Archive for the ‘薬物事案’ Category

MDMAの所持事件で保釈請求

2022-09-27

MDMAの所持事件で保釈請求

MDMAと呼ばれる薬物を所持した場合に問題となる罪と、保釈請求の手続きについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説いたします。

【ケース】

北海道苫小牧市在住のAさんは、事件当日、苫小牧市内の駐車場に自車を停車させ眠っていたところ、苫小牧市内を管轄する苫小牧警察署の警察官から窓をノックされ、職務質問と所持品検査を求められました。
Aさんは職務質問や所持品検査を拒みましたが、Aさんには薬物事案の前科があったことから令状捜査が行われ、車の中からMDMAと呼ばれる違法薬物が発見されたため、Aさんは現行犯逮捕されました。

Aさんの家族は、Aさんの保釈を求め弁護士に弁護を依頼しました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【MDMA所持の場合の罪】

МDМAとは、3,4-メチレンジオキシメタンフェタミンの略称です。
日本では、エクスタシー、バツ、タマなどとも呼ばれているМDМAは、一見すると可愛く思えるような形状をしたカラフルな錠剤である場合も多いです。
摂取後少ししてから、気分の高揚が数時間みられるそうです。
しかし、厚生労働省のホームページによると、МDМAを使用・濫用した場合の症状として
錯乱・憂鬱・睡眠障害
高血圧、心臓の機能不全
悪性の高体温による筋肉の著しい障害
腎臓と心臓血管の損傷
脳卒中、けいれん
記憶障害
などが見られるようです。
このように、МDМAは濫用者の心身に悪影響を与えるのみならず、幻覚等の症状によって自傷他害(暴れまわる等して自分や他人を傷つける行為)の恐れがある極めて危険な薬物です。
また、МDМAを購入する費用が反社会的勢力の資金源になっている可能性があります。

МDМAは、麻薬及び向精神薬取締法の定める「麻薬」(麻薬及び向精神薬取締法2条1号)にあたる、いわゆる合成麻薬です。
同法では、МDМAを含む麻薬等の薬物について、免許を持たない者の輸入、輸出、製造、所持、譲渡、譲受、医療目的以外の使用、栽培を禁じています。
ケースについて見てみると、МDМAを医療目的以外で使用しているため、麻薬及び向精神薬取締法に違反します。
また、МDМAを使用するために所持している場合にも麻薬及び向精神薬取締法に違反します。
なお、МDМAの使用やМDМAの自己使用目的での所持の法定刑は7年以下の懲役です。

【保釈請求について】

刑事事件を起こした被疑者は、原則として在宅で捜査されますが、被疑者が逃亡する恐れや証拠隠滅する恐れがあると認められた場合には逮捕・勾留の手続きが行われ、被疑者は身柄拘束されます。
逮捕から勾留までは最大72時間で、勾留は最大で20日間と定められていますが、勾留の期間内に検察官が被疑者を起訴した場合、被告人という立場で起訴後勾留されます。
起訴後勾留の期間は2ヶ月ですが、その後も1ヶ月毎の更新が認められているため、基本的に判決言い渡しが行われるまでの間、被告人の身柄拘束は続きます。

起訴後勾留の被告人の釈放を求めるためには、保釈請求を行う必要があります。
保釈は、我が国では起訴後にだけ認められる手続きで、多くは被告人側が証拠隠滅や逃亡の恐れがないこと・身元引受人がいること・保釈の必要性などを主張し裁判官に保釈を請求します。
裁判官は、担当検察官の意見を踏まえ、被告人の保釈を認めるかどうか判断します。
また、保釈を認める場合、保釈保証金を決めます。

保釈が認められた場合、被告人の家族などが保釈保証金を納付することで釈放されます。
保釈保証金は、被告人が定められた期日に出廷したり制限住居に住んだりといった保釈条件に違反しなければ、全額返金されます。

