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【事例解説】同居中の大学生の友人が大麻を所持していたとして大麻取締法違反で逮捕(後編)
同居中の大学生の友人が大麻の所持で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説します。
事例
北海道札幌市に住む大学生のAさんは、同じ大学の友人Bさんと同居しています。
ある日、同居する自宅に警察がやって来て、「豊平警察署の者だ。大麻所持の罪でBを逮捕する」といって、Bさんを逮捕していきました。
Aさんは、Bさんが大麻を使用していたことは知っていたので、自分にも捜査が及ぶのではないかと不安になり弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)
事例のAさんの場合
捜査機関が、薬物乱用者や薬物密売人の住居を家宅捜索し、薬物を発見した場合、そこに同居している者がその薬物についての共同所持の疑いで逮捕されるケースは少なくありません。
今回、AとBは同じ家で共同生活をしていますが、Aに大麻の共同所持が認められるためには、Bとともに、あるいはBと同じようにそれらの大麻を管理し処分し得るような状態であったことが必要になります。
たとえば、Bが大麻を普段どこに保管しているのかをAが把握しており、BもAに対しその使用や処分を可能にさせていた場合などがそれに当てはまるでしょう。
Aさんが大麻の保管場所などを全く知らなかった場合は、大麻の共同所持罪に問われることはないでしょう。
いち早く弁護士に相談を!
もしAさんが警察署に任意出頭し、取調べを受けることになった際には、取調官の誘導に乗り自己に不利な供述がとられないように留意しながら取調べに対応する必要があります。
取調べでどのように対応すべきかについて、弁護士から事前に適切なアドバイスを受けることは有益です。
大麻の共同所持が疑われており、犯罪事実を否定する場合には、できる限り早期に弁護士に相談し、不起訴を目指すのがよいでしょう。
また、もし起訴されて裁判になったとしても弁護士と綿密に打ち合わせをして裁判に臨むことにより、被告人にとってより良い結果が得られる可能性が高まります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件の対応にお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
北海道余市郡で大麻所持で逮捕・勾留された架空の事例を踏まえて検討―保釈はすぐには認められない?
北海道余市郡で大麻所持で逮捕・勾留された架空の事例を踏まえて検討―保釈はすぐには認められない?
大麻所持で問題となる罪と保釈の手続きについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道余市郡在住のAさんは、余市郡内で自営業で生計を立てています。
事件当日、Aさんは余市郡内の路上で余市郡内を管轄する札幌方面余市警察署の警察官による職務質問を受け、それに付随して行われた所持品検査にて、乾燥大麻8gが見つかりました。
Aさんはその日は帰宅して良いと言われましたが、翌日、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士による無料相談を受けたところ、後日逮捕される可能性が高く、起訴されてから保釈を目指すことになると説明を受けました。
≪ケースはすべてフィクションです。≫
【大麻の所持について】
昨今、一部の国で大麻が解禁されたと報じられています。
大麻の解禁といっても、国によっては嗜好用の大麻ではなく医療用の大麻のみ合法化した、という国もあります。
我が国の場合、医療用大麻については解禁の動きが出ていますが、少なくとも現行法では大麻の所持は大麻取扱者を除き、認められていません。
大麻取締法24条の2第1項 大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、5年以下の懲役に処する。
【保釈は起訴されるまで請求できない】
逮捕された方やその家族の方から、「すぐに保釈されますか」という質問をよく受けます。
法律用語でいう保釈とは、裁判官が保釈を許可し、保釈保証金を裁判所に預けることで、勾留の執行を停止することを指します。
この保釈は、一般的に弁護人が請求することで裁判官が検察官の意見をも踏まえて検討することになりますが、被疑者段階では保釈は認められず、起訴されて被告人という立場になって初めて、請求できることになっています。
被疑者が逮捕された場合、逮捕から最大72時間以内に勾留請求され、裁判官が勾留を認めた場合、まずは10日間の身体拘束が行われます。
捜査機関は被疑者が勾留されている間に捜査を進めますが、10日間で捜査が終わらない場合、10日間の勾留延長が認められています。
多くの事件では、この勾留延長の期間まで被疑者を勾留して、検察官は起訴するかどうか判断します。
この捜査段階での勾留期間には保釈は請求できないことになります。
更に、最大20日間の勾留期間を経て、被疑者が不起訴・略式手続(罰金又は科料)・処分保留のいずれかの理由で釈放されることもありますが、勾留されたまま起訴された場合、その後も勾留は続きます。
この起訴後の勾留期間は2ヶ月間となっていますが、その後も1ヶ月ずつの延長が認められているため、保釈請求をしなければ、判決が言い渡されるまでずっと勾留が続く可能性もあります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、大麻所持事件を含めこれまで数多くの刑事事件・少年事件に携わってきました。
保釈請求は、事件ごとに主張する内容が異なるだけでなく、保釈請求するタイミングも重要です。
北海道余市郡にて、大麻所持事件で逮捕される可能性がある方、家族が逮捕され保釈のタイミングや保釈請求でどのような主張をする必要があるのか知りたいという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご連絡ください。
北海道札幌市でMDMAを所持していて逮捕されたという事例を想定して執行猶予を求める弁護活動について考える
北海道札幌市でMDMAを所持していて逮捕されたという事例を想定して執行猶予を求める弁護活動について考える
北海道札幌市で発生した架空のMDMA所持の事例を通じて、麻薬取締法違反の罪と、執行猶予を求める際の情状弁護の重要性について解説します。この記事では、法律用語を分かりやすく説明し、リアリティのあるフィクション事例を用いて、麻薬取締法の適用と情状弁護の活動に焦点を当てます。
麻薬取締法とは何か?
