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児童買春事件につき、自首・出頭をするメリット

2020-10-22

今回は、児童買春事件を起こしてしまった被疑者が、自首・出頭をするメリットについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士が解説いたします。

~ケース~

北海道岩見沢市に住むAさんは、SNSで知り合った16歳の少女Vに対し、性交の対価として4万円を供与し、これと性交しました。
犯行から数日が経過しましたが、札幌方面岩見沢警察署から呼び出されたり、Vやその親から慰謝料を要求される様子もありません。
Aさんは「被害者が補導された際に児童買春が発覚することがある」、「被害者が何らかのきっかけで被害を親に打ち明けることがある」と聞き、自身もいつ逮捕されてしまうのか不安に感じています。
Aさんはどうすればよいのでしょうか。(フィクションです)。

~児童買春の罪とは?~

児童買春の罪」とは、
①児童
②児童に対する性交等の周旋をした者
③児童の保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいいます)又は児童をその支配下に置いている者
に対し、
対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等をすることをいいます(児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律第2条2項)。
児童買春の罪を犯し、有罪判決を受ける場合は、「五年以下の懲役又は三百万円以下の罰金」に処せられます(同法第4条)。

Aさんは「児童」であるVに対し、性交の対償として4万円を供与し、Vと性交しています。
Aさんの行為が児童買春の罪を構成する可能性は極めて高いと思われます。

~突然の逮捕もあり得る~

Aさんは、自身の犯行が突然に刑事事件化し、逮捕されてしまうことを非常におそれています。
確かに、被害者が警察に補導された際に犯行が発覚したり、被害を打ち明けられた被害者の親などが被害届を提出し、刑事事件化することはありえます。
突然、Aさんの自宅に逮捕状を持った警察官たちが現れ、逮捕されてしまうことも十分考えられます。
このような不安な状況を打開するためにはどうすればよいのでしょうか。

~自首・出頭を検討する~

不安な状況に終止符を打つためには、自首・出頭を検討することをおすすめします。
捜査機関に対し自ら犯罪事実を申告したことが評価され、被疑者となってしまうものの、逮捕されずに済む場合も考えられます。
また、自首が成立すれば、有罪判決を受ける場合に、刑の減軽がなされる場合もあります。

警察へ行く前に弁護士を依頼すれば、自首・出頭に先立ち、身元引受人を用意した上で、「身元引受人において、責任を持ってAさんを監督する」旨の記載された上申書を作成、提出するなど、逮捕されるリスクを低減させる弁護活動を展開することもできます。
逮捕されるリスクをゼロにすることはできませんが、Aさん一人で自首・出頭をするよりも、十分な準備を行った上で警察に犯罪事実を申告することができるでしょう。

ただし、自首が成立するためには、
①自発的に自己の犯罪事実を申告すること
②自己の訴追を含む処分を求めること
③捜査機関に対する申告であること
④捜査機関に発覚する前の申告であること
が必要です。
これらを満たさない場合は、「出頭扱い」となり、「自首」は成立しません。

例えば、「Vが児童とは知らなかったが、性交の対価を渡して性交した」というような申告をすると、要件を満たさないため、自首が成立しません。
無事に自首を成立させるためには、法律の専門家である弁護士の助言、助力を得た上で行うのがよいでしょう。

また、被害者が特定されていなければ捜査機関は処分をすることができません。
Aさんが警察に話した情報だけでは被害者が特定されないこともあります。
結局被害者が明らかにならず、捜査が止まったままになる可能性もあります。
自首すればすぐに問題が解消されるというわけではありません。
自首する意味があるか否かも含めて、弁護士としっかり相談するのが良いでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
児童買春事件について、自首・出頭を検討されている方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。

年齢を確認しても青少年健全育成条例違反となる場合

2020-10-15

今回は、淫行被害者である青少年本人から年齢を確認した場合であっても、青少年健全育成条例違反となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士が解説いたします。

~ケース~

Aさんは、SNSで知り合った女性Vと、札幌市内のラブホテルで性交しました。
Vのプロフィールには「18歳」と書かれており、性交する直前においても、AさんはVに対し、18歳であることを口頭で確かめています。
しかし、Vの本当の年齢は17歳でした。
Vが学校をサボって諸方をうろついていたとき、Vは札幌方面白石警察署の警察官から補導を受け、Aさんとの関係が発覚してしまいました。
Aさんは任意で警察に出頭するよう求められています。(フィクションです)

~Aさんに青少年健全育成条例違反の罪は成立するか?~

北海道青少年健全育成条例第38条第1項は、「何人も、青少年に対し、淫行又はわいせつな行為をしてはならない。」としています。
単にSNSで知り合っただけで、他に交際を深めているわけでもない青少年と、自身の性的な満足を得るために性交した場合は、上記規定に違反する可能性が高いでしょう。

