Archive for the ‘財産事件’ Category

接見交通権とは?

2021-06-28

接見交通権とは?

特殊詐欺に加担した場合の罪と接見交通権について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道札幌市南区在住のAは、札幌市南区内でアルバイトとして生活していました。
Aは日々の生活が厳しかったことから、いわゆる「高額バイト」を探しました。
その内容は、受け取ったカードから現金を引き出し、それを札幌市南区のとある住所にレターパックで郵送するというものでした。
Aは報酬につられてそれを実行しましたが、数ヶ月後に札幌方面南警察署の警察官が自宅に来て、特殊詐欺に加担したAを通常逮捕しました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【特殊詐欺について】
オレオレ詐欺や、預貯金詐欺、キャッシュカード詐欺盗、架空料金請求詐欺、還付金詐欺など、被疑者(加害者)が被害者と直接対面せずにお金やキャッシュカード、その他プリペイドカード等を詐取する行為を総称して特殊詐欺と呼んでします。
特殊詐欺事件では、指示役と呼ばれる主犯格の被疑者は中々逮捕に至らず、その手足を担ってる受け子・出し子などが逮捕されるというケースが少なくありません。
ちなみに、受け子や出し子は以下のような役割です。
受け子:指示役に従って被害者宅に赴き、現金やキャッシュカードを受け取る役目。受け取った現金やキャッシュカードはコインロッカーに入れたり郵送したりするなどして別の者に渡す
出し子:上記で受け取ったキャッシュカードを使って、ATМなどで金を引き出す。この場合も、引き出した金は直接主犯格に渡すことは少なく、別の口座に送金したりコインロッカーに入れたりする

この受け子・出し子と呼ばれる役割の者は、前述のとおり指示役の手足です。
受け子の場合は「騙されたフリ作戦」などにより逮捕される可能性が高いですし、出し子の場合はATМ機本体や銀行・コンビニに設置されている防犯カメラに映像として残ってしまい、逮捕につながることが十分に考えられます。
一方で指示役(あるいは被害者に電話を架ける架け子と呼ばれる者)は受け子・出し子を操ることで被害金額の大半を手に入れ、捜査対象になりにくい状況にいることが実情です。

特殊詐欺に関わった場合、その被害金額や役割によっては、初犯であっても実刑を言い渡される場合があります。

【接見交通権について】
事件を起こした嫌疑をかけられている者は、被疑者と呼ばれる立場になります。
被疑者は原則として在宅で捜査を受けることになりますが、事件の内容や身元引受人の有無などを評価し、必要であると判断された場合には逮捕・勾留されることになります。
勾留された場合、警察署の留置施設や拘置所などに身柄を拘束され、検察官の釈放指揮書がなければ釈放されません。

とはいえ、勾留はあくまで捜査に必要である場合に行われる措置で、刑罰などではありません。
被疑者は、留置施設の中で自らのお金で弁当や菓子などを買うことができます。
また、原則として面会も認められていて、留置施設にある面会室に於て家族や会社の者などとの面会が許されます。
(最も、1日に1度限り、上限は3名、時間は15分、警察官の立会有などの制限はあります。)

しかし、ケースで挙げた特殊詐欺事件のような組織的な犯罪であり、共犯者などが複数いる事件の場合、裁判官の職権で「接見禁止決定」を下すことができます。
接見禁止が付いた場合、外部の者との面会が認められません。
接見禁止決定の内容にもよりますが、これは家族であっても例外なく面会できないという場合が多いです。

但し、弁護士には接見交通権という権利が認められているため、接見禁止決定の対象となりません。
また、弁護士の接見交通権には、秘密交通権と呼ばれ警察などの立会なしの接見が認められ、時間も原則として制限がありません。
(検察庁・裁判所などで接見する場合には、時間制限が設けられる場合があります。)

逮捕・勾留され、且つ接見禁止決定がついてしまった被疑者の方は、不安が募ることでしょう。
これは家族の方も同様で、被疑者の方の安否を確認したいと思うでしょう。
よって、接見禁止決定が付いている場合、弁護士に接見と併せて伝言を依頼したり、安否確認をしたりすることで安心を得られることでしょう。

