族の方からの要望に応じていつでも接見を行うことができます。

そうであるとはいっても、一般の人にとって刑事事件の手続きは理解しにくくとっつきにくいものであると思います。

そこで、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には刑事事件と少年事件の専門家である弁護士が多く在籍しているため迅速な対応が可能となっていますので積極的にご相談下さい。

ご家族や友人等が万が一盗品等保管罪で警察に逮捕されたりした場合には、ぜひすみやかに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談下さい。

公務執行妨害で逮捕

2020-06-18

北海道帯広市の公務執行妨害事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士が解説します。

【事例】

北海道帯広市内在住のXとYは「20××年の東京オリンピック開催反対の会」という団体に所属していました。
そして、当該団体は同市内の××公園においてデモ活動を行っていたところ、釧路方面帯広警察署の警察官が同公園付近住民からの通報を受け同公園付近の警備並びに治安維持のために出動してきました。
日頃から警察官に対して不満を抱いていたXとYはそれぞれ「この機会に怪我をさせてやろう」と考え、近くに落ちていた石を警察官Kに向けて投げました。
その結果、Xの投じた石はKの頭部に直撃しましたが、Kは負傷するに至りませんでした。一方、Yの投じた石はKの頭上を通過しKの身体に当たることはありませんでした。
XとYは公務執行妨害現行犯逮捕されました。
(この事例はフィクションです)

【公務執行妨害罪】

今回の事例において、XとYの投石行為は治安を維持するために出動した警察官に対して行われたものであることから、公務執行妨害罪(刑法95条1項)が成立することが考えられます。

刑法95条1項

公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。

この犯罪は公務員を特別に保護する趣旨の規定ではなく公務員によって執行される公務そのものを保護するものであるとしていることから、保護法益は公務の円滑な執行とされています。そしてこの犯罪が成立するには、

①公務員が職務を執行するに当たり

②これに対して暴行又は脅迫を加えた

ことが必要です。

ここで、②の「暴行」とは何かが問題となります。
これは、判例において、「公務執行妨害における暴行とは直接に公務員の身体に対して加えられる必要はなく、公務員に向けられた不法な有形力の行使であれば足りる。」としています。以上を踏まえて、今回の事例におけるXとYの投石行為に公務執行妨害罪が成立するか検討します。

【Xについて】

まず、警察官Kは公園付近の警備並びに治安維持のために出動してきたため公務員が職務を執行する場合といえます(①充足)。

そして、職務執行中であるKに対して投石し頭部に直撃させる行為は、暴行を加えたといえます(②充足)。

よって、Xの投石行為に公務執行妨害罪が成立します。

【Yについて】

まず、①についてはXの投石行為の際と同様充足します。

そして、②に関して、上記「暴行」の判例の解釈に照らすと、Yの投げた石は警察官Kの頭上を通過し身体に当たることはなかったものの、投石行為自体が公務員たる警察官に向けられた不法な有形力の行使といえるのでこれも充足しているといえます。

よって、Yの投石行為に公務執行妨害罪が成立すると考えられます。

【XとYの関係について】

今回の事例では、XとYは意思の連絡もなくそれぞれ独立した意思に基づきKへの投石行為を行っています。

もっとも、同じデモに参加している最中に同じ警察官に対して投石という同じ行為をしている点から、XとYは共同して公務執行妨害罪を実行した共犯者(刑法60条)と疑われる可能性があります。

【逮捕されたら】

警察官による逮捕勾留は、精神的にも身体的にも過酷なものとなっており、できればそれを避けることがご自身やご家族の方にとって大切なこととなってきます。

そして、逮捕される恐れのある場合や万が一逮捕されてしまった場合、その後に事件がより良い方向に進むためには冷静な対応が必要不可欠となっています。

逮捕前であれば示談等、逮捕後であれば示談や身体拘束からの解放又は起訴を免れるよう対応することが可能です。しかし、事件によってはこうした活動が出来ないことがあります。また、いずれの対応をするにあたっても専門性や迅速性が必要不可欠です。