上記規定に違反し、有罪判決を受ける場合は、同条例第57条により、「2年以下の懲役又は100万円以下の罰金」に処せられます。

ところで刑法第38条1項によれば、「罪を犯す意思がない行為は、罰しない。ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない」とされており、故意犯の処罰が原則となっています。
AさんはVが18歳であると認識していたと思われるので、Vが「青少年」であるとは認識していなかったものと思われます。

原則通りであればAさんは処罰されないことになりますが、同条例第65条によれば、第38条規定に違反した場合は、当該青少年の年齢を知らないことを理由として処罰を免れることができず、当該青少年の年齢を知らないことに過失がないときにはじめて処罰を免れることになります。

AさんがVの年齢を18歳であると判断した根拠は、①SNSのプロフィール欄の記載、②口頭でVに年齢を確かめたことの2点です。
残念ながら、この2点だけでは「当該青少年の年齢を知らないことに過失がない」ということは難しいでしょう。
過失がないというためには、Vの顔写真付きの身分証明書を確認するなどしていたことが必要と考えられます。
上記事実関係によれば、Aさんに北海道青少年健全育成条例違反の罪が成立する可能性は高いと思われます。

~任意出頭を求められたらすぐに弁護士と相談~

警察から任意で取調べを受けてほしい、と告げられたら、すぐに弁護士を依頼することをおすすめします。
ケースの場合は、早期に示談交渉を開始し、不起訴処分の獲得を目指して行動する必要があります。
V(実際にはVの法定代理人)と交渉し、生じさせた損害を賠償した上で、宥恕条項(「Aさんに対し寛大な処分を求める」などの文言をいいます)を示談書に盛り込んでもらうことができれば、不起訴処分を獲得できる可能性が高まります。

~最後に~

ケースの事件はVに騙され、刑事事件に巻き込まれてしまったものと考える方がおられるかもしれません。
Vの実年齢を知っていたならば犯行に及ばなかった、という場合には、確かにそのような側面があるかもしれません。
しかし、Aさんの行為が犯罪を構成しうる以上、知らないことに過失がなかったという正当な主張を超えて、開き直った態度をとるようなことは自身にとって不利になります。
真摯な内省を深め、被害者に謝罪と賠償を行い、再犯防止に努めることが、最も有利な処分を獲得するための近道といえるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
北海道青少年健全育成条例違反の嫌疑をかけられ、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。

放火罪で逮捕

2020-10-08

北海道松前町の放火事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事例】

北海道松前町に住む会社員Aさん(35歳)は、3年前に亡父から相続した一軒家(築60年)に妻と二人で暮らしていました。
築年数が古いことから建替えを考えていたAさんは、自分の家に放火して、火災保険金を騙し取ることを思いつき、アパートを借りて、しばらくの間は、そのアパートで生活することにしました。
そして引っ越しを終えて荷物を運び出した後に、和室の畳に灯油をまき、火のついたタバコをその近くに放置して、しばらくすると灯油に引火して火災が発生するように仕掛けをして家を出ました。
しかし、火災が発生した直後に、近所の住民が火災に気付いて消火したので、畳一枚を焼損するにとどまったのですが、その後、北海道松前警察署に逮捕されました。
(フィクションです)

【放火罪について】

建造物等(建造物、汽車、電車、艦船、鉱坑)を放火して焼損したり、それ以外の物を放火して公共の危険を生じさせたりした場合、放火罪が成立する可能性があります。
公共の危険とは、不特定または多数人の身体や財産を脅かす危険だと考えられています。
放火罪は、大きく分けると①他人の住居または他人の建造物等を放火する場合、②①以外の建造物等を放火する場合、③建造物等以外を放火する場合の3つがあります。
①は現住建造物等放火罪、②は非現住建造物等放火罪、③は建造物等以外放火罪と呼ばれており、成立要件や法定刑がそれぞれ異なります。
放火の罪における「現住」とは、「現に人が家屋に使用している」若しくは「現に人がいる」の何れかです。
今回の事件で、Aさんは、すでに引っ越しを終えて家を出た後に放火しているので、非現住建造物に当たると考えられます。

【自己所有と他人所有】

今回の事件でAさんは、3年前に亡父から相続した自宅に放火していますので、一見すると刑法109条2項の適用を受けそうです。
しかし刑法第115条に「差押え等に係る自己の物にかかる特例」が定められています。
この条文によりますと、保険に付した物件に放火した場合には、他人の物を焼損した時と同じ、刑法109条1項の適用を受ける旨が明記されています。
つまりAさんの行為に対しては、他人所有の非現住建造物等放火罪が適用されるのです。