日本における麻薬取締法は、麻薬および向精神薬の製造、輸入、輸出、所持、使用を厳しく規制する法律です。この法律の主な目的は、薬物乱用とその流通を防ぎ、公衆衛生と社会の安全を守ることにあります。MDMAは、その精神活性効果と乱用の可能性のため、麻薬取締法の下で厳しく管理されている物質の一つです。この法律に違反した場合、懲役刑や罰金刑が科されることがあり、その罰則は非常に厳しいものとなっています。日本では、麻薬の所持は重大な犯罪とみなされ、法律により厳しく取り締まられています。麻薬取締法による規制は、社会全体の安全を守るために不可欠であり、MDMAを含む麻薬の不正な流通と使用を防ぐための重要な手段です。
事例:北海道札幌市での架空のMDMA所持事件
北海道札幌市の架空の事例では、Aさんが夜の街を歩いているところを警察に職務質問されました。
不安な様子と避ける目線が警察の疑念を呼び、バッグの中からMDMAと思われる錠剤が見つかります。
Aさんはこれが自分のものではないと主張しましたが、警察は彼をMDMA所持の疑いで現行犯逮捕しました。
この事例は、札幌市の架空のシナリオであり、実際の人物、場所、出来事とは関係ありません。
札幌市で起こったこの架空の事例は、MDMA所持がどのようにして疑われ、法的な問題に発展する可能性があるかを示しています。
日本では、薬物所持は重罪と見なされ、厳しい罰則が科されます。
このような状況は、市民が常に警戒し、法律を遵守する必要があることを強調しています。
MDMA所持が問題となる理由
MDMA所持が法的に問題となる主な理由は、その健康への潜在的な害と、乱用による社会的な影響にあります。
MDMAは、向精神薬としての分類を受け、精神活性効果があるため、使用者に幻覚や極端な幸福感を引き起こすことがあります。
これらの効果は、使用者の判断力を鈍らせ、危険な行動を促す可能性があります。
さらに、MDMAの乱用は依存症を引き起こすことがあり、長期的な健康問題や精神障害をもたらすことが知られています。
日本の法律では、公衆衛生を守り、薬物乱用を防止するために、MDMAを含む麻薬及び向精神薬の所持を厳しく禁じています。
MDMA所持が発覚した場合、逮捕や起訴に至ることがあり、有罪判決を受けた場合には懲役刑や罰金刑が科されることが一般的です。
これは、個人だけでなく社会全体にとっても重大な問題であり、法律遵守の重要性を示しています。
職務質問と所持品検査のプロセス
日本における職務質問は、警察官が犯罪の予防や解明のために行う一般的な手続きです。
特に、薬物関連の疑いがある場合、警察官は個人に対して職務質問を行い、状況に応じて所持品検査を実施することがあります。
このプロセスは、公共の安全を確保し、薬物の不正流通を防ぐために重要な役割を果たします。
職務質問は、通常、不審な行動をしていると警察官が判断した場合に行われます。
警察官は、質問の理由を明確にし、質問が任意であることを告げる必要があります。
所持品検査に進む前には、通常、個人の同意が必要ですが、状況によっては令状なしで検査が行われることもあります。
MDMAなどの違法物質が発見された場合、その瞬間から法的な手続きが開始され、逮捕に至ることがあります。
このプロセス全体は、個人の権利と公共の安全のバランスを保ちながら慎重に行われる必要があります。
MDMA所持に対する法的な罰則
MDMA所持に対する法的な罰則は、日本の麻薬及び向精神薬取締法に基づいて厳しく定められています。
この法律は、MDMAを含む麻薬及び向精神薬の不正な流通と使用を防ぐことを目的としており、所持だけでなく、製造、輸入、輸出、使用も禁止しています。
MDMA所持が確認された場合、その量や状況に応じて、懲役刑や罰金刑が科される可能性があります。
一般的に、所持量が少量であっても、懲役数年から始まる刑罰が課されることが多く、大量に所持していた場合や、販売目的であった場合には、より重い刑罰が科されます。
また、MDMA所持による有罪判決は、個人の犯罪歴に記録され、将来にわたって様々な社会的、職業的影響を及ぼす可能性があります。
例えば、就職活動や海外旅行の際に不利になることが考えられます。
このように、MDMA所持に対する罰則は非常に厳しく、個人の人生に深刻な影響を与えるため、法律を遵守し、薬物から遠ざかることが重要です。
情状弁護とは何か?
情状弁護は、裁判において被告人の行為を軽減する事情を主張し、より軽い刑罰を求める法的戦略です。
このアプローチは、特にMDMA所持のような麻薬関連犯罪において、重要な役割を果たします。
情状弁護には、被告人が薬物を所持していた背景、依存症の有無、反省の程度、社会復帰への意欲など、多岐にわたる要素が考慮されます。
例えば、初犯であること、薬物依存症からの回復に向けて積極的な姿勢を見せていること、社会的な支援体制が整っていることなどが、情状弁護の有力なポイントとなり得ます。
情状弁護を通じて、裁判所は被告人に対して執行猶予付きの判決を下すこともあります。
これにより、被告人は刑務所に服役する代わりに、一定期間、社会内での行動に制限を受けることになります。
執行猶予の期間中に再犯を犯さないことが条件となり、この期間を無事に過ごせば、実際に刑務所に入ることなく罪を償うことができます。
情状弁護は、被告人にとって二度目のチャンスを意味し、社会復帰への道を開く重要な法的手段です。
執行猶予を求める際のポイント
執行猶予を求める際には、裁判所に対して被告人が再犯のリスクが低いこと、社会にとって有益な存在であることを証明する必要があります。以下は、執行猶予を得るための重要なポイントです。
- 反省の真摯さの表明: 被告人が犯した行為に対して深く反省していることを示すことが重要です。これは、裁判所に対する陳述や、反省文を通じて表現されることが多いです。
- 社会復帰のための具体的な計画: 職業訓練への参加や、薬物依存症治療プログラムへの登録など、社会復帰に向けた具体的な計画を立て、これを裁判所に提示することが求められます。
- 家族や社会からの支援: 家族や友人、地域社会からの支援があることを示すことで、被告人が安定した環境にいること、社会復帰後のサポートが確保されていることをアピールできます。
- 過去の犯罪歴の有無: 初犯である場合や、過去に軽微な犯罪であった場合は、執行猶予の獲得に有利に働くことがあります。
- 専門家による意見: 薬物依存症の専門家や社会復帰支援の専門家からのポジティブな意見書も、裁判所に対して有効な証拠となり得ます。
執行猶予を求める際には、これらのポイントを綿密に準備し、被告人が改善に向けて真剣に取り組んでいることを裁判所に認識してもらうことが重要です。これにより、刑罰の軽減だけでなく、被告人にとってより良い将来への道が開かれる可能性があります。
まとめと弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の紹介
本記事では、北海道札幌市で発生した架空のMDMA所持事例を通じて、麻薬取締法違反の罪と、執行猶予を求める際の情状弁護について解説しました。MDMA所持は、日本の法律により重大な犯罪とみなされ、厳しい罰則が科される可能性があります。しかし、適切な法的支援を受けることで、被告人はより良い結果を期待できる場合があります。
このような状況に直面した際には、専門的な法的アドバイスが不可欠です。そのために、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部をご紹介します。当事務所は、薬物所持を含む様々な刑事事件に対応する専門の法律事務所です。長年にわたる刑事法の専門知識と経験を持つ弁護士が、クライアント一人ひとりの状況に合わせたパーソナライズされたサポートを提供しています。
