痴漢ではなく不同意わいせつ罪に?

痴漢ではなく不同意わいせつ罪に?

列車内で他人の身体に触れたことで痴漢に該当すると考えていたところ、不同意わいせつ罪で捜査されたという事例を想定して、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が検討致します。

【事例】

北海道小樽市内に住むAさんは、小樽市内の会社に勤める会社員です。
Aさんは事件当日、小樽市内を走行中の函館本線に乗車していたところ、眠っているVさんを見つけました。
Aさんは劣情を催し、眠っているVさんの股間付近を服の上から触り、それでもVさんが起きないことを確認した後、次いで脚を撫でまわしました。
最初に触ってから5分ほど経った後、Vさんは目が覚めてAさんの行為に気付き、駅員に被害申告しました。
その後臨場した小樽警察署の警察官に捜査を受けることになったAさんは、当初は俗にいう痴漢事件で捜査を受けていたものの、車内の防犯カメラの映像等から不同意わいせつ罪の嫌疑に変わりました。

≪ケースはすべてフィクションです。≫

【痴漢について】

公共の場所で他人の尻や脚、胸などを触る行為は、俗に痴漢と呼ばれ各都道府県の定める迷惑行為防止条例に違反します。
ケースの場合、北海道小樽市での痴漢事件を想定していることから、北海道迷惑行為防止条例が問題となります。

北海道迷惑行為防止条例2条の2 何人も、正当な理由がないのに、次に掲げる行為をしてはならない。
1項 公共の場所又は公共の乗物にいる者に対し、著しく羞恥させ、又は不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をすること。
ア 衣服等の上から、又は直接身体に触れること。

【不同意わいせつ罪について】

次に、不同意わいせつ罪について、条文は以下のとおりです。

刑法176条1項 次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、6月以上10年以下の拘禁刑に処する。
 1号~3号 略
4号 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
 以下略

【痴漢と不同意わいせつ罪のどちらに当たるか】

今回事例で想定したAさんの事件の場合、痴漢事件であるとして北海道迷惑行為防止条例違反と評価される場合と、及び不同意わいせつ事件と評価される場合の両方が考えられます。

まず、痴漢については、列車内という公共の乗物の中で被害者の股間付近や脚をさわるという「周知させる方法で」「身体に触れる」行為であることから、痴漢に当たることは間違いないでしょう。
次に不同意わいせつ罪については、被害者が眠っていたことから、「睡眠その他の意識が明瞭でない状態にある」のは間違いないことから、その状態に乗じて「わいせつな行為」にあたる行為をしたのかという点が問題となります。
Aさんの場合、5分間と長時間に亘り股間や脚を触り続けているという内容から、わいせつな行為をしたと評価され、痴漢ではなく不同意わいせつ罪に当たると評価される可能性があります。

もっとも、被害者が眠っていたという状況から、目撃者や車内の防犯カメラの映像が残っていなければ、不同意わいせつ罪での立件は難しいと考えられます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
当事務所では、日々多くの相談が寄せられています。
中には、痴漢不同意わいせつ罪のように、事件の内容を検討した結果ご自身が考えている以上に重い罪に問われるというものもあります。
北海道小樽市にて、痴漢不同意わいせつ罪などの性犯罪事件を起こしてしまい、自身の行為がどのような罪に問われるのか知りたいという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部の弁護士による無料法律相談をご利用ください。

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