【放火の既遂?未遂?】

Aさんは、家を出た後に発火するように仕掛けをして家を出ており、その後実際に畳に引火し火災が発生しています。
しかし家屋その物には延焼せずに、畳一枚を焼損するに止まったというのですから、これが「焼損」といえるかが問題となります。
放火の既遂時期については、火が媒介物を離れ目的物に燃え移り、目的物が独立して燃焼を継続し得る状態に達すれば焼損(既遂)になるとしています。
ところがAさんの事件では畳しか燃えていません。
取り外し自由な雨戸、板戸、畳等は建造物の一部ではないとされているので、建造物を焼損する目的でこれらの物を焼損したにとどまったときは、建造物そのものを焼損したことにはならないと解せれます。
つまりAさん行為は、他人所有の非現住建造物等放火未遂罪が適用されるのではないでしょうか。

【保釈による身柄解放】

放火罪は重大な犯罪であるため、捜査機関に発覚すれば逮捕および勾留の可能性はかなり高いと言えます。
そして、もし勾留中に起訴されると、被疑者勾留が被告人勾留へと切り替わり、最低でも2か月は身体拘束が伸びてしまいます。

そうした事態に陥った際、身柄解放を実現する有力な手段として保釈の請求が考えられます。
保釈とは、裁判所に対して指定された金額の金銭を預けることで、一時的に被告人を釈放する手続を指します。
保釈の最大の強みは、起訴前に釈放を実現できなかった事件において釈放を実現できる可能性がある点です。
保釈の際に預ける金銭は、証拠隠滅や逃亡などを図ると没収される担保のような役割を持ちます。
そして、その金額は不審な行動を抑制するに足る高額なものとなっているので、そうした行動には出ないだろうと考えられて釈放が認められやすいのです。

ただし、保釈を認めてもらうには、その前段階として保釈請求が認容される必要があります。
保釈請求に当たっては、法律の専門家である弁護士の視点が重要となることは否定できません。
ですので、保釈を目指すのであれば、保釈請求を含めて弁護士に事件を依頼することをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、刑事事件に強い弁護士が、長期間拘束されている方の保釈の実現に全力で取り組みます。
ご家族などが放火罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

未成年をわいせつ目的で誘拐

2020-10-01

未成年をわいせつ目的で誘拐した場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士が解説いたします。

~今回のケース~

北海道千歳市在住の会社員であるAさん(30歳)はスマートフォンのSNSアプリを通じて、女子中学生であったVさん(14歳)と知り合いました。
ある日AさんはVさんを呼び出し、自宅に連れ込んでわいせつな行為を行いました。
Vさんの両親は、Vさんがなかなか自宅に帰ってこないことを不安に思い、警察に相談したところ事件が発覚しました。

数日後、Aさんの自宅に来た札幌方面千歳警察署の警察官によって、Aさんはわいせつ誘拐の疑いで逮捕されてしまいました。
Aさんの父は、自分がどう動けばよいのか分からなかったので、弁護士に相談することにしました。
(これはフィクションです。)

~問題となる条文~

〇刑法

刑法には、未成年を誘拐した場合について、以下のような規定があります。

第224条 未成年者略取及び誘拐
未成年者を略取し、又は誘拐した者は、3月以上7年以下の懲役に処する。

今回のケースの場合、この刑法224条が適用されそうですが、Aさんはわいせつ目的でVさんを誘拐していますので、刑法224条の加重処罰規定である225条のみが適用されることになります。

第225条
営利、わいせつ、結婚又は生命若しくは身体に対する加害の目的で、人を略取し、又は誘拐した者は、1年以上10年以下の懲役に処する。

・わいせつ目的
わいせつ目的とは、①被拐取者(誘拐・略取をされた人)に対して自らわいせつ行為をする目的、②被拐取者に対して第三者にわいせつ行為をさせる目的、または③被拐取者にわいせつ行為をさせる目的のことを言います。

わいせつの定義について、最高裁判所の判例によると、「徒に性欲を甲風又は刺激せしめ、且つ、普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する」ものをいうとしています。
ただし、このわいせつの定義に当たるかどうかの判断は時代と社会によって変化しうる相対的・流動的な判断なので、それぞれの事案ごとに「わいせつ」にあたるかは判断されます。

・罰則
刑法225条違反で起訴されて有罪が確定すると、同条に規定があるように、「1年以上10年以下の懲役」が刑罰として科されます。

~今回のケースにおける弁護活動~

今回のケースのような性犯罪事件の場合、被害者との接触のおそれがあることから、身体拘束(逮捕・勾留)を受ける可能性が高いです。
身体拘束を受けた場合、ご家族の方は接見(面会)に行くことは可能ですが、接見のできる時間は限られていますし、接見禁止命令が出されている場合は、ご家族の方であっても接見することが出来ません。

