接見交通権とは?

接見交通権とは?

特殊詐欺に加担した場合の罪と接見交通権について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道札幌市南区在住のAは、札幌市南区内でアルバイトとして生活していました。
Aは日々の生活が厳しかったことから、いわゆる「高額バイト」を探しました。
その内容は、受け取ったカードから現金を引き出し、それを札幌市南区のとある住所にレターパックで郵送するというものでした。
Aは報酬につられてそれを実行しましたが、数ヶ月後に札幌方面南警察署の警察官が自宅に来て、特殊詐欺に加担したAを通常逮捕しました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【特殊詐欺について】
オレオレ詐欺や、預貯金詐欺、キャッシュカード詐欺盗、架空料金請求詐欺、還付金詐欺など、被疑者(加害者)が被害者と直接対面せずにお金やキャッシュカード、その他プリペイドカード等を詐取する行為を総称して特殊詐欺と呼んでします。
特殊詐欺事件では、指示役と呼ばれる主犯格の被疑者は中々逮捕に至らず、その手足を担ってる受け子・出し子などが逮捕されるというケースが少なくありません。
ちなみに、受け子や出し子は以下のような役割です。
受け子:指示役に従って被害者宅に赴き、現金やキャッシュカードを受け取る役目。受け取った現金やキャッシュカードはコインロッカーに入れたり郵送したりするなどして別の者に渡す
出し子:上記で受け取ったキャッシュカードを使って、ATМなどで金を引き出す。この場合も、引き出した金は直接主犯格に渡すことは少なく、別の口座に送金したりコインロッカーに入れたりする

この受け子・出し子と呼ばれる役割の者は、前述のとおり指示役の手足です。
受け子の場合は「騙されたフリ作戦」などにより逮捕される可能性が高いですし、出し子の場合はATМ機本体や銀行・コンビニに設置されている防犯カメラに映像として残ってしまい、逮捕につながることが十分に考えられます。
一方で指示役(あるいは被害者に電話を架ける架け子と呼ばれる者)は受け子・出し子を操ることで被害金額の大半を手に入れ、捜査対象になりにくい状況にいることが実情です。

特殊詐欺に関わった場合、その被害金額や役割によっては、初犯であっても実刑を言い渡される場合があります。

【接見交通権について】
事件を起こした嫌疑をかけられている者は、被疑者と呼ばれる立場になります。
被疑者は原則として在宅で捜査を受けることになりますが、事件の内容や身元引受人の有無などを評価し、必要であると判断された場合には逮捕・勾留されることになります。
勾留された場合、警察署の留置施設や拘置所などに身柄を拘束され、検察官の釈放指揮書がなければ釈放されません。

とはいえ、勾留はあくまで捜査に必要である場合に行われる措置で、刑罰などではありません。
被疑者は、留置施設の中で自らのお金で弁当や菓子などを買うことができます。
また、原則として面会も認められていて、留置施設にある面会室に於て家族や会社の者などとの面会が許されます。
(最も、1日に1度限り、上限は3名、時間は15分、警察官の立会有などの制限はあります。)

しかし、ケースで挙げた特殊詐欺事件のような組織的な犯罪であり、共犯者などが複数いる事件の場合、裁判官の職権で「接見禁止決定」を下すことができます。
接見禁止が付いた場合、外部の者との面会が認められません。
接見禁止決定の内容にもよりますが、これは家族であっても例外なく面会できないという場合が多いです。

但し、弁護士には接見交通権という権利が認められているため、接見禁止決定の対象となりません。
また、弁護士の接見交通権には、秘密交通権と呼ばれ警察などの立会なしの接見が認められ、時間も原則として制限がありません。
(検察庁・裁判所などで接見する場合には、時間制限が設けられる場合があります。)

逮捕・勾留され、且つ接見禁止決定がついてしまった被疑者の方は、不安が募ることでしょう。
これは家族の方も同様で、被疑者の方の安否を確認したいと思うでしょう。
よって、接見禁止決定が付いている場合、弁護士に接見と併せて伝言を依頼したり、安否確認をしたりすることで安心を得られることでしょう。

北海道札幌市南区にて、ご家族が特殊詐欺事件の受け子・出し子などをして逮捕・勾留され、接見禁止決定が付いている場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
まずは弁護士が接見に行き、逮捕・勾留されている方との接見をした上で、今後の流れや見通しについて丁寧に説明致します。

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