当事務所の特徴
- 経験豊富な弁護士陣: 刑事事件に関する豊富な経験と知識を持つ弁護士が多数在籍しており、薬物所持から交通違反、重大な犯罪まで、幅広いケースに対応可能です。
- 24時間365日のサポート: 法的な問題は予期せず発生します。当事務所では、いつでもクライアントの声に耳を傾けるために、24時間365日体制でサポートを提供しています。
- クライアントとの密接なコミュニケーション: クライアント一人ひとりと密接にコミュニケーションを取り、個々のニーズに合わせた最適な解決策を提案します。
- プライバシーの厳守: 刑事事件におけるプライバシーは非常に重要です。当事務所では、クライアントの情報を厳密に管理し、秘密を守ることを最優先事項としています。
北海道札幌市において、家族がMDMAなどの薬物を所持して逮捕・勾留され執行猶予を求める弁護活動について知りたい場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。
北海道札幌市にて少年が大麻を所持していた場合に成立する罪と保護観察処分について
北海道札幌市にて少年が大麻を所持していた場合に成立する罪と保護観察処分について
北海道札幌市で発生したフィクションの事例を通して、20歳未満の少年が大麻を所持していた場合の法的対応について解説します。この記事では、大麻所持がなぜ問題とされるのか、そして少年法に基づく保護観察処分の意義と流れを詳しく見ていきます。
1. 大麻とは何か?その法的位置づけ
大麻は、通称「草」や「マリファナ」とも呼ばれ、乾燥大麻や大麻樹脂など様々な形態が存在します。
日本では、大麻取締法によりその栽培、所持、使用、譲渡などが厳しく規制されています。
20歳未満の少年が大麻を所持した場合も成人と同様で、捜査する上でやむを得ないとして逮捕・勾留される可能性が高いのみならず、成人であれば起訴された後に保釈が認められますが少年の場合には少年鑑別所に送致される可能性が高く、その意味では成人より厳しい状況下に置かれます。
大麻の所持や使用は、感覚の鈍化や認知機能の低下など、健康にも悪影響を及ぼすと言われています。
このため、法律は大麻の使用を防ぎ、特に若年層の健全な成長を守ることをも目的としています。
北海道札幌市のフィクション事例では、このような背景のもと、少年が大麻所持で逮捕される状況を想定しています。
この事例を通じて、大麻の法的な扱いと、少年法に基づく保護観察処分の重要性を理解することができます。
2.事例:北海道札幌市の少年による大麻所持
北海道札幌市に住む17歳の少年が、友人との集まりで大麻を所持していたところを警察に発見された架空の事例を考えます。
この少年は、これまでに犯罪歴がなく、普段は学校に通う普通の高校生でした。
ある日、友人から「試してみないか」と勧められ、好奇心から大麻を手に入れました。
逮捕された当日、少年は、友人と札幌市内の公園で遊んでいる最中に、パトロール中の札幌方面を管轄する警察官により職務質問・所持品検査が行われ、大麻を所持していることが発覚しました。
この事例は、若者が法律の知識不足や周囲の影響で軽はずみな行動を取ることの危険性を示しています。
また、法律違反が発覚した場合、たとえ初犯であっても、その行為が重大な法的な結果を招く可能性があることを強調しています。
少年は、大麻所持の事実を認め、非常に反省していることや家族の監督体制が整っていることなどを踏まえ、少年審判にて少年法に基づく保護観察処分が言い渡されました。
この処分は、少年が社会生活を続けながら更生を図ることを目的としており、少年院送致などの身体拘束を伴う処分よりも、社会復帰への道が開かれています。
この事例から、若者が法律を理解し、その規範を守ることの重要性が浮き彫りになります。
また、少年法がどのようにして若者の更生と社会復帰を支援するかの一例としても考えられます。
3. 大麻所持に関する法的罰則と少年法の適用
大麻所持に関する法的罰則は、日本の法律において厳格に定められています。
大麻取締法により、無免許での大麻の栽培、所持、譲渡、輸出入などが禁止されており、違反した場合、重い刑事罰が科される可能性があります。
例えば、大麻を所持しているだけで、最大5年の懲役刑に処されることがあります。
しかし、20歳未満の少年が関与する事件には、少年法が適用されることが多いです。
少年法は、少年の更生と社会復帰を目的としており、刑事罰よりも教育的な対応を重視します。
この法律に基づき、少年が犯した過ちに対しては、保護観察処分や少年院送致などの保護処分が選択されることがあります。
保護観察処分は、少年が社会生活を続けながら更生を図るための制度で、保護観察官や保護司の指導のもと、定期的な面談を行います。
このような処分は、少年が犯した過ちをただ罰するのではなく、彼らが社会に復帰し、再び同じ過ちを犯さないよう支援することを目的としています。
大麻所持に関する法的罰則と少年法の適用は、社会の安全と秩序を維持するために重要です。
同時に、少年法は、若者が犯した過ちから学び、健全な社会の一員として成長する機会を提供することを目指しています。
このバランスの取れたアプローチにより、少年は適切な指導と支援を受けながら、将来に向けて前進することができます。
4. 大麻所持の法的な結果と少年法の対応
大麻所持が刑事罰の対象となる理由は、その使用が個人の健康だけでなく、社会全体に悪影響を及ぼす可能性があるためです。
日本の法律では、特に大麻取締法により、大麻の所持、使用、譲渡が厳しく規制されています。
20歳未満の少年が大麻を所持した場合、これは刑事罰の対象となり得ますが、少年法の下では、少年の更生と社会復帰を目指す保護観察処分が適用されることが多いです。
保護観察処分は、少年が通常の社会生活を続けながら、定期的に保護観察官や保護司と面談を行い、更生を図る制度です。
この処分は、少年院送致などのより重い処分を避け、少年にとって負担が少ない方法で更生を促します。
保護観察処分を受けた少年は、遵守事項を守る必要があり、これに違反した場合は、警告を受けることができます。
この制度は、少年が犯した過ちをただ罰するのではなく、彼らが社会に復帰し、再び同じ過ちを犯さないよう支援することを目的としています。
少年法に基づくこのような対応は、少年の将来に対する希望を持ち、彼らの更生を促すための重要な手段です。
5. 大麻所持事件の捜査と逮捕
大麻所持事件における捜査は、通常の刑事事件と同様に進められます。
警察は、大麻所持の疑いがある場合、職務質問や所持品検査を行うことがあります。
例えば、公共の場での不審な行動や情報に基づき、警察が行動に出ることがあります。
逮捕された場合、警察は容疑者に対して詳細な取り調べを行い、大麻所持の事実を確認します。
この過程で、容疑者が未成年である場合、少年法に基づく特別な扱いがなされることがあります。
未成年者の場合、家庭裁判所に送致されることが多く、その後の処分は家庭裁判所の判断に委ねられます。
この捜査と逮捕の過程は、大麻所持という犯罪行為を防ぐための重要な手段です。
同時に、未成年者の場合は、彼らの更生と社会復帰を目指す少年法の枠組みの中で処理されることが多いです。
このように、大麻所持事件は、法的な対応と少年の更生のバランスを取る必要がある複雑な問題です。
6. 大麻所持事件における家庭裁判所の役割