そこで、ご家族の方から、弁護士に接見を依頼することをおすすめします。
弁護士はこのような性犯罪事件に関する知識や経験が豊富な専門家です。
身体拘束を受けた方、そのご家族の方に対して、今の状況を整理し、今後の見通しを簡潔にかつ丁寧に伝えることが可能です。
また、弁護士には接見禁止といった制約がないので、ご家族の方の代わりに自由に面会をすることができますし、伝言を伝えることもできます。

他にも、専門家である弁護士が本人の代わりに被害者の方に会いに行き示談交渉をすることで、素早く解決を目指すことも可能でしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では刑事事件に強い弁護士が無料法律相談、初回接見サービスをおこなっております。
無料法律相談や初回接見サービスの予約はフリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けておりますので、わいせつ誘拐事件など、刑事事件でお困りの方はお気軽にお問い合わせください。

横領罪で告訴

2020-09-24

横領罪で告訴された案件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士が解説します。

◇事件◇

無職のAさんは、数ヶ月前に札幌市内のレンタカー会社で乗用車を一台レンタルしました。
レンタルした際は、翌日に返却する契約をしていたのですが、Aさんは返却せずに、レンタカー会社に何の連絡もせずに、そのまま乗り続けていました。
レンタカー会社から、横領罪札幌方面東警察署に刑事告訴した旨の連絡を受けたAさんは、今後のことが不安で刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

◇横領罪◇

刑法第252条第1項に「自己の占有する他人の物を横領した者は、5年以下の懲役に処する」と横領罪が規定されています。

今回の事件で、Aさんはレンタカー会社の車を、契約期日を過ぎても返却せずにそのまま使用していたので、レンタカーは、Aさんにとって「自己の占有する他人の物」となります。
このレンタカーを、レンタカー会社の許可なく、自分の都合で使用し続けているAさんの行為は、「横領罪」に当たる可能性が非常に高いでしょう。

また、仮に契約時から、Aさんに、レンタカーを返却する意思がなかたった場合は、店員を騙してレンタカーを借りたことになるので、詐欺罪が成立する可能性があります。
詐欺罪の法定刑は「10年以下の懲役」と横領罪に比べると厳しいものです。

最終的にどのような法律が適用されるかは、実行行為だけでなく、警察等の捜査機関での取調べにおいての供述内容などによって決定するので、横領罪等の刑事事件を起こしてしまった方は、警察の取調べを受ける前に弁護士に相談することをお勧めします。

◇刑事告訴◇

告訴とは刑事訴訟法第230条に定められている刑事手続きの一種です。
告訴とは、被害者等が捜査機関に対して、犯罪被害を申告し、犯人の刑事処分を求めることで、通常は、警察署や検察庁に告訴状を提出する方法によって行われています。
告訴を受けた警察は、速やかに告訴された事件を捜査して、証拠品と共に検察官に送致しなければなりません。(刑事訴訟法第242条)
告訴できるのは、被害者だけではありません。
被害者の法定代理人や、被害者が死亡している場合は、被害者の配偶者や、直系の親族や兄弟も告訴権があるので、告訴することができるのです。

~被害届を警察に提出するのと何が違うの?~

犯罪の被害者等が、事件の捜査と犯人の処罰を望んで、警察等の捜査機関に対して被害を届け出るという意味では、捜査機関が犯罪捜査を開始する端緒となるので、告訴は、被害届を警察に提出するのと大きな違いはありません。
しかし、上記のように警察等の捜査機関は、告訴事件に関しては、犯罪を捜査して検察庁に送致する義務を負います。つまり、被害届によって認知した事件に関しては、警察が捜査を開始し、犯罪事実を立証できない場合や、早期に被害者と犯人が示談した場合など、早期に捜査が終結してしまえば、検察庁に事件が送致されない可能性があります。しかし告訴された事件については必ず検察庁に送致されるということです。
また親告罪(器物損壊罪、過失傷害罪、名誉毀損罪等)に当たる事件に限りますが、犯人を知った日から6カ月間と、告訴できる期間が定められていたり(刑事訴訟法第235条)、一度告訴を取消すと再び同じ犯罪事実で告訴をすることはできません(刑事訴訟法第239条1項)。

◇刑事告訴されたら◇

刑事弁護活動には様々な内容がありますが、軽減を求めるうえで最も有効的な活動は、被害者との示談です。
当然、被害者の存在する事件でしか示談できませんが、刑事告訴される事件は、必ず被害者の存在する事件ですので、示談によって刑事罰を軽減させることが可能です。
そして、その示談の内容に「告訴を取り下げる」内容を含むことができれば、絶対的に、刑事罰を免れることもできるのです。
ですから刑事告訴された場合は、早期に弁護士を通じて被害者と示談することをお勧めします。