一般の人にとって刑事事件の手続きは理解しにくくとっつきにくいものであると思います。

また、家族であっても基本的に逮捕中の被疑者と会うことはできませんし、勾留後であっても会える時間は制限されています。共犯者がいると疑われる事件では接見禁止(刑事訴訟法81条)がつけられ家族でも会えないことになります。

刑事事件に精通した弁護士であれば、事件の種類や被害者の状況に応じて、可能であれば被害者と冷静かつ迅速に対応し、適切な金額で示談を行うことができます。また、身柄拘束の理由や必要がないとして、勾留決定に対する準抗告申し立て勾留取消請求を行い、身柄の解放を求めます。

また、弁護士は逮捕中の被疑者と会う(接見)権利を有しており、日時等の制限は基本的にないため、家族の方からの要望に応じていつでも接見を行うことができます。接見においては弁護士から被疑者に取調べへの対応などの助言を行います。他の者と通じたのか、自分の行為で相手はどうなったのかなど自分の記憶に従って正確に捜査機関に対して答えられるようアドバイスします。場合によっては、署名押印の拒否や黙秘権の行使などもアドバイスします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部には刑事事件と少年事件の専門家である弁護士が多く在籍しているため迅速かつ適切な対応が可能となっていますので積極的にご相談下さい。

ご家族や友人等が万が一、公務執行妨害罪で警察に逮捕されたりした場合には、ぜひすみやかに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談下さい。

ロマンス詐欺で逮捕

2020-06-11

恋愛感情を持たせてお金をだましとった事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説いたします。

【事例】

日本国内に住む外国籍の男性AさんとBさんは、外国の軍人などのふりをして、SNS上で日本国内に住む複数の女性と交流していました。

Aさんは、交流相手の女性の1人であるVさん(札幌市東区在住)に恋愛感情を抱かせた上で、日本で暮らすために必要な荷物を送ったので、代わりに受け取ってほしいなどとお願いしました。
承諾したVさんは、自分の住所や電話番号を伝えました。

すると今度はBさんが運送業者を名乗ってVさんに連絡し、荷物が税関で止まっているので、これを発送するための手数料として50万円を送金してほしいと頼みました。
Vさんは、手続きが進めばAさんが来日して会うことができると思い込んでしまい、指定された口座に50万円を送金しました。

後日、Aさんとの連絡が取れなくなって詐欺であることに気が付いたVさんは、札幌方面東警察署に相談。
捜査の結果、Aさんの犯行であることが判明し、Aさんは逮捕されました。
(事実をもとにしたフィクションです)

~国際ロマンス詐欺~

恋愛感情を巧みに利用し、相手からお金などをだまし取るロマンス詐欺というものがあります。
特に今回の事例のように外国人が日本人をだますパターンは国際ロマンス詐欺などと呼ばれています。
被害者としては30歳代後半から50歳代前半の女性が多くなっているようです。

犯行方法や被害実態についてはこちらに詳しく載っています。
国際ロマンス詐欺。被害者510人のリアルな声を集めると、盗られていたのは金銭だけではなかった。
https://www.huffingtonpost.jp/entry/terue-shinkawa0226_jp_5c735c07e4b03cfdaa5700a7
(ハフポスト)

このような詐欺に気を付けなければならないのは当然ですが、詐欺をした側も重い罰則を受けることを覚悟しなければなりません。

刑法246条1項
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

詐欺罪には罰金刑が定められていません。
多額のお金をだまし取り、それを使ってしまって返還もできないという状況になれば、執行猶予になることも難しいでしょう。

~刑事手続きの流れ~

犯罪をしたとして逮捕されると、最初に最大3日間、警察署等で身体拘束され、取調べ等の捜査を受けます。
そして逃亡や証拠隠滅のおそれがあるなどとして検察官が請求し、裁判官が許可すれば、さらに10日間、勾留(こうりゅう)と呼ばれる身体拘束がされる可能性があります。
この勾留期間はさらに10日間延長されることもあります。

