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強制性交等罪で逮捕された

2023-06-15

強制性交等罪で逮捕された

強制性交等罪を犯してしまったら,逮捕・勾留され,実刑で長期間刑務所に入る可能性が高いと言えます。
被害者への示談活動や,事実を争うのであればきちんと裁判の準備をしなければなりません。
今回は,強制性交等罪・準強制性交等罪について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説いたします。

・(被害者が13歳以上)強制性交等罪が成立する場合とは

(強制性交等)
第177条 十三歳以上の者に対し,暴行又は脅迫を用いて性交,肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は,強制性交等の罪とし,五年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の者に対し,性交等をした者も,同様とする。

個人の性的自由・性的自己決定権を保護法益とします。
被害者となり得る人は,女性に限らず,男性も含まれます。
加害者も,男性だけでなく,女性も含まれます。

暴行は,身体に向けられた不法な有形力の行使をいいます。
脅迫は,害悪の告知をいいます。
暴行・脅迫は,性交等をしようとする相手方に対して向けられる必要があります。
脅迫は,その告知した内容が虚偽のものであってもよく,犯人が害悪の実現に影響力を有するものとして告知されれば足ります。
暴行・脅迫は,被害者の反抗を著しく困難にする程度のもので足り,反抗を抑圧する程度に達する必要はありません。
その程度については,暴行・脅迫の態様のほか,時間的・場所的状況,被害者の年齢・精神状態等の諸般の事情を考慮して客観的に判断されることになります。
性犯罪に直面した被害者が恐怖のあまり抵抗できなくなることも少なくない等という被害者の心理や,被害者と相手方との関係性等を十分踏まえた検討がなされることになります。
暴行のみを断片的に取り上げればそれ自体はそれほど強いものとはいえなくても,その余の事情として被害者が被害を受けるに至ったそれまでの経過やその際に置かれていた立場・状況等をも併せて考慮して,当該暴行が被害者の性的意思決定の自由を抑圧し,反抗を著しく困難にする程度に達するといえるものか判断することになります。

本条の実行行為としては,性交に加え,肛門性交及び口腔性交が含まれており,これらを性交等といいます。
性交とは,膣内に陰茎を入れる行為をいいます。
肛門性交とは,肛門内に陰茎を入れる行為をいいます。
口腔性交とは,口腔内に陰茎を入れる行為をいいます。
性交等には,行為者が自己又は第三者の陰茎を被害者の膣内・肛門内・口腔内に入れる行為だけでなく,自己又は第三者の膣内・肛門内・口腔内に被害者の陰茎を入れる行為を含みます。

因果関係として,暴行・脅迫が性交等の時点まで継続する必要はないが,暴行・脅迫によって反抗を著しく困難にする状態が性交等の時点においても存在することが必要です。

・(被害者が13歳未満)強制性交等罪が成立する場合とは

被害者が13歳未満の場合は,暴行・脅迫がなくても成立します。

13歳未満の者に対する場合を除き,被害者の真意に基づく承諾があれば,本罪は成立しません。
承諾は,自由な意思決定による真意のものである必要があります。
黙示の承諾でもよいが,その場逃れのための真意に基づかないときは,承諾する旨の言動があったとしても,ここにいう承諾ではありません。
反抗を著しく困難にする程度の暴行・脅迫があるときは,特別の事情がない限り,自由な意思決定による真意の承諾とは認められないことになります。

本罪は,故意犯です。
前段については,13歳以上であることの認識は不要であり,後段については,13歳未満であることの認識が必要です。
被害者が自由な意思決定による真意の承諾をしたものと誤信したときは,故意を欠くことになります。
しかし,安易に信じても,故意が阻却されることはありません。
誤信の有無についても,被害者の心理等に関連する心理学的・精神医学的知見等を踏まえた上で,犯人の認識していた事実等に基づき,適切に判断される必要があります。
反抗を著しく困難にする程度の暴行・脅迫を自ら行った場合に,被害者の真意の承諾があると誤信したと認められるには,特別の客観的事情の存在が必要です。

実行の着手時期は,前段では手段となる暴行・脅迫を開始した時点,後段では性交等に至る客観的な危険性が認められる行為を開始した時点,となります。
手段となる暴行・脅迫といえるには,性交等の遂行を可能にするような客観的事情が必要です。
性交等の行為を行った時点で既遂となります。
性器の一部没入で既遂に達し,射精することを要しません。

・相手がお酒や薬などで意識がハッキリしない中での性交等

(準強制性交等)
第178条 2 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ,又は心神を喪失させ,若しくは抗拒不能にさせて,性交等をした者は,前条の例による。

本条が適用されるのは,13歳以上の者に対し,その心神喪失又は抗拒不能の状態に乗じ,あるいは暴行・脅迫によらずに心神喪失又は抗拒不能にして,性交等をした場合です。

心神喪失とは,精神的な障害によって正常な判断力を失った状態をいいます。
抗拒不能とは,心理的又は物理的に抵抗ができない状態をいいます。
類型的には,睡眠・酩酊・高度の精神遅滞等のように被害者が性交等について認識できない場合と,他の行為を装ったときのように性交等自体については認識しながらも錯誤のために自由意思に従って行動する能力を失っている場合があります。
心神喪失・抗拒不能の程度については,完全不能でなくともよく,反抗が著しく困難な状態で足り,常識的に不能といえれば認められます。

実行行為は,心神喪失又は抗拒不能の状態を利用して,あるいは暴行・脅迫によらずに心神喪失又は抗拒不能にして,性交等をすることです。
心神喪失又は抗拒不能の状態を利用した例としては,被害者が高度の精神遅滞の状態にあるのを利用した場合,睡眠中であるのを利用した場合,泥酔状態にあるのを利用した場合,第三者の暴行・脅迫によって抗拒不能の状態にあるのを利用した場合などがあります。
他方,暴行・脅迫によらずに心神喪失又は抗拒不能にした例としては,被害者に密かに睡眠剤を飲ませ,あるいは催眠術を使うなどしてそのような状態にした場合があります。
以上のような例に対し,詐欺的手段,例えば,結婚の約束や金品の贈与の約束等によって,主観的には抗拒不能の状態になったとしても,それは動機の錯誤ないし緑由の錯誤に過ぎず,客観的には承諾しないことも可能な状況にあると認められるから,本条に該当しません。

故意として,被害者が心神喪失又は抗拒不能の状態にあることを認識していることが必要です。

着手時期は,心神喪失又は抗拒不能に乗じた場合には,性交等に至る客観的な危険性が認められる行為を開始した時点です。
性交等に向けて通常行われる行為やそれに接着した行為を開始することが必要です。
他方,心神を喪失させ又は抗拒不能にさせて性交等をした場合の着手時期は,性交等を行う目的をもって手段となる行為,心神を喪失させ又は抗拒不能にさせる行為を開始した時点となります。

・事務所紹介

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は,刑事を専門とする弁護士が迅速に対応いたしますので,お気軽にお電話ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では,刑事事件に関するご相談を初回無料で承っております。
無料法律相談のご予約は
フリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)
までお気軽にお電話ください。
逮捕された場合は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士による有料の初回接見サービスをご利用ください。
接見して状況を確認した後,説明させていただいた後に,正式契約となったら事件を対応させていただきます。
強制性交等事件では迅速な対応が必要となりますので,お早めにご相談ください。

スピード違反で書類送検

2023-06-12

スピード違反で書類送検

スピード違反により書類送検されたという事例を想定して、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。