保釈請求は、被告人やその家族(配偶者、両親・子ども、兄弟姉妹)が行うこともできます。(刑事訴訟法88条1項)
しかし、保釈請求には法律上の要件を満たすこと、逃亡や証拠隠滅の恐れがないこと、保釈の必要性があること、等を積極的に主張していく必要があるため、一般の方では難しいと考えられます。
保釈請求を行う場合、法律の専門家である弁護士に弁護を依頼することをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、刑事事件・少年事件を専門に扱う弁護士事務所です。
当事務所の弁護士はMDMAなどの薬物事案を含めこれまで数多くの刑事事件・少年事件に携わってまいりました。
北海道苫小牧市にて、ご家族がMDMAを所持したことで逮捕・勾留されていて、保釈請求などの弁護活動について知りたいという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご連絡ください。

大麻リキッド所持で執行猶予へ

2021-04-29

大麻リキッド所持で執行猶予へ

大麻リキッドを所持していた場合の罪や捜査と、執行猶予制度について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道滝川市在住のAは、滝川市内の会社に勤める会社員です。
Aは自分で使う目的で、SNSを通じて大麻リキッド(液体大麻)を購入し、電子タバコと同じように吸っていました。
ある日、Aは大麻リキッドが入ったカバンを紛失してしまいました。
数日後、滝川市を管轄する滝川警察署の警察官が自宅に来て、「Aさんの身分証明書等が入ったカバンが届いたが、そこに違法薬物のようなものが入っていた。」と説明し、大麻取締法違反による家宅捜索が行われました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【大麻リキッドの所持について】

我が国の法禁物である大麻は、主としてマリファナ(乾燥大麻)が流通しているようですが、近年は大麻リキッド(液体大麻)の流通量が増えているようです。
2021年1月18日公開のJIJI.COMの記事によると、2019年に東京税関が押収した大麻リキッドは年間約400グラムだったところ、2020年は11月末時点で既に約18キログラムに達したと発表されていました。
大麻リキッドは、電子タバコの普及から吸引が容易になっているようで、特に若者への流通が懸念されています。

大麻リキッドは、マリファナなどと同様大麻取締法に違反するもので、所持しているだけで罪になります。

大麻取締法24条の2第1項 大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、五年以下の懲役に処する。

【薬物捜査の手続き】

まず、薬物事件については、職務質問により発覚する場合の他に、売人の摘発などから芋づる式に発覚する場合、病院関係者からの通報、別の事件での家宅捜索、税関検査などが挙げられます。
では、薬物を所持・使用等していた場合にはどうなるのでしょうか。

まずは、その場で逮捕することが考えられます。
逮捕される場合は、事前に捜査をしていた場合の他に、所持を現認していた場合が挙げられます。
大麻や覚せい剤を所持していた場合、少量のサンプルを用いて簡易検査が行われ、その結果に基づき逮捕を行います。
一方で、使用などにより尿検査を行う場合や、脱法ドラッグ事件の場合、簡易検査では対応できません。
この場合、一先ず各都道府県の科学捜査研究所などにて成分検査などが行われ、その結果をもとに捜査を行います。
結果次第では、後日の通常逮捕も考えられます。
大麻や覚せい剤を所持していた場合は最終的に正式裁判になりますが、脱法ドラッグには罰金刑が用意されているため略式手続で終了することもあります。

【執行猶予について】

正式裁判になった場合、裁判官は最終的に死刑・懲役刑・禁錮刑・罰金刑・拘留・科料及びそれに付随する没取という判決を言い渡します。
このうち罰金刑・科料については財産刑ですが、懲役刑・禁錮刑・拘留については自由刑と呼ばれ、その判決を言い渡された場合には刑事収容施設などに収容され、一定期間自由を失われることになります。
基本的に、判決を言い渡された場合にはその刑に服することになりますが、併せて執行猶予の判決が言い渡された場合にはすぐにその刑に服する必要が無くなります。

