Posts Tagged ‘放火’

現住建造物等放火罪:事例を交えた詳細な法律解説

2023-10-24

現住建造物等放火罪:事例を交えた詳細な法律解説

現住建造物等放火罪は、その名の通り、人が住んでいる建物に放火する行為に対する罪です。 この罪は非常に重く、最悪の場合、死刑にもされうる重大な犯罪です。 今回は、この罪についての法的側面を事例を交えて詳しく解説します。

項目1:現住建造物等放火罪とは?

現住建造物等放火罪(以下、現住放火罪)は、人が住んでいる建物や現に人がいる建造物に放火する行為に対する罪です。 この罪は、日本の刑法第108条に規定されています。 最も重い場合、死刑にもされうる非常に重大な犯罪です。

この罪は、放火行為によって不特定多数の人の生命・身体・財産に危険を及ぼす可能性があるため、非常に厳しく罰せられます。 具体的には、死刑、無期懲役、または五年以上の有期懲役が科される可能性があります。

法律用語で言うと、この罪は「公共の平穏を保護法益」としています。 つまり、この罪によって保護されるのは、公共の安全と平穏です。

項目2:この罪が成立する具体的な要件

現住放火罪が成立するためには、いくつかの具体的な要件が必要です。 まず、放火行為が行われた建造物が「現に人が住居に使用している」か「現に人がいる」状態である必要があります。

「現に人が住居に使用している」とは、その建造物が日常的に人の生活の場として使用されている状態を指します。 一方で、「現に人がいる」とは、放火が行われた瞬間に、その建造物内に人が存在している状態を意味します。

次に、放火行為自体ですが、「日的物の燃焼を惹起させる行為」または「それに原因力を与える行為」が必要です。 具体的には、目的物に直接火をつける行為や、媒介物に火をつけて目的物に火を移す行為などが該当します。

さらに、この罪は故意である必要があります。 つまり、行為者が放火によって建造物が燃えること、そしてその建造物が「現に人が住居に使用している」または「現に人がいる」状態であることを認識している必要があります。

以上のような要件が揃った場合、現住放火罪が成立します。

項目3:「放火」とは何か?

「放火」という言葉は一般的によく使われますが、法律の文脈での「放火」には特定の定義があります。 具体的には、「日的物の燃焼を惹起させる行為」または「それに原因力を与える行為」とされています。

この定義にはいくつかの要点があります。 まず、放火行為は必ずしも目的物に直接火をつける行為だけではありません。 媒介物に火をつけて、その火を目的物に移すような行為も放火とされます。

また、既に火がついている場所に油を注ぐなどして、火の勢いを助長・増大させる行為も放火に該当します。 このような行為は、火力の勢いを助長・増大させるという点で、放火行為と同視されます。

さらに、放火行為は故意である必要があります。 つまり、火をつける行為自体が偶然や事故であった場合、放火罪は成立しません。

項目4:不作為による放火の可能性

一般的に、犯罪は行為によって成立するものと考えられがちですが、不作為、すなわち何もしないことによっても犯罪が成立する場合があります。
このような状況は、不作為犯と呼ばれます。
現住放火罪においても、不作為による放火の可能性が考えられます。

例えば、火事に気づいたにも関わらず、消火活動を行わない、または消防への通報を怠った場合、その行為が放火に該当する可能性があります。
特に、その人が建物の所有者や管理者であり、消火の責任がある場合には、不作為によって現住放火罪が成立する可能性が高まります。

ただし、このような場合でも、行為者が火事によって「現に人が住居に使用している」または「現に人がいる」建造物が燃えることを認識している必要があります。
また、その人が消火活動を行う能力があったかどうかも重要な要素となります。

不作為による放火は、一見、行為による放火とは異なるように思えますが、法的には同じく厳しく罰せられる可能性があります。

項目5:実行の着手とは?