【ケース】

北海道千歳市在住のAさんは、千歳市内の会社に勤務する会社員です。
Aさんは事件当日、法定速度である60km/h以下で走行する必要がある公道で103km/hにて走行していました。
Aさんのスピード違反を現認した北海道警察署の警察官は、Aさんを後方から追尾する方法でスピード違反を確認し、千歳市内にある千歳警察署に同行を求めました。

Aさんは2度の取調べを受けたのち、書類送検される旨の説明を受けました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【スピード違反について】

我が国で自動車や二輪車等を運転する場合、道路交通法をはじめとする法律に則って運転をすることが義務付けられています。
そのうち、運転をする速度については、道路交通法22条1項で「車両は、道路標識等によりその最高速度が指定されている道路においてはその最高速度を、その他の道路においては政令で定める最高速度をこえる速度で進行してはならない。」と定められていて、具体的には道路交通法施行規則にて「法第22条第1項の政令で定める最高速度…のうち、自動車及び原動機付自転車が高速自動車国道の本線車道…以外の道路を通行する場合の最高速度は、自動車にあつては60キロメートル毎時、原動機付自転車にあつては30キロメートル毎時とする。」と定められています。
よって、普通自動車の場合、法定速度である60km/hを超える速度で運転することは禁止されています。(高速自動車国道については100km/h(同法27条1項1号))
また、40km/h等と最高速度を制限している道路においては、その速度を超えた速度で運転することが出来ません。
これに違反した場合、速度超過となり、道路交通法に違反することとなります。
故意に速度超過した場合の法定刑は「6月以下の懲役又は10万円以下の罰金」(道路交通法118条1項1号)です。

通常、超過速度が30km/h未満(高速道路では40km/h)の場合は交通反則告知書(俗に言う青切符)で処理されます。
一方で、超過速度が30km/h以上の場合、告知書(俗に言う赤切符)での処理になるため罰金となる可能性があります。
また、80km/h以上の場合には正式裁判になり、禁錮刑あるいは懲役刑が言い渡される可能性があります。

【書類送検について】

書類送検という言葉は事件報道などでよく耳にすると思われます。
警察官などの捜査機関により捜査(例えば、取調べや実況見分など)が行われた後、一部の軽微な犯罪の除き、原則として検察官に事件が送られます。
被疑者が逮捕されている場合、逮捕から48時間以内に検察官に送致されます。
しかし在宅で捜査が行われた場合、身柄拘束は行われていないため、書類のみが送致されます。
これを俗に書類送検と言います。

在宅で捜査を受けている方は切迫感に欠けるため、自身が書類送検されるという認識がない(あるいはその説明を受けていたが忘れていた)という方も多く、突然検察庁から郵便物や連絡が来て驚くという方も少なくありません。
また、慌てて検察官による取調べを受けた結果、自身の認識とは異なる調書が出来上がったり、よくわからないまま略式手続に同意して前科が付いてしまうという方もおられます。
書類送検が見込まれる事件では、書類送検される前に弁護士に相談・依頼をして、必要な弁護活動を進めていくことが望ましいと言えるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所では、スピード違反を含め多くの交通事件・事故の弁護活動を経験してきました。
北海道千歳市にて、スピード違反により捜査を受けている方、書類送検される可能性がある方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご連絡ください。

詐欺で逮捕された

2023-06-09

詐欺で逮捕された

詐欺事件を起こしてしまったら,逮捕・勾留され,長期間身体拘束される可能性があります。
金額が大きかったり前科がある場合は,実刑で刑務所に入ることになるかもしれません。
早期に弁護士を通じて釈放を求めて,被害者と示談交渉をする必要があります。
事実関係について争いがあれば,取調べ対応を慎重にして,裁判に備える必要があります。
今回は,詐欺罪・特に刑法第246条第1項の詐欺罪について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説いたします。

・詐欺罪の条文

(詐欺)
第246条 人を欺いて財物を交付させた者は,10年以下の懲役に処する。

・詐欺の相手方

詐欺罪の保護法益は,個人の財物の占有です。
物の所持という事実上の状態それ自体が保護されます。
他人の占有する他人の財物が客体となります。
財物の所有者としての他人は,自然人であると法人その他の団体であるとを問いません。
国や地方公共団体も含まれます。
動産だけでなく,不動産も含まれます。

・詐欺罪に当たる行為

行為は,人を欺いて財物を交付させることです。
欺く行為の相手方は,必ずしも財物の所有者又は占有者であることを要しないが,その財物について事実上又は法律上財産的処分行為をなし得る権限ないし地位を有する者でなければなりません。
欺く行為は,必ずしも特定人に向けられる必要はなく,いわゆる広告詐欺のように,不特定人に向けられたものでも認められます。
訴訟詐欺は,裁判所を欺いて勝訴の判決を得,敗訴者から財物を交付させる場合をいいます。
欺かれた者と財物の交付者とが異なるが,詐欺罪が成立します。
一方,クレジットカード詐欺は,クレジット会員が代金支払の意思も能力もないのに自己名義のクレジットカードを使用して,加盟店から物品を購入し又は飲食する場合をいいます。
加盟店に対する関係で1項詐欺罪が認められます。
不正に入手した他人名義又は架空名義のクレジットカードを使用して,加盟店から物品を入手する場合について,加盟店に対する1項詐欺罪が認められます。

欺くとは,人を錯誤に陥らせる行為をすることをいいます。
錯誤とは,観念と真実との不一致を指します。
機械を相手とする詐欺的行為は,人を欺く行為ではないから,詐欺罪とはならず,窃盗罪となります。
欺く手段・方法は,何らの制限もなく,言語によるものでも動作によるものでもよく,直接的な方法によるものでも間接的な方法によるものでも認められます。
作為によると不作為によるとを問いません。
積極的に詐術を用い,虚偽の事実を告知する場合はもちろん,事実を告知しないことにより,相手方が既に錯誤に陥っている状態を継続させ利用する場合も,詐欺罪は成立し得ます。
ただし,当該不作為が詐欺罪にいう欺く行為に当たるといえるためには,不作為犯が成立するための法的な告知義務が行為者に認められる場合であることを要します。
法的な告知義務が認められる場合としては,法令に規定されている場合のほか,契約上・慣習上・条理上認められる場合もあり得ます。
人を欺く行為は,これにより相手方が錯誤に陥り,行為者の希望するような財産的処分行為をするに至らせるような性質のものであることが必要です。
必ずしも法律行為の要素に関する虚偽の表示であることを要せず,法律行為の動機に関して錯誤に陥らせる場合でも,相手方が真実を知れば財物の交付をしないであろうというべき重要な事項につき虚偽の意思表示をするものであれば,詐欺罪に当たります。
現在の事実及び過去の事実のほか,将来起こり得る事実に関する事柄であっても,それが関連する現在又は過去の事実を偽り将来を推測する場合には,人を欺く行為の内容たり得ます。
価値判断や意見の表示も,欺く行為たり得ます。
人を欺く行為は,当該具体的状況の下で一般人を錯誤に陥れる可能性のあるものでなければなりません。
一般人を錯誤に陥れる可能性があるか否かは,行為の際の具体的事情を考慮して,一般的・客観的見地から判断されます。
商品を売買する場合など経済活動の場面において,売り手が多少の駆引きや誇張した広告・宣伝文句を用いることは,日常生活において見受けられるところであり,取引上における信義則に反しないと認められる場合には,欺く行為に当たらないとされています。

