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結婚詐欺事件で勾留理由開示

2021-04-15

結婚詐欺事件で勾留理由開示

結婚をする気がないにも拘わらず結婚する約束をして金品を騙し取る結婚詐欺事件での問題点と、勾留理由開示という手続きについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道千歳市在住のAは、千歳市内の会社に勤める会社員の男性です。
Aは、インターネットの出会い系サイトを利用し、結婚する気がないにも拘わらず結婚を前提に交際するという者を探し、千歳市内に住む5人に対して結婚を前提に話を進めているかのように装い、デートなどを重ねた上で「婚姻費用として一緒に貯蓄をしよう」と言い、各人から自分の口座に数十万円ないし一千万円ほどの金を振り込ませました。
その後、AはSNSなどのアカウントを全て削除し、被害者からの連絡を遮断しました。
結婚詐欺事件の被害者複数名からの相談や被害届を受けた千歳市を管轄する札幌方面千歳警察署の警察官は、捜査の末Aを結婚詐欺の嫌疑で逮捕しました。

逮捕後、Aは勾留され接見禁止という決定が下されたため、Aの家族は面会が出来ません。
そこで、Aの家族は、Aを一目見る方法がないか、弁護士に質問しました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【結婚詐欺事件について】

結婚詐欺という言葉は俗語であり、正式な定義はありません。
結婚詐欺と呼ばれる行為が刑事事件に発展する場合とは、
①被疑者側は結婚する気はないが結婚する前提であると偽っていて、被害者側は結婚することを信じている
②被疑者側が被害者側に金品を要求し、被害者側は結婚の約束をしていなければ支払わない金品を渡したり貸したりした
ということが必要になるかと考えられます。

そのため、例えば被害者が、被疑者に結婚する気がないことを承知してい乍ら騙されたふりをしていた場合には①の要件を欠くと考えられますし、金品の要求はされておらず実際に渡したり貸したりしていない場合には②を欠くため(精神的苦痛などにより民事上の請求は考えられますが)刑事事件には発展しません。

詐欺罪の条文は「人を欺いて税物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。」と定められています。(刑法256条1項)

【勾留理由開示請求について】

逮捕された被疑者は、その後72時間以内に「勾留」という手続きに付されます。
勾留を請求するのは検察官、判断するのは裁判官ですが、弁護人は検察官や裁判官に対して勾留に対して意見を述べる、あるいは勾留の不服申し立て(準抗告)を行うことができます。
弁護人が勾留された理由を確認するために、まずは勾留状という書類を閲覧・謄写することを検討しますが、勾留状には被疑事実のほかに、刑事訴訟法60条1項のどの項目に当てはまるか(住所不定・罪証隠滅の恐れ・逃亡の恐れ)や「捜査未了」といった抽象的な情報しか得ることができません。
そこで、弁護人は勾留理由開示請求という手続きをとる場合があります。

勾留理由開示請求は公開の法廷で行われ(刑事訴訟法83条1項)、法廷に於ては、裁判長が勾留の理由を告げなければなりません(同法84条1項)。

刑事訴訟法82条1項 勾留されている被告人は、裁判所に勾留の理由の開示を請求することができる。
同2項 勾留されている被告人の弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族、兄弟姉妹その他利害関係人も、前項の請求をすることができる。

【勾留理由開示請求のメリット】

上述のとおり、勾留理由開示の主たる目的は「なぜ勾留の手続きをされたのか」を確認することです。
勾留された理由を裁判官から引き出すことで、身柄解放のための手がかりを掴むことが出来る場合があります。
裁判官が勾留する理由を説明すれば、その問題をクリアすれば身柄解放される確率が高まるためです。

また、勾留理由開示請求では弁護人の意見陳述ができるため(同法84条2項)、勾留の違法性や不当性について裁判官等に対して主張する必要があります。

更に、勾留の決定時に接見禁止が決定された場合、弁護士以外は(たとえ家族であっても)被疑者と面会をすることができません。
しかし、勾留理由開示の手続きは公開の法廷で行われることから、御家族も傍聴という形で勾留されている方の顔を見ることができます。
御家族にとっても勾留されている方にとっても、話はできずとも実際に顔をみることで安心するという点もあるでしょう。

北海道千歳市にて、御家族が結婚詐欺事件で逮捕され、勾留理由開示請求について知りたいという方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部に御連絡ください。

盗んだ物を買い取った

2021-03-29

盗んだ物を買い取った

他人が盗んだ物を、第三者である(盗んだ加害者でも盗まれた被害者でもない)者が買い取った場合の刑事事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道札幌市豊平区在住のAは、札幌市豊平区内の会社に勤める会社員です。
Aは欲しいブランドもののバッグがあったのですが、高値のためそれを買えずにいました。
その話を聞いたXは、Aに対して「それなら、知人がその会社で働いているから、今度持ってきて格安で売ってあげる。」と言いました。
そして数日後、Xは本当にAが欲しがっていたブランドもののバッグを持ってきて、それをAに定価の半値で販売しました。
ところが、そのブランドもののバッグはXがブランドショップで商品を万引きしてきたものでした。
AはXから買い取った商品にタグが付いていることに気が付きXを問いただしましたが、貴女は知らない方が良いと言われ、それ以上追求しませんでした。

後日、札幌市豊平区を管轄する札幌方面豊平警察署の警察官がAの自宅に来て、Aが持っているブランドもののバッグについての質問をされました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【盗品を買い取ると犯罪に】

ケースについて見ると、Xはブランドもののバッグを万引きしていますので、窃盗罪に当たります。
では、それを購入したAについてはどうなるのでしょうか。
まず、Aは万引きを指図したり手助けしたりしたわけではないので、窃盗教唆や窃盗幇助などの罪には問われません。
しかし、Aが盗品と知っていて買い取った場合、盗品等譲受罪に問われる可能性があります。
条文は以下のとおりです。
刑法256条1項 盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物を無償で譲り受けた者は、三年以下の懲役に処する。
2項 前項に規定する物を運搬し、保管し、若しくは有償で譲り受け、又はその有償の処分のあっせんをした者は、十年以下の懲役及び五十万円以下の罰金に処する。

ケースの場合、半値とはいえ買い取りをしていますので、上記2項が問題となります。

盗品等譲受罪の対象となるのは、「盗品その他財産に対する罪に当たる行為」で得られたものです。
窃盗罪のほか、強盗などの罪、横領などの罪、詐欺罪、恐喝罪などで得られたものが対象です。

また、盗品等譲受罪は故意犯ですので、譲り受けたものが盗品等であることを知っている必要があります。
とはいえ、Xがいつ、どこで盗んだのか、という詳しいところまでの認識は必要ありません。
未必の故意についても認められます。
そのため、例えばケースについては、タグの有無や相場と買値の金額差などを総合的に判断し、Aに「盗品かもしれない」という認識があれば、立件される可能性があります。

【盗品等譲受罪で弁護士に相談】

盗品等譲受罪は、消費者にとっても簡単に見抜けない場合があり、また、捜査機関としても立件が難しい場合が考えられます。
ケースの場合、Aが盗品なのか否かについてどう認識していたのか、という点は重要なポイントになると言えます。
認識は客観的な部分は当然重要になりますが、内心の部分の内容であることから、取調べ等の対応が重要になってきます。
よって、取調べを受ける前に刑事事件・少年事件の経験が豊富な弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
北海道札幌市豊平区にて、盗品等譲受罪などの刑事事件で取調べを受ける可能性がある方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部に御連絡ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で御相談いただけます。

御予約:0120-631-881(24時間・365日受付)

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