勾留期間の最後に検察官が被疑者を刑事裁判にかけるか(起訴)、かけないか(不起訴)の判断をします。

被害金額が少ない、被害者に賠償して示談が成立しているといった事件では、前科も付けずに刑事手続を終わらせる不起訴処分となることもありえます。
ただ、今回の事例にように計画的な犯行で、50万円というある程度大きな被害が出ている事件では、不起訴処分はなかなか望めないですし、前述のように執行猶予となるのも容易ではありません。

裁判で執行猶予となったとき、あるいは実刑判決で刑務所に入り出所したときには、国外退去となることが予想されます。

~弁護士にご相談ください~

今回は国際ロマンス詐欺の事例をもとに解説しましたが、日本人同士で恋愛感情を悪用した詐欺の事例もあり、被害状況などによっては実刑判決となってしまいます。

あなたやご家族が詐欺事件など何らかの犯罪をしたとして逮捕されたり、取調べを受けたといった場合には、被害者への謝罪・賠償をして示談を結び、執行猶予など出来るだけ軽い判決につなげるために、ぜひ弁護士にご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスのご利用を、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用をお待ちしております。

児童買春と自首

2020-06-04

札幌市南区の児童買春事件における自首について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士が解説します。

~事例~

札幌市南区に住むAさん(40歳)は、SNSで女子中学生のVさん(15歳)と知り合いました。そして、AさんはVさんが18歳未満であることを認識しながらVさんと会い、ホテルでVさんに現金3万円を渡してVさんと性交しました。その後、Aさんは再びVさんと連絡を取ろうとしましたが、Vさんのアカウントが削除されており連絡を取ることができませんでした。Aさんは「Vさんに何かあったのではないか」「援助交際・児童買春のことが親や警察にばれたのではないか」と不安になりました。そこで、Aさんは札幌方面南警察署自首することも考えましたが、その前に援助交際・児童買春に詳しい弁護士に自首すべきかどうか相談することにしました。
(フィクションです)

~児童買春の罪~

児童買春の罪は「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下、法律)」の4条に規定されています。

法律4条
 児童買春をした者は、5年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。

児童買春とは、児童(18歳未満の者)等に対し、対償(お金など)を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等(性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいう)をすることをいうとされています(法律2条2項)。
「対償」とは、児童が性交等をすることに対する反対給付としての経済的利益をいいます。現金のみならず、物の交付や債務の免除もこれに含まれます。

Aさんは現金をという「対償」を渡した上で、Vさんと性交していますから、Aさんの当該行為は児童買春の罪に当たることは明らかです。

~児童買春と自首~

Aさんは自首を検討しているようです。
自首とは、

①捜査機関に
②犯罪事実又は犯人が発覚する前に
③犯人が自ら進んで自己の犯罪事実を捜査機関に申告し
④その処分を委ねる意思表示

のことをいいます。
 
①自首は捜査機関(検察官、警察官)に対してしなければなりません。
②あなたの児童買春が捜査機関に発覚していた場合はもはや自首は成立しません。
③自首の方法は口頭、書面の2通りが考えられます。ですから、いったん書面で行い、捜査機関の出方をうかがって再度口頭で行う、という方法も考えられます。
④書面のみを提出して所在不明となった場合、氏名を秘匿している場合などは、処分を委ねる意思がないものとみなされるでしょう。

このように、「自首」を主張するためにはいくつかのハードル(要件)を超えなければならないことが分かります。
自首の要件を満たさないのに捜査機関に申告してもそれは「自首」ではなく単なる「出頭」にしか当たりません。