北海道札幌市南区にて、ご家族が特殊詐欺事件の受け子・出し子などをして逮捕・勾留され、接見禁止決定が付いている場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
まずは弁護士が接見に行き、逮捕・勾留されている方との接見をした上で、今後の流れや見通しについて丁寧に説明致します。

強盗による死亡事件で裁判員裁判に

2021-06-21

強盗による死亡事件で裁判員裁判に

強盗が被害者を殺害してしまった場合の罪と、裁判員裁判制度について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。
【ケース】
北海道札幌市東区在住のAは、札幌市東区でアルバイトをしながら生活をしています。
しかし、昨今の情勢からアルバイト先が休業においやられ、A自身の収入が途絶えてしまいました。
生活に困ったAは窃盗をしようと考え、留守中のV宅に忍び込んで金品を探していました。
しかし、その間にVが自宅に帰ってきて窃盗をしていたAに気付き、通報しようとしました。
Aは通報されてはいけないと思い、近くにあったゴルフクラブでVの頭部を3発殴ったところ、Vは死亡してしまったという居直り強盗事件です。

札幌方面東警察署の警察官は、捜査の結果Aによる強盗事件であるとして、Aを強盗殺人の嫌疑で逮捕しました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【強盗が被害者を死亡させてしまった】

強盗が被害者を死傷させてしまったという痛ましい事件について、実はいくつかのパターンがあり、それぞれで罪が異なります。
以下で、それを検討していきます。

①予定して被害者を死傷させ、金品を奪った
予め準備をしたうえで被害者宅などに行き、被害者を死亡させたり怪我させたりしたうえで通報させないようにして、金品を奪っていった場合には、強盗殺人強盗傷害罪が成立します。
強盗殺人罪の条文は以下のとおりです。
刑法240条 強盗が、人を負傷させたときは無期または六年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。

つまり、
被害者に怪我をさせて金品を奪った強盗傷害事件:「6年以上の懲役」又は「無期懲役」
被害者を死亡させて金品を奪った強盗殺人事件:「無期懲役」又は「死刑」
となります。

②予定外に被害者が帰宅したため、口封じのため死傷させた
ケースはこの場合を想定しています。
空き巣などのために家に入ったものの、犯行中に被害者が自宅に帰ってきた場合などで、とっさに相手に暴行を加えた結果、これは居直り強盗と呼ばれるものです。
居直り強盗は、「事後強盗」と呼ばれる罪にあたります。
条文は以下のとおりです。
刑法238条 窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕をまぬかれ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。

罰条は、「強盗として論ずる」と定められていますので、①と同様です。
ケースの場合はVが死亡しているため、事後強盗致死罪が成立し、死刑又は無期懲役刑に処されることになります。

③被害者を死亡させたのち、落ちていた金品を拾った
強盗の目的ではなく、遺恨がある相手などを殺害したのち、そばにあった金品や落とした財布などを見て持ち帰る意思が生じ、それらを持ち去った場合、これは①②とは異なります。
予めお金を盗る目的で入った①②とは異なり、もともとはお金を盗る意思がなく、相手が死亡したのちにこの金品を盗んでやろうと考えているため、強盗の故意がないため、強盗殺人罪や事後強盗致死罪は成立しません。
これについて、判例は、このような事件について、死亡した直後であっても占有が継続しているという立場をとり、殺人罪と窃盗罪が成立するとしています。
なお、学説には判例同様に殺人罪と窃盗罪を認める説のほかに、強盗殺人を認める説、殺人罪と占有離脱物横領罪を認める説があります。

【裁判員裁判制度について】

裁判員裁判とは、職業裁判官(司法試験に合格して裁判官に任命された者)3名のほかに、選挙権を有する18歳以上の一般人から無作為に選出される裁判員6名が合議体を組み、被告人の有罪/無罪と有罪の場合の刑罰を決めるというものです。

裁判員裁判対象事件は
⑴死刑又は向きの懲役若しくは禁錮にあたる罪に係る事件
⑵裁判所法第26条第2項第2号に掲げる事件であつて、故意の犯罪により被害者を死亡させた罪に係るもの
とされています。(裁判員の参加する刑事裁判に関する法律2条1項各号)