札幌市内の刑事事件でお困りの方、横領罪で刑事告訴された方は、刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では刑事事件に強い弁護士が無料相談、初回接見をおこなっております。
フリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けておりますので、札幌市の横領事件など、刑事事件でお困りの方はお気軽にお問い合わせください。

文書偽造罪で自首

2020-09-17

北海道新ひだか町の文書偽造事件における自首について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士が解説します。

【事件】

北海道新ひだか町の会社員Aさんは、実際には取引のない会社との売買契約を締結したかのように見せかけた偽造売買契約書に、偽造したこの会社の社印を押印し、偽造文書を作成しました。
そして、この売買契約書を利用して銀行から多額の融資を受けました。
その夜、Aさんが自身と同じことをした人がいないかインターネットで調べてみると、「有印私文書偽造罪」という文字が目に入りました。
急に怖くなったAさんは、静内警察署に自首すべきか弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)

文書偽造罪

文書偽造罪は、偽造した文書の種類、その文書に印鑑があるか否か、そして偽造か変造かによって区別されています。

刑法では、文書の種類を(1)公文書(2)私文書の2種類に分類しています。
(1)公文書とは、公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画
(2)私文書とは、権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画
です。
公文書偽造罪は、刑法第155条に定められており、その中で(ⅰ)有印公文書偽造罪(ⅱ)有印公文書変造罪(ⅲ)無印公文書偽造(変造)罪が定められています。
私文書偽造罪は、刑法第159条に定められており、その中で(ⅰ)有印私文書偽造罪(ⅱ)有印私文書変造罪(ⅲ)無印私文書偽造(変造)罪が定められています。

今回のケースでAが作成した偽造売買契約書は、有印私文書に当たるので、刑法第159条第1項の有印私文書偽造罪に抵触するでしょう。
有印私文書偽造罪は、行使の目的で、有印私文書を偽造することで成立する法律です。
Aは実際に、偽造した売買契約書(有印私文書)を利用して銀行からの融資を受けようとしているので、行使の目的があることについては議論の余地がありません。

ちなみにAのような偽造私文書を使用した事件で警察が捜査する場合、まず偽造私文書行使罪(刑法第161条)で捜査を開始し、その後、私文書偽造事件を裏付け捜査するケースが多いようで、私文書の偽造は逮捕される可能性が高い事件です。

有印私文書偽造、同行使罪で起訴されて有罪が確定すれば「3月以上5年以下の懲役」が科せられます。

自首の意味

自首とは、捜査機関に出頭して自らの犯罪事実を申告し、その処分を委ねる行為を指します。
時たま耳にするこの「自首」という言葉ですが、法律上の用語として刑法にも記載されています。
刑法が定めるところによると、「自首」が成立した場合、裁判官はそのことを理由として刑を減軽することができます。
刑の減軽には、死刑を懲役にする、無期懲役を有期懲役にする、懲役の長さや罰金の額を半分にする、などの大きな効果があります。

ただし、自首を行ったからといって、必ずしも刑の減軽がなされるわけではない点に注意が必要です。
まず、自首による刑の減軽を行ううえでは、捜査機関が事件や被疑者を把握する前に自首しなければなりません。
つまり、既に事件と被疑者の特定に至った段階で自首をしても、刑の減軽を可能にする自首とはなりません。
また、自首の成立は、飽くまでも刑の減軽をする「ことができる」と定められているに過ぎません。
大半の場合は認められるとしても、法律上は一応認められないこともありえます。
ちなみに、仮に上記2点を満たさず刑の減軽が認められなかったとしても、量刑を決めるうえで自首に及んだことが多少なりとも評価されることはあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、刑事事件のプロである弁護士が、自首に関するご相談も真摯にお聞きします。
文書偽造罪を疑われたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

客に泥酔させわいせつ行為

2020-09-10

店の客を泥酔させてわいせつ行為を行った場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士が解説いたします。

~今回のケース~

北海道苫小牧市に在住のAさん(50歳)は、地元にある居酒屋チェーンの店長です。
ある日、店を訪れた女性客Vさん(25歳)に、閉店後に酒を飲ませて、抵抗できない状態にしてからわいせつな行為を行ってしまいました。
店内の監視カメラにその映像が残っており、数日後、Aさんは、準強制わいせつ罪の疑いで札幌方面苫小牧警察署に逮捕されてしまいました。
父親が逮捕されたとの電話を受けたAさんの息子は、自分が何をすればいいのか分からなかったので、友人の弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

~問題となる条文~

〇刑法 第178条 準強制わいせつ
1 人の心神喪失もしくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は第176条の例による。