財物を交付させるとは,相手方の錯誤に基づく財産的処分行為によって財物の占有を自己又は第三者が取得することをいいます。
錯誤は観念と真実との不一致を指すが,財産的処分行為をするように動機づけられるものであれば足ります。
財産的処分行為と認められるためには,主観的要件として財産を処分する意思と,客観的要件として財産を処分する事実とが必要です。
財産を処分する事実は,法律行為に限らず,事実行為でも認められます。
法律行為としての財産的処分行為の意思表示は,民事上無効なものや取り消し得るものであっても,詐欺罪の成立に影響しません。
交付があったといい得るためには,相手方の財産的処分行為の結果として,行為者側に財物の占有が移転することが必要です。
欺く行為に基づいて財物を交付する者は,通常欺かれた者自身であるが,欺かれた者の財産的処分行為に拘束される地位・状態にある者も交付者に含まれ,必ずしも同一人になるとは限りません。
処分行為者をして行為者以外の第三者に財物を交付させても詐欺罪に当たります。
第三者の範囲は,行為者との間に特別な事情が存在する者に限られ,全く無関係な第三者に財物を交付させた場合は,詐欺罪は成立しません。

詐欺罪の実行の着手時期は,行為者が財物を騙し取る意思で欺く行為を開始した時点に認められ,相手方が錯誤に陥ったかどうかを問いません。

詐欺罪が既遂に達するには,行為者の人を欺く行為によって相手方が錯誤に陥り,それに基づく処分行為によって財物の占有を行為者又は第三者に移転することが必要です。
欺く行為,錯誤,処分行為,財物の移転の間には,それぞれ因果関係がなければなりません。
財物の占有を行為者又は第三者に移転するとは,財物に対する被害者の支配力を排除して,行為者自身又は行為者と一定の関係にある第三者がその財物を支配内に置くことをいいます。

詐欺罪は財産罪であるから,その成立には被害者に財産上の損害が生じたことを要します。
被害者が民事上保護されても,詐欺罪の成立には影響がありません。
人を欺いて財物の交付を受けた場合に,行為者がその中の一部分について正当に受領し得る権利を有するときにも,欺く行為がなければ全体として交付を受けることができないときには,詐欺罪は交付を受けた財物全部について成立します。
人を欺く手段として対価を提供した場合においても,詐欺罪が交付を受けた財物全部について成立します。

・故意犯処罰の原則

詐欺罪の故意が認められるためには,行為者が相手方を欺いて錯誤に陥らせ,その財産的処分行為によって財物を交付させ,自己又は第三者が占有を取得すること及びその因果関係について認識していることが必要です。
その認識は,確定的なものでなく未必的なものであっても足ります。
他人の財物を騙し取る意思は,自己を利するためであると,他人を利するためであるとを問いません。
後日返済する意思があっても詐欺罪が成立します。
詐欺罪の主観的要件として,故意のほかに不法領得の意思を必要とします。
不法領得の意思は,権利者を排除し他人の物を自己の所有物と同様にその経済的用法に従いこれを利用し又は処分する意思となります。

・事務所紹介

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,刑事弁護を専門とする弁護士が多数在籍しております。
北海道で詐欺事件などの刑事事件で逮捕・勾留され,相談・依頼したいという方は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士による有料の初回接見サービスをご利用ください。
接見して状況を確認した後,説明させていただいた後に,正式契約となったら事件を対応させていただきます。
逮捕されていない場合でも,ぜひ無料面談をご利用ください。
迅速な対応が必要となりますので,お早めにご相談ください。

公務執行妨害罪で逮捕された

2023-06-03

公務執行妨害罪で逮捕された

公務員に対して暴行や脅迫をして,逮捕されることがあります。
今回は,公務執行妨害罪・職務強要罪について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説いたします。

公務執行妨害罪とは

(公務執行妨害)
第95条 公務員が職務を執行するに当たり,これに対して暴行又は脅迫を加えた者は,三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。

本罪は,公務員によって行われる国又は地方公共団体の作用である公務を保護法益とします。
公務員に向けられた行為を対象としますが,直接に公務員の地位自体を保護するものではありません。
適法な公務の遂行に限って保護されると解されます。
公務の円滑な遂行と国民の利益・人権との間で利害が対立することがあり,特に公務の適法性を判断するに当たっては,両者の利益のバランスをどう取っていくのかということが判断されます。

本罪の客体は「公務員」です。
公務員でない非公務員も,公務員の補助者としてその公務の補助をした場合で,非公務員に対し加えられた暴行・脅迫が当該公務員に向けられたものであると解されるときは,本罪が成立することがあります。

「職務」は,広く公務員が取り扱う事務の全てを含みます。
官庁における公務員のデスクワーク,国公立大学の入試事務や講義,国公立病院の業務等も,本罪によって保護されます。

公務の適法性

公務員の職務は適法でなければなりません。
公務員の違法な行為まで本罪による保護を与えるべきではないからです。
しかし,ここでの適法性は,あくまでも刑法上の適法性であり,当該職務執行の根拠法令上の適法性とは別個に判断されます。
要件としては,①当該公務員の抽象的・一般的職務権限に属するものであること,②当該公務員がその職務を行う具体的職務権限を有すること,③職務行為の有効要件である法律上の重要な条件・方式を履践していること,が必要となります。
①の抽象的職務権限は,必ずしも法令で具体的に規定されたものであることを要しません。
③の要件が,最も実質的で重要な要件となります。
公務員の職務行為には,その有効要件として法律上一定の方式が要求されることが多く,こうした方式を履践しない行為は当該法令では不適法ということになります。
しかし,刑法上も全てその保護に値しないというわけではなく,わずかな方式違反に過ぎない場合や訓示規定に違反する場合などは,直ちに職務執行の適法性を失わせるものではありません。
職務の適法性は,暴行・脅迫から保護するに値する公務という実質的基準で判断されます。
判断基準としては,裁判所が法令を解釈して客観的に決めることになります。
判断の基準時は,当該職務執行時の状況を基礎に判断されます。
なお,公務員の職務執行が適法でないため本罪が成立しないときでも,暴行罪・脅迫罪は成立し得ることになりますが,そのような場合には正当防衛の成否が問題になることが考えられます。

「執行するに当たり」とは,現に職務を執行中である場合というよりは広く,職務を執行するに際しての意味となります。
具体的・個別的に特定された職務の執行を開始してからこれを終了するまでの時間的範囲だけでなく,当該職務の執行と時間的に接着してこれと一体的関係にあるとみることができる範囲内の職務行為に限って,公務執行妨害罪による保護の対象となります。

公務執行妨害罪における妨害の方法

「暴行」は,暴行罪とは異なり,公務員に向けられた有形力の行使であれば認められます。
公務員の身体に対して直接向けられる必要はなく,その補助者や物に対して加えられることによって,間接的に当該公務員に物理的・心理的に影響を与えるような間接暴行でも認められます。
暴行の程度は,公務員の職務の執行を妨害するに足るものでなければなりません。

「脅迫」は,人を畏怖させるに足る害悪の告知の全てを含みます。
直接公務員に対するものに限らず,公務員の補助者に対するものでも認められます。
現に相手を畏怖させたことは必要ではありません。
脅迫の程度は暴行と同じく,公務員の職務の執行を妨害するに足るものでなければなりません。

本罪は,暴行・脅迫が加えられることによって,直ちに既遂に達します。
現実に職務執行が妨げられたことは必要ではありません。
この意味で,本罪は危険犯です。

公務執行妨害罪での故意

故意として,公務員が職務執行中であることと,これに対して暴行・脅迫を加えることの認識が必要です。
公務の執行を妨害する目的は必要ではありません。
公務員の職務行為が客観的には適法であるのに,違法であると誤信して暴行・脅迫を加えた場合が問題となります。
違法と思うだけの特殊な事情の認識があった場合は,故意が阻却されます。
その特殊な事情が,例えば軽微な瑕疵を過度に重大視して適法性を欠くと誤信したといった場合は,故意は阻却されません。
単に自分なりの解釈・評価によるだけの場合は,故意は阻却されません。