強盗殺人罪の場合も殺人罪(+窃盗罪)の場合も、刑罰に死刑又は無期懲役刑が用意されているため、⑴にも⑵あたり、裁判員裁判の対象事件となります。

裁判員裁判は、一般の裁判員が加わるため、弁護側も検察官側もフローチャートを用いたり量刑資料(これまでの裁判ではこのような刑罰が言い渡されている、といった資料)を提示したりと、通常の刑事裁判に比べて準備が必要です。
よって、裁判員裁判の対象事件で起訴される可能性がある方、起訴された方は、裁判員裁判の経験がある刑事事件専門の弁護士に依頼をすることが望ましいと言えます。
北海道札幌市東区にて、ご家族が強盗殺人罪や事後強盗致死罪などの裁判員裁判対象事件を起こしてしまった場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。

結婚詐欺事件で勾留理由開示

2021-04-15

結婚詐欺事件で勾留理由開示

結婚をする気がないにも拘わらず結婚する約束をして金品を騙し取る結婚詐欺事件での問題点と、勾留理由開示という手続きについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道千歳市在住のAは、千歳市内の会社に勤める会社員の男性です。
Aは、インターネットの出会い系サイトを利用し、結婚する気がないにも拘わらず結婚を前提に交際するという者を探し、千歳市内に住む5人に対して結婚を前提に話を進めているかのように装い、デートなどを重ねた上で「婚姻費用として一緒に貯蓄をしよう」と言い、各人から自分の口座に数十万円ないし一千万円ほどの金を振り込ませました。
その後、AはSNSなどのアカウントを全て削除し、被害者からの連絡を遮断しました。
結婚詐欺事件の被害者複数名からの相談や被害届を受けた千歳市を管轄する札幌方面千歳警察署の警察官は、捜査の末Aを結婚詐欺の嫌疑で逮捕しました。

逮捕後、Aは勾留され接見禁止という決定が下されたため、Aの家族は面会が出来ません。
そこで、Aの家族は、Aを一目見る方法がないか、弁護士に質問しました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【結婚詐欺事件について】

結婚詐欺という言葉は俗語であり、正式な定義はありません。
結婚詐欺と呼ばれる行為が刑事事件に発展する場合とは、
①被疑者側は結婚する気はないが結婚する前提であると偽っていて、被害者側は結婚することを信じている
②被疑者側が被害者側に金品を要求し、被害者側は結婚の約束をしていなければ支払わない金品を渡したり貸したりした
ということが必要になるかと考えられます。

そのため、例えば被害者が、被疑者に結婚する気がないことを承知してい乍ら騙されたふりをしていた場合には①の要件を欠くと考えられますし、金品の要求はされておらず実際に渡したり貸したりしていない場合には②を欠くため(精神的苦痛などにより民事上の請求は考えられますが)刑事事件には発展しません。

詐欺罪の条文は「人を欺いて税物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。」と定められています。(刑法256条1項)

【勾留理由開示請求について】

逮捕された被疑者は、その後72時間以内に「勾留」という手続きに付されます。
勾留を請求するのは検察官、判断するのは裁判官ですが、弁護人は検察官や裁判官に対して勾留に対して意見を述べる、あるいは勾留の不服申し立て(準抗告)を行うことができます。
弁護人が勾留された理由を確認するために、まずは勾留状という書類を閲覧・謄写することを検討しますが、勾留状には被疑事実のほかに、刑事訴訟法60条1項のどの項目に当てはまるか(住所不定・罪証隠滅の恐れ・逃亡の恐れ)や「捜査未了」といった抽象的な情報しか得ることができません。
そこで、弁護人は勾留理由開示請求という手続きをとる場合があります。

勾留理由開示請求は公開の法廷で行われ(刑事訴訟法83条1項)、法廷に於ては、裁判長が勾留の理由を告げなければなりません(同法84条1項)。

刑事訴訟法82条1項 勾留されている被告人は、裁判所に勾留の理由の開示を請求することができる。
同2項 勾留されている被告人の弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族、兄弟姉妹その他利害関係人も、前項の請求をすることができる。