大麻所持事件において、未成年者が関与している場合、家庭裁判所が重要な役割を果たします。
家庭裁判所は、少年法に基づいて少年の更生を目指す機関であり、少年の将来を考慮した処分を行います。
家庭裁判所に送致された少年に対しては、まず家庭裁判所調査官が少年の背景や犯罪に至った経緯を調査します。
この調査には、少年の学校での成績や態度、家庭環境、少年本人や保護者との面談などが含まれます。
調査結果に基づき、家庭裁判所の裁判官は、少年に対する適切な保護処分を決定します。
保護処分には、保護観察処分、児童自立支援施設送致、少年院送致などがあります。
家庭裁判所の判断は、少年の更生と社会復帰を最優先に考え、少年の将来に対する負担を最小限に抑えることを目指しています。
このプロセスは、少年が犯した過ちをただ罰するのではなく、彼らが社会に復帰し、再び同じ過ちを犯さないよう支援することを目的としています。
家庭裁判所の役割は、少年の更生を促し、彼らに二度目のチャンスを与えることにあります。
このように、家庭裁判所は少年事件における法的対応の中心となり、少年の将来に対する重要な決定を行います。
家庭裁判所の判断は、少年の行動の背後にある原因を理解し、適切な指導や支援を通じて少年を更生させることに重点を置いています。
このアプローチは、少年が社会の一員として健全に成長するための支援を提供し、再犯のリスクを減らすことを目的としています。
家庭裁判所による処分は、少年の過去の行動だけでなく、彼らの将来の可能性にも焦点を当てています。
このように、家庭裁判所は少年法の枠組みの中で、少年の更生と社会復帰を支援するための重要な役割を果たしています。
7. 大麻所持事件の社会的影響と予防策
大麻所持事件は、社会に多大な影響を及ぼす可能性があります。
特に若者の間での大麻使用は、健康問題だけでなく、教育や雇用における機会の損失を引き起こす可能性があります。
社会的影響には以下のようなものがあります:
- 健康リスク: 大麻の使用は、特に若年層において認知機能や精神健康に悪影響を及ぼすことが知られています。
- 教育への影響: 学業成績の低下や学校からの中退率の増加など、教育面での影響が懸念されます。
- 社会的なスティグマ: 大麻所持や使用に関連する社会的なスティグマは、個人の社会復帰を困難にすることがあります。
予防策としては、以下のような取り組みが重要です:
- 教育と啓発: 若者を対象とした大麻のリスクに関する教育と啓発活動を強化すること。
- コミュニティベースのプログラム: 地域社会における予防プログラムを通じて、若者が健全な生活態度を身につけることを支援する。
- 家庭内の対話: 家庭内での
オープンな対話を促進し、親や保護者が子どもたちと大麻のリスクについて話し合う機会を提供する。
これらの予防策は、大麻の使用を減らし、若者が健全な成長を遂げるための環境を整えるのに役立ちます。
また、法律遵守の意識を高め、大麻所持に関連するリスクを理解することが重要です。
大麻所持事件の予防と対応は、個人、家庭、教育機関、地域社会、そして法律制度が連携して取り組むべき課題です。
このような包括的なアプローチにより、若者が健康的で安全な環境で成長できるよう支援することが可能になります。
8. まとめと弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の紹介
本記事では、20歳未満の少年が大麻を所持していた場合の法的対応について詳しく解説しました。
大麻所持は、健康リスクや教育への悪影響、社会的スティグマなど、個人および社会に多大な影響を及ぼす可能性があります。
少年法に基づく保護観察処分は、少年が社会生活を続けながら更生を図るための重要な手段です。
家庭裁判所は、少年の更生と社会復帰を目指し、個々の状況に応じた適切な処分を行います。
大麻所持事件の予防と対応は、教育、家庭、地域社会、法律制度が連携することで効果的に行われます。
このような状況に直面した際、専門的な法的支援が必要になることがあります。
そのために、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、刑事事件や少年事件に特化した法律サービスを提供しています。
同事務所は、大麻所持を含む様々な刑事事件に対応し、被疑者やその家族に対して法的アドバイスやサポートを提供しています。
経験豊富な弁護士が、事件の全体像を把握し、適切な弁護方針を立てて、クライアントの権利と将来を守るために尽力します。
札幌支部では、地域社会に根差したサービスを提供し、少年事件における更生と社会復帰の支援に特に力を入れています。
大麻所持事件に関わるすべての人々にとって、適切な法的支援は非常に重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、そのような状況にある人々に対して、専門的かつ包括的な
サポートを提供することで、彼らの権利を守り、最良の結果を目指します。
同事務所の弁護士たちは、クライアント一人ひとりの状況に合わせた個別のアプローチを取り、法的な問題を解決するために献身的に取り組みます。
また、少年法に基づく事件においては、少年の将来に対する影響を最小限に抑えるための方法を模索し、少年及びその家族に寄り添ったサポートを提供します。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、刑事事件や少年事件に関する幅広い知識と経験を有し、クライアントにとって最善の解決策を見つけ出すために努力しています。
北海道札幌市にて大麻所持事件でお子さんが逮捕され、保護観察処分になるか少年院送致などの施設送致になるのか知りたいという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご連絡ください。
北海道札幌市白石区における少年の大麻共同所持事件を想定して保護観察処分の法律解説
北海道札幌市白石区における少年の大麻共同所持事件を想定して保護観察処分の法律解説
北海道札幌市白石区で発生した、少年による大麻共同所持事件。このフィクション事例を通して、日本の法制度下での少年事件における保護観察処分とその遵守事項について詳細に解説します。
事件の概要
北海道札幌市白石区で発生した架空の事例を基に、少年による大麻共同所持事件について解説します。
この事例では、数名の少年が夜間に集まり、一人が持参した乾燥大麻を共に使用しました。
警察の職務質問中に大麻が発見され、少年たちは共同所持の疑いで逮捕されました。
この事件は、日本の法律における大麻取締法の適用と、少年法に基づく保護観察処分の実例を示すものです。
大麻の所持は日本国内で厳しく禁止されており、特に未成年者に対しては法的な処置が異なる場合があります。
本記事では、この架空の事例を通じて、大麻共同所持の法的な側面と、少年法における保護観察処分の詳細について掘り下げていきます。
大麻の共同所持事件(フィクション事例)
北海道札幌市白石区で起きた架空の事例を紹介します。
この事例では、高校を卒業したばかりの少年たちが、ある夜、友人の家で集まることにしました。
彼らの中の一人が、遊び心で持参した乾燥大麻を提案し、興味本位で全員がそれを試すことになりました。
しかし、彼らの行動は近隣住民の通報により警察に知られることとなり、警察官が現場に到着した時、少年たちは大麻を使用している最中でした。
警察の職務質問と所持品検査の結果、乾燥大麻が発見され、少年たちは大麻共同所持の疑いで現行犯逮捕されました。