(職務強要)
第95条 2 公務員に,ある処分をさせ,若しくはさせないため,又はその職を辞させるために,暴行又は脅迫を加えた者も,前項と同様とする。

「処分」は,広く公務員が職務上なし得べき行為をいいます。
それにより一定の法律上の効果を生じさせるようなものであることは必要でありません。
本罪は公務員の正当な職務執行を保護するばかりでなく,広くその職務上の地位の安全をも保護しようとするものであります。
当該公務員の職務に関係ある処分であれば足り,その職務権限内の処分であるとその職務権限外の処分であるとを問いません。

適法な処分をさせるためであっても,作為を強要すること自体非難に値することなので,本罪が成立します。
違法・不当な処分をさせないための場合は,行為時に処分の重大な違法性が明白な場合まで保護するには及ばないから,これを阻止する場合は本罪に該当しません。
それ以外の場合には,たとえ不当な処分であってもそれを阻止するために暴行・脅迫を加えれば,本罪を構成します。

「職を辞させる」は,公務の執行を妨害する手段として辞職させようとする場合の他,公務の執行とは無関係に単なる個人的事情から辞職させようとする場合も含みます。
この目的の場合を特に辞職強要罪ということもあります。

目的が達せられることを要せず,所定の目的をもって暴行・脅迫を加えれば,直ちに既遂に達します。

公務執行妨害罪での流れ

公務執行妨害罪・職務強要罪で逮捕されたら,逮捕・勾留合わせて最長23日間,警察署の留置場などで身体拘束される可能性があります。
家族等と連絡を取ることは制限され,連日捜査機関による取調べを受けるため,被る精神的苦痛は非常に大きなものとなります。
特に警察官への公務執行妨害罪であれば,捜査機関は厳しい対応をしてくる可能性が高いです。
当然,会社や学校に行くことはできません。
逮捕されたことが会社や学校に知られてしまう可能性も高まります。
逮捕されることで,報道される可能性が高まります。

検察官や裁判所に釈放を求めていくことになりますが,釈放が認められるハードルは高く,簡単には認められません。
刑事に強い弁護士に依頼した方が,釈放は認められやすくなります。
証拠隠滅と逃亡のおそれがあるかが判断されることになります。
被害者に対して不当な働きかけが行われる可能性があると評価されることが多いです。
そこで,そのような可能性はないことを具体的に説得的に示していくことが必要です。

起訴後は保釈を求めていくことになります。
保釈とは,起訴された後,一定額の金銭を支払うこと等を条件に釈放される制度をいいます。
保釈金の額は,裁判所が,犯罪の軽重や情状,被告人の経済状態,生活環境などの一切の事情を考慮して,その事件で被告人の逃亡を防ぐためにはどのくらいの金額を納めさせるのが適当かを判断した上で決定します。
保釈金の相場は,一般的に200万円前後となることが多いですが,事件によっては500万円を超える場合もあります。
保釈を取り消されて保釈金が没収されることがなければ,裁判が終わった後に裁判の結果が無罪でも有罪でも保釈金は返還されます。
しかし,保釈中に問題を起こしたら,再び身体が拘束され,預けた保釈金は没収される可能性があります。
保釈支援協会で保釈金を貸してくれることもあります。

暴行・脅迫をしていないにもかかわらず,相手が警察に被害を訴えて,警察が捜査や逮捕をしてくることがあります。
密室の取調室で,「被害者がこう言っている」「証拠はもうそろっている」などと言われ,警察の言われるままに話を持っていかれ,不当な内容の供述調書が作成されてしまいます。
刑事に詳しい弁護士のきちんとしたサポートが必要になってきます。
取調べでどのようなことを言うか,弁護士と相談しながら進めていきます。
警察の威圧的な取調べが行われていたら,弁護士が抗議をしたり,黙秘を指示したりして,きちんと対応しなければなりません。
こちらに有利な証拠がないか,検討することにもなります。
起訴されて裁判となったら,きちんとこちらの主張をしていかなければなりません。

刑事事件ではスピードが大切です。
すぐに弁護士に連絡し,相談しましょう。
逮捕後最大72時間は,たとえ家族の方でも逮捕された人との接見ができませんが,弁護士が代わりに連絡を取ってくれます。
逮捕直後に不当な取調べが行われ,不利な内容の調書が作成されてしまうかもしれません。
早く弁護士が接見し,取調べへの対応方法に関してきちんとしたアドバイスをする必要があります。

事務所紹介

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,刑事を専門とする弁護士が迅速に対応いたしますので,お気軽にお電話ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では,公務執行妨害罪などの刑事事件に関するご相談を初回無料で承っております。
無料法律相談のご予約は
フリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)
までお気軽にお電話ください。

賭博により現行犯逮捕

2023-05-30

賭博により現行犯逮捕

賭博をしたことで現行犯逮捕されたという事件を想定して、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。

【ケース】

北海道札幌市中央区在住のAさんは、札幌市中央区内の会社を経営する会社経営者です。
Aさんは賭け事が好きで、友人に紹介され、月に3日以上札幌市中央区にて違法に営まれている賭博に加わっていました。
事件当日もAさんは賭博をしていたところ、捜査をしていた札幌市中央区を管轄する札幌方面中央警察署の警察官によって現行犯逮捕されました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【賭博について】

金品を賭ける賭博行為について、我が国では禁止されています。
刑法の第23章は「賭博及び富くじに関する罪」として、以下のとおり規定しています。

(賭博)
第185条 賭博をした者は、50万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭かけたにとどまるときは、この限りでない。
(常習賭博及び賭博場開張等図利)
第186条
1項 常習として賭博をした者は、3年以下の懲役に処する。
2項 賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、3月以上5年以下の懲役に処する。
(富くじ発売等)
第187条
1項 富くじを発売した者は、2年以下の懲役又は150万円以下の罰金に処する。
2項 富くじ発売の取次ぎをした者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
3項 前2項に規定するもののほか、富くじを授受した者は、20万円以下の罰金又は科料に処する。

まず法185条については、これは一度、あるいは数回ほど賭博をした場合に成立します。
賭博は、偶然に左右される事象に対して金を賭けることを意味します。
代表的なものとしてはトランプや麻雀などのボードゲームのほか、スロットマシーンを用いるもの、スポーツの勝敗や点数を対象とするものなど、様々なものがあります。
最近では、賭博とは直接関係がない事件が起因してオンラインカジノの知名度が上がっています。
「一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるとき」とは、一度の食事やタバコ数本など、賭け事の結果受け渡しするものが安価であれば、賭博罪に問われない可能性があります。

次に、法186条各項は、常習賭博賭博場開帳等図利の罪を規定しています。
常習賭博は、その名のとおり、常習的に賭博をした場合に成立します。
常習とは反復・継続して行うこととされています。
具体的な回数などは決まっておらず、捜査機関としては、繰り返し賭博を行っていたことを立証する必要があります。

賭博場開帳等図利罪は、賭博のプラットフォームを作った場合に成立します。
例えば友人2名で賭け事をやるような場合には問題となりませんが、闇カジノなどと呼ばれるようなオンライン・オフラインで賭博の場所を作った場合、賭博のための麻雀のメンバーを募った場合などに成立します。

