不正アクセス禁止法違反で逮捕

北海道斜里町の不正アクセス禁止法違反事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事例】

北海道斜里町の会社員Aさんは、不正に入手した同僚のパスワードを利用して、自宅のパソコンから会社のオンラインシステムにアクセスしました。
不正アクセスに気付いた会社が調査した後に、会社が北海道斜里警察署に被害届を出したことから、Aさんは不正アクセス禁止法違反で逮捕されてしまいました。
(フィクションです)

【不正アクセス行為】

不正アクセス行為とは、以下の3つの場合をいいます。
①アクセス制御機能を有する特定電子計算機に電気通信回線を通じて、当該アクセス制御機能に係る他人の識別符号を入力して当該特定電子計算機を作動させ、当該アクセス制御機能により制限されている特定利用をしうる状態にさせる行為
②アクセス制御機能を有する特定電子計算機に電気通信回線を通じて当該アクセス制御機能による特定利用の制限を免れることができる情婦又は指令を入力して当該特定電子計算機を作動させ、その制限されている特定利用をしうる状態にさせる行為
③電気通信回線を介して接続された他の特定電子計算機を有するアクセス制御機能によりその特定利用を制限されている特定電子計算機に電気通信回線を通じてその制限を免れることができる情報又は指令を入力して当該特定電子計算機を作動させ、その制限されている特定利用しうる状態にさせる行為

Aさんのように、不正に入手した他人のパスワードを利用してネットワークシステムにアクセスする行為も、不正アクセス行為に当たるでしょう。
また、不正アクセス禁止法は他人の識別符号の不正取得や不正保管、入力を不正に要求する行為も禁止しています。
更に、不正アクセス行為を助長する行為も禁止されており、例えば他人のパスワードを知っている人がそれを他人に教えるなどの行為がこれにあたります。

もっとも、他人のパスワード使用につき本人から許可を得ている場合には、不正アクセス行為にはあたりません。
不正アクセスの罰則規定は「3年以下の懲役又は100万円以下の罰金」ですので、起訴されて有罪が確定すれば、この罰則規定の範囲内で刑事罰が科せられることとなります。

【弁護活動】

不正アクセス禁止法違反での弁護活動として、無断でアクセスされた被害者との間で示談をすることが考えられ、示談を成立させることで不起訴となる場合があります。
とはいえ、事件当事者本人から事件の具体的事実をお聞きしないことには弁護活動方針を立てることは困難です。
そこで、事件当事者が逮捕された場合には、刑事事件に強い弁護士に初回接見を依頼することをお勧めします。

また、不正アクセス事件は、複数の犯罪が成立することにより重大な事件として扱われる可能性があります。
そうすると、捜査機関が逃亡や証拠隠滅を疑いやすくなるため、逮捕・勾留により身柄を拘束される可能性が高まると言えます。
その場合、勾留前や勾留直後の釈放が狙いにくいことから、勾留取消という手段に及ぶことが考えられます。
勾留取消とは、勾留の開始後から事情が変わったことを理由に、裁判官が釈放の判断を下すことを指します。

勾留の当否は裁判官が判断しますが、その判断は逮捕から2~3日後の時点で存在する事情に基づいて行われます。
その後の事情の変化は逐一裁判官が把握するわけではないため、時に本来であれば不必要な身体拘束が行われる危険があります。
そこで、弁護士が裁判官に勾留取消を促す申立てをするのが重要となります。
弁護士が事情の変化をきちんと裁判官に伝えれば、裁判官がもはや勾留を継続する必要はないとして勾留取消の判断を下すことが期待できます。
これにより、逮捕直後は釈放が認められにくい事案において、事情の変化を知らせることでいち早く釈放を実現できるというわけです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、勾留取消をはじめとする身柄解放活動に詳しい弁護士が、釈放を目指して様々な手段を試みます。
ご家族などが不正アクセス事件を起こして逮捕されたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
事務所での法律相談料は初回無料です。

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