動物虐待で不処分

北海道厚岸郡の動物虐待事件における不処分について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事例】

北海道厚岸郡に住むAさん(14歳)は、友人のBさんと共に、市内の民家で飼われている犬や猫をエアガンで撃って遊んでいました。
被害を受けた犬や猫の中には、身体の数か所に傷跡が残るようなものもおり、犯人を突き止めるべく近隣住民により見回りが行われるようになりました。
それからしばらくして、Aさんらが市内に住むVさんの飼い犬に対してエアガンを撃っていたところ、その姿を目撃した近隣住民に警察に通報されました。
Aさんらは動物虐待をしたとして北海道厚岸警察署で取調べを受けることになったため、Aさんの両親は弁護士に今後の対応を聞いてみました。
相談を受けた弁護士は、Aさんに適切な教育を施して不処分を目指すべきだとアドバイスしました。

(フィクションです)

【動物虐待は犯罪?】

動物に対して暴力を振るったり、必要な世話を敢えてしなかったりすることは、動物虐待に当たると考えられています。
動物虐待の対象は飽くまでも人ではなく動物であるため、特に子どもにとっては罪の意識が薄いと感じられるものかもしれません。
ですが、動物虐待も非難されるべき行為であり、立派な犯罪であることは認識しておくべきです。

動物虐待に対して適用される法律は、主に以下の2つが挙げられます。

①「動物の愛護及び管理に関する法律」(通称:動物愛護法
動物愛護法は、犬、猫、牛といった一部の著名な動物およびペットとして飼われている鳥類、ほ乳類および爬虫類を「愛護動物」と指定しています。
そして、愛護動物をみだりに殺傷したり、その世話を敢えてしなかったりした場合に刑罰を科すとしています。

動物傷害罪
動物虐待の対象が他人の飼育する動物だった場合、動物傷害罪が成立する可能性も出てきます。
器物損壊等罪について定める刑法261条をよく読んでみると、「他人の物を損壊し、又は傷害した者」と書いてあることが分かります。
法律上、動物は「物」として扱われるのが原則なので、動物に対する虐待は「他人の物」を傷害する行為として刑法261条が適用されることになります。

【不処分を目指して】

罪を犯した者が20歳未満である場合、その事件は刑事事件ではなく少年事件として扱われるのが原則です。
少年事件においては、刑罰が科されない代わりに、少年の更生と健全な育成を目指して保護処分というものが行われることになります。
保護処分が行われるまでの流れは、①警察の取調べ→②検察官送致→③家庭裁判所送致→④調査→⑤少年審判となるのが一般的です。
場合によっては、逮捕勾留観護措置による少年鑑別所留置などが行われ、身柄が拘束された状態で手続が進められることもあります。

保護処分の目的は少年の更生であり、そこに至るまでに非行事実や少年の素行に関する調査と、具体的な保護処分の内容を決める少年審判が行われます。
保護処分の内容は様々ですが、重いものだと少年院送致があり、そうなれば過度に少年の自由を制約してしまうリスクが出てきます。

こうした制約を阻止するために、特に少年の自主的な更生が期待できる事件では、不処分を目指すことが考えられます。
不処分保護処分を行わないという裁判官の決定であるため、少年はその後の生活において何らの制約も課されません。
それだけに、不処分を実現するには、少年本人とその周囲の力だけで少年の更生が可能であることを積極的にアピールする必要があります。
そうしたアピールの可否は少年の育成環境の整備に懸かっているので、もし不処分を目指すなら少年事件に精通した弁護士の力を借りるとよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、少年事件に強い弁護士不処分を目指して的確なアドバイスを致します。
もしお子さんが動物虐待をして警察が介入したら、刑事事件少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。

事務所での法律相談料:初回無料

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