最後に、法187条各項は、富くじを売り買い、仲介した場合に成立します。
富くじは、今の宝くじを意味します。
宝くじは全国で販売されていますが、これは当せん金付証票法という法律により「都道府県並びに地方自治体」が、「公共事業その他公益の増進を目的とする事業」の財源に当てる場合に限り、販売できる旨定めています。(当せん金付証票法4条1項ほか)
一般人が富くじ・宝くじを販売・購入・仲介した場合、刑法187条各項に違反します。

今回のAさんの事例については、自身が賭博をしたことが問題となるため、刑法185条の賭博罪、又は刑法186条1項の常習賭博罪の成立が検討されます。

【賭博事件で現行犯逮捕された場合は弁護士へ】

今回想定したAさんの事例について、まず警察官などの捜査機関は裏付け捜査を入念に行い、常習的に賭博が行われていることの証拠を収集します。
そして、裁判所に捜索差押許可状の発付を受け、賭場に行きます。
賭場を開帳した者やその従業員は逮捕される可能性が極めて高いです。
他方で、Aさんのように客として賭博をしていただけの者については、現行犯逮捕されない可能性、あるいは逮捕されてもすぐに釈放される可能性があります。
とはいえ、常習的な賭博を疑われている場合や捜査に協力しない姿勢を見せた場合などでは、長期間身柄拘束されることもあり得ます。

北海道札幌市中央区にて、自身が賭博などの罪で在宅捜査を受けている方、あるいは家族が賭博の罪で逮捕・勾留されている方は、刑事事件・少年事件の弁護活動・付添人活動を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご連絡ください。

覚醒剤所持事件で贖罪寄附

2023-05-27

覚醒剤所持事件で贖罪寄附

覚醒剤所持により捜査され起訴されたという事例を想定し、贖罪寄附などの弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。

【ケース】

北海道江別市在住のAさんは、江別市内の会社に勤める会社員です。
Aさんは覚醒剤を使用するようになり、しばらくの間使用を止めていましたが、その間も所持し続けていました。
ある日、Aさんは覚醒剤の結晶が入った財布を江別市内の商業施設で落としてしまい、それを拾って届けられたことで、受け取った江別市内を管轄する江別警察署の警察官は覚醒剤の所持に気付き、捜査を経てAさんを通常逮捕しました。

逮捕されたAさんは、反省していることを示したいと考えましたが、覚醒剤の所持については被害者がいないためどのようなかたちで反省の意を示すか悩んでいたところ、弁護士のアドバイスを受け、贖罪寄附を実施しました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【覚醒剤の所持について】

覚醒剤は、「フエニルアミノプロパン、フエニルメチルアミノプロパン及び各その塩類」や「同種の覚醒作用を有する物であって政令で指定するもの」と定義されています。(覚醒剤取締法2条1項1号)
多くは結晶、あるいはそれを砕いて粉のような状態で所持し、液体に溶かして注射器などで打つという方法で濫用される場合が多いようです。
また、ヤーバーと呼ばれる錠剤タイプの覚醒剤もあります。

覚醒剤は神経を興奮させる効力があるため、一時的な快楽を得られる場合もあるようですが、幻覚や幻聴に悩まされるなどの悪影響が大きいという特徴があります。
また、依存性が高いという特徴もあるため、興味本位で一度使っただけでも、身体がそれを欲してしまい、自分の意志ではやめられないという場合も少なくありません。

そのため、我が国では医療目的の場合を除き、覚醒剤の使用や所持、密輸入、製造などを禁止しています。

覚醒剤所持の場合の罰条は以下のとおりです。

覚醒剤取締法41条の2
1項 覚醒剤を、みだりに、所持し、譲り渡し、又は譲り受けた者…は、10年以下の懲役に処する。
2項 営利の目的で前項の罪を犯した者は、1年以上の有期懲役に処し、又は情状により1年以上の有期懲役及び500万円以下の罰金に処する。
3項 前2項の未遂罪は、罰する。

【贖罪寄附について】

暴力事件や性犯罪事件のように被害者がいる事件では、最も重要な弁護活動の一つとして示談交渉が挙げられます。
他方で覚醒剤所持のような被害者がいない事件や、被害者がいる事件でも被害者が謝罪や弁済を拒否・留保している場合、示談交渉を行うことができません。
このような場合に、贖罪寄附を行うという選択肢があります。

贖罪寄附は、日本弁護士連合会や日本司法支援センター(法テラス)などが行っている手続きで、事件についての反省を寄附というかたちで示します。
寄附金は、犯罪被害者支援や難民支援、交通遺児の方のために利用されます。
日本弁護士連合会のパンフレット(2017年~2019年度のアンケート)によると、利用者の81%が「情状に考慮されたと思う」と回答しています。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、これまで覚醒剤を含め数多くの薬物事件の弁護活動を経験してきました。
ケースのように贖罪寄附を行う場合、事件の性質や経済状況によって、効果的な金額が異なります。
北海道江別市にて、覚醒剤所持の嫌疑で捜査を受けていて、贖罪寄附をお考えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士による初回接見サービス(有料)をご利用ください。

暴力事件を起こした

2023-05-24

暴力事件を起こした

暴力事件を起こしてしまったら,逮捕・勾留される可能性があります。
早期に弁護士を通じて釈放を求めて,被害者と示談交渉をする必要があります。
事実関係について争いがあれば,取調べ対応を慎重にして,裁判に備える必要があります。
今回は,主な暴力犯罪について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説いたします。

・暴力の結果被害者が怪我をしなかった暴行事件

(暴行)
第208条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは,二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

暴行は,人の身体に対する不法な有形力の行使をいいます。
典型的なものとしては,殴る,蹴る,突く,押す,投げ飛ばす,等の人の身体への接触を伴う物理力を行使する行為があります。
傷害の結果を生じさせる程度のものでなくても認められます。
人の身体に向けられたものであれば足り,必ずしもそれが人の身体に直接接触することを要しません。
しかし,少なくとも,相手の五官に直接間接に作用して不快・苦痛を与える性質のものであることが必要です。
物理力・力学的作用や,音響・光・電気・熱等のエネルギーの作用を人に及ぼすことも含まれます。
暴行の故意として,人の身体に対し有形力を行使することの認識が必要です。
不法性は,行為の目的,行為当時の状況,行為の態様,被害者に与えられた苦痛の有無・程度等を総合して判断されます。

・暴力の結果被害者が怪我をした傷害事件

(傷害)
第204条 人の身体を傷害した者は,十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

人は犯人以外の自然人をいい,自分自身を傷つける行為は犯罪とはなりません。
身体は,肉体と精神的機能の双方を含みます。
傷害は,人の生理機能に障害を与えたり,人の健康状態を不良に変更することをいいます。
傷害行為の態様としては,人の身体に対する不法な有形力の行使である暴行だけでなく,無形的方法や不作為による傷害も認められます。
故意については,暴行の故意だけで足りますが,暴行を手段としていない場合は傷害の故意が必要です。

・暴力の結果被害者が死亡してしまった事件

(傷害致死)
第205条 身体を傷害し,よって人を死亡させた者は,三年以上の有期懲役に処する。

傷害により人を死亡させたが,死亡結果について認識を欠いている場合に成立します。
死亡結果について認識がある場合は殺人罪が成立します。
裁判では,殺人罪か傷害致死罪か,死亡結果について認識していたか,が激しく争われる場合があります。
傷害と死の結果との間に因果関係が存在することを要します。
この因果関係についても裁判で激しく争われる場合があります。