「自首」の最大の特徴は、

減刑される可能性があること

です(必ず減刑されるわけではありません)。
しかし、減軽といっても、その対象は法定刑であって、実際の「量刑」は法定刑が減軽された後の範囲で決せられます。
したがって、自首に当たるからといって必ずしも執行猶予が確約されたわけではなくやはり実刑に処せられることもあります。

もう一つの特徴としては、逮捕を免れる可能性があるということです。これは「自首」ではなく「出頭」に当たる場合でも同様です。
罪証隠滅のおそれ、逃亡のおそれがないと判断されやすいからです。
ただし、反対に、そのおそれがやはりあるとして逮捕される可能性もあります。

このように、自首・出頭にはメリット・デメリットがありますから、自首をご検討中の方は弁護士とよく相談してから決める必要があるでしょう。

~弊所の自首・出頭同行サービス~

弊所は、自首・出頭が不安だ、という方のために自首・出頭同行サービスを用意しております。
自首・出頭にあたって弁護士が助言をさせていただきますし、警察とあなたとの仲介役となって様々な調整をします。また、警察署にも同行します。
まずはお気軽にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、弊所までお気軽にご相談ください。24時間、無料法律相談、初回接見サービスを受け付けております。

女性宅への泥棒で逮捕

2020-05-28

女性宅への泥棒をして逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説します。

【事例】

札幌市厚別区に住むAさん。
近所の1人暮らしの女性宅に忍び込んで、女性が使用する下着などの衣類、アクセサリーなどを盗み取ってきました。
女性が北海道厚別警察署に被害届を提出。
付近の防犯カメラ映像の確認などの捜査の結果、Aさんの犯行と発覚。
Aさんは逮捕されました。
(フィクションです)

~住居侵入罪と窃盗罪~

女性宅への泥棒で逮捕されたAさん。
住居侵入罪窃盗罪に問われることになるでしょう。
条文を確認してみます。

刑法130条
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
第235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

Aさんは泥棒目的で女性宅に入っていますから、「正当な理由がないのに、人の住居…に侵入」した者として、住居侵入罪の責任を負うでしょう。
また、下着などを盗んでいるので、「他人の財物を窃取した者」として、窃盗罪の責任も負うことになります。

~余罪が追及される可能性も~

犯罪をして逮捕されると家宅捜索を受けて、自宅にある物やスマホやパソコンに保存された画像などを調べられる可能性があります。

これにより、同じ被害者から別の機会に盗んだ物や、他の被害者から盗んだ物が見つかるケースもあります。
また、盗んだ物をスマホなどで写真に撮って保存していれば、そこから余罪が発覚するケースもあります。

場合によっては窃盗だけではなく、盗撮画像や動画が発見され、迷惑行為防止条例違反などにも問われるというパターンも考えられます。

動かぬ証拠を保存してしまっていることになるので、被害者さえ特定できれば、余罪も一緒に裁判にかけられ、より重い処罰を受けてしまう可能性があるわけです。

~早期釈放は可能?~

犯罪をしたとして逮捕されると、最初に最大3日間、警察署等で身体拘束され、取調べ等の捜査を受けます。
そして逃亡や証拠隠滅のおそれがあるなどとして検察官が請求し、裁判官が許可すれば、さらに10日間、勾留(こうりゅう)と呼ばれる身体拘束がされる可能性があります。
この勾留期間はさらに10日間延長されることもあります。

弁護士としては、勾留を防いで早期に釈放されるよう、逃亡や証拠隠滅のおそれがないといえる理由をまとめた意見書を提出するなどの弁護活動を行います。

ただし、今回の事例のように加害者と被害者の家が近い場所にあることは、勾留される可能性が高くなる事情の1つになります。
つまり、加害者が再び被害者の家に行ったり、加害者と被害者が鉢合わせてしまい、被害者を脅して加害者に有利な供述をさせようとするのではないかといった懸念が生まれてしまうのです。

