取調べで注意すべきこと②
ひき逃げ事件で問題となる罪と取調べでの注意点について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道美唄市在住のAは、美唄市内の会社に勤める会社員です。
ある日、自宅に美唄市内を管轄する札幌方面美唄警察署の警察官が来て、ひき逃げ事件でお話を聞かせてほしいと言われました。
そして警察署に行ったところ取調室に入るよう指示され、「○月○日にひき逃げ事件がありました。」「何か知りませんか」と尋ねられ、Aがそのようなことはなかったと答えたものの、取調官は「その時間に車で通ったのは貴方以外にいないんですよ。」「石にぶつかったかもしれない、とかあるでしょう。」「とぼけられるとこちらとしても逮捕せざるを得ないんですよね。」と言いました。
不安になったAは、次回の取調べまでに記憶を喚起させますと伝え、自宅に帰ったのち刑事事件専門の弁護士による無料相談を予約しました。
≪ケースはすべてフィクションです。≫
【ひき逃げ事件について】
≪詳細は前回のブログをご覧ください。≫
報告義務違反 :一年以下の懲役又は十万円以下の罰金(道路交通法117条の5第1号)
救護義務違反 :五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金(道路交通法117条1項)
過失運転致死傷罪:七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。(自動車運転処罰法5条)
【取調べを受ける=犯人ではない?】
≪前回のブログをご覧ください。≫
【被疑者の取調べは注意が必要】
前回のブログでお伝えしたように、取調べは事件に関係する様々な方に対して行われますが、被疑者に対する否認事件等での取調べについては注意が必要と言えます。
今日では、科学技術の発展や防犯カメラ・ドライブレコーダーなどの普及により、自白に偏重することなく客観的な証拠を集めて起訴することができるようになってきています。
それでも、しばし取調官によって自白を強要するような違法な取調べが行われているという実態があります。
我が国では、被疑者が取調べを受けている際、弁護人が立ち会うことは認められていません。
そしてその密室の中での取調べでは、以下のような違法な取調べが行われる場合があります。
・黙秘権の告知をしていない/黙秘権を行使した場合に「裁判で不利になるぞ」等と言う
・自白するように声を荒げたり強迫したりする
・自白しなければ逮捕することができる等の脅し文句を言う
・言っていないことを供述調書に書き、署名捺印するまでは帰さないと脅したり、貴方の言っていることはこういうことだからと嘘を吐いたりする
このような手法での取調べは違法です。
しかし、一般の方が取調官に対して「この取調べは違法です。」と伝えたとしても、それが是正される可能性はそう高くありません。
また、既に供述調書が作成されている場合には調書の訂正を求める必要がありますが、同じく一蹴されてしまう恐れがあります。
その場合、弁護士に弁護を依頼して、弁護人から取調官、その上司、警察官の取調べについては担当検察官や各警察署が設けている監督室(北海道警の場合は「総務課取調べ監督室」)などに対して、正式な抗議を行う必要があります。
また、そのような状況下で作成された供述調書を公判担当検察官が証拠請求した場合、不同意にしたり信用性について争ったりする必要があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、開設以来取調べについての質問を数多く受けてきました。
中には実際に違法と評価される取調べが行われていた場合もあり、受任後に電話と書面で適切に抗議したという実績があります。
北海道美唄市にて、ひき逃げ事件の被疑者として取調べを受けていて、取調べに不安を感じている方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で相談を受けることができます。