北海道江別市の痴漢事件における釈放について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務札幌支部の弁護士が解説します。
【事例】
Aさんは、北海道江別市のショッピングモールに買い物に行った際、同じく買い物中の好みの女性Vさんとすれ違いました。
そこで、Aさんは偶然を装って痴漢をしようと思い、背後を通り抜けるふりをしてVさんのお尻を撫でました。
その様子を他の買い物客に目撃され、Aさんは北海道迷惑防止条例違反(痴漢)の疑いで北海道江別警察署に逮捕されました。
Aさんと接見した弁護士は、勾留を阻止して釈放を目指すことにしました。
(フィクションです。)
【痴漢について】
北海道迷惑防止条例は、公共の場所において、著しく羞恥させ、または不安を覚えるような方法で、他人の身体に触れてはならない旨規定しています。
「痴漢」と呼ばれる行為の多くはこれに当たり、6か月以下の懲役または50万円以下の罰金(常習はそれぞれ1年以下、100万円以下)が科されるおそれがあります。
また、痴漢の内容が悪質な場合、北海道迷惑防止条例違反ではなく強制わいせつ罪に問われる可能性もあります。
「わいせつな行為」の例としては、無理やりキスをする、胸を激しく揉む、膣や肛門に指を入れるといった、痴漢の中でも程度が甚だしいものが挙げられます。
こうした行為を行えば、強制わいせつ罪として6か月以上10年以下の懲役が科されるおそれが出てくるでしょう。
更に、あらかじめ痴漢を目的として公共の場所に立ち入った場合、建造物侵入罪をはじめとする侵入罪が成立する可能性もあります。
公共の場所は通常誰でも自由に立ち入ることができますが、その目的が不当なものであれば「正当な理由」に欠けるとして侵入罪の要件に当てはまります。
法定刑は3年以下の懲役または10万円以下の罰金であり、痴漢の刑罰に加算されるかたちになるため注意が必要です。
以上のように、一口に「痴漢」と言っても、具体的にいかなる罪が成立するかは個々の事案によります。
取調べ対応などの捜査対策も事件ごとに変わってくるので、やはり弁護士にどうすべきか直接聞くことをおすすめします。
【釈放を目指して】
個々の事案によりますが、痴漢事件は比較的罪が軽く、なおかつ事件の内容も単純であることが多いです。
そのため、逮捕を行わずに在宅で捜査したり、仮に逮捕したとしても短期間で釈放したりすることがよくあります。
ですが、そうした運用がどこの捜査機関でも定着しているかというとそういうわけではありません。
刑事事件では、釈放を実現するうえで①逮捕の期限である72時間、②勾留の期限である10日間(延長されれば20日間)、③起訴後という3段階を意識することになります。
捜査機関はそれぞれの期限内に被疑者の身柄拘束を継続すべきか判断することになっており、それに合わせて釈放を目指す弁護士なども動くことになるからです。
先ほど説明したように、逮捕を伴う痴漢事件の多くは上記①のタイミングで釈放されますが、比較的軽微な事案であるにもかかわらずそれが叶わないことがあるのもまた事実です。
そうしたケースでは、弁護士は適宜裁判官や検察官に意見を申し立て、被疑者の身体拘束の継続が妥当でないことを訴えて釈放を目指すことになります。
この釈放に向けた手段は複数のものがあり、いずれが最適かは状況に応じて変化していきます。
一日でも早い釈放を目指すなら、ぜひ弁護士に釈放の実現を依頼することをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部では、刑事事件に特化した弁護士が、釈放に向けた的確な弁護活動に取り組みます。
ご家族などが痴漢をして逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部にご相談ください。