犯罪が成立するためには、単に犯罪の意志を持っているだけでは不十分です。 その意志を具体的な行動に移し、犯罪を「実行の着手」した状態で初めて、犯罪が成立する可能性があります。 現住放火罪においても、この「実行の着手」が非常に重要な要素となります。

「実行の着手」とは、犯罪を完成させるための具体的な行動を開始した状態を指します。 例えば、放火するためにガソリンを購入したり、火をつけるための道具を用意したりする行為は、実行の着手に該当する可能性があります。

しかし、これらの行為が必ずしも「実行の着手」に該当するわけではありません。 重要なのは、その行為が犯罪を完成させるための「直接的な手段」であるかどうかです。 例えば、ガソリンを購入する行為が、他の合法的な目的で行われた場合、実行の着手には該当しない可能性があります。

このように、「実行の着手」は犯罪が成立するかどうかを判断する重要な要素であり、具体的な事例や状況によってその評価が変わる可能性があります。

項目6:この罪が成立しない場合の他の罪

現住放火罪が成立しない場合でも、その行為が他の罪に該当する可能性があります。 例えば、放火行為が「現に人が住居に使用している」または「現に人がいる」建造物以外で行われた場合、一般的な放火罪(刑法第109条)や重大な場合には特定放火罪(刑法第110条)に該当する可能性があります。

また、放火行為が成立しなかった場合でも、その行為が他人の財産を損壊する可能性がある場合、器物損壊罪(刑法第234条)に該当することも考えられます。

さらに、放火行為が人の生命や身体に危険を及ぼす可能性がある場合、傷害罪や殺人罪に該当する可能性もあります。 特に、放火行為が他人の死亡につながった場合、殺人罪が成立する可能性が高くなります。

このように、現住放火罪が成立しない場合でも、その行為が他の罪に該当する可能性は高く、それぞれの罪に応じた刑罰が科される可能性があります。

項目7:弁護活動の重要性

現住放火罪は非常に重大な犯罪であり、その刑罰も厳しいため、弁護活動が非常に重要です。 特に、この罪が疑われる場合、早期の段階で専門の弁護士に相談することが求められます。

弁護士は、証拠の収集や事実関係の確認、さらには公判における弁護戦略の立案など、多岐にわたる活動を行います。 また、犯罪が成立するかどうかの微妙な要件、例えば「実行の着手」や「故意」などについて、専門的な知識と経験を持っています。

さらに、弁護士は被告人の人権を守る役割も果たします。 例えば、取り調べの際に不当な圧力がかかった場合や、証拠が不十分な場合には、その事実を明らかにして、適切な裁判が行われるように努力します。

このように、現住放火罪に関わる場合、弁護活動は被告人にとって、また社会にとっても非常に重要な活動です。 早期の段階での専門的な弁護が、より公正な裁判を実現するためには不可欠です。

項目8:まとめと弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の紹介

本記事では、現住建造物等放火罪について詳細に解説しました。 この罪は非常に重大な犯罪であり、成立する要件やその他に該当する可能性のある罪、さらには弁護活動の重要性についても触れました。 法律用語や要件が複雑であるため、専門的な知識と対応が必要です。

このような複雑な刑事事件に対応するためには、専門の弁護士の協力が不可欠です。 ここで、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部を紹介します。 同事務所は、刑事事件に特化した法律事務所であり、経験豊富な弁護士が在籍しています。 早期の段階での適切な弁護活動が、より公正な裁判を実現するためには不可欠です。

何か問題が発生した場合、早急に専門の弁護士に相談することを強くお勧めします。

現住建造物等放火罪について

2023-08-03

現住建造物等放火罪について

人の住んでいる建物に放火したら,現住建造物等放火罪が成立する可能性があります。
重い罪であり,最高で死刑もありえます。
逮捕され,長期間身体拘束され,起訴されて裁判となります。
重い処分となり,刑務所に長期間入ることになります。
今回は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が,現住建造物等放火罪を解説いたします。

・現住建造物等放火罪の条文

(現住建造物等放火)
第108条 放火して,現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物,汽車,電車,艦船又は鉱坑を焼損した者は,死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。
(未遂罪)
第112条 第百八条及び第百九条第一項の罪の未遂は,罰する。
(予備)
第113条 第百八条又は第百九条第一項の罪を犯す目的で,その予備をした者は,二年以下の懲役に処する。ただし,情状により,その刑を免除することができる。

・現住建造物等放火罪が成立する場合の要件

火力等により,不特定多数の人の生命・身体・財産に危険を生じさせる犯罪であって,公共の平穏を保護法益とします。
未遂や予備も罰せられます。

「放火」とは,日的物の燃焼を惹起させる行為,あるいはそれに原因力を与える行為です。
直接その目的物に点火して発火させる行為や,媒介物に点火して目的物に導火させる行為が考えられます。
既に火の付いているところに油を注ぐ行為のように,既発の火力の勢いを助長・増大させる行為もこれと同視されます。