【勾留理由開示請求のメリット】

上述のとおり、勾留理由開示の主たる目的は「なぜ勾留の手続きをされたのか」を確認することです。
勾留された理由を裁判官から引き出すことで、身柄解放のための手がかりを掴むことが出来る場合があります。
裁判官が勾留する理由を説明すれば、その問題をクリアすれば身柄解放される確率が高まるためです。

また、勾留理由開示請求では弁護人の意見陳述ができるため(同法84条2項)、勾留の違法性や不当性について裁判官等に対して主張する必要があります。

更に、勾留の決定時に接見禁止が決定された場合、弁護士以外は(たとえ家族であっても)被疑者と面会をすることができません。
しかし、勾留理由開示の手続きは公開の法廷で行われることから、御家族も傍聴という形で勾留されている方の顔を見ることができます。
御家族にとっても勾留されている方にとっても、話はできずとも実際に顔をみることで安心するという点もあるでしょう。

北海道千歳市にて、御家族が結婚詐欺事件で逮捕され、勾留理由開示請求について知りたいという方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部に御連絡ください。

盗んだ物を買い取った

2021-03-29

盗んだ物を買い取った

他人が盗んだ物を、第三者である(盗んだ加害者でも盗まれた被害者でもない)者が買い取った場合の刑事事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道札幌市豊平区在住のAは、札幌市豊平区内の会社に勤める会社員です。
Aは欲しいブランドもののバッグがあったのですが、高値のためそれを買えずにいました。
その話を聞いたXは、Aに対して「それなら、知人がその会社で働いているから、今度持ってきて格安で売ってあげる。」と言いました。
そして数日後、Xは本当にAが欲しがっていたブランドもののバッグを持ってきて、それをAに定価の半値で販売しました。
ところが、そのブランドもののバッグはXがブランドショップで商品を万引きしてきたものでした。
AはXから買い取った商品にタグが付いていることに気が付きXを問いただしましたが、貴女は知らない方が良いと言われ、それ以上追求しませんでした。

後日、札幌市豊平区を管轄する札幌方面豊平警察署の警察官がAの自宅に来て、Aが持っているブランドもののバッグについての質問をされました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【盗品を買い取ると犯罪に】

ケースについて見ると、Xはブランドもののバッグを万引きしていますので、窃盗罪に当たります。
では、それを購入したAについてはどうなるのでしょうか。
まず、Aは万引きを指図したり手助けしたりしたわけではないので、窃盗教唆や窃盗幇助などの罪には問われません。
しかし、Aが盗品と知っていて買い取った場合、盗品等譲受罪に問われる可能性があります。
条文は以下のとおりです。
刑法256条1項 盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物を無償で譲り受けた者は、三年以下の懲役に処する。
2項 前項に規定する物を運搬し、保管し、若しくは有償で譲り受け、又はその有償の処分のあっせんをした者は、十年以下の懲役及び五十万円以下の罰金に処する。

ケースの場合、半値とはいえ買い取りをしていますので、上記2項が問題となります。

盗品等譲受罪の対象となるのは、「盗品その他財産に対する罪に当たる行為」で得られたものです。
窃盗罪のほか、強盗などの罪、横領などの罪、詐欺罪、恐喝罪などで得られたものが対象です。

また、盗品等譲受罪は故意犯ですので、譲り受けたものが盗品等であることを知っている必要があります。
とはいえ、Xがいつ、どこで盗んだのか、という詳しいところまでの認識は必要ありません。
未必の故意についても認められます。
そのため、例えばケースについては、タグの有無や相場と買値の金額差などを総合的に判断し、Aに「盗品かもしれない」という認識があれば、立件される可能性があります。

【盗品等譲受罪で弁護士に相談】

盗品等譲受罪は、消費者にとっても簡単に見抜けない場合があり、また、捜査機関としても立件が難しい場合が考えられます。
ケースの場合、Aが盗品なのか否かについてどう認識していたのか、という点は重要なポイントになると言えます。
認識は客観的な部分は当然重要になりますが、内心の部分の内容であることから、取調べ等の対応が重要になってきます。
よって、取調べを受ける前に刑事事件・少年事件の経験が豊富な弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
北海道札幌市豊平区にて、盗品等譲受罪などの刑事事件で取調べを受ける可能性がある方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部に御連絡ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で御相談いただけます。

御予約:0120-631-881(24時間・365日受付)

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