逮捕後、少年のうち1人の弁護人と付添人を務めた弁護士は、捜査中、繰り返し逮捕・勾留されていた少年から話を聞き、その状況を家族に伝えました。捜査が終わった後、少年は家庭裁判所に送致され、少年鑑別所での収容観護が行われました。弁護士は、少年の反省の程度や保護者による監督体制が整っていること、大麻に関係する友人らとの断交などにより少年に再犯の可能性がないことを主張し、観護措置を求める付添人活動を行いました。
大麻取締法と共同所持
日本の大麻取締法は、大麻の所持、栽培、譲り受け、譲り渡しを厳しく禁じています。
この法律の下では、大麻を物理的に所持していなくても、共同所持の概念により罪に問われることがあります。
共同所持とは、物理的に大麻を持っていなくても、その存在を認識し、管理できる状態にあることを意味します。
例えば、友人が持っている大麻を一緒に使用する場合、その行為自体が共同所持にあたり得ます。
この概念は、判例によっても補強されており、覚醒剤の共同所持に関する判例では、「物理的な把持は必要でなく、管理可能な状態であれば足りる」とされています。
この原則は大麻にも適用され、共同で大麻を使用する行為は、法的に共同所持と見なされる可能性が高いのです。
保護観察処分の概要
少年事件における保護観察処分は、保護処分(少年院送致や児童自立支援施設送致など)の一種で、14歳以上20歳未満の犯罪を犯した少年に適用される制度です。
この処分は、少年の更生を促し、再犯を防止することを目的としています。
保護観察処分は、家庭裁判所による非公開の少年審判で決定されます。
この処分を受けた少年は、指定された保護観察官の指導の下、社会生活を送ることになります。
この制度の特徴は、少年の社会復帰を支援することに重点を置いている点です。
少年院送致の決定を受けた場合は身体拘束を伴いますが、保護観察処分の場合、一般社会で通常の生活を送り乍ら、保護観察官・保護司の監督に従うことが必要となります。
保護観察処分は、少年に刑事罰を科すのではなく、保護処分を課すことで少年の更生と社会復帰を目指した支援措置として位置づけられています。
保護観察処分の遵守事項
保護観察処分を受けた少年は、家庭裁判所が定める特定の遵守事項を守る必要があります。
これらの事項は、少年の更生を促し、再犯を防ぐために設けられています。
遵守事項は大きく分けて、「一般遵守事項」と「特別遵守事項」の二つに分類されます。
- 一般遵守事項
- 法律を守り、犯罪を犯さない。
- 指定された保護観察官の指導に従う。
- 定期的に保護観察官に報告し、面談に応じる。
- 特別遵守事項
- これは個々の少年の状況に応じて設定されます。
- 例えば、夜間外出の禁止、特定の人物との接触禁止、アルコールや薬物の使用禁止などが含まれることがあります。
遵守事項に違反した場合、保護観察官は警告を与えることができ、状況によっては更なる法的措置が取られることもあります。
このように、保護観察処分は少年の行動を制限する一方で、社会復帰を目指すための指導と支援を提供するものです。
遵守事項の違反とその結果
保護観察処分の遵守事項を違反した場合、少年にはさまざまな法的な結果が生じる可能性があります。
この違反は、少年の更生プロセスにおいて重要な転換点となり得ます。
- 警告と指導の強化
- 最初の違反であれば、保護観察官から警告が与えられることが一般的です。
- この段階では、指導の強化や生活環境の見直しが行われることがあります。
- 家庭裁判所への報告
- 違反が重大であるか、繰り返される場合、保護観察官は家庭裁判所に報告します。
- この報告により、処分の見直しや追加の措置が検討されることになります。
- 施設送致の可能性
- 違反が重大である場合、少年は保護観察から施設送致へと移行されることがあります。
- これには、少年院送致や児童自立支援施設への送致が含まれます。
遵守事項の違反は、少年の更生プロセスにおいて重要な意味を持ちます。
適切な指導と支援を通じて、少年が社会に再び適応し、健全な生活を送ることが目指されます。
まとめと法的アドバイス
この記事を通じて、北海道札幌市白石区で発生した架空の大麻共同所持事件と、保護観察処分の法的側面について考察しました。
この事例から、未成年者が法に触れる行為に及んだ場合の法的な対応と、その後の更生の道のりについて理解を深めることができます。
- 法律の遵守の重要性
- 大麻取締法の厳格な規定と、共同所持の概念は、法律の遵守がいかに重要かを示しています。
- 更生と社会復帰の支援
- 保護観察処分は、少年が社会に再び適応し、健全な生活を送るための支援を提供します。
- 法的アドバイス
- 未成年者やその保護者は、法律に関する知識を持ち、適切な行動を取ることが重要です。
- 万が一法に触れた場合は、専門家の助言を求め、適切な対応を行うことが求められます。
この事件はフィクションであり、実際の人物や出来事とは関連がありませんが、法律の理解と適切な対応の重要性を示す教訓として価値があります。
法律は社会の秩序を保ち、個人の権利を守るために存在します。そのため、法律を理解し、遵守することは、社会の一員として不可欠です。
まとめと弁護士法人あいち刑事事件総合法律所札幌支部の紹介
本記事では、北海道札幌市白石区で起きた架空の大麻共同所持事件を例に、未成年者の法的問題と保護観察処分について詳しく解説しました。
この事例を通じて、法律の遵守の重要性と、未成年者が法に触れた際の法的対応の重要性を理解することができます。
このような複雑な法的問題に直面した際、専門的な助言が必要です。
ここで、弁護士法人あいち刑事事件総合法律所札幌支部をご紹介します。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律所札幌支部は、刑事事件に特化した法律サービスを提供しています。
彼らの専門家チームは、未成年者を含むさまざまな刑事事件に対応し、被告人やその家族に寄り添ったサポートを行っています。
- 専門性: 刑事事件に特化した知識と経験を持つ弁護士が、複雑な法的問題に対応します。
- 個別対応: 各クライアントの状況に合わせた個別の法的アドバイスを提供します。
- サポート体制: クライアントとその家族に対する心理的なサポートも重視しています。
北海道札幌市白石区にて、お子さんが大麻の共同所持で逮捕されてしまい、保護観察処分を求める弁護活動・付添人活動について知りたいという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律所札幌支部の弁護士による初回接見サービス(有料)をご利用ください。
大麻の所持と法律
大麻の所持と法律
大麻の所持は日本で厳しく取り締まられています。一口に「大麻の所持」と言っても、その成立要件や罰則はさまざまなケースで違います。この記事では、具体的な事例を交えて大麻の所持に関する成立要件と罰則の違いについて解説します。
1 大麻の所持とは何か?
大麻の所持とは、一般的には大麻草またはその製品を無許可で携帯・保管する行為を指します。
この所持には「故意」が必要です。
意図せずに大麻を所持していた場合、一般には成立要件を満たさないとされますが、証明は困難です。
法律用語でいう「故意」とは、その行為を意図して行うことを指します。
日本では、大麻取締法により、大麻の所持は厳しく規制されています。
この法律が定めるとおり、無許可での大麻の所持は犯罪行為とされ、厳しい罰則が科されます。
以上が大麻の所持に関する基本的な情報です。
2 大麻取締法とは?
