北海道札幌市での架空の殺人未遂事件で実刑判決を言い渡されたのち控訴した場合について検討

北海道札幌市での架空の殺人未遂事件で実刑判決を言い渡されたのち控訴した場合について検討

北海道札幌市にて発生した殺人未遂の架空の事件を想定して、成立する罪と控訴審の手続について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が検討します。

【ケース】

北海道札幌市在住のAさんは、札幌市内の会社に勤める会社員です。
Aさんは事件当日、酒の席で同僚Vさんと口論になり、手元にあった金属製のフォークをVさんの胸や顔に12度刺しました。
Vさんは救急搬送され、命に別条はありませんでしたが、後遺症が残る重傷でした。
Aさんは殺人未遂罪で逮捕され、その後実刑判決が言い渡され、現在は控訴を検討しています。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【殺人未遂罪について】

ケースについて見ると、まず、Aさんは故意に(わざと)Vさんに危害を加えていて、かつVさんは怪我を負っています。
この場合に考えられる罪としては、殺人未遂罪と傷害罪があります。

≪殺人未遂罪≫
刑法199条 人を殺した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。
刑法203条 第199条及び前条の罪の未遂は、罰する。

≪傷害罪≫
刑法204条 人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

殺人未遂罪と傷害罪の違いは、殺人の故意(殺意)があったか否かによります。
殺人未遂罪は、AさんがVさんを殺してやろうと思って行為に至った結果、Vさんが死ななかったことで殺人「未遂」罪が適用されます。
一方で傷害罪は、相手を暴行する故意があることで(結果的にVさんが傷害を負った場合でも)傷害罪が適用されます。

実際の事件では、殺人未遂罪と傷害罪のどちらを適用するか、という問題があります。
殺人の故意があるかどうか、内心の問題であるため判断が難しいためです。
そこで、事件前の被疑者・被告人の発言や供述、事件当日の行動言動、傷害の程度や態様などによって判断されます。
今回の事例では、特に12回に亘り胸や顔にフォークを刺していたという状況から、

【控訴の手続き】

控訴とは、通常地方裁判所又は簡易裁判所で行われた一度目の裁判(第一審)に不服などがある場合に、14日以内に提起することができます。(刑事訴訟法372条)
控訴審は原則として札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・高松・福岡にある高等裁判所又は各高等裁判所の支部にて行われます。

どのような裁判でも控訴が出来るわけではなく、控訴するためには控訴の理由が必要です。
控訴の理由には、下記のような理由が挙げられます。

・法律に従って判決裁判所を構成しなかった場合。(刑事訴訟法377条1号)
・法令により判決に関与することができない裁判官が判決に関与した場合。(同条2号)
・審判の後悔に関する規定に違反した場合。(同条3号)
・不法に管轄又は管轄違いを認めた場合。(刑事訴訟法378条1号)
・不法に控訴を受理し、又はこれを棄却した場合。(同条2号)
・審判の請求を受けた事件について判決をせず、または審判の請求を受けない事件について判決を下した場合。(同条3号)
・判決に理由を附せず、又は理由に食い違いがある場合。

・上記の場合を除き、訴訟手続き(刑事訴訟法379条)や法令の適用(同380条)に違反や誤りがあって、その違反が判決に影響を及ぼすことが明らかである場合。
・量刑が不当である場合。(刑事訴訟法381条)
・事実の誤認があってその後人が判決に影響を及ぼすことが明らかである場合。(刑事訴訟法382条)
・その他、再審の要件を満たす場合。(刑事訴訟法383条1号)

このように、控訴を申立てるには理由が必要です。
よって、控訴審があるからと安易に考えるのではなく、一審でしかるべき主張を行う必要があります。
また、一審に不服がありかつ控訴する理由がある場合、控訴審でしっかりと主張する必要があるため、すぐに弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所では、控訴審についての相談・控訴審からの弁護活動にも対応しています。
北海道札幌市にて殺人未遂事件で捜査を受けている方、一審で実刑判決を受け控訴したいと考えている方は、すぐに弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にお問い合わせください。

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