重過失傷害罪で示談

北海道留萌市の重過失傷害事件における示談について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事例】

Aさんは、北海道留萌市内をロードバイクで走行中、前を歩いていたVさんと接触してしまいました。事故当時、Aさんの走行スピードは時速20kmから25km程度であり、スマートフォンに意識を逸らされてVさんの存在に気づくのが遅れたことが原因でした。Aさんはすぐに救急と警察に通報し、Vさんは病院へ搬送されたものの命に別条はありませんでした。通報後、Aさんは北海道留萌警察署に任意同行し、重過失傷害罪の疑いで取調べを受けました。取調べを行った警察官から「できるなら示談した方がいい」と言われたAさんは、弁護士示談交渉を依頼することにしました。

(フィクションです)

【重過失傷害罪について】

刑法第二百十一条

業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。

不注意によって他人を傷害してしまい、なおかつその不注意の程度が著しかった場合、重過失傷害罪が成立する可能性があります。上記引用条文の後段部分が重過失傷害罪(重過失致死傷罪)の規定に当たり、仕事などの業務時に起こる業務上過失傷害罪と同様の重さとなっています。

重過失致死傷罪における「重大な過失」とは、通常の判断能力を有する一般人を基準として、少し注意を払うだけで簡単に結果の発生を回避できた場合を指します。上記事例では、Aさんがスマートフォンに気を取られ、Vさんの存在に気づかなかったことが事故の原因となっています。このような事故は、Aさんが周囲に気を配って通常に走行していれば容易に防げたと考えられ、それを怠ったAさんに「重大な過失」があると評価される可能性があります。、

これにより重過失傷害罪が成立すれば、Aさんは5年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金が科されるおそれがあります。怪我の程度が軽度であれば罰金刑で済むと考えられますが、過失が特に著しかったり、後遺症が残るほど重い結果が生じたりした場合は、必然的に刑が重くなるでしょう。また、具体的な事案によっては、「重大な過失」の存在が裁判で激しく争われることもあります。

【示談交渉を円滑に進めるには】

いくら不注意とはいえ、重過失傷害罪も相手方を負傷させたことには変わりありません。そのため、弁護活動としてはやはり被害者との示談が挙げられるでしょう。自転車事故を起こした場合、当事者同士のみで示談交渉に及ぼうとするケースはしばしば見られます。ですが、示談交渉を当事者のみで行うと、示談の内容が事件を解決するうえで必ずしも十分とは言えないものとなる可能性があります。

人身事故においては、事故から一定期間が経過した後になって、これまで何ともなかった部位が不調だと感じることがあります。被害者としてはその分の治療費も請求したいと考えるのが通常であり、その点に関してきちんと合意しておかないと、後から何度も追加で金銭を請求されるおそれがあります。また、重過失傷害罪は相手方の身体の侵害を問題視しているため、被害回復の程度や被害者の心情といった被害者側の事情は処分に大きく影響します。もし被害弁償のみの短期終結を重視して示談交渉をしてしまうと、被害者の処罰感情が薄まらない結果、検察官や裁判官が事態を重く見て処分を決めるということになりかねません。

以上の点から、たとえ当事者間で示談交渉が可能だと思っても、事故を起こしたらひとまず弁護士に相談してみることをおすすめします。少しアドバイスを受けるだけでも、結果の良し悪しや安心感などは違ったものになるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部弁護士は、豊富な示談の経験を武器に、あなたに代わって最適な示談交渉を行います。もし自転車事故を起こすなどして重過失傷害罪を疑われたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部(0120-631-881)にお電話ください。

刑事事件・少年事件専門の法律事務所として真摯にご相談をお聞きし、具体的な事案に合わせて的確なアドバイスを致します。

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