大麻取締法は、大麻の生産、輸送、所持、使用などに関する規制を定めた日本の法律です。
この法律は1948年に制定され、その後も何度か改正されています。
大麻取締法に違反すると、懲役が科される可能性があります。
特に、大麻の無許可での所持や使用は厳しく罰せられ、初犯であっても状況次第では懲役刑が科されるおそれがあります。
法律用語で言う「懲役」とは、犯罪者を一定期間、刑務所に収容して働かせる刑罰のことを指します。
3 大麻の所持に関する成立要件
大麻の所持に関する成立要件は、主に以下の三点です。
・大麻草(多くはタバコのように加熱して煙を吸引する)またはその成分を含むもの(大麻リキッドと呼ばれる液体様のもの、乾燥大麻をクッキーなどに混ぜている場合もあります)を実際に携帯・保管していること。
・その行為が「故意」であること。
・無許可であること。
これらの要件が全て揃うと、大麻の所持として法的に成立します。
特に、「故意」については注意が必要です。
故意については先にも触れましたが、その行為を意図して行うことが必要です。
例えば、知らない間に大麻が自分のカバンに入っていた場合、その所持は「故意」はないと言えます。
ただし、これを証明するのは非常に困難で、多くの場合で故意が推定されます。
また、「無許可」とは、大麻取締法に基づいた許可や免許がない状態を指します。
例外的に医療や研究目的で大麻を使用する場合もありますが、これには特別な許可が必要です。
4 事例1 自宅での所持
大麻の所持が発覚するケースとして、自宅での発見があります。
この場合、自宅で大麻を保管していたとされる場合、大麻取締法により厳しく罰せられます。
例えば、自宅の引き出しやクローゼットに大麻が隠されていた場合、これは「故意」であると判断される可能性が高いです。
一方で、他人が勝手に自宅に大麻を隠した場合、故意の成立要件が問われるケースもあります。
しかし、実際には、自宅での発見が多くの場合「故意」であると判断され、罰則が科される事例が多いです。
法律用語で「罰則」とは、法律に違反した行為に対して科される刑罰や制裁措置のことを指します。
特に、大麻取締法では、自宅での大麻所持も外出先での所持と同様に厳しく取り締まられます。
5 事例2 車内での所持
車内での大麻所持もよく報道されるケースの一つです。
こちらも自宅での所持と同様、大麻取締法に基づき厳しく罰せられます。
警察が交通違反や車両検査の際に大麻を発見した場合、通常は「故意」であると判断されます。
ただし、車内に複数人がいた場合、誰が大麻を所持していたのかが不明確な状況も考えられます。
このような場合、具体的な証拠がない限り、成立要件に該当しない可能性もあります。
法律用語で「証拠」とは、事実を証明するための手段や資料のことを指します。
例えば、車内で発見された大麻が特定の人物の指紋で覆われているならば、その人物が「故意」で所持していたと判断される証拠となります。
その際、一人の人間が所持していたとしても、同乗していた者にその大麻を所持しているという認識があるような場合には、共同所持の罪として直接所持していた者以外の者も逮捕される可能性があります。
大麻の場合、使用の罪は規定されていませんが、尿検査などが行われて陽性反応が出ることで、共同所持の裏付け証拠となって起訴されることも考えられます。
6 事例3 大麻成分を含む商品の所持
近年、大麻成分(特にCBD)を含む商品が一般的になりつつあります。
しかし、日本においては大麻取締法が適用される場合があり、その所持も違法とされる可能性があります。
例として、海外で合法的に販売されているCBDオイルを日本で所持した場合、その成分にTHC(テトラヒドロカンナビノール)が含まれていると、大麻取締法により罰せられる可能性が高まります。
THCは大麻の成分であり、日本では規制されています。
法律用語で「THC」とは、テトラヒドロカンナビノールの略で、大麻の成分の一つです。
この成分には精神作用があり、大麻取締法によって規制されています。
「CBD」はカンナビジオールの略で、大麻の成分ではありますが、日本では一定の条件下で合法とされています。
7 大麻の所持に対する具体的な罰則
最後に、大麻の所持に対して科される具体的な罰則について説明します。
大麻取締法に基づき、大麻の無許可での所持には以下のような罰則があります。
大麻の所持については、以下のとおり条文で定められています。
大麻取締法24条の2
第1項 大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、5年以下の懲役に処する。
第2項 営利の目的で前項の罪を犯した者は、10年以下の懲役に処し、又は情状により10年以下の懲役及び300万円以下の罰金に処する。
第3項 前二項の未遂罪は、罰する。
大麻の単純な所持の場合は最高で懲役5年、売買や譲渡が目的での所持の場合は最高で懲役10年。
このように、初犯であっても罰金刑がないため略式手続きに付されることがなく正式裁判になり、特に販売目的での所持はさらに重い刑罰が科されます。
また、営利目的での所持が認められた場合、懲役刑に加えて罰金刑が併科されることも考えられます。
法律用語で「最高で」とは、その罪に対して科されることが可能な最も重い刑罰を指します。
一方で、刑の具体的な長さや罰金の額は、裁判での事情や証拠によって決まります。
以上が、大麻の所持に対する具体的な罰則です。
この記事を通じて、大麻の所持とその成立要件、罰則について理解を深めていただければ幸いです。
8 事務所紹介
この記事を通じて、大麻の所持に関する法的な成立要件や罰則、それに伴う具体的な事例について解説しました。
大麻に関する法律は非常に厳格であり、その違反に対する罰則も厳しいものが設けられています。
もし、大麻に関する法的な問題で困っている場合、専門的な法的アドバイスが必要な場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部をご利用いただくことをおすすめします。
この法律事務所は、刑事事件に特化した経験豊富な弁護士が在籍しており、大麻に関する事件でも高い解決率を誇ります。
また、初回相談は無料となっており、家族が逮捕・勾留されている場合には有料の初回接見サービスをご利用いただけます。
以上が、この記事の総括と弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の紹介です。
何か問題が発生した際は、専門の法的支援を受けることで、最良の解決を目指しましょう。
【お客様の声】覚醒剤所持事件で準抗告認容により釈放
【お客様の声】覚醒剤所持事件で準抗告認容により釈放
覚醒剤を所持していた嫌疑で在宅捜査を行ったのち逮捕され勾留されたものの、勾留の決定に対する準抗告申立てを行い、準抗告が認容され釈放になったという事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【事例】
北海道美唄市在住のAさんは、美唄市内の会社に勤める会社員です。
ある日、美唄市内を管轄する美唄警察署の警察官がAさんの家を訪れ、覚醒剤取締法違反で家宅捜索を行いました。
家宅捜索の結果、Aさんの部屋からごく少量の覚醒剤が入ったビニール袋と、覚醒剤を使用する際に利用する器具が発見され、警察官はAさんを在宅で捜査することにしました。
家宅捜索後に当事務所の弁護士による無料相談を受けたAさんは、検討のうえ当事務所の弁護士に弁護を依頼しました。