・暴力の場にいて直接関与しなかった場合

(現場助勢)
第206条 前二条の犯罪が行われるに当たり,現場において勢いを助けた者は,自ら人を傷害しなくても,一年以下の懲役又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する。

本罪は,傷害罪・傷害致死罪の犯罪が行われている現場での助勢行為を処罰するものです。
傷害の幇助行為に類してはいるが,それに当たらない現場でのせん動的行為を,それ自体のもつ独自の危険性に鑑みて規定されています。
現場におけるせん動的行為が,喧嘩の規模・程度を拡大し,本来ならば生じないような傷害や傷害致死の結果を発生させる危険があるため,それを防止する目的があります。
広い意味では幇助の一態様でありますが,群集心理を考慮して特に軽く処罰することとしたものです。
暴行が行われているといえる段階であることが必要であり,その開始前や終了後はこれに当たりません。
暴行の段階で助勢したが傷害の結果が生じなかったときは,本罪は成立しません。
勢いを助けた,とはせん動的行為をいい,「やれ,やれ」「やってしまえ」というようなはやしたてる行為等をいいます。
行為者をはやしたて,その気勢を高めるものであれば足り,言語によると動作によるとを問いません。
その助勢行為により実行行為者の実行を容易にしたことも要しません。

・2人以上が同時に暴力を振るって被害者が怪我した場合

(同時傷害の特例)
第207条 二人以上で暴行を加えて人を傷害した場合において,それぞれの暴行による傷害の軽重を知ることができず,又はその傷害を生じさせた者を知ることができないときは,共同して実行した者でなくても,共犯の例による。

本条は,同時犯としての暴行によって同一人を傷害した場合についての処罰の特例を定めたものです。
本条の法律的性格については,犯人の側に挙証責任を転換するとともに,意思の連絡について一種の法律上の擬制を用いて共犯の範囲を拡張する旨の規定です。
同時犯としての暴行においては,行為者間に意思の連絡がないために,相手方に傷害が生じても傷害の共同正犯は成立しません。
行為者各自の行為によって傷害が生じたのかどうか不明のときには,各行為者は,刑法における個人責任の原則に基づいて,各々暴行罪の限度において処罰されるに過ぎません。
しかし,これでは処罰として軽きに失するだけでなく,一般に行為者間の意思の連絡や行為者と傷害の結果との結びつきなどを立証することが困難な場合が少なくありません。
特に本条を設けて,本来同時犯であるものを共犯の例による旨規定し,傷害罪の共同正犯として処断する旨の特例を定め,立証の困難の救済を図ることになりました。
各行為者は,自己の関与した暴行がその傷害を生じさせていないことを立証しない限り,傷害についての責任を免れません。
2人以上の者が同一の被害者に傷害を負わせたが誰がどの程度の傷害を負わせたのか判明しなかったり,2人以上の者が同一の被害者に傷害を負わせたがそれが誰の暴行によるものであるか判明しない場合をいいます。
共犯の例によるとは,共同正犯として処断するという趣旨です。

・怪我等をさせる目的で凶器を準備したり集まったりする行為

(凶器準備集合及び結集)
第208条の2 二人以上の者が他人の生命,身体又は財産に対し共同して害を加える目的で集合した場合において,凶器を準備して又はその準備があることを知って集合した者は,二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
2 前項の場合において,凶器を準備して又はその準備があることを知って人を集合させた者は,三年以下の懲役に処する。

本条は,暴力団犯罪対策の一環として,凶器準備集合罪(1項)と凶器準備結集罪(2項) からなっております。
暴力団の勢力争いに起因して,いわゆる殴り込みのため相当数の者が凶器を準備して集合し,社会に著しい不安を抱かせるような事件が続発するなど,治安上憂慮すべき事態が生じたことがありました。
このような事態を規制し,後に予想される殺傷事件を未然に防止するために設けられたものです。
構成要件的状況として,2人以上の者が他人の生命・身体・財産に対して共同して害を加える目的で集合することが必要です。
この目的は,必ずしも殴り込みをかけるような積極的・能動的な目的である必要はなく,相手方が攻撃してきた際にはこれを迎撃し,相手方を殺傷しようという消極的・受動的な目的であっても認められます。
このような迎撃形態の本罪が成立するためには,相手方からの襲撃の蓋然性・切迫性が客観的状況として存在する必要はなく,行為者においても相手方からの襲撃の蓋然性・切迫性を認識している必要はありません。
相手方からの襲撃のあり得ることを予想し,襲撃があった際にはこれを迎撃して,他人の生命・身体・財産に対し共同して害を加える意思があれば足ります。
相手方の行為その他の事情を条件とし,条件成就のときは加害行為に出るという条件付きのものであっても認められます。
共同加害目的は,広く共同正犯の形態によって加害行為をなす目的があれば足り,必ずしも自らが現場において加害行為を共同して実行する意思まで必要とするものではありません。
本罪は公共危険犯的性格を有することから,加害の対象・内容が具体的に特定されていることは要しません。
準備は,必要に応じていつでも加害行為に使用し得る状態に置くことをいいます。
必ずしも準備の場所と集合の場所が同一である必要はありませんが,凶器の準備された場所が加害行為に使用するのに不可能又は著しく困難な場所であるときは,準備したとはいえません。
また,凶器の準備が集合前又は集合と同時になされていることまで必要ではなく,集合した後に凶器が準備された場合にも,本罪は成立し得ます。
集合は,2人以上の者が共同の行為をする目的で,一定の時刻と一定の場所を同じくすることをいいます。
2人以上の者が,互いに相手が自己と共同行為をする目的のもとに時・場所を同じくしていることを認識し,なお相手方においても自己について同様に認識しているであろうことを併せて認識していることが必要です。
集合ということは,必ずしも場所的に移動して新しく時と場所を同じくする場合だけでなく,既に時と場所を同じくする2人以上の者が共同加害の目的を有するようになり,それによって社会的に1つの集合体と認められるに至った場合も集合となります。

北海道で暴力事件を起こし,相談・依頼したいという方は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士による無料面談有料の初回接見サービスをご利用ください。
逮捕された場合は,接見して状況を確認した後,説明させていただいた後に,正式契約となったら事件を対応させていただきます。
迅速な対応が必要となりますので,お早めにご相談ください。

釈放を認めてほしい・勾留の考慮要素

2023-05-18

釈放を認めてほしい・勾留の考慮要素

警察に逮捕されたら,検察と裁判所に送られ,勾留される可能性があります。
勾留は,身体拘束がまず10日間行われ,さらに10日間を限度に延長されることになります。
早期に弁護士を通じて勾留を争い,釈放を求めていく必要があります。
今回は,勾留がどのようなことを検討されて判断されるか,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説いたします。

刑事訴訟法
第60条 裁判所は,被告人が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合で,左の各号の一にあたるときは,これを勾留することができる。
一 被告人が定まつた住居を有しないとき。
二 被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
三 被告人が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
第207条 前三条の規定による勾留の請求を受けた裁判官は,その処分に関し裁判所又は裁判長と同一の権限を有する。但し,保釈については,この限りでない。

勾留は,罪証隠滅や逃亡を防止することを目的としています。
起訴前の被疑者の場合は,検察官から請求されて,裁判官が勾留するかどうかを判断します。
「罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合」で,勾留の理由(「定まつた住居を有しないとき」「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき」「逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき」)と必要性が認められたら,勾留となります。

「罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合」は,犯罪の嫌疑が一応認められる程度で十分とされています。
起訴や有罪判決をするのに十分でなくても認められます。