・強制わいせつ罪との違い
準強制わいせつ罪は、強制わいせつ罪(刑法176条)は異なる条文で規定されています。
強制わいせつ罪は「暴行又は脅迫を用いて」わいせつな行為をした場合に適用されます。
一方で、準強制わいせつ罪の場合は、心神喪失や抗拒不能の状態になったわいせつ行為に及んだ場合に適用されます。
わいせつ行為に及ぶ過程によって、強制わいせつ罪と準強制わいせつ罪のどちらに当たるかが区別されます。

・「心神喪失」
「心神喪失」とは「精神又は意識の障害によって正常な判断能力を喪失している状態」のことをいいます。
今回のケースで出てきた、泥酔状態の人は「心神喪失」にあたると言われています。

・「抗拒不能」
「抗拒不能」とは「心神喪失以外の理由で、物理的・心理的に対抗できないか、又は抵抗するのが著しく困難な状態」にあることをいいます。

・罰則
準強制わいせつ罪で起訴されて、有罪判決が確定すると、強制わいせつ罪と同じ、「6月以上10年以下の懲役」が刑罰として科せられることになります。

~今回のケースにおける弁護活動~

①接見
今回のケースのような性犯罪事件の場合、被害者との接触のおそれがあることから、身体拘束(逮捕・勾留)を受ける可能性が高いです。
身体拘束を受けた場合、ご家族の方は接見(面会)に行くことは可能ですが、接見のできる時間は限られていますし、接見禁止命令が出されている場合は、ご家族の方であっても接見することが出来ません。
そこで、ご家族の方から、接見禁止といった制約がない弁護士接見を依頼することをおすすめします。
そして、性犯罪事件を含む刑事事件への経験や知識が豊富な弁護士であれば、今の状況を正しく分析し、今後の対応について的確な判断を下すことができるでしょう。

②示談
性犯罪事件の場合、直接罪を犯してしまった方が被害に遭われた方と示談交渉を行うことは、不可能に近いです。
そこで、弁護士が代わりに示談交渉を行い、示談を成立させることで、検察官に不起訴処分をするように働きかけます。
また、Aさんは居酒屋チェーンの店長をしていたため、会社との関係で問題が発生する可能性もありますが、弁護士に依頼をしておけば、弁護士が代わりに対応することが可能です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では刑事事件に強い弁護士が無料法律相談初回接見サービスをおこなっております。
無料法律相談や初回接見サービスの予約はフリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けておりますので、北海道苫小牧市の準強制わいせつ事件など、刑事事件でお困りの方はお気軽にお問い合わせください。

交通違反の身代わり出頭

2020-09-03

北海道江別市の交通違反の身代わり出頭事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事件】

Aさんは、江別市内で運送会社を営んでいます。
先日、Aさんの会社に勤める従業員が、休みの日にひき逃げ事件を起こしてしまいました。
この従業員は、自宅でお酒を飲んでいる最中に、近所のコンビニまでお酒を買いに車で出かけた際に、信号待ちの車に後方から追突し、相手方に怪我を負わせたようです。
その時に運転していた車は、Aさんの会社名義の車でした。
飲酒運転の発覚をおそれた従業員は事故現場から逃走して、Aさんに助けを求めました。
Aさんは、従業員が警察に逮捕されてしまうと、翌日からの会社の運営に影響が及ぶと考え、自宅にいた、Aさんの妻に頼み込んで、妻を江別警察署身代わり出頭させたのです。
しかし、取調べを担当した警察官によって、すぐに身代わり出頭が発覚してしまい、翌日に、Aさんや従業員も警察署に呼び出されてしまいました。
そこでAさんは、犯人隠避罪教唆犯として取調べを受けています。
(フィクションです。)

犯人蔵匿罪・犯人隠避罪~刑法第103条~

罰金以上の刑に当たる罪を犯した者又は拘禁中に逃走した者の逃走を手助けしたら、犯人蔵匿罪若しくは犯人隠避罪に抵触します。

~犯人蔵匿罪・犯人隠避罪の客体~
これらの犯罪の客体となるのは①罰金以上の刑に当たる罪を犯した者、又は②拘禁中に逃走した者です。
ひき逃げ(他罪は不問とする。)は、当該運転者の運転に起因するものである場合、罰則は10年以下の懲役又は100万円以下の罰金と定められているので、ひき逃げした犯人の逃走を手助けした場合は、犯人蔵匿罪犯人隠避罪の対象となります。

~犯人蔵匿罪・犯人隠避罪の行為~
蔵匿…場所を提供すること。(自分の家に匿ったり、潜伏する部屋を用意したりする行為)
隠避…蔵匿以外の逃走を助ける一切の行為。(逃走資金や逃走用の車や衣類等、携帯電話機を用意する行為など)
身代わり出頭する行為も、犯人隠避罪でいう「隠避行為」に当たりますので、従業員に代わって出頭したAさんの妻は犯人隠避罪に問われるでしょう。