弁護士は、Aさんの捜査を担当する美唄警察署の警察官に対し、Aさんに逃亡や証拠隠滅のおそれがないとして在宅で捜査を進めるよう求めましたが、警察官はそれは難しいと説明しました。
そして、実際に鑑定の結果が出たのち、Aさんは通常逮捕され、弁護士が勾留しないよう求めたものの勾留が認められました。
そこで弁護士は、勾留の決定を行った裁判に対して不服申立ての手続きである準抗告の申立てを行いました。
結果的に弁護士が行った準抗告は認められ、Aさんは釈放されました。
≪守秘義務・個人情報保護のため、事件地や一部事件内容を変更しています。≫
【身柄拘束の手続きについて】
今回のAさんの事件では、弁護士はAさんの身柄拘束が不要である事案であると考え、まず弁護士は捜査機関(今回は警察官と検察官)と勾留の判断をする裁判官に対して勾留をしないよう求めましたが、警察官が逮捕し、検察官が勾留を請求し、勾留の請求を受けた裁判所の勾留裁判官は、Aさんに勾留が必要であると判断し、勾留の決定を下しました。
勾留請求は逮捕から72時間以内に行われる必要があり、裁判官が勾留を決定したことから、Aさんは勾留請求の日から10日間、身柄拘束されることになりました。
また、勾留は原則1度延長ができることから、最大で20日間、身柄拘束されることになります。
【勾留に対する準抗告申立て】
前章で勾留の手続きについて簡単に説明しましたが、勾留に対しては、不服申立ての手続きである準抗告申立てと、勾留の決定後に事情が変ったことを理由に勾留の取消しを求める勾留取消請求を行う手続きにより、釈放を求めることができます。
準抗告については、不服申立ての手続きですので、勾留の判断が誤りであるという主張を行います。
準抗告を受けた裁判所は、勾留の決定を下した裁判官とは別の裁判官が3人集まり(合議体)、勾留の判断について検討します。
弁護士が行った準抗告が認められた場合(認容された場合)には釈放されることになります。
なお、勾留の判断に際し裁判官が勾留却下の判断をした場合に、検察官が準抗告を申立てる場合もあります。
これについて合議体が勾留の判断が妥当ではないと判断した場合、勾留却下の判断は覆され、被疑者は勾留されます。
薬物事件の場合、釈放は極めて難しいと言えますが、今回のAさんの事例のように準抗告申立てなどにより釈放が認められる場合もあります。
覚醒剤所持の嫌疑でご家族が逮捕され勾留された場合、諦めることなく弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご連絡ください。
まずは弁護士が初回接見サービス(有料)を行い、準抗告が認められる可能性がある事件なのか等を確認のうえ、御報告致します。
覚醒剤所持事件で贖罪寄附
覚醒剤所持事件で贖罪寄附
覚醒剤所持により捜査され起訴されたという事例を想定し、贖罪寄附などの弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道江別市在住のAさんは、江別市内の会社に勤める会社員です。
Aさんは覚醒剤を使用するようになり、しばらくの間使用を止めていましたが、その間も所持し続けていました。
ある日、Aさんは覚醒剤の結晶が入った財布を江別市内の商業施設で落としてしまい、それを拾って届けられたことで、受け取った江別市内を管轄する江別警察署の警察官は覚醒剤の所持に気付き、捜査を経てAさんを通常逮捕しました。
逮捕されたAさんは、反省していることを示したいと考えましたが、覚醒剤の所持については被害者がいないためどのようなかたちで反省の意を示すか悩んでいたところ、弁護士のアドバイスを受け、贖罪寄附を実施しました。
≪ケースはすべてフィクションです。≫
【覚醒剤の所持について】
覚醒剤は、「フエニルアミノプロパン、フエニルメチルアミノプロパン及び各その塩類」や「同種の覚醒作用を有する物であって政令で指定するもの」と定義されています。(覚醒剤取締法2条1項1号)
多くは結晶、あるいはそれを砕いて粉のような状態で所持し、液体に溶かして注射器などで打つという方法で濫用される場合が多いようです。
また、ヤーバーと呼ばれる錠剤タイプの覚醒剤もあります。
覚醒剤は神経を興奮させる効力があるため、一時的な快楽を得られる場合もあるようですが、幻覚や幻聴に悩まされるなどの悪影響が大きいという特徴があります。
また、依存性が高いという特徴もあるため、興味本位で一度使っただけでも、身体がそれを欲してしまい、自分の意志ではやめられないという場合も少なくありません。
そのため、我が国では医療目的の場合を除き、覚醒剤の使用や所持、密輸入、製造などを禁止しています。
覚醒剤所持の場合の罰条は以下のとおりです。
覚醒剤取締法41条の2
1項 覚醒剤を、みだりに、所持し、譲り渡し、又は譲り受けた者…は、10年以下の懲役に処する。
2項 営利の目的で前項の罪を犯した者は、1年以上の有期懲役に処し、又は情状により1年以上の有期懲役及び500万円以下の罰金に処する。
3項 前2項の未遂罪は、罰する。
【贖罪寄附について】
暴力事件や性犯罪事件のように被害者がいる事件では、最も重要な弁護活動の一つとして示談交渉が挙げられます。
他方で覚醒剤所持のような被害者がいない事件や、被害者がいる事件でも被害者が謝罪や弁済を拒否・留保している場合、示談交渉を行うことができません。
このような場合に、贖罪寄附を行うという選択肢があります。
贖罪寄附は、日本弁護士連合会や日本司法支援センター(法テラス)などが行っている手続きで、事件についての反省を寄附というかたちで示します。
寄附金は、犯罪被害者支援や難民支援、交通遺児の方のために利用されます。
日本弁護士連合会のパンフレット(2017年~2019年度のアンケート)によると、利用者の81%が「情状に考慮されたと思う」と回答しています。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、これまで覚醒剤を含め数多くの薬物事件の弁護活動を経験してきました。
ケースのように贖罪寄附を行う場合、事件の性質や経済状況によって、効果的な金額が異なります。
北海道江別市にて、覚醒剤所持の嫌疑で捜査を受けていて、贖罪寄附をお考えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士による初回接見サービス(有料)をご利用ください。
脱法ハーブの所持で保釈請求
脱法ハーブの所持で保釈請求
脱法ハーブと呼ばれる違法薬物を所持していた場合に問題となる罪と、保釈請求の手続きについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道余市郡在住のAさんは、余市郡内で自営業として生活しています。
Aさんは友人に悩みを相談した際、その者から「脱法ハーブという合法な薬があるから使ってみない」と誘われ、本物のお香のようにして火を付けて吸引していました。
ある日、Aさんは余市郡内で車を運転していたところ、札幌方面余市警察署の警察官から職務質問を受け、その際に脱法ハーブと称した薬物が見つかりました。
当日は家に帰ることができたAさんですが、数ヶ月経った後、札幌方面余市警察署の警察官がAさんの自宅に来て、Aさんを脱法ハーブの所持で逮捕しました。
≪ケースはすべてフィクションです。≫
【脱法ハーブと呼ばれる薬物について】
覚醒剤や大麻などと同様、社会問題になっている薬物の一つに危険ドラッグがあります。
危険ドラッグは固形・液体様々な形状のものがあり、お香やアロマなどと聞こえの良い名称で呼ばれることも多いです。