「定まつた住居を有しないとき」は,住所や居所を有しないという意味です。
各地を転々と逃げ歩いていたり,野宿生活を送っていたり,住居を黙秘して他の資料によっても住居が判明しないとき,なども含まれます。

「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき」は,証拠に対する不正な働きかけによって,終局的判断を誤らせたり捜査や公判を紛糾させたりするおそれがあるため,最も重視して検討されます。
罪証隠滅が認められて勾留されるケースが最も多いです。
安易に一般的・抽象的に認められるべきではなく,具体的・実質的な検討が求められます。
単なる抽象的な危険性では足りず,確実性までは要求されないが,具体的な資料によって裏づけられた高度の可能性のあることを要します。

罪証隠滅の対象は,犯情や重要な情状事実です。
原則として公訴事実・被疑事実であり,構成要件に該当する事実のみならず,違法性を基礎づけまたは阻却する原因となる事実,責任能力その他責任阻却事由の存否に関する事実も含まれます。
犯行に至る経緯・動機,被害者との関係,凶器の入手経路,犯行態様,共謀の成立過程,犯行後の利益分配や罪証隠滅行為,などについてが考えられます。
薬物犯罪の場合は,薬物の流れや密売組織との関わり合いなども対象となり得ます。
集団的暴力事件の場合は,犯行計画の立案過程,犯罪集団の組織や構成,集団の中で果たした地位・役割も対象となり得ます。
犯罪事実の認定にとって重要な意味を持つか,犯情を基礎づける事実として起訴不起訴の判断や量刑上重要な意味を持つか,で判断されます。

罪証隠滅の態様として,予想される証拠に対する働きかけが不当な影響を及ぼすようなものであるかが検討されます。
共犯者や証人・参考人との通謀,または証人・参考人に対する圧迫などがあります。
属する組織・団体の勢力や団体的統制力を用いて行なわれることが予想される場合もあります。
物証の毀損・隠滅も典型的な罪証隠滅行為です。

罪証隠滅の客観的可能性・実効性が中心的に判断されます。
主観的に罪証隠滅に出る意図があっても,客観的に実行可能でなければ,罪証隠滅はありえません。
被害者が捜査機関に供述した後に死亡しているようなときは,その供述を変更させることは不可能です。
捜査機関によって押収されている証拠を毀損・隠滅したりすることもできません。
証拠に対する具体的な働きかけが予想される場合においても,その働きかけによって罪証隠滅の効果を生じる実効性があると認められなければなりません。
捜査機関により関係者の供述や証拠が保全されているか,罪証隠滅行為によって重要な証拠の保全が妨げられて起訴不起訴の判断に影響を及ぼすおそれがないか,公判において検察官の立証活動が不当に妨害されることにより犯罪事実の認定や量刑に重要な影響を及ぼすおそれがないか,といった観点を総合して判断することになります。

罪証隠滅の主観的可能性,具体的な罪証隠滅行為に出る意図があるかが判断されます。
実際上は,客観的に罪証隠滅の余地が大きく,罪証隠滅行為を容易に行い得る状況にあるときは,罪証隠滅の意図をもたないと認められることは少ないです。
虚偽の弁解や客観的に明らかな事実と矛盾する供述を繰り返したり,追及されると供述を変えたりしているような場合は,罪証隠滅の意図が推認されることが多いです。
当初から一貫して詳細な自白をし,真に反省・後悔した態度を示しているなどという状況は,罪証隠滅の意図のないことを窺わせる根拠となります。

「逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき」は,刑事訴追や刑の執行を免れる目的で所在不明となることをいいます。
年齢が若い,都会に単身で居住している,職業も水商売などを転々としている,暴力団体の構成員に知り合いの者がいる,などという場合は逃亡のおそれが認められやすくなります。
相当な年齢で,配偶者や子供もいて,これまで長年月定職に就いてかなりの地位に就いていて,住む場所も自己所有の家で,居住期間が長い,などという場合は生活が安定していて逃亡のおそれが認められにくくなります。
事案が重大で非常に重い刑を科されることが予想されること,重い処分につながる可能性のある前科前歴があること,暴力団体の組織との結びつきが強くて組織力を利用して身を隠せること,などが処罰を免れる目的などで身を隠そうとすることを強く窺わせる状況と判断されます。
他に余罪のあることも考慮されます。
被告人の供述態度が悪ければ,逃亡の意図があると認められやすくなります。

勾留の理由があっても,実質的な必要性を欠くときは勾留することは許されません。
勾留の本来の目的に照らして身体を拘束しなければならない積極的な必要性・公的な利益と,その拘束によって蒙る不利益・苦痛や弊害とを比較衡量して,前者が極めて弱い場合や後者が著しく大きい場合は,勾留の実質的な必要性に欠けると判断されます。
最終的な判断は,事案の軽重や勾留の理由の度合・罪証隠滅や逃亡のおそれの強さと相関関係に立つことになります。
事案の重大性,起訴の可能性,捜査の進展度合,被疑者の仕事・家庭・健康等の事情,が具体的に考慮されます。

以上のような勾留の判断要素を具体的に検討して,勾留を争って釈放を求めていくことになります。
釈放が認められるかどうかは,弁護人個々人の能力によって大きく左右されます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,これまで数多くの釈放実績を積み重ねてきました。
釈放が認められるためには個々のケースにおいてどのような主張をすればいいかを心得ております。
北海道で逮捕・勾留され,相談・依頼したいという方は,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士による有料の初回接見サービスをご利用ください。
接見して状況を確認した後,説明させていただいた後に,正式契約となったら事件を対応させていただきます。
迅速な対応が必要となりますので,お早めにご相談ください。

泥酔した相手と性行為をして犯罪に

2023-05-15

泥酔した相手と性行為をして犯罪に

泥酔した相手と性行為をしたことで問題となる罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。

【ケース】

北海道札幌市厚別区在住のAさんは、札幌市厚別区内の会社に勤める会社員です。
Aさんは事件当日、帰宅しようとしていたところ、札幌市厚別区内の公園のベンチに横たわるVさんを見かけました。
Vさんは意識はあるものの明らかに酔っていて、呂律も回っておらず、生返事しかできないような状況でした。
AさんはVさんに「ここだと寒いから俺の家に来なよ」と言い、Vさんに肩を貸す形でAさんの自宅まで連れて行き、自室でVさんと性行為をしました。

翌日、Aさんが目覚めるとVさんはおらず、しばらく経った後Aさんの家に札幌市厚別区内を管轄する札幌方面厚別警察署の警察官が来て話を聞きたいので署まで同行して欲しい旨言われました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【泥酔した相手とした性行為について】

当然のことながら、性行為をする際は、性行為をすることについて両者の同意があることが前提となります。
では同意がなかったからと言って犯罪になるかというとそうではなく、強制性交等罪に当たる場合に処罰されることになります。
強制性交等罪の条文は以下のとおりです。

刑法177条 13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

条文のとおり、相手方の同意がなかった場合でも、加害者が被害者に対して暴行又は脅迫を用いなければ、強制性交等罪には当たらず罪に問われることはありません。
ケースについて検討すると、AさんはVさんに脅迫をしたり暴行を用いたりすることなく自宅に連れ込んで性行為をしているため、強制性交等罪には当たらないと考えられます。

しかし、性行為をする前段階から、Vさんは泥酔していて生返事しかできないような状態だったことから、性行為をする判断能力がなかったと考えられます。
この場合、準強制性交等罪の成立が検討されます。
条文は以下のとおりです。