不作為による放火も考えられます。
法律上の作為義務・消火義務の存在,消火の可能性と容易性,行為者の主観的要件等が問題となります。
消火義務の根拠としては,法令,契約・事務管理,慣習・条理が挙げられます。
客体である建造物等の所有者・占有者・管理者として,その建造物等に対する排他的支配関係が認められ,当該建造物等の燃焼の結果を防止すべき義務が発生する場合があります。
自己の過失行為に起因して発火した場合などのように,先行行為に基づいて消火義務を負うべき場合があります。
もっとも,不作為による放火罪の成立要件としての消火義務は,作為によって放火する場合と同視し得る程度の相当高度な義務であることを要します。
意思内容としては,既発の火力により建造物等が焼損されることを認容する意思で足り,未必の故意でも足ります。

実行の着手は,目的物である現住建造物等に直接点火した場合のみならず,目的物の近くでライターを操作して火花を散らしたり,マッチをすって目的物に点火する姿勢をとった場合等にも認められます。
媒介物である可燃性の導火材料に点火する行為も,その燃焼作用が継続して目的物に延焼し得べき状態に置いたときは,実行の着手が認められます。
引火性の高いガソリンや可燃性ガスなどを住宅内で撤布・放出した場合には,客観的にみて焼損という結果発生の高度の現実的危険性が既に発生していると認められ,危険発生の程度を実質的に考慮して,実際にマッチなどによる点火行為がなくても,実行の着手が肯定されることがあります。

「現に人が住居に使用し」とは,現に人の起臥寝食の場所として日常使用されることです。
「現に人がいる」とは,放火の際に人が現在することです。
いずれかの要件を充たせば現住建造物に該当します。
人は犯人以外の者をいい,犯人の家族や同居人も犯人以外の者に当たります。

「住居」は,その本来の用途が住居として使用することを目的としたものである必要はありません。
昼夜にわたって人が生活している必要はなく,夜だけ寝泊まりするという場合でも認められます。
1個の建造物の一部が起臥寝食の場として使用されていれば,全体が住居に当たることになります。
住居としての使用が継続している必要はなく,居住者が災害で一時期避難していたり,旅行などのために若干の期間留守にしていたとしても,住居でなくなることにはなりません。

人の現在は,放火当時,建造物内に犯人以外の者が存在することです。
事実上存在すれば足り,存在する権利の有無を問いません。
建造物の一部に人が現在すれば,これと一体をなす建造物全体が人の現在する建造物となります。

「焼損」は,火が放火の媒介物を離れ,客体に燃え移り独立して燃焼を継続する状態に達したことをいいます。
その主要部分が毀損されたり,効用が害されることまでは必要ありません。
もっとも,建造物から容易に取り外すことのできる畳・建具・家財道具等が燃焼しただけでは,建造物の一部が独立に燃焼を開始したとはいえず,未遂にとどまります。

故意として,自己の行為によって目的物の独立燃焼が引き起こされること,及び目的物が現に人が住居に使用し又は現に人がいるものであることの事実の認識が必要です。
未必的な認識で足ります。

・現住建造物等放火罪に該当しない場合の罪

現住建造物等放火罪が成立しない場合は,以下の犯罪等が成立する可能性があります。

(非現住建造物等放火)
第109条 放火して,現に人が住居に使用せず,かつ,現に人がいない建造物,艦船又は鉱坑を焼損した者は,二年以上の有期懲役に処する。
2 前項の物が自己の所有に係るときは,六月以上七年以下の懲役に処する。ただし,公共の危険を生じなかったときは,罰しない。
(建造物等以外放火)
第110条 放火して,前二条に規定する物以外の物を焼損し,よって公共の危険を生じさせた者は,一年以上十年以下の懲役に処する。
2 前項の物が自己の所有に係るときは,一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