ケースのような脱法ハーブと称されるものについても、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(通称:薬機法)に違反する成分を含む違法薬物にあたるものがあり、これらは危険ドラッグの一種として所持や使用を規制しています。
脱法ハーブの場合、見た目はハーブティーのような乾燥した植物片の集まりのようにしか見えません。
しかしてその実態はというと、植物に興奮作用や幻覚作用がある合成化学物質を添加されています。
脱法ハーブをはじめとする危険ドラッグは薬機法で所持や使用、輸出入、製造等が禁止されていて、Aさんのように所持や使用をした場合には以下の条文が問題となります。
薬機法76条の4 指定薬物は、疾病の診断、治療又は予防の用途及び人の身体に対する危害の発生を伴うおそれがない用途として厚生労働省令で定めるもの…以外の用途に供するために製造し、輸入し、販売し、授与し、所持し、購入し、若しくは譲り受け、又は医療等の用途以外の用途に使用してはならない。
同法84条 次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
28号 第76条の4の規定に違反した者
【保釈の手続き】
刑事事件で逮捕(身柄を拘束)された場合、逮捕から72時間以内に勾留の手続きが行われます。
被疑者についての勾留が認められた場合には、最大で20日間(原則として)警察署の留置場にて身柄を拘束されます。
その後、検察官は起訴(あるいは略式起訴)をするか処分保留で釈放するか、選択する必要があります。
そして検察官が起訴をした場合、被告人を釈放することも出来ますし、捜査に必要であれば起訴後勾留をする手続きを取ります。
起訴後勾留の期間は2ヶ月ですが、その後も1ヶ月毎に延長の手続きをとることができるため、長期間身柄を拘束されるという事案も少なくありません。
起訴された被告人の身柄を解放する方法としては保釈が挙げられます。
保釈は裁判所の職権や任意で行うことも出来ますが、通常は被告人側から保釈を請求することが一般的です。
保釈請求を行うことができる人には被告人本人か弁護士、法定代理人、保佐人、配偶者、直径の親族若しくは兄弟姉妹と決められていますが(刑事訴訟法88条1項)、保釈請求にあたっては求意見を見越した検察官への根回しや裁判所に対して身元引受人の具体的な監督能力や、保釈後の逃亡・証拠隠滅の可能性がないことなどを主張していく必要があるため、実際には専門的な知識が必要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、これまで数多くの保釈請求を行ってきました。
勾留の期間は、被疑者・被告人にとって精神的にも肉体的にも厳しいものがあります。
北海道余市郡にて、家族が脱法ハーブなどの薬物事件で逮捕・勾留され、保釈の可能性や判決の見通しについて知りたいという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士による初回接見サービスをご利用ください。(有料)
MDMA所持事件で黙秘権を行使
MDMA所持事件で黙秘権を行使
MDMAを所持した場合に問題となる罪と、黙秘権がどのような権利なのかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【事例】
北海道夕張郡栗山町在住のAさんは、夕張郡栗山町で自営業をしています。
事件当日、Aさんは仕事で夕張郡内を車で走行していたところ、パトロール中だった夕張郡を管轄する札幌方面栗山警察署の警察官によって制止・降車を求められました。
その後任意で所持品検査が行われたところ、AさんのバッグからMDMA(と考えられる薬物)が出てきたため、札幌方面栗山警察署に任意同行を求められました。
警察署では任意での取調べを受けましたが、その際に黙秘権の告知が行われました。
当日は逮捕されなかったAさんは、今後の見通しや黙秘権がどのような権利なのか知りたいと考え、刑事事件専門の弁護士による無料相談を受けました。
≪ケースはすべてフィクションです。≫
【MDMA所持について】
МDМAとは、3,4-メチレンジオキシメタンフェタミンの略称です。
日本では、エクスタシー、バツ、タマなどとも呼ばれているМDМAは、一見すると可愛く思えるような形状をしたカラフルな錠剤である場合も多いです。
摂取後少し経ってから、気分の高揚が数時間みられるそうです。
しかし、厚生労働省のホームページによると、МDМAを使用・濫用した場合の症状として
錯乱・憂鬱・睡眠障害
高血圧、心臓の機能不全
悪性の高体温による筋肉の著しい障害
腎臓と心臓血管の損傷
脳卒中、けいれん
記憶障害
などが見られるようです。
このように、МDМAは濫用者の心身に悪影響を与えるのみならず、幻覚等の症状によって自傷他害(暴れまわる等して自分や他人を傷つける行為)の恐れがある極めて危険な薬物です。
また、МDМAを購入する費用が反社会的勢力の資金源になっている可能性があります。
МDМAは、麻薬及び向精神薬取締法の定める「麻薬」(麻薬及び向精神薬取締法2条1号)にあたる、いわゆる合成麻薬です。
同法では、МDМAを含む麻薬等の薬物について、免許を持たない者の輸入、輸出、製造、所持、譲渡、譲受、医療目的以外の使用、栽培を禁じています。
ケースについて見てみると、МDМAを医療目的以外で使用しているため、麻薬及び向精神薬取締法に違反します。
また、МDМAを使用するために所持している場合にも麻薬及び向精神薬取締法に違反します。
なお、МDМAの使用やМDМAの自己使用目的での所持の法定刑は7年以下の懲役です。
【黙秘権とは?】
黙秘権という言葉は多くの方がご存知だと思いますが、改めて説明すると、取調べを受ける際に自身の意に反して供述しないという権利が認められています。
法的には、憲法38条1項で「何人も、自己に不利益な供述を強要されない。」と定められているほか、刑事訴訟法では刑事訴訟法198条2項で「…取調に際しては、被疑者に対し、あらかじめ自己の意思に話して供述をする必要がない旨を告げなければならない。」と定められています。
つまり、取調べで被疑者には黙秘権という権利が憲法上保障されていて、検察官や警察官などの取調べ官は取調べを行う前に被疑者に黙秘権があることについて説明しなければならないほか、黙秘している被疑者等に対して無理やり供述させるようなことはできないとされています。
黙秘権により
①主観面での争いがある(故意の有無が罪状に大きく影響する)場合などで、捜査機関に有利な調書を作成されない。
②主観面以外の証拠収集が困難な場合(捜査機関が客観証拠を収集できない状況にある)に被疑者にとって不利な証拠が作成されない。
③被疑者が事件についての記憶が曖昧な状態(うろ覚えな状態)で供述をしないことで、不合理な供述調書の作成を避けることが出来る。
といった点が挙げられます。
他方で黙秘権を行使することでのデメリットについては、法律上はありません。
但し、実際には黙秘権を行使することで、
・取調べでの口調などがより厳しいものになる
・身体拘束のリスクが高まるおそれがある
などの事実上のデメリットがあることも事実です。
黙秘権を行使すべきか否かについては事案によって判断が分かれるため、刑事事件専門の弁護士から説明を受けることをお勧めします。
北海道夕張郡栗山町にて、MDMAの所持などで取調べを受ける可能性がある場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の無料相談をご利用ください。
家族がMDMA所持などの罪で逮捕・勾留されている場合はこちら。