刑法178条2項 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条の例による。

Aさんは、Vさんが泥酔、すなわち心神喪失(物事を判断する能力や判断に従って行動する能力を失っている状態)若しくは抗拒不能(抵抗が著しく困難な状態)の状態に陥っていることに乗じて、性行為をしたと評価される可能性があるのです。
この場合は準強制性交等罪が適用され、強制性交等罪の例に拠る、つまり5年以上(20年以下)の懲役刑に処せられる、ということになります。

準強制性交等罪は「準」と付いているため軽い罪であるというイメージをお持ちの方もいるようですが、そうではありません。
むしろ、相手が抵抗できないのに、それに乗じて性行為をするのは卑劣であるとして、裁判で強制性交等罪の相場より重い刑罰が科せられる可能性があります。
準強制性交等罪で捜査を受けている方、家族が準強制性交等罪で逮捕・勾留されている方は、すぐに弁護士に相談することをお勧めします。

北海道札幌市豊平区にて、家族が準強制性交等罪で逮捕・勾留されている場合、あるいは御自身が準強制性交等罪で逮捕される可能性がある行為をしてしまったという場合、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご連絡ください。

執行猶予を勝ち取りたい

2023-05-12

執行猶予を勝ち取りたい

犯罪をして逮捕・勾留され,起訴されて裁判となったら,実刑で刑務所に入ることを避けるため,執行猶予を勝ち取る必要があります。
執行猶予には保護観察が付される可能性もあります。
今回は刑の全部の執行猶予と保護観察について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説いたします。

(刑の全部の執行猶予)
第25条 次に掲げる者が三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金の言渡しを受けたときは,情状により,裁判が確定した日から一年以上五年以下の期間,その刑の全部の執行を猶予することができる。
一 前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
二 前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても,その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から五年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
2 前に禁錮以上の刑に処せられたことがあってもその刑の全部の執行を猶予された者が一年以下の懲役又は禁錮の言渡しを受け,情状に特に酌量すべきものがあるときも,前項と同様とする。ただし,次条第一項の規定により保護観察に付せられ,その期間内に更に罪を犯した者については,この限りでない。

<1項 刑の全部の執行猶予>

刑の全部の執行猶予は,有罪判決に基づく刑の全部の執行を一定期間猶予し,その間にまた犯罪をしないことを条件として刑罰権を消滅させる制度です。
犯罪の悪質性や損害が小さく,前科・前歴が少ない等の事情も考慮して,実刑にする必要性がそれほど大きくない場合に認められます。
犯人に対し,実刑で刑務所に入れることによる弊害をできるだけ避け,執行猶予の取消しの可能性を示して犯罪を行わないで更生することを求め,再犯防止を実現させるものです。

「前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者」は,今回の罪が裁判にかけられて刑の全部の執行猶予を言い渡そうとする判決の言渡しの前に,という意味です。
前の罪と今回の罪の犯行日時の前後は問題となりません。
控訴・上告されて高等裁判所・最高裁判所が判決をする場合も,その言渡しの時点が基準となります。
禁錮以上の刑に処せられたとは,禁錮以上の刑に処せられるべき犯罪を行ったことをいうのではなく,現に禁錮以上の刑に処する確定判決を受けたことをいいます。
処せられたとは,その刑の執行を受けたことをいうものではないので,刑の執行が猶予された場合も処せられたことになります。
刑の全部の執行猶予の期間が経過して言渡しの効力を失ったとき等は,禁錮以上の刑に処せられたことがないことになります。

「前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても,その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から五年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない者」は,実刑で刑務所での受刑期間が満了したり,仮釈放を取り消されることなくその期間を満了したりすることをいいます。
満了日から今回の裁判での刑の言渡しまでの間に,禁錮以上の刑に処せられることなく5年以上の期間が経過していれば,執行猶予が可能になります。

「三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金の言渡しを受けたとき」に執行猶予が可能であり,それを超える懲役・禁錮・罰金や,拘留・過料は対象外となります。

裁判所の裁量で「情状により」認められます。
刑の全部の執行猶予を付けるべき事案でないのに,刑の全部の執行猶予を付けた場合も,その逆の場合も,量刑不当として上訴審による是正の対象となります。
犯行態様の悪質性や結果の重大性から犯罪行為を評価し,犯罪後の事情や個々の人的な属性・環境・再犯のおそれなどを考慮して,総合的に判断をされます。
動機に酌むべき事情があること,犯罪により生じた実害が皆無ないし軽微であること,示談が成立しているか実害が弁償されていること,被害者側に落ち度があること,犯人が若年者又は高齢者であること,その者がいなければ家族が生活できないような特別の事情があること,前科・前歴がないか古いものであること,犯罪後の改悛の情が顕著であること,などを総合的に考慮されます。

執行猶予の期間は,「裁判が確定した日から一年以上五年以下の期間」で決められます。
猶予期間は,刑の執行を受けなくなる期間であることから,犯人が反省してこれ以上犯罪を行わないで更生することができるかを確認するために必要な期間か,という観点から定められます。

<2項 再度の刑の全部の執行猶予>

「前に禁錮以上の刑に処せられたことがあってもその刑の全部の執行を猶予された者」は,今回の裁判の刑の言渡しの時点で,刑の全部の執行猶予中の者をいいます。
言渡しの時点で刑の全部の執行猶予の期間が経過して言渡しの効力を失ったときは,2項ではなく1項が適用されることになります。
執行猶予期間中にまた犯罪を行った人については,1項より厳格な判断で再度の執行猶予が認められることになります。

今回の裁判で,「一年以下の懲役又は禁錮の言渡しを受け」た人が対象になります。

「情状に特に酌量すべきものがあるとき」は,1項の場合よりも厳しく判断されます。
犯罪の情状が特に軽微で実刑を科す必要性が乏しく,かつ,犯人がきちんと反省して更生の見込みが大きい,ことを意味すると解されております。

保護観察中の刑の全部の執行猶予中だった者に対しては,再度の刑の全部の執行猶予は許されません。
2項で再度の執行猶予となった者には,必ず保護観察に付されます。

(刑の全部の執行猶予中の保護観察)
第25条の2 前条第一項の場合においては猶予の期間中保護観察に付することができ,同条第二項の場合においては猶予の期間中保護観察に付する。
2 前項の規定により付せられた保護観察は,行政官庁の処分によって仮に解除することができる。
3 前項の規定により保護観察を仮に解除されたときは,前条第二項ただし書及び第二十六条の二第二号の規定の適用については,その処分を取り消されるまでの間は,保護観察に付せられなかったものとみなす。

保護観察は,犯罪をした者に対し,社会内において適切な処遇を行うことにより,再び犯罪をすることを防ぎ,善良な社会の一員として自立し,改善更生することを助けるとともに,犯罪予防の活動の促進等を行い,もって,社会を保護し,個人及び公共の福祉を増進することを目的とします。
刑務所に入れなくても更生が可能と思われる者に対して,保護観察対象者の改善更生を図ることを目的として,指導監督や補導援護を行うことにより実施されます。
刑の全部の執行猶予中の保護観察は,その執行猶予の全期間にわたって付されるべきもので,その一部の期間だけに付することはできません。
第25条第1項の刑の全部の執行猶予の際に保護観察に付するかどうかは裁判所の裁量であり,それを付けることが被告人の更生と再犯の防止の観点から適当かどうかを考慮して判断することになります。
罰金刑を言い渡す場合にも保護観察に付することができます。

保護観察は,執行猶予期間中にまた犯罪を行って刑の言渡しを受ける場合に,再度の刑の全部の執行猶予にすることができない,という意味では,不利益な処分です。

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