・現住建造物等放火罪での弁護活動

放火をしていないにもかかわらず,犯人として疑われ,警察が捜査や逮捕をしてくることがあります。
密室の取調室で,「被害者・目撃者がこう言っている」「証拠はもうそろっている」などと言われ,警察の言われるままに話を持っていかれ,不当な内容の供述調書が作成されてしまいます。
刑事に詳しくない弁護士が対応した場合,そのような不当な状況を放置することもあります。
刑事に詳しい弁護士のきちんとしたサポートが必要になってきます。
取調べでどのようなことを言うか,弁護士と相談しながら進めていきます。
警察の威圧的な取調べが行われていたら,弁護士が抗議をしたり,黙秘を指示したりして,きちんと対応しなければなりません。
こちらに有利な証拠がないか,検討することにもなります。
起訴されて裁判となったら,きちんとこちらの主張をしていかなければなりません。

・事務所紹介

刑事事件ではスピードが大切です。
すぐに弁護士に連絡し,相談して依頼しましょう。
逮捕後最大72時間は,たとえ家族の方でも逮捕された人との接見ができませんが,弁護士が代わりに連絡を取ってくれます。
逮捕された場合,最長で23日間,身体が拘束されますが,その間に検察官が起訴をするかどうかを判断します。
非常に限られた時間で活動しなければならず,急がなければなりません。
また,逮捕直後に不当な取調べが行われ,不利な内容の調書が作成されてしまうかもしれません。
早く弁護士が接見し,取調べへの対応方法に関してきちんとしたアドバイスをする必要があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は,刑事を専門とする弁護士が迅速に対応いたしますので,お気軽にお電話ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では,刑事事件に関するご相談を初回無料で承っております。
無料法律相談のご予約は
フリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)
までお気軽にお電話ください。
家族が放火などの刑事事件で逮捕された場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士による有料の初回接見サービスをご利用ください。
接見して状況を確認し,説明させていただいた後に,正式契約となったら事件を対応させていただきます。
迅速な対応が必要となりますので,お早めにご相談ください。

放火事件で任意同行

2022-08-19

放火事件で任意同行

札幌市豊平区の放火事件について、弁護士法人あいち刑事総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。

【事例】

北海道豊平警察署は、札幌市豊平区のAさん宅周辺で起きたゴミ置き場放火事件の犯人として、Aさんに放火罪の疑いをもっていました。
ある朝Aさんがゴミ置き場にゴミを出していたところ、警察官に「最近ここで起きた放火事件について話を聞きたい」と声を掛けられました。
Aさんは「仕事がある」と言って任意同行の申出を拒否し、翌日出頭する旨を告げて、出頭前に刑事事件専門弁護士に相談することにしました。
Aさんは弁護士に対し、放火罪はどれぐらい重いのか、任意同行にどう対応すればいいかの2点についてアドバイスを求めました。
≪ケースはすべてフィクションです。≫

【放火罪の種類と刑罰】

放火罪については、刑法108条から110条に規定されており、放火の対象により罪名と刑罰が異なります。
放火罪の対象物は、
①人が住居に使用しまたは人がいる建造物、電車や船など
②人が住居に使用せず、なおかつ人がいない建造物など
③①②以外の物
に大別されます。
①の放火罪にあたった場合には、法定刑が死刑または無期もしくは5年以上の懲役と非常に重く、刑法犯の中でも重大な部類に属します。

【任意同行について】

警察などの捜査機関は、被疑者に対して犯罪の疑いを抱いたからといって、全ての被疑者をすぐに逮捕するわけではありません。
逮捕は、被疑者の意思によらず行えるため、その分制約も多いことから、まずは任意同行というかたちで犯罪事実に関する話を聞く場合も多いのです。

任意同行は、飽くまで対象者の意思に委ねる手続であるため、任意同行に応じる法的義務があるわけではありません。
ですが、正当な理由もなく任意同行を断り続ければ、逃亡や証拠隠滅を目論んでいるのではないかという不信感を捜査機関に抱かれます。
逃亡や証拠隠滅のおそれが認められれば逮捕や勾留といった身体の拘束につながる危険性があるため、その点は注意すべきです。
仮に任意同行に応じられない場合、出頭できる日を伝えるなど真摯な対応が後に身体の拘束の回避や処分の軽減につながる可能性があります。
弁護士による法的主張も加われば、更に逮捕や勾留を回避する余地も出てきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、依頼者様ひとりひとりに合わせた弁護活動を提供いたします。
放火罪のように重い犯罪であっても、弁護士ができる弁護活動は多岐に渡ります。
放火罪の疑いで任意同行を受けたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士にご相談ください。

keyboard_arrow_up

0120631881 問い合わせバナー LINE予約はこちら