執行猶予は、刑法の第四章で各々定められていますが、簡単に申し上げると、3年以下の懲役・3年以下の禁錮・(五十万円以下)の罰金に処された者については、1年から5年の範囲で執行猶予を言い渡すことができます。
但し、執行猶予を言い渡されるためには被告人の情状の問題や前科の問題などが生じ、とりわけ前者については刑事弁護の経験が活きてくるということもございます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
北海道滝川市にて、大麻リキッドを所持していて家宅捜索を受けてしまい執行猶予について知りたいという方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部に御相談ください。
在宅事件の場合、事務所にて無料で御相談いただけます。

大麻を栽培

2021-04-05

大麻を栽培

自宅などで大麻栽培した場合に問題となる罪と弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道札幌市厚別区在住のAは、札幌市厚別区内の会社に勤める会社員です。
Aは手っ取り早い副業を始めようと考えたところ、友人から「大麻栽培をすればよいのではないか」と言われ、SNSを通じて大麻の種子を購入し、インターネットで閲覧した方法で発芽させ、栽培を始めました。
そして、収穫が可能なまでに大麻草を育成させ、収穫してSNS上で販売していました。
ところが、大麻草の独特な臭いが原因で近隣住民に気が付かれ、通報を受けて内偵捜査を行った札幌市厚別区を管轄する札幌方面厚別警察署の警察官は、Aを大麻草を栽培していたことによる大麻取締法違反で逮捕しました。
逮捕の知らせを受けたAの家族は、大麻草を栽培した場合の罪について刑事事件専門の弁護士に質問しました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【大麻について】

当然、違法薬物の一種とされている大麻についてはネガティブなイメージがありますが、歴史的に見ると、重要な役割を果たしてきたと言われています。

大麻は麻とも呼ばれ、茎から丈夫な繊維が取れる植物であるため、我が国では衣服やしめ縄などに乾燥させた麻を使ってきた歴史があります。
また、日常で七味唐辛子を使うという方は多いかと思います。
例えば某長野の有名な七味唐辛子の場合、その成分表示には唐辛子の他に陳皮、胡麻、麻種、紫蘇、山椒、生姜が列挙されいています。
この麻種は麻の実を意味します。
つまり、大麻草になる前段階の種子であることを意味します。
もっとも、七味唐辛子に含まれる麻の実は、後述する大麻取締法の対象外であり、商品として販売している麻の実には発芽しないための処理が施されているそうです。

【大麻の処罰規定について】

そのような事情があるにも拘わらず、なぜ大麻が取締の対象になっているのかというと、大麻に含まれるTHC(テトラ・ヒドロ・カンナビノール)と呼ばれる成分が中枢神経に影響することで、依存症に陥ったり幻覚・幻聴などを引き起こして自傷他害(自分を傷つけたり暴れるなどして他人を傷つけたりする行為。)の恐れが生じる可能性があると言われています。

そこで、大麻取締法では、大麻を「大麻草及びその製品をいう。ただし、大麻草の成熟した茎及びその製品並びに大麻草の種子及びその製品を除く。」と定義し、大麻栽培者等一部を除き、その所持・栽培・譲り受け・譲り渡し・研究や輸入・輸出することを禁止しています。

ケースの場合、大麻栽培者や大麻取扱者の資格がないにも関わらず大麻を栽培したことと、販売(有償で譲り渡し)していることが問題となります。
大麻の栽培については、大麻取締法24条で「大麻を、みだりに、栽培し、本邦若しくは外国に輸入し、又は本邦若しくは外国から輸出した者は、七年以下の懲役に処する。」と定めています。
また、大麻の営利目的での販売については、同法24条の2第1項で「大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、五年以下の懲役に処する。」とし、同2項で「営利の目的で前項の罪を犯した者は、七年以下の懲役に処し、又は情状により七年以下の懲役及び二百万円以下の罰金に処する。」と定めています。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所の弁護士は、大麻取締法違反などの薬物事件についても数多く経験しています。
北海道札幌市厚別区にて、御家族が大麻を栽培してそれを売っていたことにより逮捕・勾留された方がおられましたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部に御連絡ください。
まずは弁護士が初回接見に行き、これまで栽培した量や販売した金額等を確認した上で今後の見通しについて御説明致します。

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