取調べで注意すべきこと①

取調べで注意すべきこと①

ひき逃げ事件で問題となる罪と取調べでの注意点について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道美唄市在住のAは、美唄市内の会社に勤める会社員です。
ある日、自宅に美唄市内を管轄する札幌方面美唄警察署の警察官が来て、ひき逃げ事件でお話を聞かせてほしいと言われました。
そして警察署に行ったところ取調室に入るよう指示され、「○月○日にひき逃げ事件がありました。」「何か知りませんか」と尋ねられ、Aがそのようなことはなかったと答えたものの、取調官は「その時間に車で通ったのは貴方以外にいないんですよ。」「石にぶつかったかもしれない、とかあるでしょう。」「とぼけられるとこちらとしても逮捕せざるを得ないんですよね。」と言いました。
不安になったAは、次回の取調べまでに記憶を喚起させますと伝え、自宅に帰ったのち刑事事件専門の弁護士による無料相談を予約しました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【ひき逃げ事件について】

自動車やバイクなどを運転していた際に事故を起こしてしまった場合、
・人身事故については被害者を救護する義務と警察官に届け出る(通報する)義務が
・物損事故の場合にも警察官に届け出る義務が
それぞれあります。
この義務を怠った場合には、道路交通法の定める救護義務や報告義務に違反します。
この救護義務違反が、俗にひき逃げと呼ばれる犯罪です。

ひき逃げの場合には、前述の救護義務違反(道路交通法)と、被害者が死傷した場合の過失運転致傷罪・過失運転致死罪(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律)に、それぞれ問われることになります。
罰条は以下のとおりです。

報告義務違反  :一年以下の懲役又は十万円以下の罰金(道路交通法117条の5第1号)

救護義務違反  :五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金(道路交通法117条1項)
過失運転致死傷罪:七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。(自動車運転処罰法5条)

【取調べを受ける=犯人ではない?】

取調べという言葉は、小説やドラマなどで良く耳にすると思います。
そこに登場する取調べという言葉は主として被疑者取調べを指すことから、取調べを受けている人イコール犯人という印象をお持ちの方は多いかと思います。
しかし、取調べを受けている人が必ずしも犯人というわけではありません。

取調べという言葉は、その文脈によって意味合いが異なります。
例えば、刑事訴訟法198条1項には「…被疑者の出頭を求め、これを取り調べることができる。…」と書かれているため、対象者が被疑者(=犯人とされている者)であることが明らかです。
一方で、同法197条1項は「捜査については、その目的を達するために必要な取調をすることができる。」とされていて、対象者が明記されていません。
その他にも、裁判で検察官や弁護人が請求した証拠書類などを取り調べる、といった文脈で使われることもあり、条文や前後の文脈によって意味合いが異なります。

では、他にどのような者が取調べを受けるのかというと、被疑者の家族や目撃者、被害者やその家族などが挙げられます。

取調べで各々が供述した内容は供述調書という書類にまとめられ、裁判で証拠書類として請求されることがあります。
取調べを行うのは警察官(あるいは麻薬取締官や労働基準監督官、海上保安官などの特別司法警察職員)や検察官です。
取調べでは、基本的に取調官側が質問してそれに対して取調べの対象者が回答するという場合が一般的で、その内容を供述調書としてまとめ上げ、読み聞かせをして間違いがないという場合には署名・捺印(身柄拘束されている者については指印)します。

【被疑者の取調べは注意が必要】

≪次回のブログに続きます。≫

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、開設以来取調べについての質問を数多く受けてきました。
中には実際に違法と評価される取調べが行われていた場合もあり、受任後に電話と書面で適切に抗議したという実績があります。
北海道美唄市にて、ひき逃げ事件の被疑者として取調べを受けていて、取調べに不安を感じている方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で相談を受けることができます。

keyboard_arrow_up

0120631881 問い合わせバナー LINE予約はこちら