~犯人蔵匿罪・犯人隠避罪の罰則~
裁判で有罪が確定すれば「3年以下の懲役又は30万円以下の罰金」が科せられます。
犯人蔵匿罪・犯人隠避罪の量刑は、逃走犯の犯した犯罪や社会的反響の大きさと、蔵匿期間等の犯行形態によって左右されますが、初犯であっても実刑判決の考えられる犯罪です。
また、逃走した犯人の親族については、刑を免れる可能性があります。

教唆犯

刑法第61条に「教唆犯」が規定されています。
教唆とは、犯罪の意思がない人をそそのかして、犯罪を実行することを決意させて実行させることをいいます。
・教唆の方法
教唆の方法に制限はありません。明示的な方法に限られず、黙示的な方法であってもよいとされています。
・教唆の内容
詳細に特定する必要までありませんが、ある程度は教唆する事件の内容を特定しなければなりません。
・教唆の故意
被教唆者が犯行を実行することを認識・認容する必要があります。
・未遂の教唆
未遂犯を教唆した場合であっても、教唆の故意がある以上、教唆犯が成立します。
逆に、犯罪を教唆したが、被教唆者が犯罪を実行しなかった、いわゆる教唆の未遂については、犯罪が実行されていないので教唆犯については不可罰となります。

教唆犯は、正犯の刑が科せられるので、もしAさんが、犯人隠避罪教唆犯として起訴されて有罪が確定した場合は、犯人隠避罪の法定刑である「3年以下の懲役又は30万円以下の罰金」が適用されます。

江別市の交通違反で、身代わり出頭させた方、犯人隠避罪で警察の取調べを受けている方は、刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

弁護士求人二次募集(73期司法修習生)

2020-08-28

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、第73期司法修習生を対象に、弁護士採用の2次募集を行います。刑事事件・少年事件に興味がある司法修習生で、就職先が未定の方や進路に悩まれている方は是非ご応募下さい。

73期司法修習生向け弁護士採用求人情報の概要は下記のとおりです。求人募集情報にご興味をお持ちいただけた方は電子メール(noritakesaiyou@keiji-bengosi.com)からご応募下さい。申込確認から5日間程度のうちに採用担当者からエントリー情報の確認と追加必要書類の詳細についてメール又は電話でご連絡致します。

採用求人情報

【事務所概要】

日本では稀有な、刑事事件・少年事件のみを専門的に取り扱う全国的刑事総合法律事務所です。創立以来、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動に従事し、重大著名事件から市民生活に密接した事件まで、数多くの刑事事件・少年事件をほぼ全分野にわたって幅広く取り扱ってきました。現在は、札幌、仙台、さいたま、千葉、東京(新宿・八王子)、横浜、名古屋、京都、大阪、堺、神戸、福岡博多まで全国13都市に事務所を構えており、経験豊富な弁護士に加え、元裁判官、元検察官、元警察官等の専門領域を持ったエキスパートが集まる専門性の高い職場環境となっています。高い専門性と全国規模の弁護活動で、年間300件以上の不起訴・不処分(無罪判決含む)及び年間150件以上の身柄解放という圧倒的な解決実績を誇ります。刑事・少年事件のリーディングファームとして、プロフェッショナル養成のための所内研修及び業務支援制度を整え、高レベルの弁護サービス普及を目指しています。

【取扱案件】

刑事事件
少年事件
外国人事件
犯罪被害者支援

【募集人数】

若干名

【報酬】

年俸600万円  

【勤務地】

札幌支部   さっぽろ駅から徒歩5分

【札幌支部紹介】

札幌支部は、JR、地下鉄札幌駅徒歩7分圏内、地下鉄大通駅徒歩4分圏内という駅近の場所に事務所を構えております。JR、地下鉄札幌駅及び地下鉄大通駅という主要駅が最寄り駅で乗り入れ路線数も多いため、各方面からアクセスしやすい通勤環境です。札幌市中央区、北区、東区、西区、南区、白石区、豊平区、厚別区、清田区、手稲区など石狩振興局管内を中心に、北海道全域の刑事事件・少年事件に対応しており、札幌高等裁判所、札幌高等検察庁、札幌・函館・旭川・釧路地方裁判所、札幌・函館・旭川・釧路地方検察庁、札幌・函館・旭川・釧路家庭裁判所、北海道内各地方・家庭裁判所及び北海道内各地方検察庁の各支部管轄区域内で多くの刑事事件・少年事件の弁護活動に従事しております。法律相談数及び取扱事件数も非常に多いため、刑事事件・少年事件の弁護活動又は付添人活動を多く経験することができ、実務能力の向上を図ることができます。若い弁護士も多く在籍しているため弁護士と事務員間の会話も活発で事務所の雰囲気も非常に明るい職場です。北海道で刑事事件・少年事件の専門家を目指したい方、刑事弁護活動・付添人活動に尽力していきたい方はぜひご応募ください。

