DV事件の弁護活動

DV事件の弁護活動

いわゆるDVをしてしまった場合の罪と、DVでの弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説致します。
【ケース】
北海道江別市在住のAは、江別市内でパートをしています。
Aには夫Vがいますが、昨今の情勢からVはリモートでの勤務が続き、家にいる時間が長くなりました。
そのためイライラが募ったAは、Vに対して殴る蹴るの暴行を繰り返していました。
事件当日、例によってAはVへのDVをしていたところ、我慢が出来なくなったAは台所から包丁を持ち出し、Vに向かって振り回してしまい、包丁がVの下腹部に突き刺さり大量出血するという事件を起こしてしまいました。
我に返ったAが119番通報し、駆け付けた救急隊員によりVは病院に搬送された結果一命を取り留めました。
その後、Aは消防局からの通報を受けて臨場した江別市を管轄する札幌方面江別警察署の警察官により殺人未遂罪で逮捕されました。

≪ケースは全てフィクションです。≫

【DVが刑事事件に】

御案内のとおり、パートナーや配偶者、自分の子どもや要介護の親などの家族に対し、暴力を振るうことをDV(ドメスティック・ヴァイオレンス)と呼びます。
DVはもっぱら自宅で行われるため、密室で発覚する可能性が低いという特徴があります。
DVが発覚する契機としては、被害者による相談や、被害者の診療を行った医師がアザを見つけて通報、騒音で気が付いた近隣住民による通報、被害者が死傷したことで発覚するという場合などが考えられます。

DVは他の暴力事件と同様に、暴行罪や傷害罪で処罰されるます。
ケースの場合、包丁を用いて相手を怪我させているため、暴行罪や傷害罪より重い、以下のような罪に問われる可能性があります。

・暴力行為処罰法違反
包丁などを用いて相手を怪我させた場合、暴力行為等処罰ニ関スル法律(以下、暴力行為処罰法と略します。)に違反します。
条文はカタカナ交じりの文語体で読みづらいのですが、その1条の2で「銃砲又ハ刀剣類ヲ用ヒテ人ノ身体ヲ傷害シタル者ハ一年以上十五年以下ノ懲役ニ処ス」と定められています。
つまり、銃や刃物を使って相手を怪我させた場合には、「1年以上15年以下の懲役に処する。」と定められています。
傷害罪の法定刑は「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」ですので、より重い刑を規定しています。

・殺人未遂罪
DVの状況によっては、殺人未遂罪の適用も考えられます。
殺人未遂罪は殺人罪(罰条は死刑又は無期若しくは5年以上の懲役)の未遂犯処罰規定です。
殺人未遂罪成立のためには、殺意の立証が必要です。
被疑者の取調べでの供述のほか、DVの回数や期間、被害者の怪我の程度などを客観的に判断されます。

【DVでの弁護活動】

DVは、家庭内での問題なので刑事事件という認識が薄い方もおられるようです。
しかし、家庭内だからこそ生じる問題もあります。

たとえば、身柄拘束のための「勾留」という手続きは、証拠隠滅や逃亡の恐れがある場合に行われます。
そのため、釈放を求めるため弁護側は被害者との接触を遮断することが多いのですが、家庭ゆえに接触を遮断することが難しいと言えます。
家族による監督を主張することも多いのですが、その家族が被害者なので、監督は難しいです。
実家などでに転居して両親が監督するという例もありますが、仕事や子育てなどがある方はすぐに引越し・別居することが難しい場合も多いでしょう。

また、家族であるがゆえに、示談書を交わし示談金を支払うなども難しいと言えます。

このように、DV事件は多くの方が想像されている以上に難しい弁護活動が求められるのです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
北海道江別市にて、御家族が包丁などの凶器を用いたDV事件を起こしてしまい暴力行為処罰法などで逮捕されてしまった場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部に御連絡ください。
まずは刑事事件・少年事件を専門とする弁護士が逮捕・勾留されている方の初回接見を行い、DV事件の経緯や行為の確認をした上で見通しや可能な弁護活動についての御報告を致します。

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