勾留された場合はその期間の最後に、勾留されなかった場合は必要な捜査が終わり次第、刑事裁判がスタートし、刑罰が決まるという流れになるでしょう。

~弁護士にご相談ください~

あなた自身やご家族が何らかの犯罪をしたとして逮捕されたり、取調べを受けたといった場合には、早期釈放の見込み、判決内容の見込み、刑事手続きの流れなど、事件に応じたご説明を致しますので、弁護士にご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスのご利用を、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用をお待ちしております。

保険金の詐欺未遂罪で逮捕

2020-05-21

台風被害に遭ったとの虚偽の申請をして保険金をだまし取ろうとして逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士が解説いたします。

【事例】

北海道岩内町に住むAさん。
最近自宅のリフォームをした知人に声をかけ、台風の被害に遭ってリフォームしたのだという虚偽の申請を保険会社に対して行い、保険金をだまし取ることを持ちかけました。
そしてだまし取った保険金は半分ずつ分けると約束し、保険会社に虚偽の申請をしました。
しかし不審に思った保険会社が詳しく調査した結果、虚偽の申請であることが発覚。
保険会社は北海道岩内警察署に被害届を提出。
Aさんは逮捕されました。
(事実を基にしたフィクションです)

~保険金詐欺~

保険金詐欺は昔からある犯罪ですが、最近も弊所にもウソの交通事故を装って保険金をだまし取ろうとした事件の相談がありました。
また、弊所の事件ではありませんが、住宅リフォームをした人の名簿をどこからか手に入れ、名簿の中の人に対し連絡を取り、上記事例にように共済金をだまし取って山分けしようとしたとして、詐欺未遂罪で逮捕されたという事件も報道されています。

保険金詐欺を行い、実際に金銭をだまし取った場合には詐欺罪が、だまし取るに至らなかった場合には詐欺未遂罪が成立することになります。

刑法246条1項
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
第250条
この章の罪の未遂は、罰する。

条文にある通り、詐欺罪は10年以下の懲役です。
未遂にとどまった場合は、上限が5年になる可能性もあります。
しかし詐欺罪も詐欺未遂罪は条文に懲役刑しか規定されておらず、罰金で済む可能性がありません。

それでも執行猶予付きの懲役刑となる可能性はあるので、そうなれば刑務所に入らなくて済むので1つの理想的な結果ということになります。
ただ、詐欺罪は被害額が大きくなりがちといった理由により、初犯であっても実刑判決となって刑務所に入れられることも十分ありえます。

~刑事手続きの流れ~

犯罪をしたとして逮捕されると、最初に最大3日間、警察署等で身柄拘束され、取調べ等の捜査を受けます。
そして逃亡や証拠隠滅のおそれがあるなどとして検察官が請求し、裁判官が許可すれば、さらに10日間、勾留(こうりゅう)と呼ばれる身体拘束がされる可能性があります。
この勾留期間はさらに10日間延長されることもあります。

その後、刑事裁判が始まります。
保釈金を納めて一時的に釈放してもらうという「保釈」が認められない限り、身柄拘束が続いてしまうことになります。

弁護士としては、勾留を防いだり保釈を認めてもらうことにより、ご本人が釈放されることを目指します。
ただし、被害金額が高いと重い刑罰を受けることが予想されることから、刑罰がから逃れるために逃亡するのではないかと思われたり、あるいは共犯者がいる事例では相談して証拠隠滅を図るのではないかと思われて、なかなか釈放が認められない可能性もあります。

裁判が始まった後は、本人が反省している、家族の監督が望める、家族にも協力してもらってだまし取ったお金を返還したなど、出来る限り本人に有利な事情を集めて裁判官に主張し、軽い判決を目指していくことになります。

~お早めに弁護士にご相談ください~

あなたやご家族が何らかの犯罪をしたとして逮捕されたり、取調べを受けたといった場合には、どれくらいの処罰を受けるのか、いつ釈放されるのか、被害者との示談はどうやってすればよいのかなど、不安な点が多いと思います。
事件の内容に応じてお答えいたしますので、ぜひ弁護士にご相談いただければと思います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスのご利用を、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用をお待ちしております。