 【育成・研修制度等】

入所後は、刑事事件・少年事件のリーディングファームとして、重大著名事件から市民生活に密接した事件まで、数多くの刑事事件・少年事件をほぼ全分野にわたって幅広く経験することができます。新人弁護士の育成には、代表弁護士又は先輩弁護士によるマンツーマンでの指導育成方法を採用し、プロフェッショナルを養成するための所内研修及び業務支援制度を整えています。

【執務条件等】

執務日 月曜日~金曜日、土日祝日はシフト制
休暇 夏期休暇、冬期休暇、GW等の休暇あり
弁護士登録料、事件処理費用、書籍購入費用、判例検索システム・データベース等の経費は全額事務所負担

不正アクセス事件で自首

2020-08-27

北海道室蘭市の不正アクセス事件における自首について、あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士が解説します。

【事件】

北海道室蘭市にある大学に通うAさん(20歳)は、大学の講義で提出が義務付けられているレポートが作成できず困っていました。
そこで、同じ講義を受けている学生のメールアカウントに不正アクセスし、提出済みのメールに添付されているレポートの内容を見ることにしました。
Aさんの大学では各学生にメールアカウントを割り当てていましたが、そのIDとパスワードはいずれも学籍番号から推測できるものでした。
やがてこの不正アクセスの事実が明らかになり、ついには北海道室蘭警察署が捜査を行うことになりました。
焦ったAさんは、弁護士に自首をすべきか相談することにしました。
(フィクションです。)

【不正アクセス禁止法について】

コンピュータの普及によって私たちの生活は劇的に変わりましたが、その一方で、ハッカーや 悪質なコンピュータ利用者から情報を守る必要も出てきました。
不正アクセス行為の禁止等に関する法律(不正アクセス禁止法)」は、「不正アクセス行為」を禁止することでネットワーク上の脅威を排除し、ネットワーク社会の健全化に努めるものです。
ここにいう「不正アクセス行為」とは、ホームページ編集、ネット注文、データ閲覧などの利用に際して識別符号(ID・パスワードや指紋、音声など)の入力を求めているコンピュータにネットワークを通じ て入り込み、これを利用できる状態にしたり、実際に利用する行為を指します。
具体的には、
他人へのなりすまし(2条4項1号)
→ 他人のID・パスワード等を無断で利用してコンピュータの認証を受けること
セキュリティホールの攻撃(2条4項2・3号)
→ 特殊な情報を入力してアクセス制御機能を回避し、セキュリティホール(プログラム上の不備でセキュリティが脆弱な部分)からコンピュータに侵入すること
をいいます。
不正アクセス行為を行った者には3年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されます(11条)。
また、他人の識別符号を無断で第三者に提供する行為も「不正アクセス行為を助長する行為」として禁止されています。提供の相手方が不正アクセス目的で取得しようとしていることを知りながら提供したとき は、1年以下の懲役または50万円以下の罰金、知らなかったときでも30万円以下の罰金が科されることになっています(12条2号、13条)。

【刑事事件における自首の効果】

一般に、罪を犯した者が自ら警察署に行くことは自首や出頭と呼ばれます。
このうち、自首については刑法に明文の規定があります。
ここで言う「自首」とは、捜査機関に自らの犯罪事実を申告し、その処分を委ねる意思表示を指します。
自首を行った場合、その事実は刑の任意的減軽事由として考慮されます。
つまり、有罪として量刑を判断するに当たり、裁判官が裁量で刑の減軽をするかしないか選択できるということです。
刑の減軽は懲役刑や罰金刑の上限を2分の1にする効果を持つので、自首が認められることによる恩恵は大きいと言えます。

自首による刑の減軽を目指すに当たっては、ぜひとも留意しておくべき点が1つあります。
それは、事件が知られていないか、事件の被疑者が特定されていない状態でなければ、法律上の「自首」として扱われないということです。
たとえば、被疑者が誰か分かっているものの居場所が掴めないというケースでは、被疑者が特定できている以上「自首」にはならないと考えられます。
ただし、その場合であっても、自ら出頭することが反省の態度を示す一事情として量刑上考慮されることはあります。

以上の点も含めて、刑事事件における自首には様々な問題があります。
自首を検討されるなら、一度お近くの弁護士に相談されるとよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、刑事事件のプロである弁護士が、自首に関する充実したアドバイスを行います。
不正アクセス事件で自首をお考えなら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

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