ストーカー規制法と示談

2020-05-14

ストーカー規制法と示談について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説します。

~事例~

札幌市北区に住むAさんは、別れ話を切り出されたVさんのLINEアプリに、執拗にメールを送り続けていました。そうしたところ、Aさんは、ある日、札幌北警察署から出頭するよう言われました。Aさんは、自分の行為がストーカー行為なのか尋ねるため弁護士に無料法律相談を申込み、場合によっては、Vさんとの示談交渉を依頼しようかと考えています。
(フィクションです)

~ストーカー規制法とは~

ストーカー規制法とは、正式名称を「ストーカー行為等の規制等に関する法律」(以下「法」)といいます。
法では、ストーカー行為等について必要な規制を行うとともに、その相手方に対する援助の措置等を定めています。

法2条3項では、ストーカー行為を、「同一の者」に対し、「つきまとい等」を「反復してする」ことと定めています。
「つきまとい等」に関しては法2条1項1号から8号に定めがあり、法2条3項では1号から4号及び5号の電子メールの送信等に限っては、ある一定の方法に行われた場合に限り「ストーカー行為」とする旨定めています。

なお、平成29年6月14日から全面的に施行となった改正法では、以下の行為も、「つきまとい等」に含まれるようになりました。
・住居等の付近をみだりにうろつくこと(法2条1項1号)
・拒まれたにもかかわらず、連続して電子メールの送信等をすること(法2条1項5号)

ちなみに、「電子メールの送信等」とは、パソコン・携帯電話・スマートフォンを用いたEメールなどの送信、LINE・Twitter・FacebookなどのSNSを用いたメールの送信の他、被害者のブログやホームページなどへの書き込みなどが挙げられます(法2条2項各号)。

ストーカー行為をした者に対する罰則は「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」です。

上記のように、法では「つきまとい等」に関し、様々な行為を定めています。
ご自身の行為がストーカー行為に当たるのか否か不安な方は、まずは弁護士に相談しましょう。

~ストーカーと示談~

AさんはVさんとの示談交渉を望んでいるようです。
もちろん示談交渉は当事者同士で行うこともできます。
しかし、当事者同士の示談交渉では、感情的になって冷静な交渉をすることが期待できません。また、刑事事件化した後に被害者と接触することは、逮捕を避けるという観点からもやめたほうがよいでしょう。

この点、弁護士であれば、こうした感情を抜きに冷静に示談交渉を進めることができます。弁護士であれば、当事者の間に立って、被害者の要望と加害者の要望とを上手く調整しながら示談交渉を進めることができます。
また、示談に関するトラブルを避けるには、適切な内容・形式で示談書を作成しなければなりません。一部の条項が欠けていたり、文言が不適切だった場合はのちのちのトラブルに発展しかねません。この点、弁護士は示談書作成の専門家です。安心して示談書作成を任せることができます。

示談交渉は弁護士にお任せください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、ストーカーをはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方、一部執行猶予獲得をご検討中のご家族の方は、まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。お気軽にご相談ください。

自転車への放火~放火と器物損壊~

2020-05-07

自転車への放火で、放火罪若しくは器物損壊罪となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説します。

~ケース~

仕事がうまくいかず、むしゃくしゃしていた会社員のAさんは、持っていたライターで、北海道余市町の民家の軒下にある自転車のサドル部分に火をつけました。
炎が上がったのを確認して、Aさんはその場を離れました。
しかし、炎は自転車の真横に止まっていたバイクに燃え移り、バイクカバーを燃やしました。
炎は民家の軒下にかかるくらいになり、燃えたすすが隣の庭にも飛散していました。
隣の家の住人が、炎に気が付き、すぐに消化しました。
北海道余市警察署は、周囲の防犯カメラの映像などから、Aさんを特定し逮捕しました。
(フィクションです。)

放火に関する罪

刑法は、放火に関する罪として、現住建造物等放火罪、非現住建造物等放火罪、建造物等放火罪を規定しています。

(1)現住建造物等放火罪

放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、艦船又は鉱抗を焼損する罪です。

本罪の対象は、「現に人が住居に使用し」ている又は「現に人がいる」、「建造物、汽車、電車、艦船、鉱抗」です。
「現に人が住居に使用している」というのは、犯人以外の者が、起臥侵食の場所として使用していることを意味し、人が現在しているか否かを問いません。
「現に人がいる」というのは、放火の当時に、犯人以外の者が中にいることを指します。

本罪の行為は、上の客体に「放火」して「焼損」させることです。
「放火」とは、目的物の燃焼を惹起させる行為や、それに原因力を与える行為をいいます。
つまり、家に直接火をつける行為だけでなく、家に火をつけるために布団に火をつける行為も含みます。
「焼損」とは、火が放火の媒介物を離れて目的物に燃え移り、目的物が独立して燃焼を継続し得る状態に達することをいいます。
その主要部分が毀損することや、効用が害されることまで必要とされません。

(2)非現住建造物等放火罪

放火して、現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない建造物、艦船又は鉱抗を焼損した場合に成立する罪です。
焼損したものが自己の所有物であるときは、公共の危険を生じさせた場合のみ、処罰の対象となります。

「公共の危険」とは、不特定又は多数人の生命、身体、財産に危険を感じさせる状態をいいます。
「公共の危険」が生じたか否かは、火力の程度、他人の住居などとの隣接状況、当時の風向・風速・気温などの気象状況、昼間か夜間かなどの事情から一般人を基準として判断されます。

(3)建造物等以外放火罪

放火して、現住建造物等放火罪および非現住建造物等放火罪に規定する物以外の物を焼損し、よって公共の危険を生じさせる罪です。

本罪の対象は、現住建造物等放火罪と非現住建造物等放火罪に規定する物以外の物であって、例えば、自転車、バイク、航空機、門、塀、橋、畳、机、椅子、ごみ箱などがあります。

それでは、上のケースについて検討してみましょう。

他人の財物に放火し黒焦げにしてしまった場合、通常は、他人の財物を損壊したとして器物損壊罪が成立します。
しかし、火の勢いが強く延焼の危険が発生するなどして、公共の危険を生じさせた場合、建造物等以外放火罪が成立することになります。
つまり、器物損壊罪と建造物等以外放火罪との違いは、公共の危険が発生したか否かです。

Aさんが自転車のサドルに放火しましたが、火の勢いが弱かったり、住人や隣人がすぐに炎に気づき消火したことにより、自転車のサドルを黒焦げにさせただけだった場合、公共の危険が発生したとまではいえず、器物損壊罪が成立するにとどまるでしょう。
しかし、火の勢いが強く、自転車の隣にあったバイクにも燃え移り、バイクカバーを燃やした上、民家の軒下にかかるほどの炎でしたし、隣の家の庭には燃えたすすが飛散している状況においては、民家や近隣の家にも延焼する可能性はあり、公共の危険性が生じたと言えるでしょう。
そのため、Aさんは、器物損壊罪ではなく、建造物等以外放火罪に問われることになります。
もし、炎の勢いがおさまらなかったり、隣人の発見がさらに遅れ、民家の軒下の一部にも燃え移り、炭化させてしまった場合には、現住建造物等放火罪が成立する可能性があります。

現住建造物等放火罪の法定刑は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役と、非常に重い罪です。
建造物等以外放火罪も、1年以上10年以下の懲役と、罰金刑はありません。

ご家族が放火事件で逮捕され、対応にお困りであれば、できる限り早期に弁護士にご相談されることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件でお困りの方は、弊所の弁護士に今すぐご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスに関するお問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881まで!

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